【TOK】のスキー教師日記  September 2009

 
September 2009

What's Today ?

NEW
9/30 三枝語録...②
9/29 三枝語録...①
9/28 光り輝く滑り
9/27 三枝兼径
9/26 体力は回復する !!!
9/25 まるで「禅問答」
9/24 “質”を楽しむ生活
9/23 どの様な展開が?
9/20 三年目...終了!!!
9/19 癒しのスキー
9/17 最大の喜び
9/16 癌...という“present”
9/15 お腹一杯で眠る
9/10 “樹”のエネルギー
9/09 ズレに乗る
9/08 最高のとき!!!
9/07 暇になりました...
9/06 “Step by Step”
9/05 謙虚に学ばせてもらう
9/04 “tasting”と感性
9/03 “energy”形態
9/02 “宝物”は至る所に...
9/01 豊かな“感性”


*** これまでの日記***

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2009年5月 No1
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 ☆ Tuesday September 01 2009       雨 ( Queenstown )  


 Lake Hayes 02 Sept.

 9/1の夜から9/2の朝にかけて,ご覧のように
ほんの僅かですが,平地に雪が積もりました。

私の滞在先の Lake Hayes 近くの山も真っ白くなり,
山は完全にチェーンが必要です。

 Coronet Peak では“30センチ”の新雪が積もった
らしいです!!!。また真冬に戻りました!!!

毎日の生活で,“feel in”,“感じる”...ということを前面に出して生活されている方...
“フィーリングスキー”の理解も,上達も早い

  今日,9/1は Day Off をいただきました。
  マ,山に上っても直ぐリフトが止まってしまって,Close状態でしたので,レッスンは無かったと思いますが...。
  その Day Off の理由...それは,「ギックリ腰」状態のためです。多分筋肉疲労だと思うのですが...。実は8/30の雨中のレッスンで,身体が相当冷えてしまいました。flatに帰って風呂に入ったりしたのですが完全に疲労が取れていなかったみたいです。翌日8/30のレッスン...背中や腰に筋肉の張りがあるのを承知でレッスンしました。そして,その夜...次第に腰周辺がこわ張っていくのを感じました。
  で...今朝,元気には起きれません。なんとか回りの壁や手すりにつかまって起き上がる始末...。これではレッスンは無理...そう判断してスクールに電話しました。一日で回復する見込みは少ないので水曜日も Day Off をお願いしました。これで通常の Day Off と合わせ,四日間の休暇が取れますので...。

  ...ということで,今日は“静かに”一日を過ごした“TOK”でした。
  静かに...過ごした“TOK”ですが,皆さんにこの秋の「オフ会」についてのご案内をしなさい...と“Something Great”から指示がありました。(^ー^) なので,今日はそのお知らせです。

  実はコチラでレッスンをするようになって3年目になりましたが,今年ほど生徒さんの“感性”ということについて強く思ったことはありません。特に“フィーリングスキー”で「雪からの情報を感じ取る」...つまり“feel in”する,ということに意識を集中して滑ると,生徒さんのこの“感性”の違いが技術向上と大きな関係があることに気付きます。
  この“感性”...なにもスキーをする時だけの“感性”にとどまらず,日常生活においてその方がどの様な過ごし方をされているか?...まで見えて来てしまうのです。どの様な音楽を聴き,どんなワインを楽しみ,瞬間しゅんかんのその空間を如何に楽しんでおられるか?...といったことまで“観えて来る”気がします。
  つまり人間が持っている視覚,聴覚,味覚,触覚,嗅覚の五感...これを日常どの様に「研ぎ澄まして」使っているか?...ということです。最近はこれに加えてインスピレーション,虫の知らせ...などある種のエネルギーを感じる能力...“感知覚”という感覚がある気がしていますが...。
  いずれにしても,
毎日の生活で,“feel in”,“感じる”...ということを前面に出して生活されている方は“フィーリングスキー”の理解も,上達も早いのです。もちろん早ければ良い...ということではありませんが...。でも,もし私達の毎日の生活が「豊かな“感性”」に囲まれていたとしたら,それだけでなんと素晴らしいことではないでしょうか!!!。

  今回秋のオフ会で“Kiyo”さんの“書”を皆さんとご一緒に拝見しましょう!!!...と思い立ったのも,多くのスキーレッスンを通して,「“感性”の豊かな人ほど人生をより楽しんで居られる」...ということを学ばせていただいたからです。
  
  この春,奈良の“Kiyo”さん宅にお邪魔した時に,たくさんの“書”を見る機会に恵まれました。もちろん他人に見せるために書かれたものではないので,全ての“書”が綺麗に装丁されていたわけではありません。でも,その一枚いちまいに“TOK”は何か不思議なエネルギーを感じ,見入ってしまったのです。
  これまでも“書”や“絵”を見る機会はたくさんありました。そしてその度に,「どこと無く“TOK”を惹きつけるエネルギーを持ったものは無いナァー」...という気がしていました。たしかに綺麗でバランスは取れていて,色使いも鮮やか...。でも肝心のエネルギーが少ない...という気がしていました。
  “書”や“絵”にエネルギーを感じ惹きつけられるのも,書き手と見る側...互いのエネルギーが同調し,協和音が出るようでないとダメなのかもしれませんから,“TOK”がエネルギーを感じたからといって,皆さんも同じように感じられるとは限りません。そのことを承知の上で,ぜひ皆さんに“Kiyo”さんの“書”を一度ご覧頂きたいのです。
  “TOK”がどの様に感じ,どの様に心が穏やかになって行ったか?...それは当日会場で皆さんにお話したいと思います。“スキー”...特に「“フィーリングスキー”とは切っても切れない心の持ち方の大切さ」が観えて来る...そう信じております。(^ ^)(^I^)

  「秋のオフ会」...申込締切は,9/27になっておりますが,幹事さんの都合もあると思いますので,参加を考えられておられる方は,早めに連絡してあげてください。

  それでは,当日奈良でお会いできるのを楽しみに!!! シーハイル !!! Schi Heil !!!

 


 ☆ Wednesday September 02 2009       晴れ ( Queenstown )  


 Lake Hayes 03 Sept.

 9/3の朝...
東の空がご覧のような「朝焼け」になりました。

夏至の頃に比べると
光の感じが幾分柔らかくなった気がします。

あの,夏至の頃の燃えるようなモルゲンロートは
最近出会えません。

でも,美しいです!!!。(^ ^)(^I^)

どのような雪であっても,その雪を“在るがまま”に感じ入れようとする人は大成する!!!

  今日,9/2も Day Off をいただきました。(-_-;)
  多くの皆さんから,お見舞いの e-mail や電話をいただきました。ありがとうございます !!! (^I^)。 おかげさまで,腰の調子はだいぶ良くなり,靴下を履くのにかがめるまでになりました。(^ー^)
  この分だと,もう数日で“スキー”OK !!!だと思います。(*^^)v

  さて,昨日の日記で“感性”のことについてお話しました。
  そして,何人かの方から,このことについてコメントをいただきました。ありがとうございます !!! (^I^) 
  皆さんのコメントの要旨はほとんど同じで,『豊かな感性を備えられたら...どんなに素晴らしいでしょう...』というものでした。私は思うのですが,この“感性”を養うのに特別の能力とか,時間は必要無いと思うのです。どこに居ても,何をしていてもこの“感性”は磨けます。心掛けというか,心の持ち様ひとつです。
  例えば電車に乗っていて,隣に見知らぬ人が立っていたとします。じろじろ見るのは避けなければイケマセンが,この人の足元を見てみましょう。つま先が左右にだらしなく別れ,かかと付近だけに体重が乗って下半身がだるそうに立って居るでしょうか?それとも,足裏全体でしっかりと電車の床を捕らえ,足元が引き締まって脚全体がピシッとして立っているでしょうか? これだけのことを“観”そして“感じる”だけで,あなたの“感性”は磨かれているのです。そこに在るものを“在るがまま”に観よう...とすることができているからです。
  “感性”を磨く,あるいは養うのに,その対象が“美しいもの”である必要はありません。もちろん美しいに越したことはありませんが,大切なことは「“在りのまま”を“在りのまま”観る心」なのです。視覚,聴覚,味覚,触覚,嗅覚の五感全部を使って,あるいは第六感の“感知覚”を使って,対象物が発している“energy”を自分の身体で“感じ入れる”ことなのです。その時,「良し・悪し」や「奇麗・汚い」などの判断をしないことです。その様な「価値判断」を対象物に対してしてしまうと,自分がこれまで持っていた“殻”が破れないのです。たとえ「悪く」見えるものも,「汚く」見えるものも,それをそのまま自分の心に受け容れることが大切です。すると,自分が今まで持っていたエネルギーが,対象物のエネルギーと「共振作用」もしくは「共鳴作用」を起こし,「新しいエネルギーが生まれている」...ということに気付くに違いありません。言葉をかえて言うと,「自分がこれまで意識できなかった“違い”に気付けた」...と言うこともできます。
  多くの人はバリアーを作って,気に入らないエネルギーを拒否しようとします。でもそれでは,いつまで経っても新しい自分を発見することはできません。「新しい自分」は“在るがまま”を“在るがまま”に受け容れることで顕現するのです。

  なにか偉そうなことを今日の“TOK”は述べていますが,今年 New Zealand でスキーレッスンをさせていただいていて,「
どのような雪であっても,その雪を“在るがまま”に感じ入れようとする人は大成する!!!」...ということを毎日のように経験させてもらっています。...このことがベースになっての発言なのです。
  「この雪は以前経験したヨ !!!」...などと,ある意味で思い上がって滑っていたのでは,自然からの素晴らしいプレゼントに気付かないで終わってしまいます。雪の大自然に“Something Great”がプレゼントとして隠しておいてくれた“treasure(宝物)”に気付かずに,シーズンを終えてしまう...ということです。

  ...ということで,今日のテーマは,“感性”を磨くことは日常生活至るところで可能だ...ということでした。
“宝物”は至る所に...在るのです。(^ー^)
  ところで,この八月上旬...“Aoki”さんが Coronet Peak にお越しになり,“TOK”のレッスンを受講してくれました。そのときの“映像”(1.8MB)がありますので,それを今日は皆さんに披瀝したいと思います。その目的は...「“Aoki”さんのこの映像からあなたは何を感じ,共振・共鳴することができましたか? もしできたら,どんな新しいエネルギーを自らのものとしてつくれましたか?」...ということです。つまり,あなたの感性磨きの“磨き粉”として使って欲しい...という訳です。(^ー^) 
  上記質問の答え(もちろん御自分なりのものです)が出てきた人は,ぜひ“TOK”まで e-mail でお知らせください。この日記上での紹介を望まない人はその由お書きください。
  
  シーハイル !!! Schi Heil !!! 
 


 ☆ Thursday September 03 2009       晴れ ( Queenstown )  


 Lake Hayes 04 Sept.

 9/4...早起きして,近くの“ Lake Hayes ”まで行って来ました。行っただけの価値はありました。

湖面はやや波が立っていて,鏡の様...という訳にはいきませんでしたが...。
 Lake Hayes から Cecil Peak を覗いたものです。
この様な“美しい世界”に生きていられることの幸せを感じ,感謝して来ました。(*^^)v

大切なことは「“対象物”のあら探し」ではなく
“対象物”の「“エネルギー”をもらうこと」,「“エネルギー”に気付くこと」

  昨日も Day Off でした。これで三日間,ゆっくり静養し身体を休めましたので,「ギックリ腰」状態も完治状態近くまでになりました。(^ ^)(^I^) いろいろご心配いただき,ありがとうございました。おかげさまで土曜日のレッスンから復帰できそうです。

  さて昨日,「教師日記」の流れで,皆さんにご質問を投げかけました。“Aoki”さんの“映像”(1.8MB)をご覧になって「“Aoki”さんの映像からあなたは何を感じ,そして共振・共鳴することができましたか? もしできたら,どんな新しいエネルギーを自らのものとしてつくれましたか?」...という質問です。ご自身の“感性”磨きのひとつの磨き粉として使って欲しい...という意図でした。

  “MASA”さん,“Ko”さんお二人の方から e-mail をいただきましたので,紹介させていただきます。

  先ず,“MASA”さんからは次の様なコメントをいただきました。
『 今回の課題、Aokiさんの滑りを見て、自分なりに感じた事を率直に書きます。 
 ① ちょっと粗踏みの状況だが、新雪で楽しそう。 自分も滑りたいなあ。
 ② あまりこんな状況では滑ってないようで、転ばないようにと慎重に滑ってるなあ。
 ③ スキー板を動かそうとしても動かないので、自然落下に任せてターンしようとしてるなあ。
 ④ でも一般女性にしては(もしかして違う?)安定した滑りで上手いなあ。
 ⑤ おそらく何度も色んなスキーレッスンを受講して来てるんだろうなあ。
 ⑥ 夏にNZまで滑りに来るぐらいだから、相当スキーにハマってるんだろうなあ。(自分もか)
 ⑦ こんな方と一緒に滑って見たいなあ。 (何か不思議なオーラを感じます)
  以上 答えになってないかも知れませんが、自分なりに率直に感じた事です。』


  続いて,“Ko”さんからは...
『 Aokiさんの滑りを観て感じたこと。
  Do ski ではなく、Let ski の見本そのものに思いました。 新雪で粗雪にも関わらず全身の力は抜け自重の重力だけで、ポジションを気持ち踵寄りにして谷回りを少し長め(落差をとり)そして水面フラットでS字ターン弧を描きながら … 見事な素晴らしい滑りだと思います。』

  お二人ともありがとうございました。
  云うまでもありませんが,設問が「何を感じましたか?」,「共振・共鳴できましたか?」,「新しい“energy”を作れましたか?」...ということですので,滑りを見て,それが正しいとか正しくない,理にかなっている,かなっていない...ということを検討することが目的ではありません。“Aoki”さんの滑りをご覧になって,「ナニを感じ,どのようにご自分の身体が反応したか?」...ということを探ることです。
  お二人も“感じた”こと,“Aoki”さんの滑りから感じられた“energy”(そこに在って自分に訴え掛けてくるもの)を率直に述べられておられますが,大切なことは「“対象物”のあら探し」ではなく,「“対象物”の“エネルギー”をもらう,あるいは気付くこと」...なのです。
滑りそのもの”を,そこから発せられている“滑りのenergy形態”として見極める能力こそが大事...と言っていいかもしれません。ひとつの対象物のエネルギーを貰ったということ,あるいは気付いたということは,人による程度の差はあれ,自分自身のひとつの新しい“感性”に気付いた...ということだと云っていいと思います。

  “MASA”さんは具体的に七つの項目に別けてエネルギーを感じられました。一方“Ko”さんは,結果的に表われた事がらについても言及されていますが,総体としては,「在るがままを在るがままに...」という“Let Ski”そのものが有している特性について“energy”を貰われたようです。(*^^)v

  長くなりますので,この続きはまた明日...ということにさせていただきたいと思います。
  では...シーハイル !!! Schi Heil !!!
  


 ☆ Friday September 04 2009       晴れ ( Queenstown )  


Frankton  04 Sept.

今日も Queenstown はイイ天気でした!!!。
写真は空港近くの“Frankton”から撮ったものです。
 Coronet Peak も Remarkables も,
今年一番...というほどの積雪があり
多くのスキーヤーやボーダーが
「新雪」を楽しんだようです。

かく云う“TOK”は「ギックリ腰」状況から脱却すべく
今日もおとなしくしていました...。(-_-;)

①「対象物から感じられる“energy”(雰囲気や所作動作)」

②「従来の自分が持っていた“energy”(イメージや意識)」

③「新しい自分なりの“energyの目覚め”(新しい感性の気付き)」

  今日は昨日の続きで,「“Aoki”さんの映像からあなたは何を感じ,そして共振・共鳴することができましたか? もしできたら,どんな新しいエネルギーを自らのものとしてつくれましたか?」...という話の続きです。

  昨日の説明...少し解りづらかったと思いますので,例を“Wine Tasting”に置き換えて説明したいと思います。実はこの説明...レッスンでよく使っています...。ハッハハハ...(^ー^)
  “Wine Tasting”...日本語ですと,「ワインの試飲」ということになると思いますが,いろいろなワインの味ききをする...ということです。いろいろなワインを小さな“tasting”用のグラスに入れ,それを少しづつ味見するわけです。もちろん同じワインではなく産地や作られた年も違いますし,ブドーそのものも違ったりして,ワインの好きな方には堪えられないものです。この“tasting”...どれが良くてどれが悪い...というランクをつける目的の場合もありますが,私達が行なうのは,「自分に合ったワインを選ぶ...」ということの方がメインです。
  ですから,ある人が「美味しいワインだ!!!」...と言っても,別の人にとっては,「それほどでも...」ということも大いにあるわけです。どうしてそうなるか?...と云えば,同じワインでもそれを味見する人の舌の感性が違ったり,味の好き嫌いがあったりするからです。これを言葉を少し換えて言えば,『ワインは同じ“energy”を持っていますが,味見をする人の“energy”は人それぞれで違います。ですから試飲する人に表われる反応としての“energy”...味の評価も違ってくる』...ということができます。
  実は私達が自分の“感性”を磨くときも,これと似た現象が起こっています。「“ワイン”のあら探し」ではなく,「“ワイン”の“エネルギー”をもらう」...これに専念すると,他人に影響されない自分自身のワインが見つかります。ワインの“energy”を受けて,自分自身の“energy”が反応し,自分にとっての新しい味としての“energy”が発見できるのです。これが新しい“気付き”で,新しい“感性”が開花された...と言っていいものです。
    これをまとめる形で図式にすると...①「対象物から感じられる“energy”(雰囲気や所作動作)」+②「従来の自分が持っていた“energy”(イメージや意識)」⇒③「新しい自分なりの“energyの目覚め”(新しい感性の気付き)」...という風になります。

  このような視点で,お二人のコメントを拝見すると...例えば,“MASA”さんは...


対象物から感じられる“energy”
(雰囲気や所作動作)」


従来の自分が持っていた“energy”
(イメージや意識)


新しい自分なりの“energy
の目覚め”
(新しい感性の気付き)

新雪で楽しそう 粗踏みの状況だが 自分も滑りたいなあ。
慎重に滑ってる 転ばないように 自分も気をつけよう...という意識の芽生え
“Aoki”さんのすべり映像全体から... スキー板を動かそうとしても動かない 自然落下に任せてターンしよう
一般女性にしては上手い 女性はもっとおとなしいはず... 女性の方でもあれだけ滑れるんだから...自分も...
“Aoki”さんのすべり映像全体から... 色んなスキーレッスンを受講して来てる... レッスンを受けようとする意識の芽生え...あるいは羨望
夏にNZまで滑りに来るぐらい 相当スキーにハマってる 自分もか
“Aoki”さんのすべり映像全体から... “MASA”さんがこれまで思っていた滑りとの比較をして... 一緒に滑って見たい。
不思議なオーラを感じる

 ...という風に観ることができます。紫色の字の所は“MASA”さんのコメントそのものです。普通の色の字の所は“TOK”が挿入したコメントです。“MASA”さんのコメントをそのままこの表に当てはめようとしたので,少々無理なところはありますが,だいたいのところは掴んでいただけると思います。

  続いて,“Ko”さんは...


対象物から感じられる“energy”
(雰囲気や所作動作)」


従来の自分が持っていた“energy”
(イメージや意識)


新しい自分なりの“energy
の目覚め”
(新しい感性の気付き)

全身の力は抜け自重の重力だけ 新雪で粗雪にも関わらず...
落差をとり...


従来“Ko”さんが抱いていた“フィーリングスキー”の“Let Ski”要素で顕著に現れる所作動作(との比較)
見事な素晴らしい滑りだと思います。
Do ski ではなく、Let ski の見本そのもの...


“Aoki”さんの滑りの“energy”を感じることで...“Ko”さんの滑りのイメージの中で,その質的変化が起こっている。
 次回雪上で滑る時は,確実にこの影響を受けた滑りが顕現すると思います。(^ー^)
ポジションを気持ち踵寄りにして
谷回りを少し長めに
水面フラット
S字ターン弧を描き

 ...という風になると思います。

  皆さんも,“Aoki”さんの
映像を見ながら,上のような表を作ってそこに自分が感じたことを入れていけば,「③新しい自分なりの“energyの目覚め”」に出会えると思います。お時間が許せばやってみたら面白いと思います。

  さて,“TOK”自身は“Aoki”さんの滑りを見て,どんな風に新しい気付きを得たのか?。皆さんも興味があるところだと思いますので,明日番外編で「教師日記」上で紹介したいと思います。 !(^^)!(*^^)v

  シーハイル !!! Schi Heil !!!
 


  

 ☆ Saturday September 05 2009       晴れ ( Coronet Peak )  


Coronet Peak 05 Sept.

  写真は今日,5日の朝の Coronet Peak です。

 朝8:10...人工降雪機が活躍していました。先日降った雪のおかげもありますが,この様な降雪作業のおかげで今 Coronet Peak はシーズン最盛期並の最高な雪質でのスキー滑走が可能です。 !(^^)!(*^^)v

 それにしても,この様な雪が再度訪れてくれるとは...誰が想像したでしょうか?

 「教えることは学ぶこと」...という,格言どおり

  昨日...“TOK”自身は“Aoki”さんの滑りを見て,どんな風に新しい気付きを得たのか?。皆さんも興味があるところだと思いますので,明日番外編で「教師日記」上で紹介したいと思います...と書きました。なので,今日は先ずそれから始めましょう...。(^ー^) “Aoki”さんにレッスンさせていただきながら,そしてその時撮影した映像から,“TOK”自身も何かを感じ,そして共振・共鳴することがあるのです。そして新しいエネルギーを自らのものとして作ることができるのです。「教えることは学ぶこと」...という,格言どおりですネ !!!。(*^^)v
  “TOK”の新しい感性の気付きは...


対象物から感じられる“energy”
(雰囲気や所作動作)」


従来の自分が持っていた“energy”
(イメージや意識)


新しい自分なりの“energy
の目覚め”
(新しい感性の気付き)

“Aoki”さんの“energy”が“TOK”に気付かせてくれたもの...

落差が取れてる... ターン弧を急ぎ過ぎる時がある 慌てず,騒がず...顕現するものを楽しむ心を持ちなさい,“TOK”
谷回りが大きい... “TOK”も大きいと思ったけど...“Aoki”さんも,大きいネ !!!。 “TOK”...上には上が...。これでOK !!!...と満足してはいけません
身体とスキーが一体となって移動している... 雪の力を貰う意識があれば,一体となった移動は可能だけれど... 映像で,これだけ「自由感」溢れる演技ができるんだ!!! 素ッ晴らしい !!!
コセコセした感じが無い... “TOK”もかなり自信あるけど...。“Aoki”さんも,かなりなもんだ!!! こうやろう...とか,ああしょう...という思いが無いでしょう?。
在るがままを楽しむことが大事だよ!!!“TOK”
女性っぽくないネ !!!。
かなり積極的な攻めの姿勢がある!!!
積極的に攻める姿勢...“TOK”少し少なかったかな? レッスンをしていると,まとまった滑りをしようとしがちだから,それを乗り越えるような積極的な気持ちを持ちなさい!!!

  ...ということで,③に挙げた様な新しい気付きに恵まれました。
  こうやって見てくると,人はどのような場面にあっても,境遇に居ても,そこから「学ばせていただくこと」にこと欠かない...ということが解ります。いろいろなものごとから,
謙虚に学ばせてもらう...という姿勢の大切さを思った“TOK”でした。(^ ^)(^I^)

  今日の,第一部はこれにて閉廷...。ハッハハハ...(^ー^) シーハイル !!! Schi Heil !!!

          ******************************          

  これから,9/5の第二部の始まりです!!!。(^ー^)
  今日は五日振りにレッスンをさせていただきました。やっぱり「スキー指導」をさせていただいている時の“TOK”がイチバン!!!...そう思いました。ハッハハハ...(^ー^)

①: Private

 Name : “Tom”さん“Pony”さんご夫妻
Time : 9:20-10:20 Level : 3a 人数 : 2 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”
解説及び感想.:  今日の“Early-Bird”は“Tom”さん“Pony”さんご夫妻でした。中国系の方で,シンガポールにお住まいだとのことでした。
 滑りを拝見すると,素直な滑りですが,どこと無く不安げにスキーをされています。身体にこのような「不安感」が漂う滑りをされる方の多くは,“雪面コンタクト”に意識がいっていない方々です。そこで“オレンジ・ターン”の出番となりました。
 今朝のお二人にもおのオレンジが効きました!!!。「自分からスキーを操作しようという気持ちが無くとも,雪がターンさせてくれるから,任せていればいい...」ということに気付くと,滑りがどんどん変わって行くのです。
 “オレンジ・ターン”で整地での基本練習が終わった後は,“Big Easy”コースのいろいろなバリエーションの所にお連れしました。ただ単に整地だけだと,本当のスキーの面白さは体験していただけないからです。簡単なオフピステ...ということです。お二人はこの体験を,「こんな場所を滑ったのは初めて!!!」...ととても喜ばれました。
 そしてレッスンの最後には“Lower M1”を,安定したスキーイングで滑り降りました。全身から滲み出る“安心感”みたいなものを感じた“TOK”でした。
 良かったよかった!!! イエェーーイ!!! (*^^)v

  10:30からのグループレッスンは“2b”担当でした。

②:am Work Shop

 グループレッスン “2b”
Time : 10:20-12:20 Level : 2b 人数 :7 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”
解説及び感想.:  今日のグループレッスンは“2b”で,7名の方が生徒さんでした。
 今日の Coronet Peak ...本当にシーズン最盛期の雪質で,このクラスの方々もどんどんうまくなって行きました。そのレッスンテーマは“オレンジ・ターン”でした。
 “フィーリングスキー”は力が要らない...ということが,体力任せでスキーを押しまわそうとする男性諸君以外には,本当に効果があるのです。むしろその様な方がレッスンに置いてけぼりを食う羽目になります。(-_-;) 体力にそれほど恵まれていない方々の方がどんどん変わって行ってしまい,見ていて可哀想なくらいです。(-_-;) 今日の午前の方々も,中にお二人の男性が居られましたが,その方々より年配の女性がどんどん変わって行かれたのでした!!!。(*^^)v
 まだスキー経験は浅いだろうナァー...と想像できる方でも,ターンを始めるとピシッと決まり始めるのですから,少し唖然とします。
 結局“Magic Carpet①”を三本,“Magic Carpet②”を三本滑った後は,皆さんを“Meadows Chair”にお連れすることになりました。皆さん,大喜びです。今日午前でそんなに上達するとは皆さん思っても居ませんでしたから,自分の変化に自分でビックリしているのです。
 7人全員...夢見心地の表情をされながら“Big Easy”を滑り切りました!!!。素ッ晴らしい !!!。

  グループレッスンから帰ってくると Supervisor の“Dougie”が,ニコニコして...“Tok, request private lesson from 1:00 pm”と...。30分で急いでランチを食べレッスンに向かいました。すると,指名してくれたのは今日“Early-Bird”でご一緒させていただいた“Tom”さん“Pony”さんご夫妻でした。

①: RQ Private

 Name : “Tom”さん“Pony”さんご夫妻
Time : 13:00-14:00 Level : 3b 人数 : 2 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”+“Drink Juice Turn”
解説及び感想.:  今朝“Early-Bird”で一緒に滑った“Tom”さん“Pony”さんご夫妻の,「“オレンジ・ターン”が気に入った!!!」...ということでのご指名でした。(^ ^)(^I^) レッスンが気に入られてのリクエスト...ホントに嬉しいです!!! イエェーーイ!!!

 “Lower M1”は,“Early-Bird”ですでに滑っていますが,“Drink Juice Turn”の基本練習をしながら二本ほど滑りました。その後“Express Chair”で Coronet Peak の頂上まで行き,“The M1”に挑戦です。
 話をお聞きすると,「二,三本すでにこのコースを滑ったことはあるが,コントロールが効かず,大変だった!!!」...ということでした。
 そこで,「では,“オレンジ・ターン”をやり“Drink Juice Turn”を練習した後ではどうでしょう???」...ということで,その成果を試すことにしました。
 お二人ともどんどん付いて来られます。むしろ旦那さんの“Tom”さんが,力任せになることがあり,バランスを崩していましたが,奥さんの“Pony”さんは安定した滑りそのものです!!!。“感じるスキー”で脚の緊張もほとんど無く,疲れない!!!...とのことでした。
 「次回はノンストップで頂上から下のレストハウスまで滑りましょう!!!」...と約束してお別れしました。お二人には本当に喜んでいただけ,幸せ気分一杯の“TOK”でした。 シーハイル !!! Schi Heil !!!

  14:00にラインアップに戻ると,今日の午後のグループレッスンはオ・ヤ・ス・ミ…ということでした。なので,ゆっくりお茶タイムを過ごした“TOK”でした。
  今日もプライベートレッスン,グループレッスンをとおして,9名の方々とお逢いできました。こうやってここ Coronet Peak でお会いする宿命にあった...そんなことを思いながらのレッスンでした。期せずしてお会いできた...というより,スキーレッスンでこのような形で出逢うことが予め決まっていた...そんな気がするのです。それだけにレッスンのワンシーン,ワンシーンを大切にさせていただきました。
  9名の皆さん!!!...ありがとうございました!!! シーハイル !!! Schi Heil !!!
 

  


 ☆ Sunday September 06 2009       晴れ ( Coronet Peak )  


 Queenstown 06 Sept.

  今日の写真は,flatから西の空を撮ったものです。
  なんの変哲も無い夕焼け前のヒトコマ...と言ってしまえばそれまでですが...
 “TOK”はどことなく“神々しさ”を感じました。自分の身体の中に,何か新鮮な“energy”が入って来て,元気をもらえました!!! イエェーーイ!!!

 基本からしっかり積み重ねて行く事の大切さを思った“TOK”

  今日は日曜日...。昨日スクールからの帰り際に Supervisor の“Dougie”が,「“TOK”...腰の調子おかしかったら,明日 Day Off とっていいよ!!!...明日は暇そうだから...」と言います。私の身体のことを気遣ってのことなのですが,“TOK”の体調ははもうOK !!!。なので,「ありがとう!!! “Something Great”の意向で...ネ !!!」...と答えてスクールを後にしたのでした。
  ...というわけで,案の定,今日は日曜日ですが,ゲレンデも閑散としています。雪質が結構良く,天気もまずまずなのに,どうしたんでしょうね? ハッハハハ...(^ー^)

  その中,“Early-Bird”のレッスンがありました。

①: Private

 Name : “Dave”さん“Dasy”さんご夫妻
Time : 9:20-10:20 Level : 2a 人数 : 2 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”
解説及び感想.:  今日の“Early-Bird”はAustraliaからお越しの“Dave”さん“Dasy”さんご夫妻でした。
 “Dave”さんはかなり滑れますが,奥さんの“Dasy”さんはプルークボーゲンがまだおできになりません。でも以前“Big Easy”をなんとか転びながらだけれど降りたことがある...と仰います。
 それでは...ということで,先ず“Meadows Chair”で上まで上りました。リフトも転倒などなく,スムーズに降りられたのですが...。その後が大変!!!...でした。斜面を降り始めた途端,身体が萎縮し思い通りに行かないのです。生徒さんの身体を前から支えてターンしていると良く解るのですが,精神的な恐怖心,不安感が先に立ってしまうのです。“TOK”が前に居る時はまるで別人のように安心し切ってターンして来られるのですが,少し距離を置いてご自分で滑ってもらうようにすると,途端に人が変わってしまいます。
 これは,以前経験した「怖い」と感じたことが,その元になっています。こういう方は,先ず本当に優しい斜面に戻って一からやり直すことが大切です。

 ...ということで,“Magic Carpet①”で基本練習をすることにしました。オレンジを意識してプルークファーレンから...。これはうまく行きました。
 次はターンです。左ターンはOK !!!でしたが,右ターンがどうしても結果を先追いしてしまいます。オレンジから意識が遠のき,結果としてターンした後のことを求めすぎてしまうのです。身体が右側に傾き,左スキーが雪面抵抗を受け続けることができません...。30分ほどかけてこれをじっくり練習しましたが,先の悪しき経験が頭をもたげてしまいます。

 “Dasy”さんのような例はほとんど無いのですが,年に一,二度あります。
 やはり,基本からしっかり積み重ねて行く事の大切さを思った“TOK”でした。
“step by step”の大事さです。
 “Dasy”さん...うまくさせてあげられなくて...ゴメンなさいネ !!!。(-_-;)

  10:30からのグループレッスン...今日は“pool”で,待機組でした。でも,この待機組...約20人近く居ます。若いInstructor達の中には,flat費用や帰りの航空券など,経済的に余裕の無い人も居ます。“TOK”が余裕がある...と云うことではありませんが,ここは身を引き,若い人たちにレッスンを回してあげることが最善...。そう判断しました。なので Supervisor “Dougie”に,「“TOK”はやりたいことがあるから...」と話し,待機組みから離れました。
  結局,昼も,午後もレッスン担当の機会は無く,2時ころには帰路に付きました。
  明日からは,ノートパソコン持って行って,山で仕事しよう...っと。ハッハハハ...(^ー^)


 ☆ Monday September 07 2009       曇り ( Coronet Peak )  


  Coronet Peak  07 Sept.

 今日の写真... Coronet Peak のレストハウスの中の“Cafe”です。

 この場所は“TOK”のお気に入りの場所...朝早くここで“瞑想”したり,一日のプランを練ったり...
 今日はこの場所で,2010シーズンの基本構想を練りました。(^ ^)(^I^)

 今日は自分自身のために Coronet Peak に上がったようなもの...

  月曜日の今日も...残念ながら,レッスンはあまりありませんでした。暇になりました... (-_-;)
  9月になって,Australia や New Zealand の人も「スキーシーズン」は over と思っている方が多いのかもしれませんネ !!!。でも,これから...が本当に楽しい時期なのですが...。(^ ^)(^I^)
  ...ということで,“Early-Bird”も私のところまでは回ってくるだけの申し込みが無く,フリーでした。
  午前のグループレッスンも,午後も,若い教師にレッスン機会を譲ることにしました。昨日のこともありましたので,この様なことは予測できましたから,ノートパソコンを山に持って来ていました。そこで,レッスンが無いのを幸い,2010年の日本でのスキー指導の基本計画を練ることにしました。

  まだまだ“フィーリングスキー”...認知を受けていませんが,“TOK”の感触では,この様な考え方でのスキー指導が広がれば,単なるウインタースポーツで終わることなく,精神的に人間を磨き,「生きていることに感謝し,互いに愛することができるような生き方」...これが実践できるような“スキー指導”につながる,と思っています。夢物語ではなく,確実にそうなると...。
  おかげさまに,日本だけでなく New Zealand でもスキー指導の経験を積むことができ,“スキー”の持つ“energy”を身を持って感じています。ある人が,「“Snow”そのものの持つ魅力」...という風に仰っていましたが,それもあると思います。そして,その“雪”に人間が持つ“energy”が反応し,新しいナニか...“energy”をヒトは感じるのだと思います。
  私たちFSSが目指しているのはその方向です。ただスキー技術をお教えする...というだけではありません。でも,これが簡単に一筋縄で行くとは思っていません。多くの困難や試練が待っていることは百も承知です。でも,“TOK”は命尽きるまで,この作業を続けるつもりです。多分,私の命が尽きても,後ろに続く若い戦士達が,この道を切り開いてくれると信じています。 !(^^)!(*^^)v

  ...という様なことを思いながら,今日は Coronet Peak のレストハウスでパソコンに向かっていました。

  でも,午後...。2時の時点でレッスンが無い,と分かった時,フリー滑走をしよう!!!...そう思いました。レッスンをさせていただいている時は,もちろん雪とのコミュニケーションを楽しんでいますが,レッスンが無いとそれが無いので,どことなくフラストレーションが...。
  丁度“Tommy”もレッスンが無く,一緒に滑ることにしました。でも,一緒に滑っているとどうしても“フィーリングスキー”を伝えたくなります。“Tommy”が新“知応ターン”に興味があったので,今日はそれを伝授することにしました。さすが Coronet Peak の教師だけあって,新“知応ターン”のコツを少しづつ飲み込まれていきました。丁度ビデオも持参してありましたので,その様子を撮影しました。機会がありましたらご紹介したいと思います。(^ー^)。

  ...ということで,今日は自分自身のために Coronet Peak に上がったようなものでした。ハッハハハ...(^ー^)  シーハイル !!! Schi Heil !!!


 ☆ Tuesday September 08 2009    晴れときどき曇り ( Coronet Peak )  


  Coronet Peak  08 Sept.

 朝,Coronet Peak に着いたら,西の空に「虹」が掛かりました。
 New Zealand は日本に比べ,虹の出方が多いように思います。しかも二重の虹が結構あります。これも空中のチリやゴミの影響を受けているんでしょうか...。
 New Zealand に居ると「地球環境」の事を考える機会が多くなります。経済最優先の今の生き方を,深く反省させられます...。(-_-;)

 オレンジの柔らかさを“感じる”...というのがポイント

  火曜日の今日も...スキー場に人の数が多くありません。日本の正月明けのゲレンデ状態です。これでは,いくら Coronet Peak といえど,レッスンが多くあるはずがありません。いつもなら,自分のリクエストプライベートを毎日のように持っていて,“Early-Bird”のラインアプには姿を見せないような,“priority”の高いベテランも,ここ数日は Supervisor の指示を待っています。ですから“TOK”の“priority”では残念ながら,朝のレッスンはありません。なので,10:30まではデスクワークをこなしました。(^ー^)
  で,今日のグループレッスンは“2a”の担当でした。

①:am Work Shop

 グループレッスン “2a”
Time : 10:20-12:20 Level : 2a 人数 : 7 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”
解説及び感想.:  今日は“2a”クラスでしたから,まだプルークボーゲンがしっかりできないクラスです。
 実はこのクラスの時のスキー指導で,どのようなことを学んだか?...がそれ以降のスキーライフに大きく影響を与えるのです。スキーを振り回す操作を覚えてしまえば,それが長く尾を引き“Do Ski”になって行きます。ですから,“フィーリングスキー”的な方向に導こうとすれば,雪の抵抗でターンする...ということをこの時期からしっかり意識してもらうことが大事なのです。

 “オレンジ・ターン”はそう意味で,大変高いポテンシャルをもっていると自負しています。オレンジを踏みに行ったのでは元も子もありません。「オレンジの柔らかさを“感じる”...というのがポイント」なのです。

 このクラスの7名...実は“レベル2”クラスを,二班に別けた内のまだうまく滑れないクラスでした。
 ですが,オレンジの威力だと思うのですが,レッスン終了時には“Magic Carpet②”をどんどん滑るまでになりました!!! イエェーーイ!!!
 そして,お別れの挨拶の時の皆さんの笑顔が素敵でした!!!。 !(^^)!(*^^)v

  今日のランチタイムレッスン...“Early-Bird”が無かったので,希望すればレッスンできたのですが,「ランチはゆっくり」...と思っているので, Supervisor に断りを入れました。(^ー^)

②:pm Work Shop

 グループレッスン “2a”
Time : 14:00-15:00 Level : 2a 人数 : 2 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”
解説及び感想.:  午後も“2a”担当でした。
 午後は人数が少なく,ワンカップル...2名様でしたので,レッスン時間は一時間でした。
 このカップル...男性の彼はレッスンを受けるよりは自分でどんどん滑りたい...という気持ちがアリアリ!!!。でも彼女のためにお付き合い...という感じでした。ですから“TOK”のありがたい“オレンジ・ターン”の説明を聞くのも上の空...。彼女もその雰囲気に呑まれて,落ち着いて“TOK”の話に集中してくれません...。
 でも10分もしない内に,彼がしびれを切らし,「自由に滑りたいから行ってくる...」と戦列を離れました。
 それからの彼女...“Stephanie”の滑りがどんどん変わり始めました。上の空の彼氏が居なくなって,「オレンジ」と「歌をうたうこと」に集中できるようになったのです。みるみるうまくなって,レッスン終了時には“Magic Carpet②”を滑っていました。
 帰って来た彼氏が,“Magic Carpet②”を一緒に滑ったのですが,彼の方がターンコントロールがうまくできません。わずか一時間で“Stephanie”が彼氏を追い越したのでした!!! イエェーーイ!!! ハッハハハ...(^ー^)

  ...ということで,今日は「3時間レッスン」でした。あの7月の「超人的な忙しさ」はどこに行ったのでしょうか? レッスンができただけ幸せ...そう思って感謝しなければいけませんネ !!!。
  でもつくづく思います。「レッスンできている時が
最高の時!!!」...って!!! ハッハハハ...(^ー^)


 ☆ Wednesday September 09 2009    晴れのち曇り ( Coronet Peak )  


  Coronet Peak  09 Sept.

 Coronet Peak から撮った,今朝の“ Queenstown Basin”の模様です。
 “緑”が濃くなったのがお分かりいただけると思います。でも,まだ山には“雪”があり, New Zealand の景色の中でも“不思議”を感じさせます。
 山には雪があっても,下界はすっかり春...という感じです。(^ー^)

アイスバーンだからこそ斜面移動を心掛け
僅かだけれど雪からやってくる“energy”...これに集中することが大切

  今日は水曜日...。レッスン週間の最後の日で,いつもなら五日間のレッスン...平均して約20時間のレッスンを終え,充実感溢れる日となるのですが,今週は11時間だけのレッスンで終わってしまいました。
生徒さん,というより,お客様の数がガクッと減りましたので,仕方の無いことなのですが...。レッスンをしたいのであれば,魅力あるレッスンを展開し,どんどんリクエストが入るように,教師自らが努めなければいけません。“TOK”もそういう意味で甘えては居られませんネ !!!。ハッハハハ...(^ー^)
  その中,“Early-Bird”はさすがに“priority”が15番目くらいまでの教師で終了。“priority”が26番までに上がった“TOK”もレッスン無しです...。
  でもグループレッスンは,“レベル4”担当で,6名の方が受講されました。

:am Work Shop

 グループレッスン “レベル4”
Time : 10:20-12:20 Level : 4 人数 : 6 .
レッスン内容.: “オレンジ・ターン”+“Drink Juice Turn”
解説及び感想.:  今日は“レベル4”クラスでした。これまでいろいろレッスンを受講された方が多く,最初から「今日は一筋縄では行かないかも?!?!...気を張って最善を尽くさねば...」という感じでした。まだレッスンを開始していないのに,その日の生徒さんの雰囲気から,その様な“energy”が伝わってくるのです。(^ー^)
 このクラスが主に使用する斜面は...従来の Coronet Peak に戻り,カチカチのアイスバーンでした。“TOK”でも気を抜くとズルッと足元がさらわれる位です。
 滑りを拝見すると,このような条件ですから,皆さん全員がとにかくエッジングを強くして,落下を止めようと躍起になっています。でも,これでは疲れるだけでスキーの性能を生かすことはできません。アイスバーンだからこそ斜面移動を心掛け,僅かだけれど雪からやってくる“energy”に集中すること...これこそが大切なのです。そういう意味で,アイスバーンも春雪のザクザク雪と同じ様に,素晴らしい“磨き砂”です。

 でも,このクラスの人たちもこれまで“Do Ski”がメインのターンしかやって来ていません。なので,「斜面移動など,とんでもない!!!。ターン後半できるだけエッジを立ててスピードを抑えるのだ...」といった気持ちがあります。
 この様な滑りに慣れ切っている方々を“Drink Juice Turn”で“圧の吸収”まで導くにはかなりの工夫が要ります。とにかく,
 ①オレンジイメージを持つこと!!!
 ②♪♪♪Feel...Right Orange...Feel...Left Orange...♪♪♪の歌をうたい続けること!!!
 ③山回りでは“Drink Juice”イメージをもつこと!!!
...この三つを先ずやってもらい,その結果として,これまでのご自分のスキーイングとどこか変わったフィーリングで滑れて居ないかどうか?...これを確認してもらうことにしました。
 中には,「イメージなど解らない!!!...フォームや運動はどうなんだ?」...と質問を投げかけてくる人も居ますが,その方には,「後でリフト上で説明しますから,とにかく私の云うイメージで滑ってみてください」...と云うしかありません。
 でも,ほとんどの方が,私のこの説明で滑ってみて,「アリャリャ...どこか違うぞ...???。何なんだ?この雲に乗った感覚のふわふわした感覚のスキーは???。キィーンとした,鋭い感じでのはターンしていないけど,結果としてズレながらターンはできてるし...疲れも無いナァー」...というような顔をされます。これを実感してもらえば,もうこちらのものです。
 エッジを多用した“Do Ski”の対極に,エッジをほとんど意識しない“Let Ski”があること...これが解ったからです。このどちらを選択するか?...これは生徒さんの“choice”です。

 今日の生徒さんも,不思議な感覚の“
Orange Magic”に,見事に嵌られました。たった2時間弱の短いレッスンですから,完全に把握されたとは思いませんが,“オレンジ・ターン”の片鱗,“ Feeling Ski ”の一端を皆さんに感じ取っていただけたと思います。
 良かったよかった!!! イエェーーイ!!!

  今日のランチタイムレッスン...これも無し...。
  午後もグループレッスンです。でも人数はお二人。なのでレッスン時間は一時間...なのでした。(-_-;)

②:pm Work Shop

 グループレッスン “レベル4”
Time : 14:00-15:00 Level : 4 人数 : 2 .
レッスン内容.: “Sound of Music Turn”
解説及び感想.:  午後も“レベル4”担当でした。生徒さんはお二人で,その内のお一人は午前中も入られた“Edith”さんと仰る女性の方。
 なので,午後はテーマを“Sound of Music Turn”にすることにしました。“TOK”自身も,“オレンジ・ターン”と“Sound of Music Turn”がどのようなレッスン効果の違いをもたらすのか?...ということに興味があったからです。

 レッスン時間は僅かに一時間。なので早速レッスン開始です。
 最初はぎこちなかったお二人の動きも,♪♪♪Listen to the Music...Listen to the Music.....♪♪♪の歌をうたい,“Listen”の時間を長く取るようにし始めてからは,滑る度に動きがスムーズになってきました。
 お二人には,「どうして歌をうたい,音を聞こうとすると,うまくすべれちゃうの???」...という疑問が残ったようですが,「理由は良く解らなくても,気持ちよく滑れたことに感謝しましょう。身体はこの様に素晴らしい潜在的力を盛っているのですヨ !!!」...とお話しして納得してもらったのでした。この“Sound of Music Turn”の理屈を話していたら,三日は必要ですから...。ハッハハハ...(^ー^)

 結果的に,どちらも“
ズレに乗る”...という意味での効果は期待できますが...斜面移動を特に意識したい時は“Sound of Music Turn”,安定したスキーイングを目的とするときは“オレンジ・ターン”...という風に,今日は感じました。(^ ^)(^I^) 
  

  ...ということで,今週のレッスンが終了しました。
  いろいろありましたが,レッスンの無い空いた時間は他の事に有効に使えましたので,トータル的には充実していた一週間...そういえると思います。(^ ^)(^I^)
  さて,明日,明後日は Day Off です。じっくり“energy”を充電したいと思います。(^ ^)(^I^)


 ☆ Thursday September 10 2009      曇り ( Queenstown )  


 Queenstown 10 Sept.

 今日夕方の“ Queenstown ”で, Remarkables 方面を望んでいます。
  街の真ん中にある“ラグビー場”と図書館が前方に見えます。
  私の好きな景色のひとつで,この近くに不思議な“energy”を持っている“tree”があります。今日はここに出掛け,樹の幹の近くに座って読書して来ました。(^ー^)

生物は互いに“energy”を発していて
言葉では交わさないけれどコミュニケーションをしている.

  今日は木曜日で,“TOK”の Day Off です。
  洗濯したり,事務仕事を片付けたり...結構やることはあります。でも,せっかくの Day Off です。もう New Zealand 滞在も一ヶ月を切り,三週間ほどになってしまいました。なので,思い残すことが無い様,気に掛かっている場所を訪れることにしました。三ヵ月半居ると,いつか行ける,いつか...という思いがあり,結構間際になって慌ててしまうのです。
  今日訪れたのは,Topページにも書きましたが,
街の真ん中...“ラグビー場”と図書館の近くにある“柳の樹”です。多分“柳”の一種だと思います。この柳...私が三年前に初めて Coronet Peak でスキー教師を勤めさせてもらった時に気付いた“樹”です。この幹の太さから推測して,2〜300年の樹齢はあるでしょうか? どことなく不思議な“energy”を持っています。昨年は写真の右に写っている小さな橋を渡って,スタッフバスが発着する場所に毎日に通っていました。
  この“柳の樹”の脇を通る度に,「“TOK”...おはよう !!!」...と語りかけてくれている気になりました。私も,「おはよう !!! 今日も元気一杯楽しんで来るよ!!!」...と挨拶したものです。今でこそ,生物は互いに“energy”を発していて,言葉では交わさないけれどコミュニケーションをしている...ということが信じられるようになりましたが,去年はまだまだでした...。(-_-;)

  今年 New Zealand にお越しになった“Kiyo”さんご夫妻,“Shino”さんも,昨年の「教師日記」をご覧になっていて,そこで簡単に紹介したのを覚えておられ,興味を持たれて居ましたので,ここにご案内しました。あの時,みなさんがどのような“energy”を感じ,どのようなコミュニケーションをされたのか???...分かりませんが,ある種の“energy”は感じ取られたようでした。

  昨日は愛読書を持参し,その幹に座って小一時間ほど読書しました。本の名前は,“Conversation with God”という名前の本ですが,部屋などで読むよりスンナリ頭に入ってきました。そしてその内容もいつもより具体的に理解できました。私は勝手に,「柳さん柳さん...一緒に読みましょう!!!」...と語り掛けたつもりですが,それが効いたのでしょうか? 「
“樹”のエネルギーって本当に在る!!!」...そう思いました。面白いですネ !!!。ハッハハハ...(^ー^)

  ...ということで, Day Off の初日は気分良く過ごせました。ありがたいことです!!!。
  明日は Queenstown から小一時間ほどのドライブで行ける“Glenochy”近くの森に出掛け,“森林浴”をして来ようと思います。
  皆さんも素敵な一日を!!! 
  


 ☆ Tuesday September 15 2009      晴れ ( Duneden )  


 Queenstown 10 Sept.

 皆さん!!!...ただ今ァー。今... New Zealand 時間21:30...“Dunedin”から帰って参りました。
 “Dunedin”は Queenstown から東の方向に約350km,車で3時間半の所にあります。なぜ出掛けたか?...についてはまた明日アップいたします。
 今日はドライブで少々疲れましたので,寝ることにします...。ではオ・ヤ・ス・ミ…なさい。

お腹を一杯にして眠るのは...気ッ持ちイイ!!! ハッハハハ...(^ー^)

  今日は明日早朝...日本時間の6時ころにはアップいたします。
  今日は早めに寝ます...。オヤスミナサイ...。zzzzzzzzzzzzzzzZZZZZZZZZZZZzzzzzzzzzzz


 ☆ Wednesday September 16 2009      晴れ ( Queenstown )  


Lake Sylvan walk 11 Sept.

 写真は Queenstown から車で約一時間半の所に在る“Lake Sylvan walk”。
 New Zealand の原生林が密集している所で,西海岸の気候に近く,雨量の多い所です。ですから,ご覧のようにいろいろな「コケ」がたくさん生えています。
 うっそうとしていて,どこと無く“霊的”なというか“spiritual”な雰囲気を感じました。
 ここを歩き始めて...「“TOK”は脱水症状気味」...ということに気付きました...。

「癌」...「“TOK”の磨き砂」であり,
“Something Great”が“TOK”にくれた“present”

  Topページにも書きましたが, Day Off の9/11(金)...“Lake Sylvan walk”で歩いていて自分が「脱水症状」気味であることに気付きました!!!。その原因は...。

  今日は皆さんに“TOK”の個人的なことで恐縮ではありますが,重要なことなので,お話しておかなければならないことがあります。

  多くの方々,特にこの「教師日記」の読者の方にはこれまで明らかにして来ませんでしたが,“TOK”は実は「食道癌」です。個人的なことなので,この日記で公にすることの意味は無いとも思いますが,スキーレッスンなどを通して,本当に皆様にはお世話になっております。“TOK”の身体の真実を皆様に知っていただくことは必要なこと...そう判断して,公にさせていただくことにしました。これまでの経過をお知らせし,私へのご支援に対ても,感謝申し上げたいと思います。

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*癌の発見とそれへの対処
  昨年,2008年10月...二年目の Coronet Peak 教師の仕事を終えて,日本に帰りました。まだ New Zealand に滞在中,胃の近くに異物感を覚えて居ました。なにか腫瘍みたいなものができている...そんな気がしていたので,日本に帰って直ぐ病院を訪れました。
  近くの「安曇病院」の検査の結果は...「第3期〜4期の進行性食道癌」という診断でした。信州大学病院に紹介され,そこで詳しい検査を約3週間に渡って行ないました。その結果,選択肢は三つ...①外科手術で摘出手術を行なう。②放射線治療を行なう。③薬物治療を行なう。(この場合は①か②と併用)...でした。
  ①の外科手術の場合,癌の場所が背骨の動脈に近いので,手術の成功率は50〜60%...ということでした。また②の放射線治療も約2ヶ月の入院治療が必要...ということでした。このどちらを選択しても,2009シーズンのスキー指導活動は大幅に制限されます。それだけでなく,個人的に「対処療法」的な現代医療の仕方に疑問を持っていましたので,できるだけ「自然治癒力」を高めて,自分の力で元から治して行く方法...「自然治癒療法」という方法を取ることにしました。
  「①〜③の治療をしない場合,余命三ヵ月半,二月中旬までの命」...と言われましたが,“フィーリングスキー”で感じていた「人間の持つ不思議な力,潜在的力」...これを信じ,この力が発揮できるような生き方をして行こう...と心に決めました。人間は元々自分で自分の身体の調子を整え,治して行く能力が備わっている...ということを心から信じたのです。
  そしてそれから,ものごとをこれまで以上に根アカ的に考えること,美しいものを美しいと愛でる心を大切にすること,楽しいことを進んで行なう積極性を持つこと,過去のことにこだわらないこと,毎日の瞬間々々を大事に生きること,周りに起こる全ての事は“TOK”の磨き砂である...と認識し受け容れること,などを生活信条として実践してきました。

*2009シーズンのスキーレッスン
  11月の連休から5月連休まで,ニセコやカナダを含め,何とかレッスンを終了することができました。気持ち的には,途中で倒れたりしたら皆さんにご迷惑をお掛けするし,絶対に気弱になってはいけない...という信念でレッスンをさせていただきました。
 2009シーズンは,そういうわけで,癌を身体に抱えながらのレッスンになりました。その分,皆さんにお伝えすることに遺漏が無いように...との思いもあり,自分としては納得できる,充実感溢れるレッスンをさせていただいたと思っております。毎回々々のレッスン...これを,「これが“TOK”の最後のレッスン」...という心づもりで努めさせていただきました。最善を尽くしたつもりですが,一部の方には物足りないレッスンになってご迷惑をお掛けしたかもしれません。この場を借りてお詫び申し上げたいと思います。
  癌と共生しながらのレッスンだったせいか,いつにも増して,「自分の人生の“roll”...役割」を考えながら雪上に立って居る自分が居ました。白馬ではもちろん,野麦でも,ニセコでも,ルスツでも,そしてカナダでも...。そしてその“roll”とは...「スキー教師としてその楽しさを皆さんと共有すること...」ということでした。
  3月に今年も New Zealand の Coronet Peak からオファーが来ました。今年の日本の夏も Coronet Peak で教師をするかどうか?...というものです。「食道癌」を身体に持ちながら,外国でレッスンをする...しかも末期癌」と云っていい状況下でです。慎重に考えましたが,「“TOK”...精一杯“Joy”を心に New Zealand でのスキーレッスンを経験してきなさい!!!」...という“inspiration”が聞こえました。
  病気を押して Coronet Peak にやって参りましたが,過去二年以上に熱の入った“フィーリングスキー”のレッスンができたと自負しております。特に三年目の今年は,“feel in”と“cause and result”ということの伝達がうまく行き始め,うまく回り始めた!!!...と思っています。

*入院にいたる経過とその後の処置
  6月中旬... New Zealand に来てレッスン活動が始まりました。6月には食べ物が食道を通過するのもそれほど違和感が無かったのですが,7月になると水を一緒に飲まないと食物の通りが悪くなる感じになりました。癌細胞が確実に大きくなり食物の通過を阻害している...という感じです。8月...その感じは一層強くなり流動食もつかえる様になりました。
  そして,この9/11日,とうとう“水”そのものも通過が思わしくなくなりました。自分では余り気付かなかったのですが,かなり「脱水症状」が進んでいました。舌が乾き,頭痛がするようになってきたのです。ここまでくると,「自然治癒力」だけでは持ち堪えられません。とにかく水分を補給しないと...。ということで Queenstown の“Medical Center”に行きました。するとDoctorは,「選択肢はありません。とにかく今すぐ水分補給の点滴をして,インバカーゴかダニーデンの病院に行きなさい!!!」...という指示でした。
  結局スキー教師仲間の“Tommy”に迷惑をかけることになったのですが,彼女に送ってもらい,9/11にダニーデンの病院に緊急入院したのでした。そしてひとまず“dehydrated”(脱水症状)からは抜けられました...。(-_-;)

  9/12(土曜),食道の専門Doctorが病室を訪れ,これから先のことについて相談しました。その結論は...「狭いけれど食道にまだ空間があるようだから,そこからパイプを入れて“拡幅処置”を行ないましょう」...ということになりました。
  9/14(月),その処置が無事済みました。この処置で食道の管の径が15mmほどに開きました。「これが元に戻るまでに約2〜4週間掛かるので,その間に日本に戻り,しかるべき病院で次の手立てを講じなさい」...というのがdoctorからの指示でした。

*今後の予定
  食物のつかえ感はなくなり,流動食が胃まで通るようになりました。ですが,14日の処置は長くもって4週間の応急処置です。これから日本に帰り,食物を摂取する方法について至急調べ,対処しなければなりません。
  日本への帰国便の変更,スキースクールへの挨拶,荷物の整理など,やるべきことが残っていますが,楽しみながらこれをこなしたいと思っております。どのような状況が自分の人生に起きようとも,それは“Something Greatから“TOK”への“present”だと思っております。“TOK”の磨き砂だと思って最善を尽くそうと思います。
  尚,胃への食物供給がうまく行なえるようになれば,スキー教師としての活動もまだまだ続けられる...とのことです。“TOK”の命が尽きるまで,スキーレッスンに最善を尽くしたい...そう思っております。

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  以上が“TOK”のこれまでの「癌」との付き合いの記録です。
  
「癌」...というと,人生の終わり...みたいに思い,暗くなる人が多いと思うのですが,私はこれを「“TOK”の磨き砂」と捉えております。“Something Great”が“TOK”にくれた“present”だと...。負け惜しみでなく,そう思います。
  人は誰も“死”を迎えます。“TOK”の死の可能性が,「食道癌」によるもの...という確率が高くなっただけ...そう思っています。ですから,死の直前まで“スキー指導”活動は続けるつもりです。もちろん,可能な限りこの「教師日記」も続けます。そして少しでも皆様にお役に立てる情報をお知らせしたいと思っています。
  ...ということで,今後ともよろしくお願いいたします。



 ☆ Thursday  September 17  2009      晴れ ( Queenstown )  


Coronet Peak 16 Sept.

 今日の写真は,2009シーズン最後の Coronet Peak から Lake Wakatipu 方面の写真です。
 9月も16日にもなると,すっかり山からの景色も「春色」になりました。空の“青”も,平地の“緑”も,そして“雲の形”も...いかにも“spring”という感じです。

 今年もこの景色に元気を頂きながら,レッスン活動ができました。ありがとうございました!!!。(*^^)v

このような言葉を聞く事ができたことは,“TOK”の最大の喜び

  昨日の日記の内容を受け,日本への帰国が早くなりました。
  その関係で,昨日は Coronet Peak に上がり,荷物のまとめと,離校手続きをして来ました。
  校長と副校長に挨拶に行ったところ,今年のレッスンの総轄を聞かれました。「今シーズン...クレームが出る様なレッスンをして申し訳なかった...」と素直に詫びました。そしたら...副校長が,8/26に私が校長に提出した例のレポート...“スキー教師”としての真摯な心...これから発した“真意”が少しでも伝わってくれることを願って書き記したレポート...その話を持ち出してきました。
  そして,「“TOK”...あの時は“TOK”のレポートに書かれているような深い意味があるとは考えず,ただ歌を唄っているだけ,オレンジを使って気をてらっているだけ...という印象を持っていた。だけどあのレポートを読んで,本当に深い意味があることが解った。むしろ,私たち教師が真剣に考えなければならない要素がいくつか書かれてあって勉強になった。ありがとう!!!」...と仰ってくれました。イエェーーイ!!! ヤッタァー!!!。
  彼らもプロの指導者であり,自分流の指導法を持っているので,簡単に他人のレッスン方法の優れた点を褒めることはあまりしないのですが,彼らからこのような言葉を聞く事ができたことは,
“TOK”の最大の喜びでもあります。なので,今日はあのレポートを,特別枠でこのOLSSに Update しました!!!。 !(^^)!(*^^)v

 
  昨日の「教師日記」を読まれた多くの方から,“TOK”に対する励ましの e-mail や電話,そして掲示板への書き込みをいただきました。本当にありがとうございます !!! (^I^) 
  昨日も書きましたが,癌になったからといって,暗くなっているわけではありません。むしろ,自分の命にも限りがある...ということを現実のものとして知ることができたので,より充実した悔いの無い生活を送ろう!!!...という気持ちの方が強くなりました。つまり,毎日々々を一瞬々々を,意義あるものとして過ごして行こう...という姿勢が出てきたということです。今日はどんなプログラムが待っているんだろう?この次は何が起こるんだろう?...といったワクワクする気持ちで過ごせるようになりました。この様な気持ちになれたのは「食道癌」のおかげ...と言っていいと思います。そういう意味では癌に感謝です。ハッハハハ...(^ー^)
  今年も,昨年以上に充実したレッスン活動を予定している“TOK”としては,その具体的なレッスン計画を明らかにする前に,「実はかくかくしかじかで,病気を持ちながらのレッスンになるけれど,よろしくお願いいたします...」という意思表示をしておかなければ...と思ったのです。
  多分10月中旬までには,2010シーズンの Feeling Ski School の企画,そして“TOK”のスキーキャンプの詳細をお伝えできると思いますので,楽しみにお待ちください。(^ー^)


  さて,今日と明日...。“TOK”が日本に帰る前に行きたいと思っていた場所に,一泊で行って来たいと思います。なので,明日の日記の Update はオ・ヤ・ス・ミ…とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

  では,みなさんも素敵な一日を!!!


 ☆ Saturday  September 19  2009      快晴 ( Queenstown )  


 Otago Plain 18 Sept.

 一昨日,昨日...“TOK”がぜひ行きたい!!!...と思っていた「“Otago”州巡り」...をして来ました。
 “Otag”州...というのは, New Zealand 南島の南の方の地域の名前で「牧歌的な風景」に恵まれ,いかにも「ニュージーランド」...といった雰囲気一杯の地域です。
 写真はその中の一枚ですが,やはり「“雪”を頂いた山並み」は格別でした!!!。

癒し(いやし)、ヒーリング (healing) とは、心理的な安心感を与えること...

  一昨日の日記に書いたように,“TOK”が日本に帰る前に行きたいと思っていた場所に行って来ました。
  ニュージーランドの南島...北島に比べ牧歌的なのですが,この南島の中でも,この“otago”という地域がさらに“牧歌的”雰囲気に満ちているのです。ここをドライブするだけで,“TOK”は最高!!!...な気持ちになれます。この二日間は,その中をじっくりとドライブして来ました。 !(^^)!(*^^)v
  黄色のラインが,“TOK”がドライブしたルートです。クリックすると大きくなりますが, Queenstown ⇒ palmerston  Dunedin ⇒ Gore ⇒  Queenstown ...と回って来ました。


 “Panfurly”近く。
 なだらかな起伏が左右・上下に流れるように続いており,ドライブしていて本当に気持ち良かった!!! (*^^)v


 “Dunedin”から“Gora”に向かう途中の景色。
 ほとんど牧場で,木は見られませんが,時々このような景色にも出会えます。


 “Gora”から “Queenstown”に向かう途中。
 “雪”を頂いた山並みが見え始めた時は,思わず,「ワァー!!!...イイなぁー!!!」と叫んでしまいました。 !(^^)!(*^^)v
 “雲”と“青空”の妙にも心打たれました!!!。

 

  「癒し(いやし)、ヒーリング (healing) とは、心理的な安心感を与えること...」と Wikipedia にはありますが,今回のドライブでも,その“癒し”を感じて来ました。
    この様な“牧歌的”な地域を旅していると,気持ちが穏やかになり,心が安らぎます。一昨日の朝から,一時“海”も見ましたが,ほとんどなだらかな起伏が続く丘陵地帯を,右に左に揺れるようにドライブして行きます。日本と違って,縦にも結構“うねり”があるので,これが「緩やかなジェットコースター」的な感覚を呼び起こしてくれます。丘の高い所に向かう時は,空の中に飛び込むような感覚があります。その丘の一番高い所まで行って,初めてそれ以降に広がる景色が視界に飛び込んで来るのです。ですから,この先どの様な景色が目の前に展開してくれるのだろう???...といったワクワクするような期待感が広がります。これがどんどん続いていますので,ドライブしていても飽きることがありません。(^ ^)(^I^)
  特に Queenstown が近くなって,
“雪”を頂いた山並みが見え始めた時は,思わず,「ワァー!!!...イイなぁー!!!」と叫んでしまったほどです。雪の“白”は,牧歌的な風景に,さらに大きな“スパイス効果”みたいなものを与えてくれました。(*^^)v

  いろいろなもの,例えば「音楽」や「森林浴」,あるいは「スキンシップ」などに“癒し効果”はあるとのことですが,「美しい景色に出会い,それを愛でること」もそのひとつだと思います。
  私は,私たちが楽しんでいる“スキー”にもその“癒し効果”は有る!!!...と信じています。云ってみれば...“
癒しのスキー”。それをひとつづつ皆さん共に見つけ出していくのが私の楽しみでもあります。2010シーズンは,その様な年にしたいと考えています。(^ ^)(^I^)

  シーハイル !!! Schi Heil !!! 



 ☆ Sunday  September 20  2009      快晴 ( Queenstown )  

 ←  Lake Hayes 20 Sept.

 今日の写真は,7時少し前の Lake Hayes から撮った Coronet Peak です。
 私が滞在していたflatから,歩いて5分くらいの所に,小さい池のある公園みたいなのがあって,そこからは Coronet Peak が見えるのです。

 この三ヶ月... Coronet Peak はじめいろいろな所で,多くの“energy”に出逢えました。ありがとうございました!!!

 そして,今日いよいよ日本に帰ります。 また次回...よろしくお願いいたします!!!

 シーハイル !!! Schi Heil !!!

New Zealand 体験を生かし,体力を回復させ
“フィーリングスキー”の極意を皆様にお伝えしたい

  今年も New Zealand でのスキー指導を終え,日本に帰る日を迎えました。
  本来は9/30のフライトで帰る予定でしたが,私の病気の手当てが少し急を要するので,10日帰国が早まりました。これもきっと“Something Great”の思し召し...何か意図があっての“process”だと思って感謝です。(*^^)v

  6/17に New Zealand に着いて,今日で96日目...。三ヶ月と少しだけ過ぎました。
  実は,「自分は食道癌であるにもかかわらず New Zealand に来てスキーレッスンをするんだ!!!」...という気持ちがあって,今年の6月は特別の思いがありました。「教師としての正念場」...みたいな意識が心のどこかにありました。過去二年間の経験を生かし,さらに踏み込んだ“フィーリングスキーレッスン”が展開できるんだろうか?...という思いです。
  結果的に,自分としてはこの二年間の経験を生かしきれた!!!...という思いで一杯です。そして,“フィーリングスキー”的なレッスンアプローチが,多くのスキーヤーに役に立つ!!!...という自信も強固なものになりました。
  何度か日記に書いたように,“cause and result”的な考えは非常に大事で,スキー指導の根幹を成すものだ...という気さえするようになりました。その骨子は,例のクレームがついた時の校長へのレポート“Tok's Lesson policy”の中で述べている通りです。一週間近く掛けて書いた“TOK”の自分流のレッスンに対する思いの集大成ですが,今読み返してみても,なかなか良く書けてる...と思うほどです。(^ー^)

  8月下旬から9月に掛けては,病状が少し悪化し始め,集中力が足りなくなった状態でのレッスンが続いてしまいましたが,大事な部分は手抜き無くお伝えできたと自負しております。
  日本に帰りましたら, New Zealand 体験を生かし,体力を回復させて,“フィーリングスキー”の極意を皆様にお伝えしたいと考えております。10月の初旬にはその企画のあらましを Update できると思っております。2010シーズンはどんな展開が待っているんでしょうか? 楽しみたのしみ!!!

  ...ということで,「
三年目も終了」し,これから最終パッキングをして空港に向かいます。
  明日21日早朝に成田に着き,夕方には白馬着の予定です。なので,次回は白馬からの Update になります。

  それでは,皆さんも素敵な「シルバーウイーク」をお楽しみください!!!
  シーハイル !!! Schi Heil !!!  




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 ☆ Wednesday  September 23   2009      曇り  ( 白馬 )  


↑ 白馬 9/23

 ただ今ぁー !!! 昨日白馬に到着。
  久しぶりに自分のベッドで眠りました。よく眠れました !!!。(^ ^)(^I^)
 今朝の白馬...少し「小雨」にけむっています。
 思ったより気温は低く,暑さが大苦手の“TOK”には最高 !!!です。

 また,白馬での生活が始まります。
 皆さん !!!....よろしくお願いいたします。(*^^)v

これから先,どの様な展開が待っているか?...非常に楽しみ !!!

  20日に Queenstown を出て,Sydney 経由で成田に着きました。
  日本は「シルバーウイーク」の真っ最中 !!!。 New Zealand に行っていてあまり気にしていなかったのですが,秋の五連休だったのですネ !!! その丁度まん中の日に日本に到着。中央道経由で白馬に帰ろうとしましたが,結構な渋滞。ならば,東京で一泊し,ゆっくり帰ろう...ということに急遽予定を変更したのでした。そのおかげで,都内でいろいろなことができました。本屋に行ったり,食べたかった焼き鳥を食したり...。 !(^^)!(*^^)v 焼き鳥を食べた...と言っても病気のことがありますから,口に入れてその味を味わうだけで,飲み込む事はできないのですが,でも味わえただけ幸せ気分を感じた“TOK”でした !!! ハッハハハ...(^ー^)

  そして,昨日朝東京を出発,白馬に向かいました。
  昨日も結構中央道混んでいて,午前中は下り線もところどころ渋滞でした。結局白馬に着いたのが午後5時近く...。途中のサービスエリアで,“TOK”の大好きな「トロロご飯」など,久しぶりの日本の味を味わいながら帰って来ました。

  今回の New Zealand 経験...昨年までと違い,自分の病気のことが原因で,帰国が10日ばかり最初の計画より早まりました。でも,これも“Something Great”が何かを意図してのこと...と,素直に受け入れることができます。
  これから先,
どの様な展開が待っているか...非常に楽しみでもあります。

  では,今日はこれにて...。 シーハイル !!! Schi Heil !!!
 


 ☆ Thursday  September 24   2009      曇り  ( 白馬 )  


白馬 9/24

  今朝早く,ご覧のように北アルプスの稜線が姿を見せてくれました !!!
    まだ雪は来ませんが,白馬三山が綺麗です。
  昨日は「秋分」でしたから,これから冬に向けて一気に加勢して行きます。今年はどんな“冬”になるのでしょうか?楽しみたのしみ !!!

“質”を楽しむことに慣れていたら,自分のスキーライフはもの凄く豊かだっただろうなァー !!!

  昨日は,荷物の片付け,洗濯,そして久しぶりの白馬でのリラックスタイム...で過ごさせてもらいました。シルバーウイークに合わせての「のんびり時間」...ということではありませんでしたが,久しぶりに自宅でゆったりできました。
  言葉で言えば「ゆったり」...ですが,これを辞書で引くと...『窮屈でなく、ゆとりのあるさまを表す語。ゆるやかなさま
...』とあります。つまり,私が今年 New Zealand のレッスンで思ったこと...“quantity”よりも“quality”...“量”より“質”的なことと関係がある...という様なことを思っていました。
  春, New Zealand に出かける前の花や木々...そして風景など,すっかり「秋モード」になっているのですが,その変化を注意深く眺めている時間が「ゆったり時間」なのです。つまり「のんびり」とか「ゆったり」...」という言葉の陰には,「“質”を味わい楽しむ」...といった意味合いが含まれているのではないか?...と思ったのです。言葉を代えて言えば,“愛でる心”とも言えるかもしれません。若い頃はこの様な意味での,“愛でる”感覚は薄かったのですが...。
  で,その様なことを想いながら,いろいろな方々のブログチェックをしました。そしたら,「kaorinの下手のよこ好き〜」に,この
“quantity”よりも“quality”に関連した記事が載っていました。「“スキー”の楽しみ方,味わい方」についての興味深いことが少しですが書かれていますので,皆さんにもぜひお読みいただきたいと思います。“kaorin”は,今年のニュージーランドで,「広く浅い味わい方」ではなく,「狭いけれど深い部分を味わう」...という,集中したターンが味わえた様です。ひと皮剥けたのでしょうか?ハッハハハ...(^ー^)
  「量より質」...という様なことを言うと,「歳を取ったせい」...と言われることが多いのですが,私は,「もし若い時にこの様な感性...つまり“質”を楽しむことに慣れていたら,自分のスキーライフはもの凄く豊かだっただろうなァー !!!」...と思うのです。歳を取らないと味わえない感性では無いと思っています。要は“心”の持ち方だと思っています。
  ですから,一人でも多くの若い皆さんに“kaorin”の心境になれる様お勧めしたいのです。一年でも若い時にこの“感性”を味わうことができれば,それだけそれ以降のスキーライフが充実することは間違いありません。

  ...ということで,今日は「ゆったり」という言葉から「
“質”を楽しむ生活」...これを感じた,というお話しでした。(^ ^)(^I^)

  シーハイル !!! Schi Heil !!!
 


 ☆ Friday  September  25   2009      晴れ  ( 白馬 )  


白馬 9/25

  今朝も朝早くは,ご覧のように北アルプスが姿を見せてくれました !!! (*^^)v
  空も「青」く、清々しい「秋の一日」かな?...と思ったのですが、次第に雲が広がり始めました。なので、カラットした快晴...とはいきませんが、晴れの白馬です。
  今日夕方から一時雲が広がるようですが、明日昼にはまた晴れ間が...。(^ー^)

「止めようと思えズレ落ち」,「ズレ落ちようと思えば止る」

  昨日は,「日赤豊科病院」に行って来ました。
  食道癌のため,食物や水の通りが悪くなってきましたので,その処置をどの様にすべきか?...相談に行って来ました。「癌」そのものに対しては今も,「自然治癒力」に全幅の信頼を置いていますので,手術や放射線治療はする気は無いのですが,食物が胃まで届かないと,困ったことになります。それも含めて「食道癌」だから,その様な処置をするのもオカシイ...ということもいえますが,そこは大目に見ていただくことにして...。(*^^)v
  昨日は,その処置の予備検査...ということで,「造影CT」と「食道内視鏡検査」を行ないました。この結果を受け,処置の最終決定は今日午後から行なわれます。なので,また豊科まで行くことになります。

  ところで,今回は息子の“itte2”が,「親父ひとりに任せておくと,どんなことになるか?解かりゃしない」...ということで,一緒に病院まで付き添ってくれました。こういうことでもないと,一緒に過ごす時間は本当に少ないのですが,昨日はおかげさまで時間がたっぷりありました。
  実はこの息子...かつてレースをやっていたこともあります。調子の良い時は“Ski Journal 三連戦”ではランキングトップをキープしていた頃もありました。この彼と今年の New Zealand でのスキーについて語ることができました。そのテーマは「エッジングの使用」...についてでした。

  私が所属していた Coronet Peak スキー場は,別名を“Concreat Peak”と言うほどで,非常に硬いアイスバーン状態になることが多いのです。多くのスキーヤーはエッジを立て,ズレ落ちを防いでターンコントロールをしようとします。普通に考えれば当然の考え方...と言えます。各言う“TOK”自身も若い頃はそうしていました。ズレは自らの脚力で止めるものだ !!!....と頭から信じ込んでいたのです。
  でも,それが間違いだった...と気付いたのは40代後半に近くなってからでした。そして今年...60台中盤になって体力がさらに落ちかけた中で,このことの意味を再び気付かされたのです。40台よりさらに脚力は落ち,強いエッジングができない状態になったからこそ気付いた !!!....ともいえます。今年の Coronet Peak ...雪の量も多かったのですが,アイスバーン状態になることも多かったのです。まさに天...“Something Great”がくれた“Present”だと言うこともできます。
  体力がありませんから,ただズルズルとアイスバーン上をズレ落ちる感覚で移動して行くと,ナント !!!....そのアイスバーンから次第に抵抗がやってくるのが判るのです。そして“支点”をしっかりかかとに意識さえしていれば,スキートップが自分の身体,つまりターン内側に回り込んで来てくれます。「ただ“在る”がまま」,素直にそこに“在ろう”...としたことが,結果としてズレ落ちを止めてくれたのです。
  
まるで「禅問答」の様です。「止めようと思えズレ落ち」,「ズレ落ちようと思えば止る」...。このことを息子に語ったのですが,息子もその意見に賛同してくれました。言葉は静かでしたが,“スキー”に対するその想いは熱く,病気のことを忘れて二人で病院の待合室で語りあったのでした。イェーーイ !!!

  シーハイル !!! Schi Heil !!!
 


 ☆ Saturday  September  26   2009      晴れ  ( 白馬 )  


白馬 9/26

  今朝は9時ころから雲が切れ始め,10時ころにはご覧のような天候になりました。

  少し雲が多いものの,いかにも「秋晴れ !!!」...という感じがします。安曇野ではもう稲刈りが始まっている所もありましたが,ここ白馬はもう少し後のようです。

  稲穂が黄金色に染まって来ています。 !(^^)!(*^^)v

“TOK”...これからの生き方を皆さんにお見せし
そこにあるナニかを感じ取っていただくのがお前さんの人生

  昨日午後,病院に行って,今後の予定を決めて参りました。来週入院,そして手術となりました。
  残念ながら癌のため,“TOK”は食道が閉塞しつつあります。なので,食物が自由に摂れる状態ではなくなりました。そこで直接「胃」に流動食を入れる方法を選択しました。手術は,「PEG手術」というもので,内視鏡により日帰りでできる程度のものらしいのですが,病院ではリスクを考え,「一週間程度の入院を考えてください...」ということでした。
  
  さて,ここのところ,“TOK”の個人的な病気の話が多く,“スキー”の日記としてこの「教師日記」...いかがなものであろう ???...という気がしていました。「直接“スキー”の話題に関係ないことを,ズラズラ書き記して,果たして読者の皆さんのお役に立てるだろうか?」...という思いがありました。
  でも,病院に通う運転をしながら次の様な考えが脳裏を過ぎて行きました。それは...『一人のスキー教師の生き様を“素”そのまま皆さんにお見せすることで,“スキー”の別の意味をご理解していただけるかも知れない...』ということです。
  少なくとも,スキー指導の現場に40年近く“スキー”に関わってきた男が,その生涯の終盤に差し掛かって,“スキー”をどの様な視点で捉え,どう自分の人生を締めくくろうとしているのか?...ということを,ひとつのフィクション的物語として皆さんに語ることはできる,ということです。
  そのストーリーがどう展開するか?...これは“Something Great”のみぞ知る...ということで,誰にも分りません。ただ,私には観える気がするのです。『“TOK”...これからの生き方を皆さんにお見せし,そこにあるナニかを感じ取っていただくのがお前さんの人生の“roll”だよ !!!』...と仰っているのが...。

  実は,実際の癌摘出手術はしないのに,栄養摂取の手術をするのには訳があります。昨年11月に癌宣告を受け,摘出手術をしなければ余命は二月一杯...と言われたのですが,それが「自然治癒力」のおかげ,「身体の持つ力」の不思議のおかげで,九月末なのにまだ生きています。これはある意味で“奇跡”だと思うのです。
  癌宣告を受けた昨年11月中旬の体重は65.2kg,体脂肪率は22%でした。今年6月 New Zealand に行く前の体重は59.2kg,体脂肪率は14%...。それが今日は体重は52.2kg,体脂肪率は9%です。体力の弱まっているのが良く分かります。でも,「PEG手術」をしていただき,エネルギーを摂取できるようになれば,どんどん
体力は回復する !!!....という自信があります。少なくとも New Zealand に行く前の水準までは戻せると思っています。その理由は,「食べる量が圧倒的に減って行った」...その過程を良く知っているからです。食道が閉塞しだし,食欲はあるのに食べれなかったのです。今でも「食欲」は旺盛です。ですから飲み込めなくても,口で味わっています。昨日もおにぎりと,ソーセージをいただきました。(*^^)v
  
  そして,今年の冬も11月下旬には“ASAMA2000”の雪上に立つことを,皆さんにお約束します !!!。そのためには,先ず身体にエネルギーを取り込む方策を考えなければいけない...ということです。そういう意味の“手術”です。
  そうそう,10月24日の「オフ会」(明日9/27参加申し込み〆切り)では元気な姿を皆さんにお見せしたいと思います。そして今シーズンの話題...などについて語り合いたいと思います。都合のつく方はぜひお越しください !!!。“TOK”もお待ちしております。

  ...ということで,これからの「教師日記」...少し“身体の不思議”についての記述が多くなるかもしれませんが,よろしくお願いいたします。

  最後までお読みいただき,ありがとうございました !!!。 (^ ^)(^I^) シーハイル !!! Schi Heil !!!


 ☆ Sunday  September  27   2009      晴れ  ( 白馬 )  


白馬 9/27

  今日の日曜日...気温は14℃。「晴れ」ですが,少し肌寒い感じの白馬です。
    朝早く,少しだけ白馬三山の稜線が見えましたが,直ぐに雲に隠れてしまいました。
  白馬に戻ってまだ数日ですが,カラットした秋の空にまだ出会っていません。
  10月になれば,逢えると思いますが...。(^ー^)

本当に合理的な“技術”というものは,時代を超えて脈々と生き永らえて行く。

  昨日... New Zealand で撮影した映像の編集を行なおうと,ビデオ編集ソフトを準備していたら,たまたま,今から30数年前に製作された「白いファンタジー」という16mmフィルム映像のビデオ版を見つけました。
  懐かしさもあって,これを見たのですが,スキー技術...変わってませんネ !!!。特にオフピステの滑り方は全く同じで,“新鮮さ”さえ感じました。その一部を編集(2.2MB)し,皆さんにお届けいたしますので,ご覧下さい。
  滑り手は「三枝兼径」ですが,“かかと支点”,“圧の吸収”,“ウエストでの外向”がしっかり見られます。当時...30数年前,彼はデモ選で「小回りの名手」として知られていました。誰も彼の切れの良い,走る小回りが,真似できなかったのです。
  その秘密は,当時彼ともく話したので覚えていますが,「かかと支点」にありました。母子きゅう荷重で,テールを押しずらす滑り全盛の時代です。ですから,良くご覧になるとお判りだと思いますが,この映像でもスキートップがグゥイーーンとターン内側に入り込んで来ています。この山回りでも外腰は開かず,ターンに沿って回り込んで来ています。これは“かかと支点”での滑りの特徴なのですが,当時はこの様な滑りを意識して行なう人は居ませんでした。しかも,ターン山回りで圧を懐にしっかり吸収し,貯め込んでいますので,谷回りで爆発するように“開放”が行なわれています。
  落下運動を見事に生かし,雪の力でターンさせてもらう...まさに“Do Ski”ではなく,“Let Ski”の極意そのものを,30年前に「
三枝兼径」はやっていた !!!....ということです。素ッ晴らしい !!!  !(^^)!(*^^)v

  こうやってみると,本当に合理的な“技術”というものは,時代を超えて脈々と生き永らえて行くものなのだナァー...とつくづく思います。
  今日は日曜日...あまりうるさいことは言わず,彼の滑りをじっくり見ることにしましょう !!! イェーーイ !!!


 ☆ Monday  September  28   2009      曇り  ( 白馬 )  


白馬 9/28

  今日はご覧のように,「曇り」の白馬です。気温も低めで,肌寒い感じがします。
    天気予報では,今日これから夜に掛けて「雨」になり,明日一杯続くようです。

  そろそろ稲刈りが始まる時期ですので,農家の方には早く上がって欲しい雨でしょう。

30数年前の滑り手の中に,今も光り輝く滑りをしていた人が居られた...

  昨日... 「三枝兼径」の“新雪”の滑りをご覧いただきました。多くの方から e-mail や掲示板への書き込みをいただきました。
  彼の滑りの特徴として,「上半身が立ち気味で安定していること」,「動作が足元から起こっていて,まるで車のショックアブソーバーの様な身体の使われ方になっていること」,「雪からの力だけでターンしていること」,「まるで水上スキーでもしている様な感じがし,かかと支点がしっかり行なわれていること」,「外向がしっかり取れているけれど,自分で作ったものではなく,スキーが回り込んで行った結果できた外向であること」,「そのため腰からの外向ではなく,ウエストが捻れての外向であること」,「山回りでのエネルギーの蓄積と谷回りでの開放が見事に行なわれていること」,「雪をねじ伏せている感じではなく,雪としっかり会話している風情が伺えること」...etc.などのご意見を頂戴しました。私も全く同感です。(^ ^)(^I^)

  30数年前の新雪映像...着ているものなど少々古臭い感じがしますが,使用しているスキー板はもちろん200cm位のノンカービングタイプです。そういえば,今年 New Zealand でレベル4,レベル5の生徒さんでカービングタイプで無い板を使用している生徒さん数名にお教えする機会がありました。アチラでは,流行に左右されること無く,自分流の“スキー”を楽しむ人が多いですから,こういうことに良く出会います。もしカービング板に対応したエッジング多用の滑り方をお教えすることになったら,この様な生徒さんは困ってしまうでしょう。でも私がお教えした“オレンジ・ターン”や“Sound of Music Turn”では,その様な板の違いによる差はほとんど出ませんでした。これはお教えしている“TOK”にとっても嬉しい現象でした。板の違いに依らず滑れる技術が“フィーリングスキー”のイメージから導き出された...ということの証明ですから...。(*^^)v

  9/25の日記...まるで「禅問答」に書いたように,“フィーリングスキー”流の滑りは「斜面適応度」が広いだけでなく,今日お話しているように「用具適応度」にも優れている...と言えます。つまり“スキー”を楽しむ際に重要となる三要素...“身体の特徴・スキー用具の特性・自然条件”の内,用具と自然条件の二項目をクリアしてくれる...ということになります。
  残すひとつ...“身体の特徴”ですが,“フィーリングスキー”では,無理やり身体を動かしたり,特定の筋肉や関節を使うことはありませんから,むしろ「身体に優しいスキー」ということができます。昨日の「三枝兼径」の映像の中に,テロップで書いたように,“在るがまま...在るがまま...”の意識で滑りますから,その人なりの特徴も顕れて来て,より個性的なスキーイングになる...というわけです。

  30数年前の滑り手の中に,今も
光り輝く滑りをしていた人が居られたことに“感動”気味の“TOK”です。彼...「三枝兼径」さんは,スキースクールで一緒で,いろいろ技術的なことを話しました。その中で“TOK”の心に残っていることが数点ありますので,明日はそれを紹介したいと思います。

  では...今日はこれにて「オ・シ・マ・イ....」   シーハイル !!! Schi Heil !!!


 ☆ Tuesday  September  29   2009      小雨  ( 白馬 )  


白馬 9/29

  今日はチョッと冷ための「雨」が降っている白馬です。気温は16℃で,山は見えません。
  天気予報では「秋雨前線」が日本列島を覆っているようで,これが南下し始めると大陸の寒気が下がり始め,「降雪」の仕度ができることになります。北アルプスの連山に白いPresentが来るのももう直ぐです !!!。 !(^^)!(*^^)v 

“かかと支点”で滑れば,「うまいといわれるスキーヤーの特徴的フォームや運動」...
これが自然に顕れます。

  昨日,「三枝兼径」さんとの思い出話を今日の日記でご紹介させていただく...ということをお話しました。

  私が所属させていただいた八○尾根スキースクール...多くのデモンストレーターの方々が居られました。デモでなくても,技術的に,そしてスキー教師として優れた方も多く居られました。ですが,「三枝兼径」さんとは特別な想い出があります。今日はそのエピソードのいくつかをご紹介したいと思います。

  三枝語録 : ①...『
スキーは横に走り,山側に上って視界から消え,それから谷に回り込んで来るんだよ !!!
  結論から言えば,「∞ターン」のことです。「小回りの名手」と言われた彼は,整地急斜面ではもちろん,コブの中でもこれをやっておられました。当時私は「
山側に上って視界から消え...」の部分が ???だったのですが,今にして思うと「角付けの切り替えで次のターンに入る」ことばかり考えていたので,スキー板が山側に上って行けなかったのだと思います。この滑りは結果的に“水面フラットイメージ”につながる技術要素を内包していますが,彼「三枝兼径」さんは,当時からその要素で滑っていた...ということになります。多くのデモの滑りが山回りの後半詰まっていたのに,彼の板は角付けの切り替え時に素晴らしい速さで走っていたのです。腰の下からスキーが左右に逃げていないのを見ても,このことが判ります。
  
  三枝語録 : ②...『
スキーは“かかと支点”サ !!!。決まってるじゃない !!!
  彼は思ったことをズバリという人でした。歯に衣を着せないものの言い方をされる方でした。(今もお元気でご活躍中ですから,でした,ではなく,です...が正しいのかも知れません...)
  当時,30数年前に「かかと支点で滑る」...等という人は一人も居ませんでしたから,彼の言葉が耳に強烈に残っています。その意味...どうして?そうなるの?...ということについては当時私には理解できませんでした。今はその理論が非常に合理的だと判る様になりましたが...。(-_-;)
  当時...30数年前,うまいスキーヤーの特徴として,「高い姿勢で滑れる」,「足が腰の下から逃げない」,「上体が安定している」,「コブなどでは下半身が車のサスペンションの様に動く」,「スキーが横にズレず,縦に走る」...ということが言われていました。「三枝兼径」の滑りは正にこの滑りそのものでした。
新雪の滑りの中でもこのことがよく解ります。今一度,じっくりご覧下さい。
  “かかと支点”で滑ればこの様な「うまいスキーヤーの特徴的フォームや運動」が自然に顕れます。ですが,母子きゅうを荷重点としたのでは,全く逆の運動が出てしまうのです。「三枝兼径」の“かかと支点”意識の滑りが,彼の滑りの骨格を形成していたのがよく解ります。

  さて,これ以外にも面白い「語録」がありますが,今日は長くなりましたので,また明日ご紹介します。See ya !!!


 ☆ Wednesday  September  30   2009      曇り  ( 白馬 )  


白馬 9/30

  今日は「曇り」の白馬です。
  朝...7時ころは雨が上がっていますが,これから今日一日断続的に降るとのことです。
  明日は,前線が一時南下し,晴れ間が出るようです。
  そういえば,明日から10月ですネ !!!。今シーズンの企画...中旬までお待ちくださいネ !!! (*^^)v

「三枝兼径」さん...彼の滑りは“フィーリングスキー”そのもの !!!

  昨日に引き続き,「三枝兼径」さんとの思い出...その2です。
  彼の滑りで“TOK”の目に焼きついているのは角付けの切り替えを
“クロッシング”で行なっていたことです。“重心”の下をスキー板が通過することで角付けの切り替えを行なう技術ですが,当時は身体を次のターン内側に移動させるか,山回りでのチェック動作を使ってスキーを次のターン外側に持ち上げるようにして移動させるやり方主流でしたから,彼の“クロッシング”技術は新鮮だったのです。またその速度の速さ,これは他の人が真似のできる速さではありませんでした。
  そしていつも上半身がピシッと立っていて,折れていない...ということも特徴的でした。他の人は腰が海老のように曲がっていましたから...。今でもその滑りが目に焼きついています。
  
新雪の滑りでもそれが判りますが,彼はまさに,いつも“自然体”での滑りをされていた...そう思います。(*^^)v

  三枝語録 : ③...『
スキーブーツの下にある爪楊枝の場所や,向きが判るよ !!!
  これは,スキーブーツの話しをしていた時の語録です。彼「三枝兼径」さんは,カベールの“アズーロ”という青い色のブーツを好んで履いていました。いつも予備のブーツを準備していて,「“TOK”さん,今履いているのが壊れても,直ぐ予備があるから...ネ !!!」と自慢そうに話されていました。
  このブーツだと...表題のようにブーツの下にある「つまようじ」の位置が解るだけでなく,その向きまでも判る...というのです。“かかと支点”と“ブーツの感度の良さ”...これについては私もその必要性を感じ始めていた頃なので,彼のこの言葉が今も頭に残っています。つまり,スキー滑走中に大事な要素として,「“感じる”ことができなければダメだ」 !!!...ということを彼は話したかったのだと思います。
  “感度”の良いスキーブーツ...それがカベールの“アズーロ”だったわけです。シェルが薄めで,非常に硬いブーツでした。前傾角については分りませんが,いずれにしても大変硬い靴で,それでないと気に入らない...という様子がアリアリでした。そういえば,当時活躍されていたステンマルクや海和さんなども履かれていましたネ...。好んでこの様なブーツを履かれていた...ということは,これらの方々皆さんが“
感じるスキー”をされていた !!!....ということなのだと思います。 !(^^)!(*^^)v
  
  三枝語録 : ④...『
スキーレッスンは,半日一時間半で充分 !!!
  これは,スクールのレッスン時間は午前二時間,午後二時間...と決まっていたにも拘らず,彼は時々一時間ほどでレッスンを終えていました。その理由を尋ねると...「集中してできるにはその人なりの時間
というものがある。だから誰でも二時間が最適なレッスン時間とは言えないんだよ !!!」...というような答えが返ってきました。
  つまり,「生徒さんの人となりを見て,その人が集中してレッスンを受けられる時間を推し量りなさい...。そして,その時間内で,ホントに集中して行ないなさい !!!。それが大切なんだよ !!! ダラダラと長時間やればいい...というもんじゃない...」ということを仰りたかったのだと思います。
  New Zealand で“TOK”は今年,「“量”よりも“質”」ということをお話したのですが,そのことと似たことを彼は30数年前に気付いておられた...ということなのかもしれません。

  こうやって「三枝兼径」さんの語録から彼の滑りを観てくると,今“TOK”が皆さんにお話ししている“フィーリングスキー”そのもの !!!....という気がします。その時はうまい滑りで,味わいがある滑りだナァー !!!....と思うだけで,それが“Do Ski”とは違う“Let Ski”だとは分析できませんでしたが,彼はすでにその滑りをされていたのですネ !!!。
  まだまだ,ショート語録で面白いのがありますが,また機会を見つけてお話したいと思います。

  では,今日はこれにて...オ・シ・マ・イ.... !!! シーハイル !!! Schi Heil !!!
 
 Have a nice day !!!

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【注】:この「教師日記」の中には,いろいろな“フィーリングスキー”に関する用語が出て来ます。これについては,検索で「エネルギーライン」,「愛のターン」...等と入れていただきますと,その用語に関する記事がたくさん出てまいりますので,そちらを参考にしてください。


スキー教師【TOK】の個人的な日記です。
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