November
2003

八方尾根スキースクール教師【TOK】の個人的な日記です。興味のある人はどうぞご覧ください。(^I^)  
Ski Top   【TOK】への Mail
※ 映像をご覧になるとき。
当ホームページの映像がご覧になれない方は,下記の「Windows Media Player」をダウンロードしてご覧下さい。
  

 「 スキー教師日記 」 Nov.2003

What's Today ?

11/30 【TOK】の初滑り!
11/27 腰の向きとバランス
11/26 キャスター試走
11/25 公私の別
11/23 少し安堵…の【TOK】
11/22 カヤックとスキー
11/21 自由感覚のスキー
11/20 軽い衝撃…
11/19 言語道断!
11/17 チャンスを生かす…
11/16 教師候補の熱意
11/15 新人教師試験
11/14 グッキー追悼の夕べ
11/13 ピカソとスキー…?
11/12 感動…
11/11 皇居一周
11/10 茨城・守谷から…
11/08
tip

     上達は【Do】で!
11/07
tip 技術の引出し
11/06
tip 雪との会話
11/05
tip 触覚を磨く
11/04
tip つぶやく
11/03
tip
     どっちに行くか?
11/02
tip
     どこでズレるか?
11/01
tip …ズレる


*** これまでの日記***



* 2003年10月
* 2003年9月
* 2003年8月
* 2003年7月
* 2003年6月
* 2003年5月
* 2003年4月
* 2003年3月
* 2003年2月
* 2003年1月

* 2002年12月

* 2002年11月

* 2002年10月

* 2002年9月
* 2002年8月

* 2002年7月
* 2002年6月
* 2002年5月
* 2002年4月
* 2002年3月
* 2002年2月
* 2002年1月
* 2001年12月
* 2001年11月
* 2001年10月
* 2001年9月
* 2001年8月No.2
* 2001年8月No.1
* 2001年7月
2001年6月


*  以下 2001年

教師日記 5月

教師日記 4月
教師日記 3月
教師日記 2月
教師日記 1月

*  以下 2000年

教師日記 12月
教師日記 11月
教師日記 10月
教師日記 9月 #2
教師日記 9月 #1
教師日記 8月 #2
教師日記 8月 #1
教師日記 7月
教師日記 6月
教師日記 5月 


 * 以下 1998-2000

2000年4月 
2000年3月
2000年2月
2000年1月
1999年12月
1999年秋
1999年4月
1999年3月
1999年2月
1999年1月
1998年12月


※ご注意!! 
このホームページは, 個人的なもので公的なものではありません。
ページ内の記事及びデータなどを参考にしてたことによって派生した事についての責任は負えませんのでご了承ください。

Nov.30/2003 (日曜日)  曇り
 気が付くともう11月も今日で終わり…。相変わらず雪はありませんが,明日からは12月…「師走」です。
 さて,皆さん!ただ今ぁー! 27日からの出張から帰って参りました。皆さんもうお気づきの方も居られると思いますが,北関東・甲信越ブロックの「中央研修会」に参加して参りました。時々各スキー学校やスクールの「主任講師」も参加するよう求められるのですが,今年は教程が改定になり,検定のシステムが変わったこともあって特別の召集でした。場所は「鹿沢スノーエリア」でしたが,皆さんご存知のように今年は全国的に雪が少なく,人工雪に頼っての研修でした。
 ところで…多分,皆さんはそこでどういう研修が行なわれたか?何が話され,何が演技され,何が議論されたか?を一刻も早くお知りになりたい…そう思っておられると思います。私も,私が学ばせていただいた事を皆さんにお話したいのは山々ですが,今回ばかりはそれができませんその理由は,私がスキースクールの公式の立場で出席し,そこで知りえた知識や情報を,個人的にこのページで披瀝する事は,私の越権行為ともなります。また研修会の席上で話された事柄については,その事を充分に租借し,これから各都道府県や地域レベルの「指導員研修会」などの場で議論検討される事になります。このホームページは,あくまで個人の考えを多くの人に発信しているものなのですが,おかげさまで非常に多くの方にご覧頂いています。これから以上の作業がこれから続く中で,今この場で,中央研修会についての私の個人的な意見を述べる事は,そういう面から見て妥当ではないと思います。しかるべき時期…多分,12月下旬頃には私の率直な感想を述べさせていただく機会が来ると思います。申し訳ありませんが,それまでお待ちいただくようお願い致します。
     *****
 さて,中央研修会のスケジュールの合間をぬって,小一時間ばかりフリースキーイングをさせていただきました。28日…丁度お昼休みが1時間半ばかりありましたので,その時間を利用して滑らさせていただきました。(^I^) “スキー”ってやっぱりイイなぁー!とつくづく思いました。天候は曇りで,雪もそんなにイイ状態ではなかったのですが,1時間が瞬間的に過ぎてしまいました。
 昨年の初滑り第一ターンは…斜面を直滑降で滑り,それから少し右側に山回り込んで,おもむろに左ターンへとつなげた
…というのでしたが,今年の初滑りの「初ターン」は研修会の中の「“斜めの直滑降”を止めるための,右方向への山側シュテムターン」でした。(^I^) それから何度も緩斜面や中斜面で実技を行いましたが,想像以上にバランスを崩したり,滑走感覚が薄れていたり…ということもなく,「やっぱりスキーは楽しい!」と思いました。実技では研修会のテーマに沿った規制された滑りを行ったので,自由さはありませんが,それでもスキーは楽しい!と感じました。雪面上をスキー板の上に乗って滑る感触が,なんとも言えず良いフィーリングなのです。(^I^)
 お昼の一時間は,全くのフリースキーでしたから,いろいろなことを意識して滑りました。このオフの間にまとめた「キャスター・ターン」を頭に入れながら,自分がこのホームページ上で語った事が間違いでなかったかどうか?…確認の滑りもしました。気持ちよく滑れている時の身体の状態にも思いを馳せました。なんで“スキー”って楽しいのかなぁー?ということも考えながら滑りました。我々スキーヤーからすると決して良い状態の斜面ではないけれど,いろいろな斜面やいろいろな状態の雪がそこに在ることに感謝しながら滑りました。スピードを出し,風を感じることの快感もさることながら,スピードが無くても,足の裏を通り過ぎる雪の感触を楽しむことの素晴らしさを感じながら滑りました。
 本当に楽しい楽しい【TOK】の“初滑り”でした!!! (^I^) (^o^) (^I^)
 “スキー”って本当にイイネェーーーーー。



Nov.27/2003 (木曜日)  曇り
 今日も曇り空の白馬です。天気図を見ても,ちょっと雪が来そうな雰囲気ではありませんねぇー…。
 さて,今日午後から出張です。29日夕方には帰って来ますが,それまでちょっとUPできそうもありません。その間,教師日記… オ・ヤ・ス・ミ となりますのでよろしくお願い致します。(^I^)
     *****
 さて,今日は【TOK】の掲示板でのご質問にお答えします。“こまわりさん”からのご質問で…
  『 欲張りな質問です… こんばんは。初めまして。小回りとターン時のバランス維持についてご指導をお願いします。
小回りの基本は上体を常にフォールラインに向けておくということですが、脚部がひねられていくとき、腰も上体と同じようにフォールラインに向けておくのか、それとも脚部と同調して腰も回っていくのでしょうか。要するに、ひねられる結節点は、腰の上部(おへそ辺り)ですか、腰の下(太もものつけね辺り)でしょうか。大回りの時はどうでしょうか。
 もう一つは、かじ取り期に内倒の癖を排除すべく左右のバランスを保つコツがあればお教え願えませんでしょうか。私なりには、ニュートラル・フラットになるまで外足1本でキャスターでS字ターンの意識をもつか、または、脚部がひねられていくことに対して、上体が逆ひねられ状態になることを意識していけばいいのかな、なんて思っています。
 まだスキー歴が浅くて、ポインをついてないかもしれません。シーズンインまでにこれらの疑問を解決(頭の中でですけど)しておきたいと思いまして欲張りな質問をさせて頂きました… 』 

 “こまわりさん”こんにちは! 掲示板書き込みありがとうございました。(^I^)
 初めの「小回り」についてですが,腰がスキーに付いて行く,行かない?というのはそのどちらもある…と私は思います。普通のスキッディング系の滑りでは,腰もフォールラインを向いたままですが,カービング系では腰はスキーに付いて行くように思います。…というのは,スキッディング系ではスキーの横方向から雪の抵抗を受ける事になり,カービング系ではスキーのトップ方向から抵抗を貰おうとするからです。ただし,カービング系で腰がスキーに付いて行くといっても,上体全てが回り込んで行くのではなく,ウエストから上部はフォールラインをキープしています。つまり,ウエストから上の上半身は逆ひねり状態になる,ということです。大回りでは,スキッディング系にしても,迎え角の量は少ないので,それほど大きな逆ひねり状態は出来ません。カービング系においては,尚更です。
 次に,舵取り期での「内倒」についてですが,私は内倒の原因はいろいろ考えられるけれど,その主なものは二つだと思っています。ひとつは,スキーそのものを動かしてしまう事によるものです。特に,ターンしようとする時,外側にスキーを押し出してしまうと,足場が外側に逃げて行きますから,内倒になりやすいのです。これを私は【Do】的スキー,と言っていますが,雪の抵抗を受け止め,その力でターンする,という【Let】感覚のスキーでは,この様なことは起こりません。バランスを意識したスキーをされたい…ということであれば,特に【Let】意識の滑りをマスターされる事をお勧めします。(^I^) 二つ目は,内足の使い過ぎです。ターンの始動期においては,角付けの切り替えが終わった直後くらいは内足に乗っていてもOKですが,そのあとは自然にターン外側のリードに任せるべきだと思っています。舵取り期の基本は,グッキーも口うるさく言っていましたが,外足主導だと私は思っています。
 「腰の向き」と「バランス維持」…二つとも非常に大事なことです。スキー暦に関係なく…非常に大切なことです。でも,フォームを先に作ろうとかバランスを保つぞ保つぞ!…としない事です。結果として,どういう意識で滑ったら,そういうフォームが出来,バランス維持が楽にできるようになるか?という“要因となる意識”を見つけ出す事だと思います。そのための方策をいろいろ,このホームページで紹介していますので,参考にしてください。(^I^)
 それでは“こまわりさん”にとって良いシーズンになりますように!(^I^)




Nov.26/2003 (水曜日)  曇り
 今日は曇り空の白馬です。例年より暖かい気がします。新聞でも北海道以外は今年も暖冬…との報道がありました。毎年のように「暖冬」なのですが,降雪量はこれとはあんまり関係が無い様です。暖冬でも大雪の年もありますから,それほど心配はしていないのですが…気にはなります。(^I^)
     *****
 今日は“K.M”さんの e-mail のご紹介と,それに対する私のコメントです。
  『 … “K.M”と申します。以前何度かメールにご返答いただきました。お忙しいところありがとうございました。さて、11月に入り、人工スキー場もいくつかOpenいたしました。まだ遠出は出来ませんが、狭山(西部球場隣)で、友人・次男と滑ってきました。初めてキャスター・イメージで滑ってみましたが、斜面荒れて来ても、また板を換えても感覚的にたいへん掴み易いと思いました。(2001年サロモン3V168cm〜2003年FisherSC155cm) 私ももう中年以上ですので、何が何でも切り込む滑りでは自由に板が動きません。圧を加えるタイミングが悪いと、特にレーシング用SL板は吹っ飛ばされてしまいます。板が雪面からもらうエネルギーで廻す(というか廻される?)のは、たいへん安定して滑れると感じました。友人(わたスキ世代)は、イメージ・トレーニングどおり滑れないといっていました。次男はこの滑り方、お父さんには合ってるけど、板が走っていないね、と申しておりました(次男は高校生レーサー)。私のイメージが合っているかどうかは分かりませんが、少なくとも安定して滑れた(板を自在に操れた)のは事実でした。そして、もっと先生の動画、または生徒さんのイメージ前、イメージ後の滑りが見たいと思いました。友人のためにも、滑る時間が思うように取れない全てのスキー人のためにも、イメージ・トレーニングの仕方を再度ご教授いただきたいと思います。シーズン寸前のちょうど良い時期ですので…』 
 “K.M”さん, e-mail ありがとうございます。
 早速「キャスター・ターン」お試しいただいたようでありがとうございます。(^I^) 実際にレッスンをさせて頂いたわけではなく,私のこのホームページでの記事や動画をご覧頂いての試走ですので,大変だったとは思いますが,それなりに違う感覚が得られたようで嬉しいです。私は大事なことは,練習ではいつもと違う意識,あるいは気持ちで滑る事だと思っています。するといつもの自分の滑走フィーリングと違った感じが得られ,それが滑りの引き出しを増やして行くことになると思います。そういう意味で,先ず“K.M”さんも「感覚的にたいへん掴み易い…」ということで,私も安心しました。(^I^)
 さて,キャスター・ターンはお話のようにその基本的な考え方は「雪の力で回してもらう」にあります。ですから,もしスピードを出す,走る滑りをする…という目的のためであれば,次の二点が大事になります。その一点は,キーキャスターの転がり方向を出来るだけ12時に近くする,ということです。そうすることによって,迎え角が少なくなり,スキーが縦方向に走る事になるからです。二点目はできるだけ4つのキャスターを使う意識を持つということです。キーキャスターとセンサーキャスターだけを使おうとすると,角が立ちすぎる事があります。ですが4つのキャスター全部を使おうとすれば,角で滑るよりも面で滑る要素が多くなりますから,滑走性が増すのです。キャスター・ターンに慣れてきたら,少しづつこのような意識を持ってみてください。すると多分息子さんに「お父さん…走ってるネぇー!」と言われるかもしれません。(^I^)
 次に私の動画ですが,10月にUPした「キャスターイメージ映像」が皆さんに今年お見せできるものです。これ以外にも似たような映像はありますが,キャスターイメージを膨らますものは,これだけです。(=_=;) 今シーズンはもう少し撮り貯めしようと思っていますが…。でも,ここで披露させてもらった映像も見方ではおおいに有効利用できます。ただ単に私の滑りを漠然とご覧頂くのではなく,6/24心が晴れ晴れ!で紹介させてもらったようにしてご覧頂くとイイと思います。(^I^) ご友人の方も,何かこれらの映像でヒントが掴められたらいいですネ!
 では,今シーズンも“K.M”さんにとって楽しいシーズンでありますように! もしキャスターイメージが役に立てたら,尚嬉しいです!(^I^)



Nov.25/2003 (火曜日)  小雨
 今日はあいにくの小雨が降っています。昨日は朝突然急用ができ,今日は今日で至急の会議が…。なかなか落ち着いている暇が無くなりました。でも,忙しいということは,それだけ動けるし,自身にとっても生きがいのあることでもありますから,文句は言えません。(^I^)
     *****
 今日は「公私の別」についてです。
Nov.19/2003の日記「言語道断!」ということでUP致しました。「○○教程」は,財団法人○○連盟が出している本ですから,これは立派な「公的書物」だと思います。その権威も絶大で影響力も大きいわけですから,それなりの発行責任もあると私は思っています。
 さて,最近 Inter Net で誰もが簡単に自分の意見を述べる事ができるようになりました。この私のホームページもそのひとつです。私のスキー指導体験を皆さんに披瀝して,その文や考え方,意識の中から,皆さんにとって少しでもお役に立つヒントが見つかったらイイなぁー…という思いで書き始めました。おかげさまで少しづつ共感してくれると言うか,変だけど面白い…という人も増え,私の思った以上の人が見に来てくれるようになりました。そして,いろいろなご意見を寄せていただいています
。私自身が勉強になり,ほんとうにありがたいと思っています。
 ですが,実は最近少し怖くなって来ています。八方尾根スキースクールに所属はしているものの,あくまで一教師としての個人的意見を載せているつもりが,どこか「スキースクールの公的発言」をしている…というような受け止め方をされている方が居られるようなのです。トップページに…
※ご注意!! このホームページは, 個人的なもので公的なものではありません。ページ内の記事及びデータを参考にして派生した事柄や,その結果についての責任は負えませんのでご了承ください。」とうたっているのですが,これだけでは不十分なのでしょうか(=_=;) 日本には「公私の別」を尊重する風潮は少ないのでしょうか…?。もしそうであるなら,自分が発する記事についてもかなり責任を持った書き方が要求されると思います。もう一度このホームページの存在意味を考え直した方がいいのかもしれません。
 私は,この日記でも時々書いていますが,「世の中,いろいろあるから面白い!」と思っています。皆んなが皆同じで,考え方も,センスも,価値観も…ある特定のものだけが評価されるとしたら,なんと味気ない世界になるでしょうか?それぞれが違っているから,個性のある,味わい深い世界が広がって行くのだと思います。ですから,私的にはいろいろな意見や
考え方を公表していいと思っています。わたしはこのホームページを通して,【TOK】という人間が思ったり考えたりする,そういった「ひとつのモデル」を披瀝しているつもりです。その中から何か参考にあることがあったらお使いいただけばいいし,役に立たなかったら読むのを止めていただければいいと考えています。
 そういうわけで,ぜひこのホームページをお読みに方にお願いなのですが,これはあくまで「個人のホームページ」なのだ…ということをご理解いただきたいと思います。
 …ということで,これからもよろしくお願い致します。(^I^)



Nov.24/2003 (月曜日)  快晴!
 今日は快晴の白馬です。
 ちょっと急用ができましたので,今日の日記は オ・ヤ・ス・ミ です。
 せっかくお越しいただいたのにスミマセン…。(=_=;)



Nov.23/2003 (日曜日)  曇り
 今日は一面の銀世界!(^I^)…というのを期待しながら眠りに入ったのですが…ザンネンでした!期待ハズレ…。こういう状態が降雪があるまで続くのです。毎年のことです…。でも,それにしても,昨年は今考えると凄かったなぁー!兎平やパノラマはどんどん滑れたもんネェーー!!!(^I^)
     *****
 さて,今日も e-mail のご紹介です。“T.S”さんから頂いたもので次のような内容でした。
  『 …Tok先生こんにちは。いつも拝見しています。某スキー場でスキー教師をしています。教師生活10年以上になりました。今年改定された新教程のビデオを見ました。これまで数年のカービングオンリーというスタイルからは少し脱却していて、カービングだけが望むべき姿、みたいな印象は受けませんでしたので一安心でした。でも、検定などではどうなんでしょう?やはり、スキッディング要素よりもカービングの方がいい配点となるのでしょうか?もしそうだとすると、依然としてゲレンデでは高速カービングが幅を利かすようで少し心配です。Tok先生のお考えを聞かせて欲しいと思います。… 』
 “T.S”さん e-mail ありがとうございます。(^I^) 今年教程も検定も変わる…ということで皆さんからいろいろなご質問をお受けしております。私も教程とビデオを見させていただきました。“T.S”さんもお感じのように,これまでカービング一辺倒的な印象は弱くなっているようです。そして,「スキースポーツの展開」ということで,バックカントリーから,テレマーク,フリースタイルまで,幅広いスキーへの展開を目指す…ということがハッキリ打ち出されています。ですからカービングオンリーということだけが目的では無い,ということです。(^I^)
 さて,ではこの教程改定の意味がどう検定の現場に反映するか?ということですが,わたし流に言わせてもらえば,そのキーワードは「うまさ」と「能力の有無」とを区別して見極める…ということだと思います。例えば,整地中斜面でギンギンのカービングターンが出来る人が居るとします。その人が3月下旬のザクザク雪の条件の時に1級を受験したとします。スキートップで雪面を切るような意識で滑ったとすれば,多分その時ザクザク雪は外側に逃げてしまって,スキーはシェーレン状態になることでしょう。この時の評価は「1級不合格」…だと私は思います。その理由は,「斜面状況を見極める能力が無い」からです。本当の「うまさ」を知っている人は,そんな滑りはしません。雪の抵抗をしっかり受け止め,スキーのたわみを生かして減速要素の少ないターンを心掛けるでしょう。ナニが何でも内向内傾の滑りがイイ!というものではないのです。
 残念ですが,昨年度までの検定は“ポイント制”でした。特に実践種目講習テストでは,「技能到達度」が評価の目安になりました,そのため,受験生は斜面条件の如何にかかわらず「技術到達度」として設定された技術を演技せざるを得ない状況下にあったのです。検定員も,この能力の有無を見なければならなかったので,本来ならこのような斜面でカービングターンなどすべきではない…と思われる場所でも,その要素の演技を要求しました。言葉を変えて言えば「能力」の有無が,評価上の大事なポイントになっていた…ということです。
 ですが,今年は少し様子が違うと思います。昨年までの「評価基準」の中では,「到達度」「習熟度」「運動要領への適応度」という言葉がありましたが,今年はその言葉が見当たりません。替わりに出てきたのが「斜面状況への適応度」と言う言葉です。同じ「適応度」でも,「運動要領」と「斜面状況」とでは天地ほどの違いがあります。カービング技術で滑れる所,あるいは適している所ならばカービングで滑れば評価されるが,カービングが似つかわしくない場所では,それを使えばマイナス評価になる…ということです。昨年までは,ある意味で「いかにカービング要素がどれだけ出せるか?」がポイントになって評価されましたが,今年からは,状況を見る目が必要になる…ということです。ですから,カービングのしやすいスキー板を使った方が有利…ということも,あながち言えなくなった,と言えます。
 このように,斜面条件にあわせたターン技術の使い分けが出来るかどうかが,これからの検定では大事になると思います。つまり,本当のスキーの「うまさ」ということを出すことが求められる訳です。ですから,検定する側の人間は,1級なら1級の滑りとして,各条件下での合否基準をしっかり持っていないければならない…ということになります。なんとなくうまいから合格…ではなく,この与えられた斜面では,こういう理由でこういう滑りができたから合格!出来ないから不合格!といった確固たる検定員としての視点を持たなければならない,ということです。各検定員が,この「うまさ」と「能力の有無」を区別して見ることができれば,本質に迫ったいい検定になる…と私は思っています。
 ですから,ナニが何でもカービング…という滑りを,ゲレンデの中で見る機会は少なくなる様な気がします。完全に無くなるとは思いませんが,「カービングだけが“スキー”ではない」ということを,少し遅まきの感はありますが,S○Jが気付き,教程と検定に反映させた…ということで,少し落ち着いてスキーを楽しむ姿が多くなるように思います。(^I^)
 少し安堵…の【TOK】でした。(^I^)
 



Nov.22/2003 (土曜日)  曇り
 今日から晩秋の3連休が始ります…。皆さんはどのようなご計画を立ててられますか? 私は,雪が無くてもスキーに関した雑用が一杯…。でも,スキーに関わりのあることなので楽しみながらやってます!(^I^)
     *****
 
さて,今日も e-mail のご紹介です。今日は“S.H”さんから頂いたもので,私がこの秋から始めたカヤックに関したことを書かれています…。(^I^)
  『 
…佐々木先生こんばんわ。 スキーシーズンもすぐそこまで来ていますね。いつもメールにご返事いただきありがとうございます。S.Hと申します。ところで最近カヤックにハマっていらっしゃるようで。じつは私も冬以外は、カヤックやってます。といっても多分先生のやってらっしゃるリバーカヤック(?)とは違い海が近いのでシーカヤックですが。ぼくの船は全長5m。主に外洋仕様ということで操作性はよくありませんが、直進安定性は抜群です。スキーでいえばコンフォートの大回り系の板でしょうか?先生がカヤックをやられるなんて嬉しくて思わずメールしてしまいました。来年の夏は是非伊豆の海に漕ぎにいらっしゃって下さい。スキーもいいですが、海抜0mの世界も最高ですよね。いや〜自然てすばらしいですね。…』 
 “S.H”さん, e-mail ありがとうございます。以前二度ばかりやったことのあるリバーカヤックを友人の薦めもあり,また始めました。水面に近いすぐの所に目線がある…というのは新鮮な感じを受けます。普段陸地から見ている周囲の景色も違った感覚で観えます。視線を変えると,あるいは視点を変えると,同じものでも違って見える…という,当たり前といえば当たり前のことに,今更ながら気付きました。(^I^) “スキー”でも同じようなことが言えます。同じ斜面を滑っていても,その時その時にナニを思って滑るか?ナニを意識して滑るか?で,その答えが違ってくる…ということです。カヤックでそのことをまた再認識しました。(^I^)
 またさらに,リバーカヤックはシーカヤックに比べて小回りが効く分安定性に掛けます。ですからスキーの小回りと同様,“重心”の軌跡を一定に保つことが難しいのです。それだけ操作することの楽しみがありますが…。そういうことで,あらゆるスポーツにおいて“重心”をどう捉えるか?ということが大切なんだ!ということも再確認しました。(^I^)
 それと,今思い起こしてみると,私がカヤックにはまった最大の理由は,「水とのコミュニケーション」だった…とそう思います。カヤックをやるようになって,川を流れている水にもいろいろな表情があることが分かりました。小さい波から大きい波,川の外周の流れと内側の流れ,流れと流れが合流し交じり合った時に生まれる新しい水の表情…Etc.など,いろいろな表情を見せてくれます。スキーで言えば深雪からコブ,悪雪から整地アイスバーン…といろいろあるような感じです。それだけにその水の表情をどう読み,艇をどうその水とマッチングさせて行くか?といういろいろな楽しみがあります。
 …ということで,実はカヤックをしながら“スキー”を思っている【TOK】でした。(^I^)
 “S.H”さん!ぜひ今度機会を見てカヤックご一緒しましょう!(^I^)
 イヤァー…自然ッて実に素晴らしい!(^I^)




Nov.21/2003 (金曜日)  曇り
 今日は虹がきれいに見えました。…ということは西の空は雨。この雨,雪に変わるかもしれない…との予報が出ています。ぜひともその予報が当たってくれますように!(^I^)
     *****
 さて,今日は過日“hiro−k”さんから頂いた e-mail をご紹介します。次のような内容でした。
  『 …今、私の手元に昭和47年発行、スキージャーナル社の「続 新しい基礎スキー」平沢文雄 著があります。当時、スクールで、TOKさんがキャスターを転がしていく感覚を「抜重」という言葉で教えてくれました。この本の中にもはっきりと抜重と書かれています。今のスクールであれば、いかに圧を逃がさないように教えていますから「抜重」なんてナンセンスもいいところですよね。でも、TOKさんの映像(
2003年10月の キャスターイメージ映像:【TOK】注)を私が見ると「抜重」に見えます。そう思いながら見ているからでしょうか?ちなみに今日の映像の最後、内足、持ち上げていますよね。多分停止に入る手前かなっても見えますが人の目なんて、客観的事実も主観的な見方で変わってしまうことがわかりました。決してTOKさんにいちゃもん付けるためにメールしたわけではありませんし今は、私もTOK信者の一人になりそうなぐらい、毎日楽しみにホームページ読んでます。私自身が一級を取得して、思うようになったこととTOKさんにお願いしたいこと.....あまり技術にこだわらずにもっと自由な感覚でスキーを楽しめるように指導普及してください。スキーはいくつになっても楽しいものです。そういえば、最近のスクールは画一的ですね。当時は、今日はお天気がいいから上までいきましょうか!で、上につくとまずは、白馬三山の説明と五竜、鹿島槍の紹介栂池の向こうに雨飾、焼山、火打山なんて紹介できる先生いるかな?正面が志賀高原なんて一言で言うけど根子岳、四阿山、指さしていないだろうね。昔の先生は、お天気に併せてコース変えたりトレインで後ろ滑らせてくれたり、もちろん景色の紹介だってバッチリだったからボーゲンでも楽しかったなー。そんなスキーも検定目指したら楽しくなくなっちゃった人間て面白いですね。私も48歳になります。そんな意味でTOKさんの理論は体力的にも本当に勉強になります。今後もがんばってホームページづけてください。では、また。…』
 “hiro−k”さん e-mail ありがとうございます。このようなお便りを拝見するとOn Line Ski School…やっていて良かった!と思います。
 さて,「抜重」ですが,私は抜重技術は今でも角付けの切り替えに必要な大切な技術だと思っています。当時…というと多分昭和50年頃でしょうか?この自分は抜重動作と荷重動作をどうコントロールするか?というようなことが盛んに議論された頃だと思います。“重心”位置を上下に出来るだけ動かさないで,抜重するにはどうするか?…などということが…。(^I^) 映像の最後,内足が持ち上がって…というご指摘ですが,確かに映像では角付けの切り替えが終わってから,内足が上がる場面がみられます。私はこれはこれでいいと思っています。足裏のキャスターを意識して滑った結果,「身体の特徴・用具の特性・自然条件」に合ったかたちでこのような運動及びフォームが出て来ている訳ですから…。特に角付けの切り替え時に,ちょっとしたコブや凹凸があったりすると,出来るだけ雪面を捉えて居ようとしても,それが出来なくなる時があります。もしこのように内スキーが上がってしまうことが,スキーヤーのバランスを崩したり,不安定なスキーの動きになったりすれば,これは改善の余地がありますが…。
 「
技術にこだわらずにもっと自由な感覚でスキーを…」…私もこのことはもの凄く大事なことだと思っています。いろいろな楽しみ方がありますから,これを押し付けるつもりはありませんが,技術はあくまでそれを使ってさらなる楽しみを味わうためにあるのだと思っています。ですから技術追求そのものが目的になってしまうと,少し残念に思います。若い教師諸君には時間を見つけては,画一的でないレッスンをするよう指導していますが,これからもその様に努めたいと思います。
 
“hiro−k”さんも,お歳のことなど気にされず,ますます“スキー”を楽しまれますように!(^I^)
         



Nov.20/2003 (木曜日)  曇り
 今日は曇り空の白馬です。これから二,三日曇りや雨の日が続くようですが,雪になってくれないかなぁー…。
 さて,今日はNYの松井が語った言葉から…。昨日の朝日新聞に「松井」のコラムがありました。その中で,彼は来年の課題として「レフト方向に強い打球を打つ。そのためには先ずその“意識”を持ち,それにはどういうことが必要か?ということを考える…」と述べていました。
 この先ず“意識”することから…という言葉に,思わず「そうそう!」と同感してしまいまいました。(^I^) “スキー”をしていて,自分の上達してきた過程や,生徒さんの上達方法を見ていると,自分や生徒さんが,何をどう意識しているか?ということが大きく役に立っているのが解るのです。先ず“意識”があって,そしてその意識が各人にどういう滑走フィーリングを与えてくれるか?そしてその自分の滑走フィーリングが傍目にはどう見えるか?…ということです。つまり,“意識”が最終的には“フォーム”や“姿勢”,“身体の運動”になって現れるのですが,その過程で“自分なりの感性”が在るのです。ですから,最終的な“フォーム”だけを求めても,それはあんまり役に立たないのです。“意識”⇒“感性”⇒“フォーム”…という順序立てが必要なのです。このことを私はレッスンで「因果関係で上手くなる」と話していますが,どういう意識でスキーに乗るか?という“因”があって初めて,その結果としての“果”…フォームが表れるのです。ですから,雪の上に立っている時,私は出来るだけ「自分の意識が雪とのコンタクトと反応して生まれる“感じ”」を大事にするようにしています。
 大リーガー「松井」の「すべてにより良いパフォーマンスを出すために,意識を変えることから始めます…」という彼の言葉は私の身体に“ピシーン!”という軽い衝撃を与えてくれました。(^I^)



Nov.19/2003 (水曜日)  快晴
 今日もイイ天気ですヨ! どうも日本全国イイ天気のようですが,一部北海道や東北は雪?ですか?そろそろ本当に雪が恋しい【TOK】ですが…。(^I^)
 さて,昨日のニュースで新幹線の運転手が運転中に e-mail …というような事が流れていました。これが事実なら,由々しきことだなぁー!と思いました。千人近くのお客様の命を預かって運転席に座っているわけですから,それなりの緊張感を持って欲しいものです。否,たとえ乗客が一人でも同じことですが…。ある意味で言語道断!です。
 ひるがえって,スキー教師のことに思いが至りました。私たちスキー教師もお客様をいろいろな斜面にお連れします。そしていろいろな経験をしていただこう…と思っています。しかし,もしお連れするお客様の技術レベルやその時の体調などを考えないで,そういうことをしたらこれは教師失格です。常に「お客様」のことを第一に考えた行動をしなくてはなりません。自分の都合で,自分に良いようにものごとを進めて行くのは厳に慎むべきことです。
 ところで,この頃は,Inter Netの普及等で自分の意見を述べることが格段に容易になりました。それだけ,各自の持論展開が簡単になったと言えます。でも,それは「言論の自由」という個人的な権利を各自の判断で使っているだけのことで,真にそれが正しいかどうかはクエッスション?です。それがある意味で社会性を持っているか?あるいは正当性を持っているか?の判断はそれが「第三者」にとって役に立つかどうか?という視点で見る必要があります。ですから,最悪なのは各自の持論展開が公的な書物に採用され,それが正しい!と決め付けられた時です。少なくとも公的な書籍については,その団体が事前にいろいろその方面の学識経験者を集めて充分に討論し,その結果を踏まえて載せるべきです。そういう意味で,今年改定になったある団体の「○○教程」はいかがなものでしょうか?もしこれが先に述べたように,充分な検討が無いまま行なわれたとしたら,「新幹線の運転手が運転中に e-mail …」と同じように「言語道断!」であります。
 でも,“スキー”をする時,そんな理屈はどこかに消えているなぁー!!!(^I^) (^o^) (^I^)




Nov.18/2003 (火曜日)  快晴
 今朝は快晴です!。思い出すと昨年の今頃は兎平やパノラマはすべれたんですねぇー!。
 今年の初滑りはいつかな?(^I^)
 さて,今日はこれから「松本」まで行かなくてはなりません。…ということで,教師日記…これにて…
 せっかくお越しいただいたのに ス・ミ・マ・セ・ン …(=_=;)



Nov.17/2003 (月曜日)  晴れ
 今朝起きて山を見たら,兎平から上部…白くなっていました。まだまだスキー滑走,とまではいきませんが,少しドキドキしますネ!(^I^) 
 さて,一昨日,昨日と新人教師の選考会でした。
 まだまだスキーの全盛期の賑わいには追いつけません。このような状況下でも,“スキー”の持つ面白さ,楽しさ,素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらいたい…そのような志で八方尾根スキースクールの教師を目指して応募していただいた人たちに,先ず感謝したいと思います。
 昨日は初めにペーパーテストで,スキー教師としての資質を見させていただく為の簡単な筆記を行ないました。この中で,“スキー”とはどういう意味を持っているか?ということを伺いましたが,ほとんどの方が,「生活」あるいは「人生」の中で非常に大きな部分を占めている…と書かれていました。その後に行なわれた「面接」でも同じようなことを語られている人が多かったのですが,スキー教師として1シーズン,もしくは数シーズン雪の上で活躍していただくことは,これまでの人生の中で経験された多くのことと同じように,むしろそれ以上に多くのことを学ぶいい機会になると思います。
 人様に,ものごとをお教えする…という経験,しかも毎日々々違う人と出逢い,お話をする…という経験は,貴重な宝になると信じています。もちろん,このような機会を得ても,そのような状況下にいることの意味に気付かない人には大きな果実は実りません。自らが宝物を探そう,見つけ出そう…という意欲が無いと,その機会を充分に生かすことは出来ないでしょう。しかし,採用になった新人教師にはその第一のチャンスが与えられたことになります。願わくば彼らが来たるシーズン,本当に良い経験をされることを…心から祈ります。(^I^)
 採用通知は今日発送されます。



Nov.16/2003 (日曜日)  曇り
  今朝はいつもより暖かい朝を迎えました。一時は冬型になりかけたのですが…。雪さん雪さん…早く来て来て!(^I^)
  さて,昨日と今日「新人教師」の選考会を行なっています。20数名のニューフェイスが八方尾根でのスキー教師を目指しています。
  昨日は,自己紹介や簡単なエクササイズを通して,短い会話を交わしただけですが,スキー教師としての道を歩む…という選択肢を選んだ方々だけあって,各人に
教師候補としての熱意や,ある種のエネルギーを感じました。みなさんそれぞれ,教師としての資質に優れている…そんな第一印象を持ちました。皆さんの目の輝きがイイナぁー,と思いました。そして,新人教師の選考…という行事なのに,“スキー”という共通語を通して,互いに“ある時間”を共有できる…というある種の「楽しみ」を感じました。(^I^) 願わくば,全員の応募者が合格できることを!
  今日はペーパー試験と,面接です。“スキー”の楽しさをどう語ってもらえるか?楽しみです。
  では,行って来まぁーーす!(^I^)



Nov.15/2003 (土曜日) 白馬 晴れ
  昨日夜遅くに白馬に着きました。久しぶりの白馬の空気,ひんやりとしていました。星空がきれいでした。
  そして今朝…山を見たら,1週間前東京に出掛ける前より少し多目の雪が…。でもゲレンデにはまだまだ…。今年は何時から滑れるようになるのでしょうか?
  さて,今日,明日と「新人教師」の採用試験があります。ことしも30名近くの応募がありました。“スキー”に対してどのような夢を持ち,どのような考えの人間に会えるか…楽しみです。(^I^)
  今日は短めの日記です…。(=_=;)

  では行って来ます。



Nov.14/2003 (金曜日) 東京 晴れ
  今朝の東京…イイ天気です。昨日よりすこし暖かいかも知れません。夕方には白馬に向かいます。
  さて,昨日は渋谷の近く,代官山で開催された,「グッキー追悼の夕べ」に参加してきました。グッキーの逝去を惜しみ,今一度彼の足跡をたどりながら,お別れをして来ました。
  夜6時半からの「追悼の夕べ」には,彼と親交のあったスキー関係の人が約100人ほど来ておりました。中央の壁に「グッキー」の写真が飾られ,その両脇には彼のスキー写真やパネルがありました。そのどれもが,彼の滑りを彷彿とさせるもので,いまさらながら目頭がジーンとしました。その前のテーブルには彼が好きだったビールが入ったグラスが置かれてありました。先ず彼の遺影の前に顕花をさせていただき,続いて,係りの人が手渡ししてくれたビールを軽く彼のグラスに合わせるようにして献杯をさせていただきました。いろいろな人と「グッキー」との思い出話をさせていただきました。約30分のグッキーの思い出の映像も上映されました。その会話や映像をとおして,彼が私たちに残してくれた大きな功績を再確認した【TOK】でした。
  これほど多くの人の心に深く残っている「グッキー」…。その彼が私に残してくれたいろいろなこと…そのひとつでも,もし私が皆さんに語り継げるのなら,それをお伝えしたい…。そんなことを心に深く刻んだ【TOK】でした。



Nov.13/2003 (木曜日) 東京 晴れ
  東京も少し寒さを感じるようになりました。北海道では雪…というニュースも聞かれますが…。白馬はまだのようですネ!(^I^)
  さて,昨日は本当に久しぶりに上野の西郷さんに会ってきました。(^I^) 実は知人から「上野の森美術館」で開かれている「ピカソ展」の入場券を頂いたものですから,それに行って来たのです。その途中で西郷さんと面会して来ました。相変わらず犬をお連れになっていましたが,少し太られたような感じが…ハッハハハハ……(^o^)。
  ところで,私が「ピカソ展」へ…?!?!?!と,少し疑問にお思いの方が居られると思います。そうなんです!。私は本当に絵ごころが無く,犬を書いても馬と間違われるくらいの下手さなのです。でも,せっかく頂いた入場券ですし,こういう機会はあんまりありませんので出掛けることにしました。
  ピカソ…と言えば,あの一見変な輪郭の絵を書いた画家…というくらいのことは知っていますが,あんまり詳しいことは知りません。ともかく入場券を見せて中に入りました。ピカソの若い初期の頃のデッサンや小品から展示されていました。もちろんいくらピカソとはいえ,初めからあのような幾何学的な顔の絵を描いていたわけではなく,普通の画家が書くようなものからはじまっていました。(^I^) 後で知ったのですが,あのような
物体を幾何学的図形で表わすことによって,立体感を出そうとした抽象的な絵のことを「キュービズム」と言うのだそうです。実は,今回のピカソ展はそのキュービズムに至るまでの過程を展示していたのだ…ということを,出口の近くになって知りました。(=_=;) 初めはナニが何かさっぱり解らなかった私も,大作の準備として書かれた,いろいろな部分々々の習作とか,線の使い方などを観ている内に,少しづつその変化して行っているのが見えてきました。主催者の方が素人にも解る様にシッカリとその要点を捉えて展示してくれているおかげだと思いますが,キュービズムの絵に到達するまでの彼の軌跡が,少しづつ絵ごころの無い私にも次第に解ってきたのです。(^I^) そして,絵の横に書かれている説明を読むと,その筆使いの変化は,ピカソの精神的な苦悩や,思うような絵が描けないといったプラトー状態を克服することによって成されたものだ,ということも知りました。
  そして思いました。人って確実に確実に,時の変化と共に変わって行くものなんだなぁー…と。しかも,その変化は悩みやプラトー状態の多さに比例しているものなのだ!ということも…。スキー教師をしている自分は直ぐに“スキー”との関連で見てしまうのですが,このようなことは,スキーでも同じだなぁー…とつくづく思いました。スキーの技術追求も悩みがあってはじめて次の段階への飛躍が約束される…。悩みが大きければ大きいほどその果実も大きい。しかも,一瞬にしてある段階に行くのではなく,それには「時を経る」ということも大きな要因になる。いろいろな経験を肥やしすることや,時を経ることによって,技術の幅を大きく広げることが出来る…そんなことを思いました。(^I^)
  またさらに,“スキー”における「キュービズム」とは言わないまでも,また「絵」ほどの奥行きが“スキー”に無いとしても,“スキー”というものを「人の感性」という側面で捉えて行けば,ただ単にスポーツとして楽しい!というだけでなく,精神的な拠りどころとしての位置づけを持たせることが出来るのではないか?…ということも思いました。ピカソの絵ほどの感銘や感動を人に与えることは出来ないかもしれませんが,“感受性”を磨く道具としてスキーを捉えて行けば,“スキー道”というような精神的な意味合いを持ったスポーツとして“スキー”を捉えることが出来るのではないか?…そんなことを思ったのでした。(^I^)
  さて,さて…このシーズン前の休暇…私にとっては,「歌舞伎」「ピカソ」と文化的なものとの出会いがありました。これが少しは私の“スキー”を変えることに結びつくのでしょうか?もしそうなってくれたら嬉しい!そんなことを思っている【TOK】です。(^I^)



Nov.12/2003 (水曜日) 東京 晴れ
  昨日,一昨日と雨が降っていた東京ですが,今朝から青空が広がり,気持ちの良い一日になりそうです。
  ところで,生まれて初めて「歌舞伎」を観させていただきました。これまで興味はあったものの,行く機会が無く残念に思っていたのですが,昨日,ある人に誘われようやくそのチャンスに恵まれたのでした。(^I^)
  先ず,独特の劇場の雰囲気にのまれまてしまいました。昔の桟敷席を思わせる造りの座席,舞台の袖から客席に延びる花道,客席の階と階の間に設けられた提灯,どん帳の重々しさ…。素人の私にも何百年も続いている伝統文化の重みが感じられました。また,幕あいに弁当やお酒を頂く習慣…これなどは芝居そのものもさることながら,その場所に居ること全てを愉しもう,とするある種のエネルギーを感じました。芝居そのものも,これぞ日本文化…というような雰囲気を一杯感じさせられました。立ち居振る舞いから,独特な言葉使い,そして役者の着ている衣装まで,俺は日本人なんだなぁー…ということをしみじみ思いました。
  そして,見ている最中,芝居にも芝居独特の雰囲気がもたらす“夢”みたいなものがある…そんなことを思いました。ある人はそのあらすじに自分の生き様を重ね合わせてみているかもしれません。またあるひとは,その芝居が訴えている主題みたいなものに共感している人も居るでしょう。いずれにしても,いま自分が見ている芝居に溶け込み,生身の役者が演じている人物を身近なものとして実感している…そんなことを思いました。見る側と演じる側が,同じ空間に身を置き,同じ空気を吸い,生の声を聞いて,同じ時を過ごしている。映画とは違って,決められたとおりのストーリーが展開するとは限らない。せりふを間違えたり,立ち位置が違ったり…。演じている側はプロだからほとんどその様な懸念は無いにしても,そんなことも有り得る…などと思いながら芝居を拝見しました。(^I^)
  そして,「芝居」と「スキー」…接点は無いかな?と思っていたのですが,でも,ありました。それは人に与える“感動”ということでした。芝居小屋あるいは劇場を含めた役者が生み出す“感動”と,自然が作ってくれた環境の中で自分がそれを感じ取る“感動”…その趣は違っていても,身体がジーンとするような,あるいは震えるような“感動”は似ている。そんなことを思った【TOK】でした。(^I^)
 



Nov.11/2003 (火曜日) 東京 小雨
  昨日茨城から東京へ移動し,今日は東京のど真ん中滞在中です。
  昨日,ひさしぶりに「皇居一周」のジョギングを楽しんできました。学生の頃,トレーニングで,毎日のように皇居一周をしていました。約5.5キロのコースで,信号に邪魔されないので立ち止まる必要が無く,今も多くの人がジョギングコースとして使っています。若い頃は18分台で走れましたが,今は30分以上掛けてのスロージョギングです。学生時代は竹橋の近辺からスタートし,千鳥ケ淵,半蔵門,桜田門,大手門…と左回りが主でしたが,昨日はその逆コースの右回りを楽しんで来ました。 まだ紅葉には早く,天気も小雨混じりでしたが,進行方向右側の皇居の景色は昔と変わらない景色で私を迎えてくれました。(^I^) それに対し,左側は以前は無かった大きなビルがたくさん建っていて,時間の経緯を感じさせられました。
  桜田門から半蔵門までの結構長い上りも,スローペースのジョギングのせいか昔ほどきつくは感じられず,白鳥がお堀の水面で泳いでいるのを見る余裕もありました。そういえば,学生の頃は他人に負けまい負けまい…という意識が強く,他人より先に先に!と必死に争って走っていたのを思い出します。若い時の競争心や向上心もいいものですが,年を経て,景色を楽しみながら走るのもまた,別の味わいがあってイイものだなぁー,と思いました。若い頃の自分…そして今在る自分。この二人の存在をどこか俯瞰的に見ながら走っている自分がそこに居ました。(^I^)
  



Nov.10/2003 (月曜日) 茨城 曇り
  今,茨城県に居ます。いつもと違う場所で「朝」を迎えました。茨城県の守谷市です。天気は曇りですが,気分が少し違います。(^I^) 景色が違うのはもちろんですが,この地域独特の空気がある…そんな気がします。
  私は「旅」が好きです。イロイロなことを経験できるからです。良いことも,ちょっと嫌なことも含めて,自分がいつも感じられることと違ったモノに会えるからです。昨日は白馬から長野市を経由して,佐久から関越自動車道,外環道を経由してここに着きましたが,その道中いろいろな景色に会えました。天気は曇り空でイマイチでしたが,それはそれで「天気が良かったらどんなだろう?」と想像を沸かすことができました。(^I^) このように,いつもの場所と違った所に行く事で,自分の日常生活とは違う「非日常」的なことをいろいろ経験できるのです。私はこの非日常のワクワク感が大好きです!(^I^)
  自分がいつも経験することと違うことを経験する…このことは“スキー”をする時にもあることです。私は白馬と言う場所に住んでいますが,そこに住んでいても,毎日毎日の雪の状況は異なります。景色や雰囲気も毎日微妙に変わります。ですから,白馬に住んでいない方々が白馬にいらした時の「非日常」体験は,私たちの想像をはるかに超えるものだと思います。
  私たちはスキー教師として,白馬や八方にお越しいただく皆さんに,このような「非日常」をより多く経験していただけるようなプログラムを作らなければ…と思います。いつも同じ場所でコチョコチョ,ちまちま滑っているだけでなく,多くのことを経験できるシーンにお誘いする…ということです。八方尾根スキースクールの教師ルームの正面に,「地形や雪の自然がスキーヤーをうまくする…」というような言葉が書かれていますが,「非日常体験」の大切さを語っている言葉でもあると思います。
  そんなことを思いながら,旅の初日を終えました。(^I^)
  さて,今日はどんな体験が?!?!?!。楽しみ楽しみ!(^I^)




Nov.08/2003 (土曜日)  曇り
  今日は曇り空の白馬です。気温は15度でこの時期としてはやや高めかな?(^I^) 
  さて,昨日は昼,マウンテンバイクで村内を巡って来ました。トレーニングを兼ねてのbikingでしたが,イイ天気だったので楽しく回れました。紅葉はもう終わっていましたが,赤茶けた木々の中の唐松林の黄色が妙にきれいでした。また,道に落ちて積もった枯れ葉の上を,カサカサという音を聞きながら進むのも,なんとなく楽しい気がしました。(^I^)
     *****
  今日は tips about skiing …の6回目,「気持ちの【Do】」ということについて…。
  常々,【Do】スキーもいいけれど,【Let】スキーを覚えると幅がグゥーンと広がるよ!ということを話させてもらっていますが,今日は【Do】で!ということを…(^o^)
  話は
,病気治療の話から…。(^I^) 病気に掛かった時,患者さんが気持ちの上で,「お医者さんに診てもらえば何とかなる…お医者さんに治して貰おう…」という意識では,なかなか治りが遅いと言います。自ら「良くなろう!良くなるんだ!」という気持ちが強いほど治りが早い,と言います。こういった前向きな姿勢,自分の強い信念が,体中の細胞を活性化させ,NK細胞が増えて自浄力を増加させるのでしょう。まさに今日の格言“求めよ!さらば与えられん!”そのものです。(^I^)
  さて,“スキー”でも同じことが言えます。自らすすんで「うまくなりたい!」という気持でレッスンを受けるのと,「あの先生にうまくしてもらおう…」と思って受けるのとでは,歴然と差が出ます。つまりモチベーションの持ち様が,治りを早くもしますし,スキー上達にも関係する…ということです。なんとなく教わったり,〜してもらおう…という意識ではなかなか上達は望めません。スキースクールの先生に習えば何とかしてくれるよ!という気持ちよりも,こうなりたい!ああなりたい!…という前向きな姿勢があればあるほど上達は早いのです。ですから逆に,それほど技術的にうまくなろうという気持ちが無かったら,教わることよりもいろいろな斜面に飛び込んで楽しむことです。そこでイロイロなことを経験し,なにか迷いや疑問が出たときに,レッスンを受けたほうが数倍上達が早いと思います。そういう時には耳が大きくなっていますし,目がカァッーと見開いています。そういう人の顔つきは求める姿勢が旺盛で,雰囲気が違うのです。何とかしてくれる,なんとかなる…とは大違いです。このように“スキー”の技術向上のためには,自ら進んでうまくなろうという前向きで【Do】的な姿勢が大切です。「教わる」という意識よりも「盗む」という姿勢です。
  
今日の tip 「上達は【Do】で!」でした。(^I^)で。



Nov.07/2003 (金曜日)  晴れ
  今日もイイ天気の白馬です。(^I^) 
  昨日,教師仲間の“M.I”君が私の店「メルツェン」に来てくれました。聞く所によると,鹿沢でひと滑りして来たとか…。春のグサグサ雪になる前の,湿気のやや多い状態の雪で,まあまあのコンディションだったということです。ゲレンデの人数も十数人程度でゆっくり滑れた…と言ってました。まぁ,ウィークデイでしたので,そうだったのかもしれませんが,そんな話を聞くと,ホントに滑りたくなりますネェー!(^I^)
     *****
  今日は tips about skiing …の6回目,「引き出し」ということについて…。
  私はスキー技術向上の目的は,レースなども含め,その技術を使って多種多様な雪の自然を滑ることにあると思っています。その自然の条件は本当に様々です。同じ条件の状態は二度と無い…と言っていいのかもしれないと思います。同じ斜面でも,毎日毎日その表情は異なります。同じように見えても,その日の,あるいはその時間の,湿度や温度,風の有無…で,微妙に雪質が違っているのです。これらの違いを,五感を通して“感じ取る”ということも“スキー”の大きな楽しみです。(^I^) しかし,これら多種多様な雪の上を滑っていると,これまで自分が持っている技術では対応し切れない…と感じる時があります。「これまで身に付けた技術以上のナニかが無いと,楽しみ尽くせない!」と思う時です。この時は,本を読んだり,人に尋ねたり,レッスンを受けたりすることになります。そして,ナニを身に付ければ,さらなる満足が得られるようになるのか?という疑問がひとつづつ消えていくことになるのです。私はこのことを「“引き出し”の数を増やす」と言っています。これまでの滑りに無かった要素の滑り方を身に付ける…ということです。スキー技術は決して一つではありません。いろいろな滑り方をいろいろな環境に合わせて滑れることが…つまり,その時々の条件に合った引き出しを開けることが,大事なのです。そのためには「引き出しの数を増やす」ということが必要です。ある技術だけに固執せず,大きな目でいろいろな技術を吸収する柔軟性を持つ…ということです。
  そして,引き出しの数が増えたら,次はその引き出しの容量を大きくしていくことです。同じ技術でも応用ができるかできないか?はその大きさの違いによって変わってきます。ある技術の引き出しが出来たら,その技術でいろいろな場所を滑ってみます。すると,「アレッ
?ここではこんな風に使えるんだ?!」,「エッ?ここではこんなフィーリングになるの?!」ということに気付きます。まさに「目からウロコ」状態です。このような時は,様々な条件があることが本当に嬉しくなります。雨が降っていたり,コブがあったり,深雪があったり…という条件があってくれるからこそ,このような感動が得られるのです。「雨だからスキー止ァーめた!」などと言っていませんか?風邪を引かない工夫をして雨の中の雪を楽しんでみましょう。技術の引き出し容量を大きく,大きくすることが出来ますヨ!(^I^)
  
今日の tip 「技術の引出し」でした。(^I^)



Nov.06/2003 (木曜日)  曇り
  今のところ曇りですが,そのうち,昼頃には晴れ予報が出ています。
  さて,トップページに「格言」載せました。いろいろなホームページでもよく見かける格言ですが,朝イチバン,このような言葉を見て自分をそれに照らし合わせ,よし今日もやるぞ!という気持ちになれれば…と自戒の意味を込めて載せています。まさに「自己満足格言」です。(^I^) 
  それはそうと,9日から約1週間,自己都合で白馬を留守にします。その間は出先からUPする予定ですが,白馬の写真は載せることが出来ません。悪しからず…。それはそうと,そういうことで今日は「不在者投票」に行かなくちゃ…。皆さんも今度の衆議院選,投票しましょうネ!(^I^)
     *****
  今日は tips about skiing …の5回目で「雪との会話」です。前回は「触覚を磨く」ということで「触覚」をフルに使うことについてお話しました。今日はその触覚をより繊細にしていくにはどういう意識で?ということについてお話させていただきます。
  私はレッスンで
“感じる「場所・方向・強さ」”の三要素の練習をよく行ないます。足裏のどの場所で感じるのか?その情報の来る方向は?その大きさは?…ということです。感じる「場所・方向」は tip …「どこでズレるか?」「どっちに行くか?」のところでお話しましたが,それに加え「感じる量の大小」に気を配ると,身体の使われ方が非常にスムーズになります。「圧」が次第に増えてきている感じや,少しづつ少しづつ減っている感じに意識を集中するのです。パルス的に大きい小さい,ではなく,アナログ的にその量を推し量ろうとすると,足や脚,ひいては身体全体が“センサー”として働いている感じになります。そして,自分から雪に力を加えているだけでなく,雪からの力をもらっていることにも気付きます。すると,「雪と自分との圧のやり取り」ということがフィーリングとしてわかるようになります。
  この「圧のやり取り感」が出てくると,身体の硬直は一気に無くなり,柔軟な身体の動きに変身します。(^I^) 雪の硬さや柔らかさ,粗雑さや滑らかさ,冷たさと暖かさ…そんなものまでもが感じられるようになり,身体が自然にそれらに反応するようになるのです。雪と自分,この両者の間に出来る「圧」という言葉を介して会話が出来る…そんな感じになります。
  この「会話」…実は,足裏からの「圧の増減」が元になっているのですが,心穏やかに足裏で雪の圧を感じようとすると,「アッ!今スキーのトップが柔らかい雪を捉え始めた…」,「オオーッ!テールから後方に雪が逃げて行った…」というようなフィーリングさえ分かるようになります。つまりスキー板がどのように雪を捉え,どうコンタクトし,雪がどのようにスキーの滑走面下を流れて行っているのか?ということさえ感じられるようになるのです。まさに,スキー板が自分の身体の一部になっている感覚です。こうなると,いろいろなスキー技術はどっかへ行ってしまい,雪とのハーモニーを楽しんでいる自分がそこに居るのに気付きます。スキー板がある生き物のように雪の情報を身体に伝えてくれるのです。(^I^)
  雪との会話を楽しめるようになると,天候や雪質,斜度に関係なく,心が豊かになり,ある種「桃源郷」の世界に入ることができます。雪の自然の中で陶酔している自分が見えるようになります。その源は「圧を感じる」にあるのだと私は思っています。(^I^)
  
今日の tip 「雪との会話」でした。(^I^)



Nov.05/2003 (水曜日)  快晴(^I^)
  今朝の朝焼けはきれいでした!…でもそろそろ雪が欲しいですネ!(^I^)
     *****
  今日は tips about skiing …の4回目で「触覚を磨く」です。
  スキーヤーの中にはいろいろな滑り方をする人が居られます。それぞれ特徴があって,その人たちの滑りを拝見するのは本当に楽しいものです。良いとか悪いとかの見方ではなく,楽しんでいるかどうか?という視点で見ると,このことが良く分かります。ですから私は,その人がそのレベルで楽しいスキーをしておられるのなら,それ以上技術がどうのこうの…というのは言わない方が良いと思っています。私がゴルフに夢中になったときに,俗に「教え魔」と呼ばれる人が居りました。教えて欲しいと思っていないのに「アアしたら…こうしたら…」とアドバイスをしてくれるのです。でも,私は心中,「いいんだよ…今俺はこの雰囲気を楽しんでいるんだから…」と思ったことがあります。昔,野球をやっていましたので,良い打ち方をするとバットが漫画の絵のようにギューンとしなる感触があるのを何度も体験しました。ゴルフのクラブもその様な感触があったので,スライスだフックだに関係なく,その感触を味わって楽しむことが多かったのですが,その人にアドレスはどう…グリップはどう…と言われて辟易したことがあります。グリップ云々よりも,ボールをヒットした時のクラブのしなり具合を意識した時の方が,良い球筋でボールが飛んで行くことを私は感じ,楽しんでいたのです。技術がそんなに無くても,そのレベルレベルの楽しみ方がある…私はその時本当にそう思いました。
  さて,同じようなことが“スキー”でもあると私は思っています。技術のレベルに関係なくスキーが楽しく思える時が一杯あるのです。どういう時にそう思うんだろう?…と考えたことがあります。そして思ったのが,自分の“感性”が満足しているかどうか?ということなのだ!ということでした。“気持ち良さ”とはいろいろ起こった現象を,自分の感覚として感じ,それがシックリ来るかどうか?なのだ…ということです。つまり,私たちが持っている“五感”が満足度を計る尺度となっている…ということなのです。
  それに気付いてから,私はレッスンで「支点探しツアー」から始めることが多くなりました。“感じる”ということに慣れて頂くために,足裏のどこに意識を持って滑ったら,プルークボーゲンとかパラレルターンなどのターンスタイルに関係なく,最も安定したスキーができるか?ということに留意して滑っていただくのです。そのために“オレンジ”をイメージとして使ったりします。これをやるとほとんど全員の方が身体の無駄な力が消えてしまいます。感じよう,感じよう…としますので,身体全体がリラックスし,本当に素直に雪とのコンタクトを楽しめるようになるのです。するといつの間にか,「自分から雪に働きかけるスキー」をしなくなり,「雪の力でターンする」ということをやり始めます。「自分でやるんじゃなくて,雪にやられるんだ!」という不思議な感覚に気付かれるのです。私はこれこそが
用具の特性と体の特徴を生かした滑り方だと思っています。
  足で感じる,そしてその情報を脚で感じ上半身に伝える…つまり,下半身を「カタツムリ」の触覚のように使うイメージが生まれて来ます。このように,足から脚まで含めた身体の部位で雪のメッセージを感じ取ろうとすると,また違った意味で“スキー”が愉しくなって来るのです。ただ単にスピードを楽しんだり,難しいシチュエーションをクリアする楽しみだけでなく,その時々の,悪雪やアイスバーンなどの「雪と戯れる」という愉しみ方がわかって来ます。「下半身を触覚として使う」…これは“スキー”を通して“人間の身体の素晴らしさ!”に気付くことにもなる…私はそう思っています。(^I^) 
  
今日の tip …「触覚を磨く」でした。(^I^)




Nov.04/2003 (火曜日)  曇り
  朝方は低い雲が掛かっています。昨日は午後から少し雨模様になって,暖かい気候でしたが,それが少し冷えてきたようです。ヨーロッパではひと月ほど速い降雪…というニュースを聞きましたが,実際ヨーロッパのスキー場の積雪情報を見ると,それほどでも無いようです。カナダも含めこの中旬から本格化しそうですネ!(^I^)
     *****
  今日は tips about skiing …の3回目です。昨日は「文化の日」…ということで,なにか「文化」の意味を…と思っていましたが,図らずも「言葉」ということを考える機会がありました。「8Mile」というラップ音楽を裏テーマとしたビデオを観たのです。ラップの深い言葉の持つ意味は分かりませんでしたが,言葉と音楽が微妙にマッチして私でも映画の中に惹きこまれていました。(^I^) そこでは,音楽,言葉,つぶやきに合わせ,身体がまるで踊るように,自然に動いていました。これを観終わって,私は思いました。スキーをしている時も,ラップほどで無いけれど,言葉をつぶやいている自分が居ることを…。そこで,今日の tips …は「つぶやき」です。(^I^)
  私のレッスンを受けられた方はご存知のことですが,私は滑走中言葉でつぶやくことをお勧めしています。以前も書いたことがありますが,これがある意味で“「呼吸法」を有効に生かした身体の動き”に,結びついているのです。身体の動きが止まるときは,ほとんどの場面で呼吸も止まっています。一番イイ例は小回りの角付けの場面です。スキー板が走らず,止まってしまう人はここで息が「ウッ!」という風に止まっているのです。ところがこの場面で♪♪♪ギューツ…ギューツ♪♪♪というようにつぶやいていると,瞬間的な角付けにはなりません。ですから抵抗を瞬間的に捉えることが無くなり,ある程度時間を掛けた粘りのある抵抗を捉えることが出来るようになるのです。
  このように「呼吸」と「身体の動き」とは大きな関係にありますが,これを簡単に行うには「つぶやき」が最高なのです。例えばシュテムターンをするときは♪♪♪シュテームターン…シュテームターン…♪♪♪という風につぶやきます。シュテームの時に山側のスキーをV字に開きだし,ターンでその開きだした外スキーに乗り込んでいくのですが,この時にこの♪シュテームターン♪の言葉のつぶやきが効果的なのです。何にも言わずに,ただリズム取りをしよう!という気持ちで行った時とでは比べものにならない効果があります。(^I^) みなさんもぜひお試しください。
  さて,今シーズン…どんな言葉が生まれるのでしょうか?楽しみ楽しみ!(^I^)
  
今日の tip …「つぶやく」でした。(^I^)




Nov.03/2003 (月曜日)  晴れ
  朝方は雨が降っていて,今朝は…と思っていたら,9時頃から一部青空が出てきました。(^I^) 今日は文化の日…「文化」の意味を少しだけ考えてみたいものです。貴方にとっての文化とは?(^I^)
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  今日は tips about skiing …の3回目です。この tips 何をお伝えしたいか?というと,私が実践している雪上でのチェック用キーワードです。「滑りがしっくり来ない…どこかおかしいぞ?」とか,「これから急斜面だ…注意するポイントは?」というようなことをチェックしたり,シーズン初めで滑りの勘を取り戻したりする時に意識するポイントです。自分の滑りを確認する意味でも使うことがあります。私がこのホームページでお話していることの繰り返し…と思えるかもしれませんが,それだけ大事だと思っていることでもありますので,ご了承ください。(^I^) 
  さて,今日の tip は,「どっちに行くか?」…ということについてです。滑っている時,どっちか分からないけれどともかくスキーが行く方向!…という気持ちで滑っている人は居ないと思います。他人が居たり,障害物があったりして,衝突を避ける時や,ハイスピードになり過ぎて,少し速度を落としたい時など「コントロールしなくちゃ!」という気持ちが起こるはずです。「どっちに行くか?」…ということは,このコントロールしようという意思のひとつです。ただし,行こうとする方向が決まっても,その時,スキー板がどのように雪上に置かれているか?が最終的な行き先を決める大事なポイントになります。身体の向きとスキーの向きが同じであれば,「直滑降」という滑りになります。ですが,スキーの方向を変え,障害物にぶつからないようにするにはターンしなくてはなりません。この時はスキーの方向と身体の方向が違った向きを向くことになります。この身体の向きとスキーの向きの間に出来る角度のことを「迎え角」と呼んでいますが,「どっちに行くか?」…ということは,結局この迎え角をどの程度にしてどの方向に行くか?ということになります。一般的には迎え角が大きければ小回りになりますし,小さければ大回りになります。その円弧の大きさの程度は,迎え角が大きな要因にはなりますが,それだけでは無く,角付けの量や,スキーの性能,雪質などによっても変わります。
  ですから,迎え角を○○度に決めたからといって必ずある定まった方向に行くとは限りません。その時々の斜面状況+迎え角,がある方向を決めてくれます。ですからもしその決まった方向が,自分の行きたい方向と違っていたら,さらに迎え角や角付けの量を調整して,行きたい方向をコントロールしなくてはなりません。このような,時々刻々の微調整の連続があるひとつのターンになる…ということです。そのためにはいつも心の中で「どっちに行くか?」を意識していなければなりません。「そんなの当たり前だよ!」と仰るかもしれませんが,私の見る限り,このことをしっかり意識として持っている人は意外と少ないのです。「私はこっちへ行く,こっちへ行く…」という意識がいつの間にか「スキーの向きをこっちに変える,こっちに変える…」になってしまう人が多いのです。すると雪の抵抗を利用してターンするのではなく,自分の力でエイヤッとその向きを変える滑りになってしまいます。
  このように,「どっちに行くか?」…という意識は,「常に雪の抵抗をもらい続ける」ということと「ターンコントロール」を容易にしてくれます。スキーのコツ…という意味で本当に大事なポイントだと私は思っています。
  今日の tip …「どっちに行くか?」でした。(^I^)




Nov.02/2003 (日曜日)  快晴
  今日もイイ天気です!。この3連休,皆さんはいかがお過ごしですか?全国的に天気は良さそうで,行楽にはもってこいの気候ですネ!(^I^)
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  さて,今日は tips about skiing …の2回目で「どこでズレるか?」ということについて。昨日は「ズレ」ることの意味についてお話しました。今日はその続きで,足裏のどの部分に乗ってズレて行ったらいいか?を見てみることにします。(^I^)
  良く,ズレることの大事さを話しますと,「先生,それじゃスキッディングターンですね?」という言葉が返ってきます。確かにスキーの前後方向に進む量よりも,横方向に移動する感覚が強いので,スキッディングかカービングか?という分け方をすれば,スキッディングには違いないのですが,私は本当にスキーを楽しむ上で,どちらの要素で滑っているか?ということはそんなに大事なことだとは思っていません。それよりもどの方向からどの部分に雪からの力をもらっているか?ということを考えながら,雪の偉大さや重力の面白さを感じて滑っています。(^I^)
  さて,そのようにズレて斜面を落ちて行くのですが,結果的には「スキー板の,あるいは足のどの部分を支点としてズレて行くのか?」ということがターンの構成に大きな影響を与えることになります。最近言われている「トップコントロール」とか「テールコントロール」…という滑り方も,この「どの部分を支点として…」という見方で見ると意外に簡単なことかもしれません。(^I^)
  先ずスキーに乗って「親指の付け根」付近を支点として斜面移動してみます。するとつま先側が重くなってスキーのトップに錘(おもり)をつけたような状態になります。そしてかかとが軽くなりますからスキーのテールは「つま先」を支点として,身体の外側に出て行くようになります。つまり,「つま先」を支点として滑って行くと,足の構造上,「かかと」が左右に動きやすくなり,スキーのトップを中心としたテールの横ズレが多いターンになります。テールコントロール的な滑り方と言っていいでしょう。
  では,かかと付近を支点にしたらどうなるでしょう?前の例とは逆に,テールが重くなり,スキーのトップが軽くなります。「かかと」を支点にして斜面移動して行くと,トップを押さえつける力は,かかと支点なのでそれに比べれば弱いのですが,雪からの抵抗を受けますので「つま先」が手前方向に持ち上げられるような力を受けることになります。つま先支点ではテールが外に出て行ったのに,かかと支点ではつま先がターン内側に入ってくるのです。テール側が支点となってトップがコントロールされる…という意味でトップコントロール的な滑り方です。
  それでは,足裏の真ん中,「土踏まず」付近を支点としたらどうなるでしょう?先の二つの現象が同時に起こる感じになります。つま先が内側に,かかとが外側に…という「ひねり」要素,あるいは「ひねられ」要素的な滑りです。トップ&テールコントロール的な滑り方と言っていいでしょう。
  このように,足裏のどこを支点にして滑って行くか?ということが「足の構造」の影響を受け,いろいろなターンをもたらすことになります。もちろんターンの全てをこの「支点」だけで解説することは出来ませんが,ひとつの考え方としてこういう見方もある…ということです。

  今日の tip …「どこでズレるか?」でした。(^I^)




Nov.01/2003 (土曜日)  快晴
  今日から11月です。人口雪のスキー場はすでにいくつかOpenしたようですが…。白馬は自然雪のOpenが原則ですので,早くても中旬になるのかな?と思っています。リフト会社の話では,雪さえあればすぐOpenできる準備は出来上がっているとのことですので,楽しみにしています。11月下旬には主任講師研修会が鹿沢でありますので,その前には滑りたいですネ!(^I^) 
  尚,今月からはスキースクールの仕事が多くなり,教師日記…毎日UPというわけにはいかないかもしれません。その時はご容赦下さいネ…(=_=;)
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  さて,今日から新しい月に入りました。今月は tips about skiing …「スキーのコツ」ということでお話を展開したいと思います。(^I^) 多分,これまでこの日記で取り上げてきたことの重複になる点も多いと思いますが,シーズンインを間近に控えたことでもあります。基本をもう一度考え直す…という意味から,お読みいただければ嬉しく思います。
  第一回目の今日は「ずれる」ということについてです。この「ずれる」ということを辞書で引いてみると,【
ずれる】:1 すべり動く。低い方へ移動する。「屋根の雪がずれる」  2 正しい位置や時期からはずれる。また、考えなどが標準からはずれてくいちがう。「論点がずれる」 …という風に載っていました。スキーでいう「ずれる」はもちろん1の「すべり動く。低い方へ移動する。」ということですが,この言葉の裏には「その物全体が移動する」という意味があるように思います。一部だけが移動しある部分が残っている…という状態よりも,全体がドドドーッと移動するイメージが,私にはあります。実はこの全体が移動する…という感覚が“スキー”を楽しむ上で非常に大切だと思うのです。それは“スキーの性能を生かす”ということと“バランス維持”のためです。
  多くの人はスキーのスピードをコントロールしたり,ターン方向を変えたりするとき,道具を使うほとんどのスポーツが道具そのものを動かすように,スキー板そのものを動かそうとします。もちろんそれでも出来ないことはありません。でも“スキー”はそうしなくてもそれが可能なのです。その詳しいことは,スキーの性能を生かす…ということで“フィーリングスキー”に詳しく載っていますので参考にしてください。で,スキーを動かすのとスキーを直接動かさないで動くようにするのとでは,その結果生じる“バランス維持”に大きな差が出てくるのです。高い所から低い所へ,スキーも人間も含めたひと塊の物体が移動する場合は,スキーも身体も一体となっていますから,雪の抵抗に素直に対処することが出来て安定しています。ところが,スキー板をあちらこちらに動かそうとすると,身体そのものが「前後左右上下などに揺れる
」あるいは「ゆらぐ」という意味の動き”をしますから“重心”がフラフラしてしまうのです。重心がフラフラすれば安定性が失われるのは当然のことです。つまり,スキー板を操作しようとする意思が,身体そのものの動きを誘発し,バランスを崩すことになってしまうのです。
  “スキー”というスポーツの大きな特徴…「落下エネルギーを使う」という意味では,必ずしも身体そのものを暴れさせなくてイイ,ということです。スキー板と一体になって,ズレに素直に従って落ちていけば良い…という気持ちが大事なのだと思います。
  今日の
tip …「ずれる」でした。(^I^)