September

2002

八方尾根スキースクール教師【TOK】の個人的な日記です。興味のある人はどうぞご覧ください。(^I^)  
          
Ski Top   【TOK】への Mail          

 What's Today ?

What's Today ?

09/30 意思を最高に
       表現するスキー
09/29 
板の長さと
         楽なスキー

09/28 団体スキー
09/26 個性的な滑り
09/25 一番得した人
09/23 “心の満足”ターン
09/22 DoとLetの組合せ
09/21 ヘリスキー
09/20 中庸の大事さ!
09/19 急斜面での
     抵抗の捕らえは?
09/18 バランス
       ・トライアングル
09/17 モップ・ターン
09/16 カービングと
      カービング要素
09/14 手の位置と
      エネルギーライン
09/13 
癒しを感じる映像
09/12 少欲知足と
    違いを認める寛容さ
09/11 自然な「形」
09/10 スペシャルテスト
09/09 インライン大会で思う
09/04 
交通事故で学ぶ
09/01 ナマの付き合い

  *** これまでの日記***


*  2002年8月

*  2002年7月
*  2002年6月
*  2002年5月
*  2002年4月
*  2002年3月
*  2002年2月
*  2002年1月
*  2001年12月
*  2001年11月
*  2001年10月
*  2001年9月
*  2001年8月No.2
*  2001年8月No.1
*  2001年7月
*   2001年6月


*  以下 2001年

教師日記 5月

教師日記 4月
教師日記 3月
教師日記 2月
教師日記 1月

*  以下 2000年

教師日記 12月
教師日記 11月
教師日記 10月
教師日記 9月 #2
教師日記 9月 #1
教師日記 8月 #2
教師日記 8月 #1
教師日記 7月
教師日記 6月
教師日記 5月 

 

 

 

 

 

 

 



Sept./30/2002 (月) 雨
  今朝は雨なのに白馬の山の頂が墨絵のように見えています。明日から10月…皆さんにとっても私にとってもイイ月でありますように!! (^I^)
       *****
  さて,今日のテーマは,昨日の続きで,“意思を最高に表現するスキー”について…。
  「明確な意識を持ってされるスキー」と「意識が無くてさせられているスキー」について述べました。そして,「滑り手の意思」と「Let感覚で自在に表現する」…ということの相関みたいなものを感じた,ということも…。
  よく「あいつは自由にスキーを乗りこなしている…」とか,「彼はスキーに乗せられている…」とか言う表現をします。これはどういう事かというと,スキーヤーの意思がスキー板に伝わり,それをコントロールできているかいないか?ということです。「馬」の話をする時こういうことが言われます。「じゃじゃ馬ほどイイ馬…」。これは馬としての能力,ポテンシャルが高い馬ほど一般の人には扱いにくいが,それを乗りこなすテクニックを持っていれば最高の馬になる…ということだと思います。これと似たことが“スキー”でも言えます。ポテンシャルの高い板と乗り手の関係です。この春,久々に私にとってこのポテンシャルの高い板に巡り合えました。(^I^)
  その板の名前は“エラン「Hyper HCX」”です。以前,ELAN RC05 に出会った時のような感動を覚えました。どういう感動かというと,スキー板からの反応(レスポンス)がいいのです。まさに「打てば響く」という感じでした。私は自分のスキーをする時はいつも「エネルギーライン」を想定して滑っていますが,このエネルギーラインをどこにどのように変えたらどういう風にスキー板が反応してくれるか?ということを感じ取るようにしています。もちろん,自分の想定した滑走ラインは,スキー板の性能と雪との相関からエネルギーラインが決められ,身体がそれに反応するようにして決まって行くのですが,この時,スキー板の性能が大きな要素となるのです。この「Hyper HCX」は水上スキー的な感覚でした。どういうことかというと,足裏のかかと付近が支点となり,スキー板のトップは雪の抵抗を受けるのですがそんなに重い感じではなく“スゥィーー”と前方に抜けていく感覚なのです。つまり,普通のカービングスキーのようにスキー板のトップから斜面を削り取っていく重い感覚ではなく,軽やかなのです。じゃあライン取りはできにくいか?というとそうでもありません。スキーのトップでラインを捕らえる感覚は少ないが,足のつま先付近に爽快で適度な圧を感じるのです。支点ラインは太く,エネルギーラインは細い…とでも表現したらいいのでしょうか…。ですから,かろやかに自分の行き先を決めることができるのです。トップが引っかかる感じや,重い感じは全くありませんでした。結果的にすごく走りがイイ!…という感じがしました。しかもその分テールの捕らえがしっかりしているので切れは最高です。これは,これまで出会ったどのカービングスキーでも経験したことの無い新鮮な感覚でした。大回りも小回りもそうでした。
  考えてみると,今までに何度か話したことがあるのですが,運動している物体が高速で安定していられるためには,その物体の後部が重要な意味を持ちます。弓矢の矢がそうです。「F-1」の車も飛行機の方向舵もそうです。この「Hyper HCX」はこれと似たコンセプトで作られているのかな?と思ったほどです。
  多分,トップ部分のある程度ヘビーな圧感覚に慣れてしまっていると,このトップの捕らえの頼りなさは不安材料になるでしょう。でも,微妙なトップからの信号を足裏で感じ取れる人は,別の新鮮な感覚として受け止めることができると思います。新しい感覚のカービングスキー?…という印象を受けました。
  年甲斐も無く,春のグサグサ雪も,ピョンピョン跳ねるように滑れました。それを見ていた同僚に,【TOK】さん…どうした?と訊ねられたほどです。
  自分のスキーイングイメージを的確に表現してくれる「スキー板」との出逢いは,素敵な恋人との出逢いにも似ている…そう思った【TOK】でした。(^I^)



Sept./29/2002 (日) 曇り

  今日の白馬…雲の合間から時々青空が見え隠れしています。この週末いかがお過ごしですか?
  そう言えばザウス…明日が最終日ですね!
       *****
  さて,今日のテーマは,
TOSHI3さんの掲示板へのUP“板の長さと楽なスキー”について…。
  TOSHI3さんの書き込みは…
    『 …先日SSAWSのコブでおニュー板を曲げてしまいました(ToT) その板はお店に持って行き今は去年の板で滑ってるんですけど、今年のは160cm、去年のは167cm。今年のものでもう結構滑りこんでたのでそのたった7cmの長さの違いを痛感しております。大回りとコブはいいんだけど小回りで大きく違いを感じます。カービング要素の強い小回りは板が短くてRのきついものほど滑りやすいってことは当然のように言われてますが、短いのに滑りなれてしまった今、そのことを今更ながら実感しています。必然的にスタンスの狭いコンフォート的な滑りになってしまいます。そしてカービングチックな滑りの時はLet意識でよかったものが長い板だとDo意識(ひねり)をもたないと板が回ってくれません。板の長さをもてあましてる感じです。でも今まではそうやって滑ってきたんですよねぇ。ひねり操作がDoなのかはよくわからないのですが、ある程度の滑りまでなら板の形状の進化?によって滑りが楽になってることを実感している今日この頃です。』…というものでした。
  167センチと160センチ…たった7センチしか違わないのに,滑走フィーリングが異なる。このことはこの春の「
On Line Ski School オフ会」の「スキー試乗会」で私も痛感しました。以前は長さの違いはあっても,そのモデル毎の性格がはっきり出ており,せいぜい振り回しやすさや,雪面ホールドの強弱が少し違うかな?という程度でした。それがカービングスキーでは,ほんの数センチ長さが違うだけで,まるで別のスキーに乗っているかのような気分になりました。これは「サイドカット」や「トーション」がかなり違った設計になっているせいだと思いますが,同じモデルだからといって性格が似ている…ということはあり得ない…と思ったほうが良さそうです。つまり,同じモデル名でも長さが違えは性質が違う…ということです。
  …というようなことを考えてみますと,
TOSHI3が戸惑ったのも無理からぬところがあります。特にRのきつい小回り系の板は回転半径がしっかり想定されていますので,ある範疇の回転円弧では,かなり楽にターンができます。言葉を変えて言えば,ほとんど何もしなくても体が付いていけば,自然勝手に回ってくれます。極端な言い方が許されるなら,スキーヤーの技量にほとんど関係なく,「スキー板」の持っているエネルギーというか,ポテンシャルの高さだけで滑れてしまいます。これがいいかどうか?の議論は置くとして,スキーヤーの技術はあんまり関係なく滑れてしまうのです。検定などでもこういう滑りをする人が居ますが,私はこの滑りは評価しません。その理由は「板の性能だけであって,受験生の技術的な能力は発揮できていない」からです。いくらこういうスキーを使っていても,自分でコントロールし,どういうスキーイングをするのか?という姿勢は欲しいものです。TOSHI3さんは,「形状の進化?によって滑りが楽になってる…」と書かれていますが,この場合の“樂”というところが大事なところです。「滑り手の意思が働いた上での“樂”」なのか?,あるいは「滑り手の意思を無視した“樂”」なのか?ということです。例えば,「ディズニーランドのアトラクションの乗り物に乗り,レールの上を自分の意志に関係なく移動して行って味わう楽しみ」と,「お化け屋敷に入って,自分で行くか行かないかの選択をした上で味わう楽しみ」とでは,その楽しみの質が異なると思います。“スキー”でも同じ様に,意志が働いているかいないか?は大きな“樂”や“楽しみ方の違い”となって現われるのです
  そう言えば,ある時言われたことがあります。「【Letスキー】っていうのは,何にもしなくていい,ただ乗っているだけだから,スキー板の性能がモロに出ますよね?!」…と。答えは“No”です。【
Letスキー】は,ひとことで言えば「斜面移動による雪の抵抗を有効に使う」ということなのですが,そこには明確にどこへ行こうとしているか?スキー板の,あるいは足裏のどの部分で抵抗を受け止めようとしているか? どの方向へどれくらいの圧で雪の力を受けているか?…というスキーヤーの意思が働いています。なんとなくスキーにお任せ…ではないのです。【Letスキー】は「〜させられているスキー」ではなく「〜されているスキー」なのです。「〜させられている」と,「〜されている」…は明確に違います。
  
TOSHI3さんが,板が長くなると,Do意識(ひねり)をもたないと板が回ってくれません…とお書きになっていますが,私の感じでは,板が長くても自ら回しこむ,つまり「ひねる」…という感覚はありません。自分ではこういう半径のターンをして,あそこへ行きたい,「…だから角付けをこれ位にして,迎え角をこれ位,コンタクトポイントをここに!…という風にしよう」,とするだけです。つまりエネルギーラインを素早く意識するのですが,スキー板そのものを自分の力でひねったりする意識は無いのです。でも,これもスキーヤー各人のLetとDoのバランスの取り方の違いであって,個性…なのかもしれません。自分ではDo意識だけれど,バランスも乱さないし,気持ち良く滑れる…というのであれば,それで結構だと思います。(^I^) 自分の意志が生かされたターンができれば,それがDo意識だろうとLet意識だろうとどちらでも良いわけです。ただ,どちらの場合でも,意思が働いていないと「させられているスキーイング」になってしまいます。
  少し長くなりますが,今年の3月試乗したエランの「
HCX」は小回り系のカービングスキーなのですが,滑り手の意識がかなり反映される板だと感じました。ちょっとコンタクトポイントを変え,エネルギーラインを調整するだけで,自分の回転ラインが自由自在に描ける性質を持った板でした。要するに「自分の意思がスキーに伝わり,自分で自在にクルージングを演出できる!」という感じを受けたのです。だからといってカービング要素が無いわけではありません。切れがあってなおかつ自由なのです。このとき,「滑り手の意思」と「Let感覚で自在に表現する」…ということの相関みたいなものを,実は感じました。このことについては明日の教師日記で詳しく!(^I^)



Sept./28/2002 (土) 雨
  日本列島…太平洋側では結構大雨のところが多いようですが …皆さんのところは大丈夫ですか?
  昨日は私用で出掛けまして教師日記UPできませんでした…。失礼しました。(=_=;)
       *****
  さて,今日の話は“団体で楽しめるスキー”について…。
  “スキー”の楽しみ方にはいろいろあります。他人とタイムを競い勝負としてレースを楽しむ人,自然の中に居ること自体を楽しむ人,そして検定合格や技術選上位入賞を目指して技術研鑚を積む人……いろいろです。でも,これらの多くは「個人」として楽しめるもので,他のメンバーを必要としません。それだけに,個々の自由度を謳歌できる…というメリットがあります。言葉を変えて言えば団体戦ではなく個人戦で,チームワークを必要としません。実は,私は高校まで野球をやって来ましたから,団体戦の面白さが良く分かります。自分のためでなく,他人の為,あるいはチームの勝利のため尽くす面白さです。ある時は裏方になり,そしてある時はヒーローに担ぎ上げられる…そんな楽しみや緊張感を仲間と一緒に共有できる面白さ…とも言えます。ところが,野球のあとはずーっと“スキー”をメインにスポーツをして来ましたので,その楽しみから遠ざかっていました。
  で,最近「スキーの楽しみ」を時々考えるようになって,「チームワーク」を“スキー”の楽しみ方のひとつとして取り入れることができたら楽しいだろうなぁー!と思いました。そこで思いついたのが,「シンクロナイズドスイミング」です。あの競技はもちろん「個々の技量」がモノを言いますが,それを構成メンバーが全員で「シンクロ」あるいは「逆シンクロ」で動きをマッチングさせるものです。“スキー”でこれと似たことをしているのがトレーンや団体デモ演技のデモンストレーションです。自分の都合だけでなく,他人の動きやタイミングに自分の動きを合わせることが必要になりますから,より高度で繊細なスキーコントロール技術が要求されます。これを「チームとして演技」し,その演技をシンクロスイミングと同じような方式で評価するのです。これまでも「岩岳学生大会」等で団体戦としてこういう種目がありましたが,これを本格的に競技として確立できたら面白いだろうなぁー,と思います。レッスンで時々この手法を使って,コントロール技術やリズムの取り方などを練習しますが,結構効果があります。
    「家族親子○人種目」とか「男女ペア種目」,「団体△人種目」…などを行なったら面白いと思います。私の考えでは,特に「親子種目」を設けることにより,親子別々にそれぞれ楽しむ機会が多かったものが,一緒に“スキー”をする機会の増大につながり,ひいてはスキー人口の減少に歯止めをかけられるのではないか?という期待もあります。
  今日は「個人戦」から「団体戦」…という“夢物語”的なお話でした。これって実現性…あるのかなぁー???!!!。 ハッハハハハ……(^o^)


Sept./27/2002 (金) 曇り
   ス・ミ・マ・セ・ン …今日も朝早くから出掛けなければならず,教師日記オヤスミです。
  申し訳ありません…。(=_=;)



Sept./26/2002 (木) 晴れ
  前線が太平洋側に移行してから,晴天が続いていて,気持ちの良い白馬です。(^I^) でも,食欲の秋…なんでしょうか?お腹も空きますねぇー… (^o^)
  気候の変わり目です。体調崩さないよう…気をつけましょう。各言う私の妻は風邪気味…。
     *****
 さて,きょうのテーマは掲示板に”Dr.N”さんが書かれた“バランスという言葉で・・・”について。
 掲示板の内容は… 『 DoとLetということで話が盛り上がっていますが、私が思う事がひとつあります。「中道」の言葉の意味は「その人に合ったころあいを探す」という事でして解釈を広げると、「力の釣り合いを取る」という行為を示す事になると思います。力の釣り合いを取るためには、1本の滑りの中でDo的な操作やLet的な操作をする必要が出てくる・・という解釈で良いと思います。やじろべえの片側に極端な重りが乗れば、反対側にも同じだけの重りを乗せる必要があるのと同じです。その操作がDoやLetであったりすると思うのです。私自身が最近そんな事を忘れていたような気がします。(反省・・)
 ですから、中途半端なイメージではないと思います。その状況にビシッと合わせる・・・と言うシビアな感覚ではないでしょうか。そんな気がします。 』


  DoとLetのバランス…これをどのように取るか?ということは,スキーヤー各自の身体的な特徴,つまり,これまで各自が経験してきた運動スタイルや,持って生まれた先天的な運動センスによって変わる気がします。私などは,体が硬い
のでどちらかというとスローな身体の使い方は得意でも,敏捷性を求めるものはなかなか思うようにいきません。ですから,大回り系の方が小回り系より得意ですし好きです。ですから,ターンの種目が同じでも,一概に誰でもがそのバランスが同じ…とは言えません。例えば小回りだから
Doが○○%でLetが△△%…という風に規定されるべきものでは無いと思います。つまり,滑り方のスタイルは各人各様に存在する…ということです。おなじ小回りなら小回りでも,人ぞれぞれ滑り方は違っている…ということなのです。これを「同じ形」にはめ込もうとするするのは間違っている,ということにもなります。特に,「検定」などの現場では,「形」を重視する傾向がありますが,これなどは本当に気をつけなければならないことで,自分自身に言い聞かせたいと思っています。
  そういえば,先日スキースクールの先輩の“K.M”さんが,言っておられました。「昔は名木山のゲレンデを滑っているのを見ると, 『 アア,あれは●●だ!。次に来るのは▲▲だ。あの滑りは■■だ… 』というふうにすぐ分かったものだが,今はみんな同じ形で,誰が誰だか良く分からないねぇー。みんな同じ滑りで個性が無い…という気がしてしょうがないんだけれど… 」。いくらカービングスキーを使っていても,各自の個性は出るはずなのに,スキースクールでは同じように滑ることを教えているのかな?…という言外の意味を先輩の言葉から感じた【TOK】でした。
  また”Dr.N”さんのコメントの中で「…その状況にビシッと合わせる・・・と言うシビアな感覚…」ということをおっしゃっておられますが,ここの所も大事なことだと思います。各自の身体的特徴が異なるのだから,何でもイイ…ということではなく,「自分の身体的特徴に合ったベストなバランスポイントがある!」ということです。これが見つかれば,他人とは違う自分自身の「個性的」な滑りができるようになる…私もそう思っています。まさに「中道」とはそういうことなのだと思います。(^I^)



Sept./25/2002 (水) 晴れ
  今日も気持いい朝です。ここのところイイ天気が続いていて,白馬地方では「稲刈り」が急ピッチで行われています。山の上の方では紅葉が少しづつ始まりました。
     *****
  さて,今日の話は「20万回ヒット」について…。
  皆さんのご支援のおかげで,このホームページが,「 On Line Ski School 」に改名してから,20万回ヒットを記録することができました。これも,多くの方々の暖かいご支援のおかげだと心から感謝いたします。本当にありがとうございました。10万人目のヒットは,Openから15ヵ月後の昨年2001年の11月9日でした。今回は10ヶ月半で10万人の方においで頂いたことになります。一日に換算すると一日300人を超える方にいらしていただいている勘定になります。
  今回20万人目の節目にお越しいただいた方は“K.M”さんでした。“K.M”さんは,毎年一度はレッスンをさせていただいている方で,このホームページ「 On Line Ski School 」の前身,「白馬・八方スキー情報」が始まった1999年の7月からホームページをごらん頂いている方です。本当に長い間お越しいただき,ありがとうございます。後で記念品をお送りさせていただきます。(^I^)
  初めは,Inter Netを使って,どのようなことができるのかなぁー?という興味から始めたのですが,いろいろ試行錯誤を繰り返しているうちに,少しは皆さんのお役に立つようなことができるんだ!ということに気付きました。言葉や画像でできるだけ私が“スキー”で経験してきたことを皆さんに語ることが少しでもお役に立てれば…という思いからでしたが,実際の滑りを拝見しているわけでもないし,もし見当違いなことを話して,かえって混乱させてしまうのでは…という思いもありました。
  皆さんにとって役に立てれば…ということが,実はその逆で,私自身が勉強することにもなりました。ご質問に対して,いろいろ書き込んでいくうちに,自分がハッキリ解っていなかった部分があぶり出され,そのことについて勉強し直すいい機会にもなりました。また,新しいレッスンのアイデアが生まれたり,“スキー”に対する新しい発想や見方等を感じることもできました。私は今,このホームページを通じて,自分のこれまでの「スキー生活」の中で最も充実した時期を迎えている…という感慨に浸っています。先人の言った言葉,「教えることは習うこと」…は真実であることを,実感している【TOK】です。ホームページで一番得したのは私自身…そう思っております。本当にありがたいことです。
  これから先,どこまでこのホームページが持つか分かりませんが,書き込むことがある内は,そして“スキー”に対する情熱が続く内は「 On Line Ski School 」を続けたいと思っております。
  今後ともよろしくお願い致します。



Sept./24/2002 (火) 晴れ
  今日は気持ちの良い晴れの白馬です。
  申し訳ありませんが,用事で松本へ出かけなければなりません。
  今日の日記は オ・ヤ・ス・ミ とさせていただきます。 ス・ミ・マ・セ・ン …(=_=;)




Sept./23/2002 (月) 曇り
  今日は「秋分の日」です。これから日一日々々,夜が長くなってきます。季節の変わり目でもあります。体調など崩されないようご自愛ください。連休…いかがお過ごしですか?
     *****
  さて,過日“T.K”さんから,次のようなご質問
E-mail を頂戴しました。今日はこのご質問への回答です。

  『 … 私は、小回り、中回りをしていて、谷回りで一番加重がかかった時にスキーの板からバイブレーション(ガガガガという感じ)を受けることが多々あります。原因として @急にスキーの向きを変える為、その反動で強い力がスキーにかかってしまう。 A常にスキーを動かし続けられないので、スキーが弧を描けていない為無理な力が働いてしまう。… と考えていますが、考えられる原因と、直すための練習方法、どういった点を意識すればよいかをお知らせ下さい。よろしくお願いします。(現在2級を保持しています) 』

  「…谷回りで一番加重がかかった時…」というのは,多分“山回り”…の間違いかと思います。図を参照してください。この図で言えば,自然に滑っていると「圧」が最も強くなるのは「B」の部分です。この部分はフォールライン(最大傾斜線)から山側へ回り込む部分なので,スキー用語では「山回り」と呼んでいます。一方,「C」から「D」にかけては,スキーがフォールライン方向=「谷側」を向こうとしているので,「谷回り」と称しています。“T.K”さんは,一番加重がかかった時…とおっしゃっておられますので,多分「A」から「B」,「C」にかけてのこととだと推察いたします。
  さて,この「B」の部分では“T.K”さんがおっしゃるように,身体がフォールライン側に落ち込むと同時に,雪からの除雪抵抗がやって来ますので,この両者の力が拮抗しあって,コンタクト圧がオーバーになって,「ガガガ…」という風になりがちです。原因…というよりは,自然に滑っていればそうなるのが当然…という風に私は思います。もちろん「C」から「D」にかけて雪面コンタクトが薄く,一気に荷重が「B」の所で掛かれば,コンタクト圧はより強く働きますので,この「ガガガ…」はより一層強くなります。そこで,この「
B」の所でいかにコンタクト圧を過剰にせずに,ガガガというバイブレーションを少なくするか?ということなのですが,「雪からの圧は受けながら,自分から加える力を少なくし,脚を畳み込むようにして“吸収”してやる」ということがイチバンです。要するに,「ベンディング的に滑る」ということになります。「C」→「D」→「A」では“重心を中心として脚を伸ばすように…”,「A」→「B」→「C」では“コンタクト圧を失わないようにして,重心方向に脚を引き込むように…”するのです。
  “T.K”さんは2級をお持ちの実力があるわけですから,この「ベンディング技術」の習得がイチバンだと思います。このベンディングについては,このホームページのいろんなところで解説しておりますので,「検索」で「ベンディング」と入れて検索してみてください。多くのページが開かれますが,それをいろいろお読みいただき,ご自分にあった方法で,この技術を自分のものとされるようお勧めいたします。“重心”と“コンタクトポイント”,そして“エネルギーライン”などいろいろなことが解ってくると思います。
  多分だれにとっても,ガガガ…という音が聞こえるのは嫌なものだと思います。この音が聞こえる原因はそのほとんどが「オーバーコンタクト」…と言えます。言葉を変えて言うと,「雪と喧嘩している状態」なのです。「雪と友達になって,友好状態」になると,ガガガ…も無くなり,雪のありがたさが解って来ます。そして,技術の先にある“心の満足”が得られるようになります。
  ぜひ“T.K”さんも今シーズンいろいろ試していただいて,“大自然の魅力”を心ゆくまで楽しんでください。(^I^)



Sept./22/2002 (日) うす曇り
  今日は連休の二日目…みなさん,いかがお過ごしですか?

     *****
  さて,昨日掲示板に“YAMASA50”さんから次の様な書き込みを頂きました。掲示板でご覧の方も多いと思いますが,紹介させていただきます。

  『 … LETスキーとDOスキーの事が話題になってますが、その事で最近オフトレをしてて気が付いた事が有ります。それは今は1本の滑りの中に必ずLET的な部分とDO的な部分が有りその割合が状況とスキーヤーの意思で常に変わるのではと言う点です。
  状況的に深雪滑走なんかLETスキーが要求される部分がかなり多いと思いますが、かと言って100パーセントLETではなく切り替えの部分では自分から動くDOの部分が必ず含まれると思います。整地滑走では元々状況的に大回り系ではLET部分が、小回り系ではDO的な部分が多く要求されると思いますが、そこにスキーヤーの意思でDO的な部分とLET的な部分がそれぞれミックスして滑りが成り立ってるのかなと思います。
  自然落下の力をより効果的に使うのがLETスキーの核心で、自分から効果的に雪面に働き掛けるのがDOスキーの核心。そして速く滑る、長く疲れないで滑る、アグレッシブに見せる滑りをする等、目的に応じてLETスキーとDOスキーを上手く組み合わせて滑るのが肝心なのかなと思います。
  以上 最近気が付いた点書きましたが間違ってる点等が有りましたら教えて下さい。 』

 
  「LETスキーをしたとかDOスキーをしたとか1本毎に明確に分けられるのではなく…」というのは全くその通りだと思います。始動期や舵取り期の局面々々で,
LetもあればDoもある。その割合がLetの方が強かったりDoの方が強かったりする…ということです。
  個人的なフィーリングの違いがあるかもしれませんが…私の感覚では,「大回り系ではLET部分が、小回り系ではDO的な部分が多く…」という感じはあんまりありません。それよりも,大回りにしろ小回りにせよ,ターン前半で
Do的要素が強く,ターン後半ではLet感覚が強く出るように思います。ターン前半では雪面抵抗を求める方向とスキーヤーの身体が落ちて行く方向が逆になりますので,その分雪面コンタクトを求めようとすると,重心方向からターン外側への脚の伸ばしが必要になります。このときが私のフィーリングではDo的だな…という感覚になります。つまり伸ばし荷重(加重?)的なDoです。ターン中盤から後半では身体の移動方向が雪面抵抗を捕らえる方向と同じ方向になってきますから,あえて雪面に自分で圧を加えなくても良いわけです。
  でも,多くの方の滑りを拝見すると,“YAMASA50”さんのおっしゃるように,小回りを
Do的に滑っている人が多いですね。ターン後半でチェック的に雪面に働きかけをし,その反発力を使う…というやり方です。かく言う私も,以前はそうでした。(^I^) ところが,9/19の日記で紹介したように,“H.M”さんと同じで,Do要素を多く使うと深回りの小回りがうまくできないのです。そこでチェック動作を“ギュンッ”ではなく“ギュゥ〜ゥン”という風に,少し間を伸ばすようにしてみました。すると,これがうまく行なえたのです。(^I^) その違いを考えてみると,圧をかけた後の“引き”にその違いがあることに気付きました。“ギュンッ”では,その後に「完全な抜重」が生じてしまうのです。そして,この時,外向がしっかりできているとスキーは次のターンの谷回りに入りますし,もしできていないと,スキーが暴走直進してしまいます。スキーが次のターンの谷回りに楽に入ること…は一見良いことのように思えますが,ターン前半の捕らえが少なく,それに続く中半から後半で雪面コンタクトが強くなり過ぎて,横ズレの原因になってしまうのです。ところが“ギュゥ〜ゥン”では,圧をかけた後の圧変化が緩やかで,小回りといえども,円弧が深く丸く描けたのです。しかも,圧変化が急激でなく,重心の上下への変化も少ない…という利点までありました。実はこの経験が私がレッスンで良く使う「ヒクヒク・ターン」の原型になったのです。「圧をかける」…という行為に意識を働かせるのではなく,圧を感じた後の“引き”を大事にするとどうなるか?ということでした。そして,この「圧」…自分で働きかけなくても,雪面を落ちていけば無尽蔵にあるではないか?!ということに気付き…【Letスキー】が生まれたのです。
  「自然落下の力をより効果的に使うのが…云々…」はおっしゃるとおりだと思います。(^I^) いかにもスポーツをした!汗をかいて気持ちよかった!…というスキーイングをしたい人は
Do的な要素が多く,また,安全,バランス,自然との一体感…を求める人はLet的な要素が多くなるでしょう。自分のスキーイングスタイルに合わせた組み合わせが見つかれば最高だと思います。(^I^)



Sept./21/2002 (土) 快晴
  今日から始まる連休も「快晴」で始まりました! 皆さんの休日も,本当に「晴々!」としたものになるよう…!(^I^)
     *****

  さて,この夏“雪”を求めてニュージーランドに行かれたお二人から,期せずして「ヘリスキーを楽しみました!」という E-mail を頂きました。“N.M”さんと“H.S”さんですが,そのお二人が奇しくも同じようなことを述べておられます。以下,お二人が感じられたことを抜粋し要約させていただくと…

   『 ヘリスキーをした人は、必ずスキー感が変わる・・と言われますが,ヘリスキーのフィールドはまったく音が無く,まさに、“自然が作ってくれたパラダイスと言ってもいいくらいのシチュエーション”でした。大自然の中に身を置いているちっぽけな自分が居て,そのフィールドを「スキー」という道具を活用して”滑走体験”する…スキーって楽しい!って本当に思いました。パウダーはもちろん,クラスト、湿雪、アイスバーン等など普段だったら「こんな雪だと上手くすべれないから、いやだなー」って感じる所でも本当に楽しく滑れました。さらさらパウダーを延々と滑る,身の引き締まるような快感!そしてそれにも増して実感する自然の壮大さ!スキーをして来て本当に良かった!と思いました。言いすぎかも、あるいは生意気かもしれませんが、「スキーって本当はこういうものなのかも?」って自分なりに感じました。ゲレンデスキーも楽しいが、こういう「スキーもあるんだ!」とつくづく思いました。これまでは、知らず知らずのうちに,検定の合格を目標に,整備されたゲレンデを滑るため,ポイントを稼ぐための技術…をメインに考えるようになっていたナぁー,ということに気付きました。しかしスキーの技術というのは、まさにこういった色々な雪の斜面を,その状況に合わせて滑るためにこそ習得すべきなのではないか?と感じました。そして,いろんな雪を斜面を滑るために,もっともっと上手くなりたいと思うようになりました。
  贅沢にも,日本の暑い夏に,異国の天然雪でスキーが出来たことに感謝しつつ、改めて「スキー」が「大スキー」になってしまいました。もっともっと上手くなっていろんな雪と斜面に「出会いたい」と思ったのでした。 』


  私が以前ヘリスキーで感じたことと,同じようなことを感じられたようですネ!(^I^) 「ヘリスキーの楽しみ」はなんといっても,大自然が作り出したの雄大は斜面を滑り降りる…ということに尽きます。そこでは姑息な技術は通用しません。まさに自然と一体となれる,マッチングできる技術が必要となります。こういう体験をすると,楽しむために技術を磨く … ということの意味が解かり,技術の習得そのものが目的になってしまうことに疑問を感じるようになります。お二人ともひと皮剥けたスキーヤーに近づいた…そう思います。(^I^)
  “大自然”の中を,“人間の身体”を生かし,“用具”を活用して滑る。その時,ちっぽけだけれど,自然の構成員としての“自分”がそこに居て,小さな蟻のようだけれど,そのシチュエーションと同化している … そんなことを,私も“ヘリスキー”で感じました。
  ヘリスキーに限らず,大自然の中をゆったり滑ってみたい … そんなことを感じさせてくれたお二人からの
E-mail でした!(^I^) ありがとうございます!



Sept./20/2002 (金) 快晴
  今日も快晴の白馬です! ホント!良い天気だとこころも晴ればれ(^I^)(^I^)(^I^)ですね!今日も気分爽快!な【TOK】です。ハイ!(^I^)
     *****
  さて,きょうのテーマは“中庸の大事さ!”について…。

  昨日の日記で,「どちらか一方! 右か左か? All or Nothing ! ではなく,その中庸もある…」という話をしましたが,今日はその続きです。

  私はスキーレッスンで【Letスキー】のことを皆さんに話すことが多いので,生徒さんからは「レットの先生」あるいは「受身の先生」と言われています。でも私が,自分で楽しむために滑る時は,【Doスキー】も使っています。千差万別の自然条件を,ある特定の技術で滑ることは不可能だからです。ではどうして実際のレッスンでは【Letスキー】なのか?と言えば,それは,かなり多くの方が【Doスキー】はおできになるが【Letスキー】意識での滑りができない…と思うからです。“スキー”はスポーツ…スポーツとは「身体を俊敏に動かすこと」,いう意識の方が多いのです。でも“スキー”は他の,「身体の動きを最優先して行なうスポーツ」とは違う側面を持っています。それは「地球の重力を使って,斜面を上から下に下りるスポーツ」だということです。身体の俊敏性をそれほど使わなくても,自然落下の力を利用して楽しむことができるスポーツなのです。もちろん,身体の動きを多く使って楽しむこもができますが,老若男女誰もが楽しみ,生涯スポーツとしての“スキー”を考えると【Letスキー】を抜きにすることはできないと思っています。そういうわけで【Let】の出番が多くなるのです。
  昨日の“H.M”さんが,急斜面での雪面コンタクト感が薄い…ということをおっしゃっておられました。以前彼の滑りを拝見した時,「チェック的な運動が素晴らしくうまい方だナァ…」と感じました。でも,チェック的な運動が得意なだけに,あらゆるスキーの運動をその動作で行なってしまうきらいがありました。そこで,【Let】意識を身に付けられたら“鬼に金棒”だと思い,【Letスキー】のレッスンをさせて頂いたわけです。そして,中斜面では【Let】意識で滑ることができるようになったとのことです。多分,円弧コントロールが以前より楽になっているはずです。でも,急斜面ではそのコンタクトじが得られない…ということで,その原因は昨日述べたようなところにあるのでは…と書かせてもらいました。
  で,今日は,【Let】と【Do】を適宜取り入れた滑りをされたら,もっと楽に滑れるのではないか?と思いその「中庸的な滑り」を考えてみたいと思います。
  その方法は昨日の図の,外スキー圧 80−100 の部分で,瞬間的でなく,ゆっくりとしたチェック意識を持つ…というやり方です。この部分で「ギュンッ」ではなく,「ギュゥ〜ゥン」的なチェックを行い,その圧を急激にゼロにしてしまうのではなく,クロスオーバーの位置までかけて50%程度に減らす感覚で滑るのです。80−100 の部分では「思いっきりチェック!」で構いません。その後の減圧の仕方をゆっくり行なう意識にするのです。このようにすれば,“H.M”さんお得意のチェック動作も使えますし,雪面とのコンタクトもそれほど急激に減ることが無くなると思います。そして,「クロスオーバーの位置までかけて50%程度に減らす感覚」は,横方向にスキーをずらして行く動作を,スキーを前方,トップ方向に進める運動に変えてくれるはずです。こうすれば,急斜面での深回りも楽にできるようになります。ここでの,「ギュンッ」から,「ギュゥ〜ゥン」までの感覚の強弱が,【Do】と【Let】の割合の比率と言っていいと思います。「ギュンッ」と「ギュゥ〜ゥン」…この割合をいろいろ変えて滑ってみると,多種多様な“圧フィーリング”が体験できるでしょう。
  大事なことは,自分は今滑りの中で,○○%程度の【Doスキー】をしている…あるいは,【Letスキー】意識△△%の滑りをしている…という風に感じ分けて滑れるようになることです。そうすれば,“スキーと雪面の間の圧とは何なのか?”ということが解かって来ます。“与える圧”と“もらう圧”に明確な違いがあることが理解できます。そして,この圧のやり取りこそが,「雪とたわむれ,会話する楽しみ」なのだ…ということに気付くでしょう。(^I^) 言葉を変えて言えば,【Do】と【Let】があるから“中庸の大切さ”が理解でき,雪の大自然の中で遊ばせてもらうことに感謝したい気持になる…と言えるのだと思います。
  中庸的スキー術…これこそ「スキー道」なんでしょうかねぇ? ”Dr.N”さん??? (^I^)



Sept./19/2002 (木) 快晴
  今日は日本全国,どこも良い天気のようですね!(^I^) おかげさまで,気分爽快!な【TOK】です。ハイ!(^I^)
     *****
  さて,今日は昨日“H.M”さんから頂いた E-mail への回答です。“H.M”さんからの E-mail の内容は…

  『  …雪が本当に恋しくなってきました。 ザ○スについ先日行ってまいりました。中斜面ではかなりいい感じでターンする事ができました。ズレ感覚を保ちながら、雪からの圧を感じられました。しかし、急斜面ではあまりいい感じですべる事ができませんでした。と言うより、硬いとうまくいかないような気がします。以前の感覚でターンしていたときは、硬いバーンのほうが好きでしたが、今はうまくいきません。硬いバーンでターンコントロールがしにくいのです。個人的には深回りをしてコントロールしたいのですが、私の場合ターン弧が浅くなりターンリズムが早くなってしまいます。何が問題なのか良くわからなくなってきました。ビデオをとってもらって見てみると、体の下まで板が戻ってきていないようなので後半長めにずらそうと思っているのですが、なかなかうまくいきません。後半からズレ感覚が無くなる状態になるので何とか克服しようと頑張っています。特にターンリズムが早くなる事が、面白くありません。これは角付けがキツイせいでしょうか?あとターン弧が深くなかなかできません。深くしてスピードコントロールしたいのです。今まででは自分からひねりや足の送り等で行ってきましたが、受身的なターンでは回ってきてくれません。でも中斜面ではできるので何かいけないはずとは思っているのですが・・・。何かヒントをいただけるとありがたいです。』

  ご質問を要約しますと,「中斜面では【Let】意識のずれ感覚で雪面抵抗がうまく捕まえられるが,急斜面や硬いバーンでは抵抗がうまく掴められない…。また,急斜面深回りができない。ターン後半でスキーが重心下に戻って来ないので,後半で長めにずらそうとしている…」ということです。
    実際の滑りを拝見していないので私の回答が全て正しいとは言い切れませんが,一般論として,次のことが考えられます。

  まず,ターン後半に雪面抵抗が捕らえられない原因ですが,雪面抵抗が一番効果的に捕らえられるエッジ角がある…ということを考えてみることです。ターン後半,中斜面ではうまく滑れて,急斜面でダメ…という原因のひとつに,「角付けが強過ぎる」あるいは,「身体の軸が寝過ぎている」ということが挙げられます。つまり斜面に対して,「エネルギーラインの軸」が寝ているため,斜面横方向に働く力が強くなって,横ずれの成分が強くなってしまうのです。エッジ角,あるいはエネルギーラインの 雪面に対する角度は,45度位の時が一番効率が良いと考えられます。ひょっとすると“H.M”さんは,この角度以上の角付けをされていませんか?
  また,身体がスキーに付いて行っていないときも雪面抵抗は来ません。9/17の「モップ・ターン」で話したように,スキーと身体(重心)がバラバラでは,下からの抵抗を受け続けられないのです。特に急斜面やアイスバーンなどの状況下では,身体が遅れてしまうことが多いので,こういう現象が起こりやすいのです。昨日話した「バランス・トライアングル」や「パワートライアングル」を意識して滑ると効果があると思います。
  もし,エッジ角が適正で,体もしっかりスキーに付いて行っていて,エネルギーラインも意識できているのに,それでもずれてしまう…という時は,「スキー板の性能が“H.M”さんに適していない」,もしくは,「エッジの手入れが適正でない」ということも考えられます。他人のスキーを借りて滑ってみたり,エッジの手入れをこまめにしてみると,その違いが良くわかります。

  次に,急斜面で深回りができない原因です。
  先ず,この原因として,「いつまでも角付けが強い状態にある」ということが考えられます。どういうターンでも,角付け角を一番大きくすべきはターン中盤(右図の80から100の中間)なのですが,実際は落下速度があるのでターン後半の入り口あたり(100付近)になってしまいます。これ以降,いつまでも角付けを強くしていると,つまり“重心”をターン内側に置き続けると,横方向の力が掛かり過ぎて,「ずれ現象」が連続し,身体の下にスキーが戻って来ないのです。最大角付けの状態から徐々に角付けを緩め,“重心”の下にスキーを持って来るような,クロスオーバーをすることです。
  また,抵抗をどの方向から受け止めようとしているか?ということも大きな要因となります。スキー板のトップ方向から受け止めるのと,サイド方向から受け止めるのとでは,天地の差が出ます。カービングスキーをお使いのはずですから,スキー前方から受け止める意識をもう少し持ってみたらいかがでしょう。つまり「エネルギーライン」や「バランス・トライアングル」を意識することです。ターンリズムが早くなってしまう…というようなことも無くなるはずです。

  “H.M”さんは,私のレッスンを受けられた方ですので,【Letスキー】の意味をご理解いただいていると思いますが,これだけが“スキー”の全てではない…ということもご承知ですよね? 【Doスキー】も立派な技術ですから,時には雪面に自ら圧を加える要素を使うことが必要なこともあります。なにがなんでも【Let】…ということではありません。特に急斜面やアイスバーンの「小回り」では,瞬間的なエッジングが有効な時があります。もちろんバランスを崩さない程度に行うことが大事ですが…。
  【Letスキー】か【Doスキー】か?どちらをとるか?ということではなく,その中間的な要素もあるということを,忘れないで欲しいと思います。時々の状況にあわせて,最も気持ちよく滑れる割合で【Let】も使い,【Do】も使う…ということが大事なことです。(^I^) どちらか一方! 右か左か? All or Nothing ! ではなく,その中庸もある…ということです。



Sept./18/2002 (水) 晴れ
  今日は「秋晴れ」といった感じで爽やかな白馬です。紅葉が始まる前の,落ち着いた深緑がきれいです。これから季節の変わり目…みなさん体調を崩されないようお気をつけて…。(^I^)
     *****
  さて,今日の話も昨日に引き続き深雪に関する話題で,「軸」を突き詰めた“バランス・トライアングル”について…。
  
昨日は,深雪や悪雪で,大きな抵抗,あるいは一様でない抵抗に対処する時は「モップ・ターン」意識が効果的であることをお話しました。身体がモップに付いて行こうとする意識…つまり,スキー板と重心の間に常に「モップの柄」みたいな“エネルギーライン”を想定することが,安定した滑りにつながる,ということです。
  それでは,この「モップの柄」が“エネルギーライン”だとすると,大回りとか小回りで,このラインがどのように違ってくるだろうか?ということに興味が沸きます。私は,以前は想定するライン(軸)が,一本しかない…という風に思っていましたが,ここ数年二本の軸があるイメージを持っています。「支点ライン」と「エネルギーライン」です。毎度おなじみの右の図ですが,「テコ」の支点となる,かかと付近のポイントの“支点”から重心方向に伸びる「支点ライン」軸がひとつ。また,雪面抵抗を受け止める代表点としての“着力点”から重心に伸びる「エネルギーライン」軸がもうひとつです。すると“支点”,“着力点”,“重心”を結ぶ三点で作られる三角形が想定されますが,これはスキーヤーの安定したスキー操作と大きな関係があるので,さしずめ“バランス・トライアングル”とでも言っていいでしょう。これが一昨年良くレッスンでお話した「パワートライアングル」の原型となるものです。
  パワートライアングルでは抵抗を受け止める「レシーバー」の位置を“重心”ではなく,“足のくるぶし付近”に想定しましたが,これは素早い動きを想定してのことです。言ってみれば,パワートライアングルはバランス・トライアングルのひとつの形,ということになります。着力点で受け止めた圧を重心以外のいろいろなところのレシーバーで受け止めることで,いろいろな形の“バランス・トライアングル”が生まれます。大回り系統の滑りでは,このレシーバーは重心付近になるでしょうし,小回りではやや下がってひざやくるぶし付近になることも想定されます。いずれにしても,「支点」があり,「着力点」があって,「レシーバー」がある…という意識を大事にすると,雪面抵抗と身体の間のバランス維持がかなり楽にできるようになります。
  深雪や悪雪を滑ることが多いヘリスキーやオフピステでは,この“バランス・トライアングル”をいかに意識するか?が大切だと思っています。雪とスキーヤーのマッチングということを考えれば考えるほど,その両者が良いバランス関係を保ち続けなければなりませんが,それには「支点ライン」だけではダメで,「エネルギーライン」を含めた三角形をイメージすることだと思います。もちろん,回転弧やスピードが変われば,それに応じたバランス・トライアングルを想定することが必要ですが…。
  また,新しい言葉を作ってしまいましたが,今シーズンは,これをイメージした滑りを充実させてみたいと思っています。(^I^)



Sept./17/2002 (火) 雨
  今日は雨模様の白馬です。速く晴れて欲しい…。(=_=;)
     *****
  さて,今日は“モップ・ターン”です。(^I^)
  最近,いろいろなスキーのビデオを見ています。スキーの滑走シーンを見るのが私にとって「癒し効果」をもたらしてくれるので,ビールを飲みながら,毎晩店で楽しんでいます。(^I^)
  で,この前「ヘリスキー」の映像を見る機会がありました。その中で私が感じたことがあります。それは“スキーの軌跡を考えて滑る”…モップ・ターン意識…ということです。
  良く,“スキー”はバランスのスポーツだと言われます。バランスキープができれば破綻することは少なくなり,転倒もありません。スキーは前後に長く,左右に短いのは誰でも知っていることです。ですから,前後のバランスは取りやすいが横方向のバランスが取りにくいのも解ります。よほどのことが無い限り前後方向に転倒することはありません。転倒のほとんどが左右方向です。特に,悪雪や深雪ではスキーは横方向に動かせませんし,もし動かすとバランスを崩してしまいます。
  こういう風に考えると,「スキーは前に…」ということが大事になってきます。つまり,トップからテール方向に雪の圧を受け止め,抜いていく意識が大事になってきます。ヘリスキーでうまく深雪をこなしている人の滑りを見て,前に進める感覚の大事さを思いました。そして,この深雪の映像を見ていて,昔,レッスンで使った「モップ・ターン」のことを思い出しました。(^I^)。このモップ・ターン…どういうのかというと……ターン前半では,身体の“重心”から外側に振り子のように,あるいはおもちゃの「ようよう」のように,スキーが雪の抵抗を求めて伸びて行きます。この時,スキーを追いかけるように“重心”がフォローして行かないと,圧をキープし続けられません。床をモップで掃除するときのように,モップの先だけが行くのではなく,モップを持っている人間がこのモップの柄をしっかり持って,付いていかないといけないのです。この時のモップは「スキー」で,人間が「重心」,そして柄が「エネルギーライン」に相当します。ターン前半から後半にかけては,トップ方向から“重心”に向かって圧がやってくる感覚があります。モップが前に進んでいる感覚の時です。そしてターン後半に入って,スキーの受ける圧が強くなり,反発力が強くなって腰の下にその圧を引き込むようにします。床に凸状の大きなうねりがあり,そこにモップがさしかかって,床からの圧を強く受け,手前側に力を受けるのでモップの柄を身体の方に引く動作です。この時引く動作が大き過ぎると,モップは床から離れてしまい,掃除ができなくなります。スキーで言えば「抜重」になります。完全に抜重してしまうのではなく,適当に床からの圧をキープしながら引き込むことが大事です。スキーからの圧はトップからセンターに移り,腰(重心)の下を経由してテール側に移りながら次のターンの前半へと移って行きます。モップは凸状の頂上を通り過ぎ,次のスロープに移って行きますので,ここでは柄を伸ばすようにします。この「モップ」と「身体」と「柄」の三者がうまくマッチングできた時,掃除はきれいに終わることになります。(^I^) このモップ…左右に振るようにして箒のように軽く掃除することもできますが,床をきれいに磨くようにするには,床とモップの間にしっかり圧を掛けて行うことが大事です。
  スキーの深雪感覚を,この「モップ・ターン」イメージで行ってみるとうまくいくことが多いのです。身体がスキーに遅れることが無く,また自然にエネルギーラインを意識できるからです。雪の斜面をモップで掃除する感覚で滑る…機会がありましたら,皆さんもぜひお試しください。
  ヘリスキーで楽しんでいる大勢のスキーヤーを見て,「みんな一生懸命掃除しているなぁー!」と思った【TOK】デシタ! (^I^)



Sept./16/2002 (月) 小雨
  今日も天気がぐずついています…。カラッとした秋晴れ,早く来ないかなぁ!!!(^I^)
     *****
 さて,先日“T.S”さんから,次のような E-mail を頂きました。「カービングターンって…?」ということですが…。
   『…TOK先生、こんにちは!。オフトレのひとつで、ビデオを見ていますが質問があります。グッキーが滑っているビデオですが、小回りのシーンでは結構テールがずれているように思います。このすべりはカービングではなくて、スキッディングなのでしょうか?。バッジテストなどではカービングで滑ること、といわれていますが、このようなすべりは評価されないのでしょうか....』…という内容でした。
  実は,この「カービング」という語句…いろいろな解釈がされていますので,ご一緒に考えてみたいと思います。日本スキー連盟発刊の「日本スキー教程」では,「カービングターン」の定義は次のようになっています。「彫り込む,切り込むの意味。角付けを主体にして,スキー(板)を縦に走らせ,横ずれをともなわないターン技法のこと」。そしてさらに,「…雪面の条件によっては,まったく「横ずれ」を伴わないターンを行うことができます。これが,完全にスキーを縦軸方向に運動させるカービングターンです…」。そして,紛らわしいのですが,これとは別に「カービング要素」という言葉があります。単に「要素」という語句が付いただけなのですが,こちらは「スキッディングの洗練形(横ずれの少ないターン)はカービング要素とし,実用技術の中心に位置づける」…となっています。つまり 『 横方向への滑り=「スキッディングターン」 』であり ,『縦方向への滑り=「スキッディングターンの洗練系(カービング要素)」,および「カービングターン」  』 ということなのです。
  そこで,おっしゃるグッキーの小回りですが,私も何度も見てますが,上記の分類からすれば「カービング要素」になります。教程では「純粋なカービングターンがある…」としていますが,わたしは見たことがありません。理屈を言い出すと限がなくなりますが,わたしのつたない物理の知識でも解ることは,横方向への力が少しでも働かなければ横への雪煙は上がり得ない…ということです。これがカービングターンです…と解説しているビデオや写真を見ても,ターン中はいくらかの雪煙が上がっています。雪煙が上がる…ということは横方向から力を受けている,ということの証ですから,ほんのわずかであれ,スキーは横方向にずれているはずなのです。純粋に縦方向の動きというものは,たわみの無い直線の板が角付けされて直進する以外にあり得ない…私はそう思っています。ですから,カービング要素のターンはあっても,カービングターンはあり得ない…と思います。
  特に「小回り」では回転半径が小さいだけに,もし純粋なカービングターンをしようとしたら,回転円弧に限りなく近いサイドカーブを持ったスキー板を使う必要があります。グッキーの滑りを見てみると,小回り専用の板を使っているようには見えませんし,どの小回りでも結構雪煙が上がっています。特にテール部分でそれが顕著です。ということは「カービングターン」ではなく,スキッディングターンの洗練系としての縦方向要素の多いターン,つまり「カービング要素」のターンだということになります。
  じゃあ,どこからどこまでがスキッディングで,どこからカービング要素なのか?ということになりますが,私の考えでは,「スキー板のどこかの部分,例えばトップの一部ならその一部でも横方向にずれない部分があれば,それは“カービング要素”のターン」だと思います。解りにくい表現になるかもしれませんが,「ずれ要素の多いカービング要素のターン」もあれば,「ずれ要素の少ないカービング要素のターン」もあるのです。
  では,バッジテストではどうなのか?というと,その実施要領には次のようにうたっています。例えば1級では,「実践種目講習テストは“カービング要素”で行ない,規定種目テストは“スキッディング要素+カービング要素”で行なう」となっています。ですから,横ずれの少ないスキッディングの洗練系でいかに滑れるか?ということが評価の観点になるわけで,純粋なカービングターンをせよ!ということではありません。規定種目テストにわざわざスキッディング要素,とうたってありますが,これはスキー板全体が横ずれを伴うターンも活用して構わない…ということを言っているわけです。でもバッジテストは,技能到達度および習熟度を見るのですから,無理してスキッディング要素で滑らなくても,その洗練形としての“カービング要素”で滑れば評価ポイントが高い…ということになります。じゃあ,実践種目講習テストの内容とどこが違うんだ?ということになりますが,規定種目では合格ポイントの70ポイントを,スキッディング要素でも合格,というところに設定している…ということです。
  …ということで,少し訳がわからなくなってしまいそうですが,結論は「グッキーの小回りは“ずれを伴ったカービング要素の滑りである”」。そして,「バッジテストでは純粋なカービングターンでなく,横ずれの少ないスキッディングの洗練系=カービング要素のターンで充分」…ということになります。
  カービングとカービング要素の違い…解ってもらえたでしょうか?(^I^)


Sept./15/2002 (日) 曇り
  今日はすぐに片付けなければならない仕事があり,書き込み時間の余裕がありませんので,教師日記 オ・ヤ・ス・ミ とさせていただきます。
  お越しの皆さんにはスミマセン…。(=_=;)



Sept./14/2002 (土) 曇り
  今日の白馬は厚い雲が空を覆っています…。秋晴れ,早く来ないかなぁー!
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  さて,今日は“T.K”さんから頂いた E-mail でのご質問に対する回答です。テーマは「手の位置とエネルギーライン」について…。
   E-mail の内容は…
はじめまして。たまたま、オフトレのことで検索していたら見つけましてなかなか充実してたのでもっと早く知ってればと思いました・・・。1つ質問させてください。私は、1級持ってましてテクニカル目指して頑張っております。まだまだ、修行が必要なのですがその中の1つに「手が下がったまま」なのです。すべるときに意識はしてるのですが、足元に意識をすると手のほうを忘れてしまい、いつもダラ〜〜ンと下がったままになり視界に入っておりません。この癖は、どのようにすれば直るのでしょうか?なにか、よいアドバイスがあればよろしくお願いします。…というものでした。
  私はレッスンの中で,「マジックハンド」という意識の滑りをしてもらうことがあります。その詳細は,このホームページのトップページ「検索」で「マジックハンド」とインプットして見てもらえば,いろいろな場所でどういう風に役立つか?解ってもらえると思いますが,その最大の目的は,「バランスをとるためのラインをどう作るか?」…ということだと思います。
  最近,雪とのコンタクトをしっかり保った中で,いかに重心が雪面上を移動していくか?ということが私の最大関心事ですが,この「マジックハンド」意識を突き詰めていくと,“エネルギーライン”の重要さにたどり着きます。このエネルギーラインは「バランスライン」と言い換えることもできますが,このラインには大事なポイントが二つあって,そのひとつが「作用点(着力点)」で,もうひとつが「身体のレシーブ点」です。 右図の右スキーの「着力点」と示してあるところが決まり,その雪面抵抗を身体のどの部分で受け止めてやるか?ということが決まると,そこからエネルギーラインが想定できます。このエネルギーラインを,ターンのどのポイントでもしっかり作り続けることができれば,その人のスキー操作は素晴らしく安定したものになります。
  実は,このエネルギーライン(バランスライン)を決めるのに「外側の手の位置」が大変重要な役割を果たします。手の位置が雪面近くにあれば,つまり図の右手が下がって支点近くになればなるほど,エネルギーラインは起きて来て,雪面に対して直角に近くなります。また逆に上方に上がって肩に近い位置になれば,エネルギーラインは寝て来ます。斜面状況や滑走スピード,回転弧の大きさ,によってこのラインは異なるのですが,それを「手の位置」を変えることでどうなるか,試してみることが大事です。
  “T.K”さんは,
足元に意識をすると手のほうを忘れてしまい、いつもダラ〜〜ンと下がったまま…とおっしゃっていますが,先ず,足元よりも手の位置に気を配り,どこに手があるときにどういう抵抗感があるか?ということを感じ取ることが大事です。例えば「右手がA」の位置では「滑走フィーリングα」という雪面抵抗感があり,「B」では「β」…という風に,その感覚がどう違うか感じ分けるようにしてみるのです。すると,手の位置が足元の意識にどう影響を及ぼすか?ということが次第に分かってきます。手もただ「ダラー〜ン…」とするだけでなく,手に表情が現れてくるはずです。ただし,この時注意することがひとつだけあります。それは,自分で雪面に圧を加える動作をしない…ということです。あくまでもターンに必要な圧は雪からもらう…という意識が必要です。自分で圧を作る動作をしてしまうと,上体が動いてしまって,手の位置を特定し続けることができなくなってしまいます。
  こういう意味で「
手が下がったまま…」ということであれば,つまり手に意識が働いていて下がっているなら,それはそれでOK!ということです。意識が働かずに,なんとなく下がってしまうのはまずいと思います。もちろん両手に意識が働くのではなく,「ターン外側の手」だけに意識が行くことが大切です。




Sept./13/2002 (金) 曇り
  今日の白馬はちょっと寒い朝です。気温は18℃。ちょうど秋雨前線が日本列島の真上にあるようで…。
     *****
  さて,今日のお話は“癒しを感じる映像”…です。
  秋に入り,私の夜の商売,ビアホール「メルツェン」では時々「スキービデオ」を流しています。…で,見ていて面白いと思うのは,もう一回見たいなぁ…と思うビデオと,もう結構…というビデオがあることです。ビデオに登場するスキーヤーの技術に少々難があっても,画面に引き込まれてしまうものもあるし,いくら最近の流行の技術でも何か重くるしさを感じ「もうイイヤ…」と思うものもります。この違いって何だろう?と考えてしまいました。
  引き込まれる映像は,全体に「決め付け」が無く「自由さ」があります。一方,重苦しさを感じるものは「〜でなければならない!」という「押し付け」があり,窮屈さを感じてしまうのです。ですから,自由に滑っている人たちのビデオを見た後は,「滑りたいなぁー!!!」という気持ちになるのです。
  そういえば,何回見ても飽きず,見るたびに滑りたくなるビデオの一本に「白いファンタジー」という映画があります。以前にも紹介したことがあると思いますが,作られてからもう30年近くになる,元々16ミリの映画です。これのビデオ版が手に入り,時々見ているのですが,昨シーズン「マルティン・グガニック」がこのビデオを見て面白い事を言ってました。「カービング全盛の今の時代でも,この頃の滑りと違いは無いヨ。雪があって,スキーヤーが居て,その間にスキー板がある。切れるとか速いとか言う前に先ず雪の力をどう感じ取るかだヨ。あとはそれに自分の身体を預けていくダケ…。結果的にスキッディングが出るときもあるし,カービングでスイスイ滑れるときもあるヨ…」。彼に言わせれば,スキッドだカービングだ…と言う前に,滑り手の目の前にある雪の状況にいかに合わせた自由な滑りができるか?ということが大切だ,ということでした。
  これを聞いたとき,この言葉と似た,ある人の含蓄のある言葉を思い出しました。私の師匠「大谷多喜男」さんがよく言っておられた言葉,「木の葉が水の流れに逆らわずに流れて行くように…あるがまま,なされるがままに滑り降りればいいんだよ。自分からすることは無い…」という言葉です。自分でなにかをしようとするからギクシャクしたあつれきが起こり,自分自身の本来持っている特性を失って迷いの道に入り込んでしまう…ということです。「白いファンタジー」の中のスキーヤーや,グッキーの滑りをそういう視点で見直すと,彼らの滑りは大谷多喜男さんのおっしゃる滑りそのもの…という感じがします。
  そこには無理がなく,雪との一体感があって,スキーヤーの身体の動きと自然がマッチングしている“美しさ”があるように思います。そういえば,スキーを始めて間もない人でも,その“一体感ある美しさ”を感じさせてくれるスキーヤーが結構おられます。スキーの技術的なことは一切解らないけれど,雪との会話を楽しんでいる…そんな風に見える人たちです。もちろん斜面は緩やかだったり,低速だったりしますが,それなりの“美しさ”が見て取れるのです。
  これら“美しさ”を感じさせてくれるスキーヤーは,その根底に「雪の自然条件を素直に受け入れ,安心して身を任せる…」という共通項があるように思います。この,大自然に身を預ける…という行為は,まるで子供が母の懐に安心して飛び込む行為そのもの,と言っていいでしょう。そして,ここのところに,精神的な“癒し”を感じることができる…そんな気がします。まさにこの点にこそ“スキーは楽しい!”…と感じる大きな理由があるように思います。ですから,そういった「一体感」,「マッチング」を感じさせてくれる映像を見ると,また見たいなぁー!…という感情が沸くのだと思います。
  スキービデオに“癒し”を感じた【TOK】でした! (^I^)



Sept./12/2002 (木) 晴れ
  9月もいつの間にか12日…。中盤に入りました。
     *****
  さて,昨年9/11はアメリカで大変な事件が起きた日でした。あれからもう一年が経ちます。悲しい出来事でした。この間,いろいろなことがありました。ここの日記で書くようなことではないのかもしれませんが,9/11…私なりに感じたことを述べさせてもらいたいと思います。稚拙な文ですが…。
  
  このテロが起こった要因となったのは「資本経済主義」の行き過ぎ…のような気がします。アメリカを中心とする「経済最優先主義」は,明らかに世界中に「貧富の差」をもたらしました。「資本主義」の最も基本とする「利潤の追求」は結果として,持てる国,裕福な国と持たざる国,貧しい国を作り出してしまいました。利潤追求のための,安い労働力確保,安価な資源調達…は時として,体制の整っていなかった国々からそれらを搾取するような形で行なわれ,グローバル化という名目に隠れて一部の裕福な国を作り上げた…という言い分は理解できます。「搾取されている」という感覚の人たちからすれば,自分たちの犠牲の上で成り立っている経済大国の存在,そしてその富を背景に思いのまま権力を行使している国々…これらに対する思いが過激な行動となって現れたのだと思います。「富の象徴」とでも言える World Trade Center がテロの標的になったのはこのことを意味していると思います。しかし,だからといってあのような行為が認められるものではありません。富める者も貧しい者も,自分たちの論理だけが正しい…と思い込んでしまい,それを他に押し付けようとしたところにあのような事件が起きた原因があると思います。
  いずれ,「弱肉強食」,「資源消費」的な経済優先主義は,この21世紀には無くなるとは思いますが,それには本当の人間の安楽がどこにあるか?ということを考えてみることだと思います。必要以上の富を手に入れたり,自分だけ良ければいいという思想に取り付かれたりしないことです。「少欲知足」の精神で生きることが,どれだけ精神的な満足が得られ,争いの気持ちを抑えてくれるか…ということに早く気付くことです。物欲は時として強欲となり,そのために手段を選ばなくなります。他人はどうでも自分さえ…という気持ちが強くなります。これでは争いは無くなりません。「少欲知足」に目覚めれば,恵まれない人のことを考える余裕が出てきます。共存共栄の精神が芽生えて来ます。今,私たち日本人は世界の中では恵まれた環境の中に居ます。でもこの恵まれた環境は,どこかの誰かの犠牲の上に成り立っているのかもしれません。そう考えると,資源の浪費は極力止め,行き過ぎた富の蓄積分はその人たちに還元すべきものだ…という風に思います。「少欲知足」が精彩を放つ言葉に思えたのでした。

  また,世の中にはイロイロな人が居る。それぞれ価値観も違えば人生観も違う。でも,その違いを互いが認め合い,譲るところは譲らないとギクシャクした面だけが残ってしまう…そんなことも強く感じました。
  「互いの違いを尊重する」…というのは,何も文化や政治体系や宗教だけではありません。私たちの共通のキーワード,“スキー”の世界にも通ずることです。これまで教師日記に何度も書いてきたことですが,「親から頂いた身体」も違えば,「使っている板」も異なる。またさらには「これまでの運動体験」だって違う。なのに「スキーはこれしかない!」…というのはどう考えてもオカシイ。しかし,いろいろな雑誌や技術書を見ると「…はコレに限る!」式の記述が多く,それでなければ“スキー”じゃないみたいな書き方が多いのが実情です。そして,その記述と自分の滑走感覚が違っていると,「アレッ?!俺の滑りってオカシイのかなぁー?」と迷ってしまう。ひどいときには,その魔術に掛かってしまって“スキー”の楽しさを味わうどころではなくなり,フラストレーションに陥ってしまう…。これではいったい何のために“スキー”をしているのか分からなくなってしまいます。
  テロが互いの違いを尊重しないことから起こった…ということと,“スキー”でも違いはある…ということが,おなじ土俵で論じられるものではありませんが,モノの例えとして,「違い」ということはあるものだ!ということを互いが認める姿勢が無いと,自分の論理だけを押し通すことになり,そこには争いの目が生まれて来る…ということです。

  9/11…残念ながら何の罪も無く犠牲になられた方には本当に慰めの言葉もありません。でも,その後のアフガン攻撃で犠牲になったアフガンの一般国民も悲惨です。人間が本当に安楽に過ごせる世界が来ることを強く願った【TOK】でした。



Sept./11/2002 (水) 晴れ
  今朝の白馬…山には雲が掛かっていますが…。秋の空です。気温は23℃と涼しく,赤トンボも増えました。本当に真っ赤です。…だから「赤トンボ」なんだぁー…と妻が言っています。(^I^)
     *****
  さて,今日は E-mail で頂いたご質問にお答えします。
  ご質問は“Y.A”さんからで,内容は次のとおりです。
『 いつも楽しくHP拝見させて頂いてます。Q&A 7 でオレンジターンの説明をされてましたが、質問があります。プルークボーゲン、ストレッチングターンの場合、谷回り(ターン前半)においては、脚の縮み荷重、山回り(ターン後半)においては、脚の伸ばし荷重というふうに教わりました。オレンジターンでは『前半ではそのオレンジを脚を伸ばしながら押してジュースを出す要領で、後半は曲げながらさらに押しつぶす要領で滑ってみます。』となってますが、この滑り方はベンディングターンをイメージすれば良いのでしょうか?前半で重心から荷重点が遠ざかり、後半で重心へ荷重点が近づくようなものをイメージすればいいのでしょうか? 』
  普通,「ストレッチング」のイメージは,山回り(ターン後半)で小さくたたまれた脚を,クロスオーバーにかけて伸ばしながら重心とクロスさせます。教わられたという,「谷回りでの縮み荷重」…の意味が良く解りませんが,谷回りで脚を縮めるのは至難の業かと思われます。ひょっとすると,山回りで脚の伸ばし,クロスオーバー(角付けの切り替え)で脚の縮み…ということでしょうか?そうだとすればストレッチングではなく,それはベンディング的ですネ?。「ストレッチング」は一般的には,クロスオーバー(角付けの切り替え)時に脚が伸びる動作のことをいいます。それに対して,クロスオーバーで脚が縮むのを「ベンディング」と言います。
  “オレンジターン”はおっしゃるとおり,ある程度スピードがあれば,
前半で重心から荷重点が遠ざかり、後半で重心へ荷重点が近づく…滑り方です。結果的にベンディング的になります。あえて,「…的」と言ったのは,重心を荷重点に近づけるのではなく,重心に荷重点が近づくイメージを大事にしたいからです。この両者は動作は似ているのですが,力の掛かる方向がまったく違うのです。ベンディング…と言うと,腰や重心を下げればいい…と思っておられる方が居られますが,ただ単に下げればいい…ということではありません。
  ただ,低速の時は下(雪面)からの圧が少ないので,みずからオレンジを,
さらに押しつぶす要領…になることが多いのです。そして,そのオレンジが元に戻ろうとする動作がクロスオーバーになって行きます。結果的に重心位置が上に上がるような,ストレッチング的な脚の伸びが現れてきます。しかし,斜面移動が積極的に行なわれ,下からの圧が十分になれば,みずから押しつぶす意識が無くても,雪の圧がつぶしてくれる意識を持つことができるようになり,動きはベンディング的になる…ということです。
  つまり“オレンジターン”はその時々のスピードに応じて,「ストレッチング的」にもなるし,「ベンディング的」にもなるということです。普段滑るときには,ストレッチングで滑るとか,ベンディングで滑る…という意識よりも,オレンジのつぶれ方をおなじにし,いつもジュースが出ているような意識を持つことが大事だと思います。そうすれば雪面抵抗やスピードに対応した自然な動きが現れて来て,それが結果的にストレッチングだったりベンディングであったり…ということになります。“オレンジ意識”がフォームを自然に作り出してくれる…ということです。
  特に日本人のスキーヤーは「形」にこだわりますが,よくよく考えてみると,この「形」…本当は「用具の特性」,「身体の特徴」,「斜面や滑走スピード」で千差万別になるのが当たり前なのですが … 。(^I^)



Sept./10/2002 (火) 晴れ
  今朝の白B白馬は,山には雲が掛かっているものの,平地には陽の光が射しています。
  一日,一日と確実に秋の気配が濃くなって来ています。あと一ヶ月もすれば,山の頂には初雪が見られるでしょう。思えば「短い夏」…ということもできそうですね!(^I^)
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  さて,今日は 「八○尾根スペシャルテスト」について…。
  過日,ある方から頂いた E-mail で,「2003シーズン行なわれる予定の“八○尾根スペシャルテスト”について,その意味を教えて下さい…」
というのがありましたので,その答えでもあります。
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  カービングスキーが台頭して,ゲレンデの様相は一変した…と言えるほど,スキーヤーの滑り方は様変わりを見せています。スキーの製造技術が発展したおかげで,雪面グリップ力が大幅にアップしました。そして,それまで多かった「ズレの要素」を極力減らした,「切れのあるスピード感溢れたスキーイング」が簡単にできるようになりました。これはこれで,多くの人に高速ターンを体験できるようにしてくれた意味で,またある種のトリック的なスキーの楽しみをもたらしてくれた意味で,さらには,体力的に劣っている年配の方や女性の方々にも容易に回転できる喜びをもたらしてくれた,という意味で,本当に大きな貢献があったと思います。
  その結果,SAJの指導教程をはじめ,いたるところで「カービングスキー」が取り上げられ,脚光を浴びることになりました。技能テスト,俗に言う「バッジテスト」もこの波に乗り,「カービング要素の滑り」を評価のポイントとして位置付けるようになりました。このことが悪いわけではありません。しかし,もともと「カービング」とは「スキーの切れ」を意味しており,この技術が最も生きる場面が「整地」であり「緩・中斜面」なのも事実です。コブの斜面や悪雪,湿雪では,この技術は何の役人立たない…というわけでありませんが,カービング技術以外の技術も大切になってくるのです。
  幸い,私達のスキーフィールドは,自然が作ってくれたいろいろなシチュエーションに溢れています。深雪あり,急斜面あり,吹き溜まりあり,アイスバーンあり…と,千差万別な条件に恵まれています。ここでは単に「カービング技術」だけでは滑り切ることのできない幅ひろい技術が必要になります。まさに,大自然の作り出す様々なフィールドは,いろいろなスキー技術を複合的に使ってこそ,楽しめる…のだと思います。
  またさらに,このカービング技術を駆使して1級合格を目指そうとすると,そこには年齢的な,あるいは性別の違いによる体力的な差が大きな壁となって立ちはだかっていることにも気がつきます。スキー板の持つカービング特性を引き出そうとすれば,それなりの筋力や体力が要求されます。実際に検定を担当していて,40歳台,50歳台の方々が合格する確率ってあるんだろうか?と思うことさえあるのです。なにがなんでもカービング…ということに疑問を感じないわけにはいきません。老若男女,それぞれの特質を生かした滑りの中に,「あの人はうまいッ!」と人をうならせる技術を持っている人が大勢おられます。でもこのような方々も,今の検定システムでは「合格」は難しいのが現実です。
  いろんな斜面を,その時々の状況に合わせ,合理的に安定して滑り降りられる人…いろいろな条件を含む大自然の中を,自分の身体と用具を生かし切った滑りができる人…このようなスキーヤーを,私達は
“スキーの達人”と呼びたいと思います。2003シーズン,私達は“達人認定”の特別検定を行うことに致しました。「八○尾根スキースクール」のオリジナル検定で,他の人との比較…という意味での認定ではありません。あくまでも与えられた斜面条件に“マッチング”した滑りができるかどうか?ということがポイントになります。
  あなたもぜひ挑戦してみて下さい。 “スキー”の楽しさの本質が見えて来るかもしれません…。(^I^)





Sept./09/2002 (月) 曇り
  みなさん! お元気でしたか? 
  数日間,インライン大会の準備やら,交通事故の後始末で忙しくUPできませんでした…。(=_=;)
  多くの方から E-mail や掲示板で励ましのお便りを頂きました。ありがとうございます。おかげさまで…といいますか,不幸中の幸いといいますか,これまでの精密検査や経過を見る限り,事故による怪我は「肋骨数本骨折」で済みそうです。多くの方々にご心配をおかけしまして申し訳ありません。まだまだ死なせない!…という「天の声」だと思ってこれからも最善を尽くしたいと思います。これからもよろしくお願い致します。
  さて,昨日8日,「インラインスキー技術選in白馬」大会が終わりました。インラインスケートを使用して「スキー技術」をどのように向上させられるか?…ということをひとつの目標として4年前に始めた大会ですが,今回で4回目を終了しました。,回を重ねるごとに出場選手も多くなり,今大会は191名という多くの方々に参加していただきました。
  ジャッジ席の近くで皆さんのすべりを見させていただきましたが,訴える力を持つ人の滑りは,やはりどこか違います。その違いは何なんだろう?と思って見させていただきましたが,ひと言で言えばやはり,「地面とインラインスケートの間のコンタクトと,身体の動きのマッチング」だと感じました。一見すると【Do】的に見えるのですが,あくまで“重心”というものがあって,その“重心”にどのような影響を与えるか?ということを考えた滑りの人と,なんとなく地面に圧を!という人とでは,あきらかに身体の動きが違って見えました。動的な【Let】とでも言いましょうか,これくらいの圧を掛けるとこれくらい回る…ということを“重心”を中心として地面に働きかけているいる人は,マッチングが取れていて上体の不安定感が無く,安定しているのです。“重心”と“スケート”の間の「エネルギーライン」と言えるものがあって,それの伸び縮みがしっかりと見える…そんな気がしました。
  “スキー”においては,エネルギーラインがひとつの大きな要素となることが解っていましたが,インラインスキーでも同じようなことが言えるんだなぁー…と思った【TOK】でした!(^I^) 
  こういう視点で見ると,「インラインスキー」…「スキー」のトレーニングにも向いている!と言えますネ!(^I^)



Sept./03/2002(水)  快晴
  皆さん! こんにちわ! お元気でしたか?
  さて,正直にお話します! 9月2日早朝「交通事故」を起こしてしまいました。(=_=;)
  幸い,命を落とすような事故にはならずに済みましたので,反省を込めて皆さんに告知します。数日運動はできませんが,おとなしくしていれば,今シーズンのスキーにはOKです。(^I^) いつも通るこの交差点…「車はあそこに見えていなければ発進しても大丈夫」という過信が,事故を誘発してしまいました。
  考えてみれば,いつも同じ様に毎日の生活が流れている…という過信があったのかという思いがします。なんとなく流れているのではなく,そこには毎日毎日,ある種の「意思」が働いていて,新しい時間の経過があるのだ…ということを忘れていました。毎日居る場所,毎日会う人,毎日食べる食事…それらのものは全て“時間”ということを考えれば「一期一会」だったはずなのに,それがまるで同じ仕様で動いているかのような錯覚に陥ってしまい,軽率な判断につながってしまいました。あの交差点で,「今,この新しい瞬間,いつもと違う何かがあるかもしれない…」という気持ちがあれば,防げた事故でした。時間軸を考えれば,毎日会う人も,住む場所も,あらゆる全てのものが「新しい経験」であって,「新鮮」でなければならないのに,それを忘れ,緊張感に欠けていました。
  今,ここで改めて,毎日の生活の中に在る「新しい体験」の意義を考える良い機会になりました。「生きているということは,貴重な新しい時間を消費しているのだ」と言うこともできます。つまり,自分が生きている瞬間々々が,貴重な体験をしている最中なのだ!ということです。そうすると,たとえそれが日常のつまらない作業だと言われているものにしても,新鮮さを感じることができるのです。
  緊張感の無さは,新鮮さを感じようとする意欲の無さと共通している…そんなことを「交通事故」から学ばせてもらった【TOK】でした。
  みなさんも,毎日の生活の中の新鮮さ!を失わないよう,そして交通事故にもお気をつけください。(^I^)



 Sept./02/2002(水)  晴れ
 今日も良い天気でした!
  ところで,まことに急な話で申し訳ありませんが,2〜3日ホームページのUPができないかもしれません。 
  悪しからずご了承ください。(=_=;)





Sept./01/2002(日)  快晴
 
 今日から9月の始まりです。
  白馬は気温が23℃と涼しく,まさに「秋」…といった感じです。 皆さんのところはまだ残暑が厳しいのでしょうか?
  さて,今日から9月…私の気持ちでは今日からスキーの「今シーズン」の始まりです。そこで,ホームページのトップページを変更いたしました。ブックマークに登録されている方は,恐れ入りますが変更をお願いいたします。

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  今日のお話は「ナマのお付き合い」ということについて…。
  昨日,私の所属しているスキースクールの「スノーメイト」さんたちとの交流会がありました。
  冬いつもお世話になっているゲレンデと,その上部の“散策トレッキング道”を,清掃作業をしながら歩いてみよう…ということで企画したのですが,お忙しい中にもかかわらず6名の方々が参加してくれました。昼過ぎに降りてきて,川原でバーベキューを楽しんだのですが,いつもはスキー場でお会いする方々も,ビールを飲んだり,お肉を頂いたりしながらの交流で,スキーをしているときとは別の人間らしさ…みたいなものを感じました。
  “スキー”をとおして,多くの人たちとの交流が生まれ,いろいろなお付き合いが始まるのですが,ご一緒に同じ空間に居て同じ空気を吸い,同じ食べ物を食べる…というのは特別だなぁー,と感じたのでした。「同じ釜の飯を食べた仲…」という言い方がありますが,同じ物を食するのは,特別な親近感を生みます。ひょっとすると身体に悪影響を及ぼす物質が混入しているかもしれないのに,それを互いに信頼して食する…という行為がそうさせるのでしょうか?
  考えてみれば,今は Inter Net や携帯の進歩が著しく,活字でのコミュニケーションが主流ですが,人がヒトとして,息づかいや体温を感じるようなお付き合いも大事なことだと思いました。ややもすると掲示板などでは活字だけのやりとりから,いろいろ感情の行き違いが生じ,気まずい雰囲気になったりするのですが,できるだけ多くの人との面と向かった交流をすることが,これからの世の中を生きていく上で大事なことだと思いました。パソコンを相手に,自分だけの世界を楽しむのも面白いのですが,それだけでなく,少しは煩わしけれど「人と人との付き合い」も大事だと…。
  互いに知らない同士がリフト上で声を掛け合ったり,同じレッスングループに入ったりすることで互いを紹介したり,ということが気軽にできる“スキー”は,現代社会がもたらす「疎外感」みたいなものを,払拭してくれるひとつの有効な手段なのかもしれない…そう思った【TOK】でした。(^I^)