August #1
2000


スキー教師の【TOK】が 日記替わりに日々の雑感を綴るコーナーです。            
100% 個人的な日記です。興味のある人は見てください。(^I^)            
Ski Top へ   【TOK】へのMail          

日記の中のテーマ  What is Today's Topic?


#2(8/16-8/31)

深雪(ターンの力)
深雪(雪からの圧)

深雪(#1)
スキーレッスン
         (集中力)

スキーレッスン
    (発声効果)

スキーレッスン(直滑降)
スキーレッスン

    (自分の言葉)

スキーレッスン(眼力)
山の
カミナリ
スキーレッスン
(症候群)
週末プレゼント(深雪)
スキーレッスン
(言葉#2)
スキーレッスン(言葉#1)

スキーレッスン(やる気)

スキーレッスン
    (因果関係)



To 教師日記 7月

To 教師日記 6月

To 教師日記 5月 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  8月の教師日記が少し重くなりましたので,
           #1(8/1-8/15) と #2(8/16-8/31)  
に分割致します。


8/15 (火) 晴れ  
 お盆の賑やかさが続いている白馬ですが,皆さんいかがお過ごしですか? 
 昨日【TOK】の店,ビアホール【メルツェン】に,このホームページを良くご覧頂いている「Do」さんと「Fuji」さんが来てくれました。 Inter Net を通じて,また楽しいお仲間が増え,スキーの話しに花が咲きました!宮下征○夫妻も来て居て,ビールも美味しかった!(^I^)

 さて,今日の話題も「深雪」,テーマは”ターンの力”。
 昨日は垂直方向の圧のやり取りについてのお話しでした。今日は平面的な「左右へのネジレの力」について…。右のアニメーションを見ていただければ,一目瞭然ですが…。(負荷が多いのでアニメーションは画像クリックで,アニメーション専門ページへ飛ぶ様にしました。)
 先ず,雪の斜面を右斜滑降気味に降りて行きます。スキーは前方から雪の圧を受け,たわみ始めます。そのタワミによって右方向に少し向きを変えて行きます。この時上体をその方向に向けてしまってはいけません。体の向きは初めのまま,斜面下方に保持しておきます。すると次第にスキーの向きは右に回っていきますから,上体とスキーの間のネジレが少しづつ強くなって,腰やヒザ,脊椎の関節がひねられ,上体と下肢の間に「ネジレの力」が蓄積され始めます。平面的なネジレのエネルギーだけでなく,スキーの「タワミのエネルギー」も最大になって行きます。これが「ネジレ⇔戻り」の基本エネルギーになります。
 このエネルギーが充分貯まったと思ったら,下肢の雪の捕らえ(ホールド)を解放してやります。上体はそのまま保持して,下半身のネジレ状態を緩めてやるのです。すると下肢は胸の向き,正対の楽な姿勢,に戻ろうとしますから,左方向に向きを変え始めます。タワミのエネルギーも同時に解放されますから,昨日のアニメーションの様に,スキーは雪の中から表面に出ようとします。そのまま「なるがまま…」に任せて待っていると,スキーは雪面上方に出てきて,その向きは胸の向きと正対になります。しかし,正対状態でストップするわけではありません。動いているものはすぐには止まれない…という「慣性」の力が働き,スキーの向きは正対より少し左に行き過ぎます。この時を見計らって左斜滑降気味に斜面を落ちて行くのです。
 すると,スキーは又雪の力をやや右方向から受けることになり,タワミが始まります。これから以降は,先ほどの右ターンの逆バージョンが始まります。…あとは,これを何回も何回も繰り返して行くだけです。自分は「上体を斜面下方に保持しながら」ただ斜面を落ちて行くだけ! すると,身体を中心にして,スキーが勝手にたわんだり戻ったりしながら,左右に方向を変え,斜面を落ちて行きます。結果的に,滑った跡を見てみると,雪の斜面にきれいなシュプ−ルが描かれているのです。(^I^) 自分ではナニもしないのに,勝手に,ホントに勝手に…。
 このことを体験すると,【スキーがたわむ力も,左右に回転して行く力も,雪の抵抗が作り出してくれる】ということが理解できます。これこそが「LETスキー」の極意,と言ってもいいでしょう。
 実は「深雪滑降」こそ,合理的スキー術そのもの,なのです。【TOK】はそう思います。(^I^)


8/14 (月) 晴れ  
 連日甲子園では熱戦が続いていますが…,勝っても負けても,自分の興味あることを見つけ,結果を考えずそれに没頭する,その情熱は失いたくないものです
(^I^) ところで,良いお盆,過ごしてますか?
 さて,今日は「深雪」の二日目。テーマは,雪に身体を預け”雪の圧”を感じるです。
 自分からスキーを操り,雪に働きかける,というよりは,雪からの力を受けて自然にスキーがターンしながら滑る,という感覚を身に付けることです。その為には,斜面上から下に落ちて行く時,ある一定の速度で,できるだけ上下左右に揺れないで移動して行く体の中の「ポイント」をしっかり定めておく必要があります。結論を言うと,そのポイントは「腰」の位置つまり「重心」です。この「重心」に意識が働き,そこを中心に斜面を移動できればバランス維持が楽になるだけでなく,雪からの情報も的確に受け止めることができる様になります。
 その「重心」を中心にした「三次元的な力の働き方」を身体で感じていく事が大切です。三次元的な力,とは「重心と雪の圧がバランスを取るように働く,斜面に対して縦方向の力」と,「重心と荷重点を結ぶ線を軸として,左または右へネジレ的に働く平面的な力」,のことです。この二つの要素を「雪と重心の間に働く力」として意識することが,深雪滑降では大切になります。
 今日は,この二つの意識の内,「縦方向のバランスの取り方」から始めることにします。先ず,スキーのテールを斜面に対して斜めに突き刺し,斜滑降方向にスタートできるように準備します。そして,そこから勢い良く斜面下に向かってスタートします。もちろん身体とスキーは一体のものとして移動し,腰が引けないようにします。スキーは雪に少しだけ潜って行きますが,トップが上を向いていますから,よほど意識してトップを下げない限り,スキーが雪面に潜り込んで行くことはありません。初めて深雪を経験する人は,この時点で「スキーがどんどん潜ってしまうのでは…」という不安に駆られるようですが,そんなことはほとんどありません。もしあるとすれば,それはスキーを前に進めずに,横方向に押したり移動するからです。横にではなく,前方に進みながら落ちていくことが大切です。この段階でターンしようと意識してはいけません。斜面を斜め前方に勢い良く落ちて行くことだけを考えます。
 しばらく落ちて行くと,雪の抵抗を受けてスキーは左図の様に必ず上方に持ち上げられます。この抵抗に逆らって押し続けてはいけません。下から来る抵抗を懐で受け止めるように,脚を重心方向に引き上げてやります。これが「引くぅー」ということです。この時非常に大切なことがあります。それは足裏に感じる雪からの圧を失わない様にすることです。雪からの反発圧以上の脚の引き込みをしてしまうと,それは完全な抜重状態になってしまいます。バスケットボールでドリブルをする時,うまい人は,下から来るボールを手のひらでホールドする感じで受け止めますが,あの感じと似ています。重心方向に脚を引き込む時も,雪の圧を感じつつ行うのです。
 上に上がって来たスキーは,また再度雪の中に潜って行きます。斜面縦方向に関する圧のやり取りはこの繰り返しに他なりません。雪の圧を貯め込むときが ♪♪受けるゥー…♪♪ で,引き込む時が ♪♪引くゥー…♪♪ という発声になります。図に合わせながら繰り返しつぶやいてみてください。このイメージをしっかり頭に叩き込むことが大事です。
(図は10回のリピートになっています。再度再生する時はもう一度前のブラウザに戻ってからお入りください)


8/13 (日) 晴れ 
 昨日から「お盆」に入り,ちょっと忙しい白馬です。上空の寒気が去ったせいか,ここ三日ばかりカミナリは聞こえません。(^I^) 最近落雷で「モデム損傷」のNEWSを良く耳にしますので,留守にする時はモジュールを外しています。
 さて,過日
 matsu さんから”深雪”に関して,次のようなご質問がありました。このテーマについてお話ししたいと思います。
※ matsu さんからのご質問 (要旨)

 
私は深雪を優雅に滑るのが夢です。昔,深雪で怪我をし,長らく深雪アレルギーでした。TOK先生の「引くターンを覚えたら深雪が最高に楽しくなりますよ!」と言われたのが心に響きました。確かにひくーでスキーはいとも簡単に回り始めました。問題はその後でした。急速に高まる除雪抵抗。思わず上体が起こされそうになる。緊張のあまり強いスキーの回転に脚のひねりがついていかずに腰が外に放り出され思わず外エッジをひっかひっかけて転びそうになる。膝まである湿った重い新雪、隠れこぶのおまけ付き。何度もめげそうになりながらも、ひくーありがとう、ひくーありがとうとなんとか転ばずにおりてきました。後、筋肉が疲労してへろへろになりました。基礎体力不足かスキー操作がまずいのか、両方だとおもいますが。来シーズンは深雪を攻めまくりたいとおもっています。効果的な練習メニューを教えてください。
※ 【TOK】の回答(その1)
 matsu さん,深雪…イイですねェー!(^I^) ホント,深雪を滑っているときは何もかも忘れて,雪と戯れている…そんな気がします。「深雪滑降」はスキーヤーの最終目的の一つだと言ってもいいでしょう。「深雪」の楽しみはまた格別です。しかし,それだけに誰にでもすぐ出来る簡単な技術ではありません。ある意味で「スキーの極意」を掴まないと自由自在…とはいかない滑り,だと思います。でも体力やパワーが大事だということではありません。いかに雪の力をもらって滑るか?雪や斜面と同化するか?ということです。ですから,老若男女,誰にでも滑れる滑りでもあるのです。ぜひ,「深雪の極意」をつかんでいただきたいと思います。
 「深雪」に関してのキーワードが matsu さんのご質問の中にいくつかあります。「引くターン」,「除雪抵抗」,「スキーの回転に脚のひねりがついていかない」,「深雪を攻めまくる」…です
 深雪のポイントの第一は,「雪とスキーヤーの間の圧のやり取りをどうするか?」です。
引くターン,除雪抵抗」これはその「圧」に関しての言葉です。このことに関しては後で詳しくお話しすることにします。
 第二のポイントは「雪に身体をを預ける」です。
「スキーの回転に脚のひねりがついていかない,深雪を攻めまくる」は,このことに関する言葉,と言っていいでしょう。しかし気になるのは「…がついていかない,…を攻めまくる」という表現です。これは「〜する」という「DO的」な滑り方の特徴なのです。ある一定の,小回り的なリズムでの深雪ターンであれば「自ら雪に働きかける滑り」=「DO的滑り」でも滑り降りることは出来ます。しかし,大回りでも小回りでも…,コブがあっても無くても…,湿雪でも乾雪でも…,ということになると,そうはいきません。身体の動き,対応を「自由自在」に使えるように「リラックス」し,流れに逆らわない柔軟な状態に置いておく事が求められます。
 それでは次回から「深雪レッスン」の始まりィー,始まりィー!!! お楽しみに! (^I^)


8/12 (土)  
 ここ連続二日間,珍しく「夕立」がありませんでした。今日は月に一度の健康管理で掛かりつけの松本にある医者へ。実は数年前から「痛風」の症状が出て,毎月1回定期検診を受けているのです。でも,この痛風,肝臓や腎臓の病気の予防的な症状だそうで,出たほうがそれ以降の健康維持に役立つ,と言われているそうな…。「無病息災」ではなく「一病息災」の時代ですよ,と言われました。ところでみなさん,健康に気をつけてられますか?(^I^)
 さて,今日のテーマは”集中力”。
 あたかもレンズで太陽の光を一点に焦点を合わせ,火を起こすような,そのような”集中力”をもって,コトに当たれば成さざるものは無い,という諺があるかどうかは知りませんが,一つのコトに熱中し,そこに意識を集中させることは,スキー上達の過程でも必要なことだと考えます。
 スポーツの世界では良く「アレを意識しながら…」なおかつ「コレをする…」といった二つ,あるいはそれ以上のことを同時に要求するコーチがいます。私はこのことに疑問を感じています。アレコレ同時に集中できない,と思うからです。例えばテニスで「相手の動きを見ながら…ボールを良く見て打つ…」とか,スキーでは「内径軸を維持しながら…横方向の抵抗を求めて行く…」とか……。
 人間の身体は一つのことを行う時,それに適した行動を自然に起こし,もっとも合理的な結果を生み出すものだと思います。ある一つの行動に対して,それに身体が反応する最も適した答えは一つしかない,と思うのです。ある物事の要因に対する最も適した答え,果実は一つ,つまり,原因と結果は一つの対になっている,と思います。ですから,要因(やること)が二つ以上の複合になると,それから得られた答えは,さて?どちらの行動あるいは意識から導き出されたものか?ということになります。モチロンその複合から生まれたものに違いはありませんが,一対一の対応ができないため,分析が複雑になってしまいます。もし二つ以上の要素が複合的に絡んでなければ,ある結果が得られない,という状況だとしても,それぞれを別々に分けて行うことのほうが大切です。
 レッスンではできるだけ一つの作業に集中させ,そのことで感じられ得られる答え,果実を大事にすべきだと思います。一つのコトに全神経を集めることで,それから得られる新しいフィーリングは,今までのそれとは全く違ったものになると信じます。8/1の「因果関係」でお話ししたように,「課題と結果」を積み重ねることで上達するには,与えられた一つ一つの「課題」に集中し,それぞれの結果との対応を見つけることです。集中力が強ければ強いほど,それから導き出される答えも貴重なものになるはずです。
 やることは一つだけ! 望むべきはその一つの「キーワード」がスキーの極意を引き出す「言葉」や「課題」であって欲しい!思います。 その「キーワード」探しを続けている【TOK】でした。


8/11 (金) 
 昨日はめずらしく,雨とカミナリの無い一日でした!(^I^) おかげさまで夕方から少しだけTennisとJogを楽しみました。甲子園,長野県代表の松商学園も勝てました!(^I^) ベイスターズとジャイアンツの試合も凄かった!(^I^)
 さて今日も「スキーレッスン」でテーマは”発声効果”について。
 重量挙げの選手が,良くリフトアップの瞬間「オオッーー!」っというような声を出すのを耳にします。また最近のTennisを見ていると,ヒットの瞬間「ウゥッー!」と声がするのも聞こえます。これら発声が,筋肉の働きをリラックスさせ,瞬間的なパワーを生み出すと言われています。そう言えば,剣道や柔道でも打ち込みの瞬間や,技を仕掛ける時,気合いのこもった声を掛けるのを耳にします。
 スキーではどうでしょう? 私はスキー教師なので,いつも滑りに合わせながら ♪♪受けるゥー…引くゥー…受けるぅー……♪♪ などと言いながら,声を出しながら滑っています。良く仲間の教師に,「【TOK】さん,生徒さんには,もう声が届かないと思われる所に行っても,どうして声を出し続けているんですか?」と聞かれることがあります。実はコレ,自分自身のために声を出しているのです。
 私はこれを「呼吸法」だと思っています。呼吸をしている時,筋肉は緊張状態というか固まった状態に成り得ません。適度な弛緩状態にあります。スキーは「ウッ,ウッ,ウッ…」といった,筋肉の瞬間的な緊張状態から緊張状態へ移行しながら筋を使う,と言うより,「ウウーン,ウウーン,ウウーン…」という連続的な筋の使い方をします。「ウッ,ウッ,ウッ…」というのは一回毎に呼吸を止めるやり方です。一方,「ウウーン,ウウーン,ウウーン…」というのは一気に声を出すと言うより連続的な声の出し方です。声を出すということは,息が出ているわけですから,「呼吸をしている」ということになります。息を止めると「緊張筋」が,呼吸を続けると「適度な弛緩筋」が働きます。
 レッスンで声を出すのは,声に合わせて体の動きを同調させる,という意味の他に,体の動きを固定させない,適度な弛緩状態を作る,という大事な意味があるのです。筋が緊張状態にある時は,雪からの情報,シグナルを的確に脳に伝えることができません。また疲労も増します。ところが筋が適度に緩んでいると,酸素も筋肉に行き渡り,雪からのシグナルもよどみ無く下半身から上半身へと伝えることができます。声を出し,呼吸しながら滑ることで,体の筋肉の作業効率は数倍も増加する,と【TOK】は信じています。
 さあ,あなたも恥ずかしがらずに,声を出し,呼吸をしながらスキーをしましょう!
 そう言えば,【TOK】は八方尾○スキースクールでイチバンらしい! 声の大きさが…。(^I^) 


8/10 (木) 晴 
 昨日,一昨日とキャンプで少し夏気分を味わって,今日からいつものリズムに戻りつつあります。なにかイベントがあると,いつものリズムをとり返すのに少し時間がかかり,それが気ぜわしい時期と重なると精神的にイライラしますが…。高校野球を見聞きしながら,気ぜわしさを楽しんでいる【TOK】です。
 さて,今日のテーマはスキーレッスンのbP3,”直滑降”について。
 
スポーツには「基本」というのがあります。「基本」は、物事の軸になるもので、その一部を変えてさらに発展、応用することができるものだそうです。したがって、「基本」はどの段階においても必要とされ,かつその幹を太くして行く事ができるものと言えます。
 それでは,
スキーの「基本」は何でしょうか? スキーは「雪の上を,重力の力を借りて滑り降りるスポーツ」だと言えます。ですから,基本の第1に挙げられるべきは「真っ直ぐ滑って降りる」という”直滑降”です。この直滑降,高い所から低い所へ滑り降りる,という単純な動きで,あんまりスキーレッスンでは行わなくなりました。レッスンのほとんどが,方向を変える,という「回転技術」の修得にその時間を費やしているのが現状です。しかし,この直滑降こそが,スキーの楽しみ方に大きな影響を与える要因なのです。
 高い所から低い所へ滑る…。単純ですが,先ず「滑る」という感覚……。実は「路面が滑って車が横転する」,「足が滑って転ぶ」,「受験に滑る…」などなど,「滑る」という言葉はあんまり好ましい意味で使われることはありません。ですが,スキーでは違います。先ず,自分がナニもしなくとも「斜面を移動する快感」があります。ソリ遊びに子供達が熱中する所以です。そして次に,滑ることで「スピード感」を体験できます。顔を過ぎる風を感じることができます。馴れて来るとそのスピードを増し,さらなるスピード感と,それによるスリルも楽しむことができます。この「滑る」という感覚が,苦しみでなく「楽しみ」と感じられることが大事なのです。
 スキーは,この”滑る”という感覚を楽しみとして実感することができる最高のスポーツです。「滑る!」から「楽しい!」ということを充分味わうことができます。でも,私達スキーヤーは,この楽しみを充分味わっているでしょうか?直滑降を楽しんでいる人がどれだけ居るでしょう。ほとんどターン、ターン、ターン…と回ることだけに熱中していないでしょうか?ターンは,雪とスキーの間に生じる抵抗によって生まれる運動ですが,そのターンを合理的に行う意味でも,先ず「雪の斜面を真っ直ぐ滑り降りる」という”直滑降”の大切さを,改めて考える必要があるように思います。
 位置エネルギーを滑走エネルギーに変え,さらにそれを回転エネルギーに変えるのがスキーというスポーツ。その意味でも,スキーの
基本中の基本は「滑る」,そして”直滑降”です。
 「滑る!」から「楽しい!」を経験してますか? (^I^)

8/9 (水) 晴 
 今朝もイイ天気の白馬です。連続7日間「晴天」が続いています。そしてカミナリも…。
 昨日,義姉夫妻が子供連れで白馬に遊びに来てくれました。白馬の山並が良く見える「松川」の河川敷で,バーベキューを楽しみ,夜は家が近くにあるにもかかわらず,ビアホールの仕事が終わってから,わざわざキャンプ気分を味わいながらテントの中で寝るハメに…。子供達はおおハシャギでしたが,大人は少しゲンナリ…。これも経験,経験…(^I^)。それにしても「河原はみんなのものだから,どこでキャンプしても構いません。ただし後片付け,危険回避は各自の責任で…」という「砂防事務所」のお話しに,ちょっとオドロキでした。どうしてみんなは,わざわざ有料のキャンプ場を使うのかなぁー…トイレや水場は探せば近くに結構あるのに…と思った【TOK】でした。
 さて,今日の話題は「スキーレッスン」12回目で”自分の言葉”…。
 スキーレッスンではいろんな言葉を使い,いろいろな表現をします。日常生活で私達が経験するフィーリングを思い起こし,少しでも理解しやすいように,できるだけ多くの表現方法を用いて説明します。教師の説明する表現や言葉が,そのままスンナリ,同じ表現方法や言葉で同じ意識として吸収されれば,それは最高です。しかし,ほとんどの場合,教師の表現がそのまま同じイメージやフィーリングで受けとめられることはありません。ある説明,例えば「角付けをする…」という表現を教師が使ったとしても,生徒さんには「ヒザを内側に入れる…」と受けとめられることもあります。「モモを内側に絞りこむ…」という意識の人もいるでしょう。つまり,生徒さんの数だけの「いろいろな角付け意識」があるといってもいいのです。
 では,教師の説明を受けて,生徒さんがイメージする具体的な動きや,フィーリングは,教師の表現方法と同じでなければならないのでしょうか? 「角付け…」は「角付け…」で,「ヒザ…」や「モモ…」の意識ではイケナイのでしょうか?実は違うのが当たり前で,ソレこそが大事なところなのです。教師は,できるだけ自分と同じフィーリングを会得してもらおうと,いろいろな角度から,多彩な説明を試みます。しかし,その説明のポイントを,自分流のやり方,意識置き換えて理解することが大切です。教師が言うところの「角付け…」をそのまま同じ「角付け…」として理解することが大事なのでは無く,「教師の言っていることは,俺の解釈では”☆★☆…”ということなんだ!」という風に”自分の言葉”に置き換えて理解することが大事なのです。
 教師の言っている言葉や表現を,そのまま使っている人のほとんどは,まだ教師の伝えたい新の意味を理解していない…のではないかと思います。解かったつもりなのだが,解かってない…。教師のいう表現や言葉を「自分で租借して,自分の言葉や表現方法を探し当てた時」,初めて自分のモノになった,と言っていいでしょう。
 教師の言う「A」ということは,自分の言葉では「B」という意識だ!と言えるよう,充分租借し”自分の言葉”で理解したいものです。(^I^)


8/8 (火) 晴
 今朝もイイ天気です! …が昨日も雷と夕立が来ました! どうも日本上空に「寒気」が居座っているらしく,それに上昇気流が立ち上るものだから,カミナリは必至!
 そして,今日から「夏の甲子園」…。【TOK】も実は高校まで,野球に明け暮れていた,野球少年でした。甲子園には出れませんでしたが,この時期になると,あの頃の情熱と若さを思い出します。いくつになってもあの頃の「情熱」だけは忘れないようにしたいと思っています。(^I^)
 ところで,昨日は「立秋」でした。英語では”
the beginning of autumn”と言うようで,そのまま「秋の始まり…」。暦の上で「秋」が始まるということで,降雪が始まるのも間も無いと言うことかな…。
 さて,今日はスキーレッスンの”眼力”です。
 8/3の教師日記に「情報取得は目から…という一般常識とは少し違うことが、スキーレッスンでは必要になる。」…ということをお話ししました。ですが,チョット勘違いされるといけないので,今日はそのフォローアップです。
 諺に「人の振り見て我が振り直せ…」というのがあります。これは実はスキー上達では大事なことなのです。例えば何人かで一緒にレッスンを受けているとします。誰か他人が滑って来たのを見て,教師がアドバイスしますが,この時,どういう言葉でアドバイスするか?を良く聞いているコトが大事なのです。モチロン,その前にその人がどういう滑りをして来たか?を良く見ている必要があります。その意味で「滑りを良く見る,観察する」ということは大事です。そして自分なりに,もし自分が教師なら,こういう風に,あるいはこういう言葉で,アドバイスするなぁー…と教師がアドバイスする前に,自分で考えてみることです。もし教師の言葉や言い回しと,自分の考えが同じであれば,あなたの「他人の滑りを評価する目」と教師の「目」とは同じレベルにある,ということになります。ある人の滑りを見て,その評価が適切だということは,自分の考え方が間違っていないことの証明になります。結果として,自分の技術レベルを上げることになるのです。
 スキーレッスンを受けている時は,極力,他人の滑りを見て,それを評価し,教師のそれと比較するクセをつけたいものです。まさに「一挙両得」的なレッスンにすることができます。
 ただ単に滑りの真似をする…という意味でなら「視覚」による情報取得はあまり意味を持ちませんが,ある人の滑りを教師がどう判断し,どういう言葉でアドバイスするのか?を聞いて,自分の評価と比較する,という意味では,「人の滑りを良く見」,評価する「眼力」を養うことは大事なことです。
 ************************
 8/5 UP致しました「深雪」のアニメーションですが,このページを開くのに少し負荷が掛かっているようです。そこでアニメーションは
別のページに移動いたしましたので,ご了承ください。代わりスチールを載せさせて頂きます。


8/7 (月) 快晴
 今朝もイイ天気です! …が,夕方になると決まってカミナリと弓立が…。ことしはいつもの年より多い感じがします。 昨日は八方尾根を山案内している時に遭遇してしまいました! アルペンリフト付近にも落雷があり,電源設備が焼けて2時間近く山に取り残され,事態は最悪…。山では久しぶりの体験でしたが,ご案内したお客様は初めての体験の人ばかりで大変でした。予定より3時間遅れでナントカ全員無事に下山できましたが,皆さんも夏山に登られる時は,天候急変にはお気をつけて…。
 今7時…【TOK】はこれから栂池にお客様を案内して来ますので,今日のスキーの話題はオヤスミです。(=_=;)
 それでは行って来まぁ―す! (^I^)


8/6 (日) 快晴
 今朝も昨日同様,本当にイイ天気! 今日は10時ころから山のガイド…。出発前のひととき,書き込みしています。昨日は昼過ぎに一度夕立が来て,一旦晴れ,そして又夕方夕立…。一日に二度の大雨やカミナリは【TOK】も初めての経験でした!。
 夜,ビアホール【メルツェン】に,春の「オフ会」に参加して頂いた「Koku」ご夫妻がヒョコッと来てくれました。久しぶりにお会いして,話しに花が咲き,機嫌のイイ【TOK】は少し飲み過ぎました!(^I^)
 さて,昨日の「深雪」のアニメ,お楽しみ頂けましたか? 300キロバイトくらいありますので,少し読みこみに時間がかかったかもしれませんが…。
 今日の話題は「スキーレッスン」の10回目で”症候群・シンドローム”がテーマ。
 スキーレッスンを,スキー場に来るたびに受けてくれる人…,が居ます。スキースクールの経営者としての立場からは,本当にありがたいことです。しかし,「どうも先生が居ないとうまく滑れない…」という言葉も良く耳にします。いつもどこかに「これでイイのだろうか?」という自分の滑りに自信が無い人や,先生に誉められることに快感を覚える人,に多いようです。(^I^)
 これも「スキーの楽しみ」の一つですので,格別悪いことではないかもしれません。しかし,教師の立場からすると,いつかは自立して欲しい…という希望があります。教師が居ない時,居なくなった時にいかに学ぶか?の方法を身につけてもらいたいのです。時々,貯まった疑問や,滑りの上達度を特定の教師に判断してもらう意味でのレッスンはけっこうなことですが,先生に見守っていてもらわないと,滑る意欲が無い…,という様な”先生が居ないと滑れない症候群”にはならないで欲しいと思います。
 私の場合,「良い面を伸ばすことで意欲を喚起する」という指導法を採っています。ですから,生徒さんのイイ面を探して「ココがイイね」,「あそこがイイね」という言葉を良く使います。でも,これが生徒さんの”症候群化”に拍車をかける事になりかねません。誉められることを嫌がる人は少ないのです。中には先生に「あそこがダメ」,「ここがダメ」…という風に,欠点指摘を受けないと,やる気にならない…という人も居ますが…。どちらにしても,教師として,”症候群患者”を作り出さないよう注意すべきです。教師の中には「症候群患者の多さ」を「教師としての人気」と勘違いして受けとめている者も居るようです。
 望むべきは,「課題を受け」→「自ら行い」→「上達・変化を評価してもらい」→「さらなる課題を受け」→「自ら行い」→……というパターンだと思います。「自ら行う」という過程を大事にすることが,「自分流の楽しみ」を見つけ出すことにもなります。
 今日は「教師として肝に命ずべきこと」についてでした。【TOK】は大丈夫かな? (^I^)


8/5 (土) 快晴
 

今朝も本当にイイ天気です! あさは涼しく毛布が必要な白馬です。午後Tennisをしていたら途中から夕立…。カミナリと雨でびしょ濡れの【TOK】でした。
 さて今日は「Matsu」さんからのリクエスト『 …納涼TOK流スキー術「深雪編」など、いかがなものでしょうか…』にお応えして深雪の映像をご覧頂きましょう! 
 こころゆくまでお楽しみ下さい! 
ああ深雪滑りテェ―!

8/4 (金) 快晴
 今朝も気持ちのイイ天候に恵まれました! 昨日は夕方からTennis。気持ち良い汗を流しました。こう天気が良いとナニか幸せを感じます。(^I^) チョット暑いですが…。皆さんも夏バテなどしないよう、健康には気をつけて…。
 さて、今日も「スキーレッスン」でテーマは”言葉”の二日目…。
 ”言葉”は情報伝達のひとつの方法で、人間がある事柄や感情、考えなどを伝えるために用いる音声や、それを文字に表したもの…ということだそうです。しかし、この言葉…使い方を間違うと、全く反対の事を意味したり、間違った情報が伝わって行く事になりかねません。正しく意志を伝えるには、使い方に気をつけなければなりません。
 で、スキー界ではこの”言葉”…正しく使われているでしょうか? 例えば「ひねる」という動作を表す言葉があります。良くスキーにも使われるのですが、これは自らがナニかに働きかけてそのモノを「ひねる」ことで、「能動的動作」を表します。これに対して「ひねられる…」は、自らが動作を起こすものでは無く、ナニか「受動的働き」によって「ひねられる」ことです。
 よく「スキーをひねる…」と説明を受ける事がありますが、これはどういうことでしょう? スキーのトップとテールを支えて、互いに反対方向にネジルことでしょうか? それとも雪面に置いたスキーのどこかを中心として、左右どちらかに回転するように、脚のどこかをひねりまわすコト、なのでしょうか? もし後者だとしたら、「スキーをひねる」ではなく「脚をひねる」が正しいでしょう。しかし、コレにも疑問があります。雪面に置いた板が、脚をひねることでその方向を変えることができるでしょうか? 雪面に接している以上、いくらひねっても、雪によってスキーの側面は抵抗を受け、スキーは方向を変えられないはずです。雪面からスキーが浮いた状態では可能ですが…。
 実は「スキーをひねる…」とは「スキーをひねる意識を脚に持ちつつ、前方に移動して、雪の抵抗を受ける事で、スキーがその方向が変えられて行く…」ということなのです。「スキーをひねる…」という表現よりは「脚をひねりながら、雪の抵抗を受ける…」という表現の方が適しています。、単に「スキーをひねる」だけでは本当の意味は通じません。
 これと似た事例はたくさんあります。「スキーを先落としする…」、「上体をひねって外向姿勢を作る…」、「圧を加えてその力でスキーをたわませる…」…等などです。これらの言葉の意味を良く考えると、そのほとんどが「能動的」な言葉の使い方をしている事に気付きます。「……する」という言葉です。しかし、前三つの例の本当の意味は、「ターン後半貯まったネジレの力が解放し、スキーが先落としされてしまう…」であり、「上体をそのまま維持していると、スキーが方向を変えて行くので上体との間にネジレた状況=外向姿勢、ができてしまう…」、「斜面移動で雪から圧を受け、荷重点(支点)を中心としてスキーがたわんでしまう …」ということなのです。「能動的」な「……する」と言うよりは、「……される」という「受動的」な動作を言っているのです。
 「スキー」という「物体の落下運動を回転運動に換えるスポーツ」では、特に「……する」と「……される」の違いをしっかり区別して理解しておく必要があります。
 ことほど左様に”言葉”の使い方、用い方は大切です。ものごとを正しく伝えようとする時は、本当に気をつけなくてはなりません。スキー教師が肝に銘じて心すべきことです。



8/3 (木) 晴れ
 昨日はどんよりとした一日でした。夕方、小雨の中をJog。調子がイイのでいつもよりコースを伸ばして、ジャンプ台の周りまで、約30分のジョギングでした。気持ちイイ汗をかきました。(^I^)
 
さて、今日のお話しは「スキーレッスン」の8日目で”言葉”について…。
 私達がいろいろなモノを知覚し、状況判断するのに、その情報の8割は目から入ってくる、と言われています。スキーレッスンでも、大抵の情報は「目」から得ているのが普通でしょう。目で他人の滑りや教師の滑りを見て、「ハハァーン、アアすればいいんだ」、「こうするのか…」と判断することが多いと思います。ですが、最近私は”言葉”がけっこう大事な要素ではないか?と思うのです。
 それは、どうしてかというと、目で知覚して動作を判断し、それを真似しようとすると、ほとんどの場合、「動き」や「姿勢」「ポジション」の「モノ真似」に終わってしまいます。「動き」や「姿勢」はスキーの場合、雪とスキーヤーのコンタクト状況によって生まれるもので、他のスポーツのように「体を動かすことによって状況を作り出す」のとは、根本的に違うと思うのです。「初めに姿勢ありき」、ではなく、「初めに雪とのコンタクトありき」、なのです。コンタクト状況に応じた「姿勢」や「ポジション」が、その人の「骨格や筋肉の創られ方に応じた型」で現れるのです。人はそれぞれ体格が異なりますから、厳密に見れば、一人として同じ形には成り得ない、のが本当のところです。フォームは一人として、「全く同じ」とうことはありません。どこか少しづつ違って当たり前なのです。
 以前、教師日記に一度書いた事があると思いますが、こういうことがありました。山田○○さんという「プルークボーゲン」の天才と言われたデモが居ました。ある生徒さんが彼の滑りに惚れ込んで、夏の間中、鏡の前で彼のビデオを見ながらフォームをじっくり学んだそうです。その彼と一緒に滑る機会がありました。まるでホンモノの山田○○が滑っているのではないかと見紛うほどのフォームでした。ところが、スキー板の動きはまるで別物でおソマツした。フォームは同じなのに滑りは全く違うのです。「フォームは重要では無い!」ということを学ばせてもらいました。これに似た経験、「フォームは素晴らしいのにスキーの動きはダメ!」という経験は挙げるとキリが無いほどです。
 先ず”言葉”による解説を聞き、それを理解した上で、どういうコンタクト状況を作ったらイイのか?、その時の「足裏感覚」はどうなのか?…ということ意識すべきです。その意識は共通のモノがあります。例えば「かかと支点で、つま先が雪に押し上げられる感覚…」とか「足裏に貯まったエネルギーが、重心方向に引き上げられて、近づいて来るフィーリング…」等というコンタクト意識です。これらの感覚を、「課題」として生徒さんに提言できる”言葉”、これを多く持つ教師ほど、素晴らしい教師、だと思います。
 情報取得は目から…という一般常識とは少し違うことが、スキーレッスンでは必要になります。それは「”言葉”による滑走フィーリングの理解」です。


8/2 (水) 曇り 暑いけど…みなさん ノッテル?
 昨日から八月…。白馬も最高の天気で、この夏の最高温度を記録。さすがの【TOK】もうだっていました。(=_=;)
 …で、昨日8/1は当ホームページの1周年記念日でした。この1年間に約三万七千回のヒットを頂きました。これもひとえに皆様のご支援のおかげです。ありがとうございます!(^I^) これを機に「On Line Ski Class」も立ち上げましたので【TOK】共々よろしくお願い致します。ところで、昨日の教師日記、どうもリンク先を間違えた様で、この8月の日記に入れなかった模様です。お詫びいたします。(=_=;)
 さて、今日は朝から雷がなっていましたが、10時過ぎて、ようやく青空が見えてきました。(^I^) おかげで涼しい風が窓から入って来ています。
 さて、スキーレッスン、今日のテーマは”やる気”について…。
 なんでもそうですが、ものごとを始めて、それを継続してやって行くにはかなりのエネルギーが要ります。そこで我々教師に課せられるのは、「生徒さんが、いかに興味を失わないよう、やる気を持続させるか?」ということになります。
 この”やる気”、実は楽しさの裏返しだと思います。全回までのテーマ「スキーの楽しみ」…をしっかり把握していれば、やる気を継続させるのコツがわかります。挑戦すること、勝つ喜びを味わうこと、うまく演技して誉められること、いつもは経験しないスピードを体感すること、人の滑りをああだこうだ批評すること、等など…。
 しかし、それとは別に私が気をつけている事がもう一つあります。それはレッスンのグループの「乗り」を作る事、です。「乗り」というのは「気分が良くてノリノリ…」という「ノリ」のことです。
 例えば、レッスン中に雪が降り始めて少しづつゲレンデに積もっていきます。降ったばかりの雪ですから軽いので、それまで練習していた技術でも、いとも簡単に滑りこなす事ができます。しかし、生徒さんにとっては見る見る積もる雪の中をスイスイと滑るのは、初めての経験のことが多いのです。「今まで滑ったことのない条件の中を、レッスンで習った技術で滑れる!」という、少しの”光明”が見え始めます。目が輝き始め、動作が生き生きしてきます。そして、この光明が大きな自信につながります。こうなったら、もう「乗り」の極地です。この”自信”こそが”やる気”をさらに増幅してくれ、大きな技術的進歩につながって行きます。
 今まで経験したことのない状況下にお連れし、少しでも「アレッ、この感覚はチョット違う!」という経験を生徒さんに味わってもらうこと、これが「乗り」を生み出す秘訣です。「乗り」さえ出て来ればあとは教師はナニもすることはありません。生徒さんが勝手にうまくなってくれるのです。昨日の話題「課題」のひとつと言ってイイでしょう。
 みなさん、今日は乗ってるカイ? (^I^) 【TOK】


8/1 (火) 快晴 今日から八月ですねぇー…
 昨日7/31、朝方、きれいな朝焼けに送り出されて、栂池自然園までガイドに行って来ました。おかげで教師日記のUPが遅れてしまいました。ゴメンナサイ。
 さて、今日から8月です。このホームページもおかげさまで満1周年を迎えました。かねてからの懸案「On Line Ski School」について、検討してまいりましたが、今日から始める事にしました。思考錯誤しながら、スキーヤーの役に立つスキースクールにして行きたいと思います。はじめは「School」という形を考えていましたが規模が規模なのと、どういう展開になるか解かりませんので、とりあえず「Class」とさせて頂きました。
 そしてもうひとつ、教師日記は、いつも朝早く書き込んでいましたので、日付けが実際UPした時とズレていました。今日からは、日記を書いた日にちで書きこみ、「昨日は……」という書き出しで始めたいと思います。よろしくお願いします。(^I^)
 さて、昨日は「生徒のタイプ」を大まかに四つに分け、その話しをしました。今日のテーマは”因果関係”です。
 やること、つまり、課題が解からずに、教師の滑りを真似することが出来てしまっても、それは真に技術を修得し、上達したことにはならない、ということについて考えてみましょう。それは、自分が理解し、行おうとする課題を実行した時、それがどういう現象となって現れるか?、あるいは現れたか?という「因果関係」で理解出来ていないからです。例えば「荷重点(支点)を土踏まずにする」という”課題=要因”を頭に入れてそれを実行したら、「スキーの動きが安定した」という”結果”になった…という様な”関連付け”が出来ていないのです。「こうした」から「こうなった」、「ああした」から「ああなった」という、原因と結果をしっかり対応付け、経験することが、スキー上達の上では大切なのです。要因と結果の対応付けを多く経験すればするほど技術的な積み重ねも増えて行くのです。多くの「こうした」や「ああした」が積み重ねていくことが上達の早道です。なんとなくうまくなった…は、本当にうまくなった、のとは少し違うのです。単なる物マネは上達とは違うということです。
 以前、子供達に「リトルリーグ」で野球を教えた時も、「課題と結果」を柱にして教えたことがあります。監督やコーチの役割はこの「課題」をいかに豊富に準備するか?でした。多くの課題「ああする」、「こうする」を子供達に指示するだけでした。それによる「結果=果実」は子供達自身が見つけ出してくれました。監督・コーチとはこういう事なんだ!と思ったことがあります。「教える」ということは「与える」ことではなく「学ばせる」「経験させる」ということだと痛感しました。
 スキーでも同じことです。教師が課題を的確に指示し、生徒さんが理解できれば、それによって生じる滑りのフィーリングは、生徒さんが勝手に見つけ出してくれるのです。コレはイイフィーリングだ!と思った時の「課題」を忘れなければ、そのフィーリングを再現するのは簡単なことです。スランプに陥っても、課題を思い出すことで、それから抜け出すことは容易です。
 こういう風に見てくると、教師の役割は「答えを教えるのでは無く、習う側が答えを見つけ出す為の”課題”を与えること」なんだとつくづく思います。答えは”因果関係”でしっかりと生徒さんの身に付くのです。
 「指導」とは「指して導く」なのですネ。(^I^)




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