On Line Ski school
教える側と習う側
インナーフィーリング
Impression
(カービング)
Impression
(クロスオーバー)
Impression
(マジックハンド)
Impression(コブ)
レッスンマジック
心のスキー
円運動の中心
受ける
動く(#3)
動く(#2)
新・スキーの楽しみ方
動く
オレンジターン
大回りと小回り(#2)
大回りと小回り
スキーの気持ち良さ
幸せ
出逢い
合理性
タワミ
抵抗軸
因果関係練習
スキー指導法
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31/May (水) 雨
今日は5月の晦日。もう明日からは衣替えで季節は夏…。昨日の快晴から一転して今日は雨模様…。
日中はラフティングクラブのTシャツ作製。午後から英会話教室へ。夕方からビアホール【メルツェン】での仕事。
さて、今日は”オンラインスキースクール”のことについて……。
一昨年の12月からスキーに関するホームページを立上げました。そして約1年半が経ちました。その間いろいろな方々から様々なご意見、ご感想を頂きました。本当にありがたい事です。そして、今思うことは、Inter Net を使う事でスキーレッスンは確実にその効果が増す、と言うことです。
先ず第1に、あらかじめ、教師と生徒のコミュニケーションが図れ、生徒が何を望み、どうしたいのか?を知ることが出来ます。教師はそれに対するアドバイスを前もって生徒に伝える事が出来ます。理論的なことや雪上での留意点などです。これまでは雪上に出てからしか生徒の希望を聞く事が出来ませんでした。ひどい教師は、生徒が何を望んでいるのかさえ無視して、今流行の滑りだとか、一般的にこれが重要だとかいうこと、しか教えてくれませんでした。この様なことが先ず避けられます。
第2に、実際の雪上でくどくどと説明をする時間が省略でき、滑走時間が有効に使えます。あらかじめ雪上でのレッスン内容を教師は生徒に伝えられる訳ですから、再度詳しく説明する必要がありません。特に理論的な説明には時間がかかりますし、また生徒さんが本当にそれを理解できているかどうか、疑問に思いながらのレッスンが避けられます。滑走時間とフィーリングの伝達に時間が割けることになります。
第3に、レッスンが終わってからのフォローアップが可能になります。これが最も大事なことかもしれません。実際に受けたのレッスンの疑問点を聞き返したり、さらなる上達の為のノウハウについてのコミュニケーションが図れます。生徒さんにとってはモチロン、教師にとっても自分のレッスンを反省し、レッスンを見直す機会が増えます。ほとんどの教師にとって、この様なアフターケア的なことは出来なかった事です。
これ以外にも、思わなかった利点が生まれるかもしれません。実際に始めてみないとわからない部分がかなり有ります。
とりあえず、名称をチョット大げさかもしれませんが【 On Line Ski school 】とし、始めてみたいと思います。私の日記を呼んで下さっている方々でどういう面ででも構いません、一緒にやってみよう、と思われる方が居られましたらE-mail下さい。
30/May (火) 快晴
今日は天気も最高で、かつ週一の Day Off …。スキーがオフシーズンになって初めての八方尾根トレッキングで第3ケルンまで行って来ました。尾根筋はもうすっかり雪もとけて春の山…と言った感じ。高山植物の春竜胆やキジムシロが一面に咲いていてきれいでした!。右の花は雪割草です。八ヶ岳の左側には雪を頂いた”富士山”も見えました。週に一度はトレッキングガイドで八方尾根に登る事になりそうで、その下準備も兼ねての山行きでした。
昼過ぎに帰って来て、長野市へ…。前から観ようと思っていた映画”American Beauty”を観て来ました。私には…これがグランプリ?と思える作品でしたが、アメリカ映画ならそんなモンかな…とも……。(^I^)。映画好きな人、コメント下さい(^I^)。
さて今日はある人に送った私のE-mailです。テーマは”教える側と習う側”毎年決まった頃にレッスンをさせて頂いてますが、お教えする教師の気持ちと教わる側の気持ちが一緒にならないとうまく行かない、と感じ敢えて送らさせてもらったものです。
※【TOK】のE-mail
毎年のレッスンは、私にとっても1年の行事のうちで大切な行事です。何かひとつでも新しい意識、感覚を覚えてもらいたいので、前年とは違うナニか、それをお伝えしようと努めているつもりです。
皆さんの技術も本当にレベルアップしました。それは私も認めるところです。でも、単にお上手スキーヤーで終わるなら毎年毎年の3日間のレッスンは無駄ではないかとも思うのです。コノ連中は、ナニカ違うぞ! 滑りに気迫があり、うまい中にもひとを引きつける魅力的なエキスがある! といわれるようになって欲しい……。 同じ上級でも、そのレベルの幅はものすごく広いものだと思います。
自分を変えようという意識は自らの内にあります。私の言葉を聞き、滑りを見て、その中にある真意を盗むくらいの気概が欲しいと思ったのです。【TOK】のレッスンは、オレンジとか、ありがとうとか、マジックだとか言って、他のインストラクターと違うことを言うから面白いぞ……というのでも、ある程度までは行きます。しかし、これはあくまで人の言葉を借りた自分の滑りなのです。単なる上級スキーヤーだと、私は思います。その一歩上を行くスキーヤーになるには、自分の言葉で技術を語れなくてはいけません。その為には私の言葉の裏にあるナニかを自らの眼力で探ることです。オレンジやマジックの裏に隠されている意味は何なのか?を見つけ出すことです。そして自分の言葉に置き換えることです。そう言う意味での気概を持って欲しいと思ったのです。モチロン、お楽しみスキー、でイイのであれば話しは違います。でも、そうだったら1日のレッスンで充分でしょう。
ちょっと生意気なことを書かせてもらいましたが、長くスキー指導をしていると、受講生がどういう意識を持ってレッスンを受けているのか、わかってくるものです。せっかくお越し頂いたスキー旅行です。レッスンを受ける以上上手にならなければ意味が無いと思います。楽しく滑るだけならレッスンを受ける必要もないわけです。
辛口のコメントですが、お許し下さい。少し辛口でしたが、毎年レッスンを受けられていて少しマンネリになりかけている印象を受け、敢えて苦言を堤させて頂きました。
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教える側の熱意と、教わる側の渇望…これが噛み合って本当に良いレッスンが出来るのだなぁー、と思います。教師のお伝えしたい事、受講生の悩みや希望、これを無視したレッスンは効果が上がらない…。そう言う意味でInter Net等を通じ、あらかじめコンタクトを取り合うことは、大きな意味があります。多分普通のレッスンより数倍の効果が…。これからスキースクールが考えるべきひとつの方向も指し示しているように思います。
レッスンの印象(impression)について、皆さんからありがたいお便りを頂いていますが、それがうまくいったのは、教わる側の皆さんの姿勢がしっかりしていたからだと、つくづく思った【TOK】デシタ! (^I^)
29/May (月) 晴
後半良い天気になってきました。あいかわtらず日中はTシャツのデザイン…。それがTシャツにプリントされて、実際の製品になる時の感動がイイですネ! (^I^)。 夕方からはエアロビクス…。今日は苦手な動きを重点的に約1時間。同じ動きを長い時間、アプテンポの音楽に合わせて必死に…。その甲斐あってか、少しはサマになってきました……と自分では思っています。(^I^)。イヤァー、もう汗だくだくでした!
さて、今日は最近いただいた、Wさんからのおたよりのご紹介です。
※ WさんからのE-mail
TOKさん、こんにちは。Wです。この時期になっても、ほとんど毎日HPを見ています。
さて、まずズラして、そこから弧をコントロールすることを覚えたのは、今シーズン一番の収穫でした。せっかく覚えたこの感覚を忘れないように、そしてさらに磨くために、月に一度はザ○スに行こうと思ってます。
実は先日もザ○スで滑りまして、いつぞやTOKさんにしつこく聞いた「ストレッチング」の勘所「切替えたら足を伸ばし気味に圧を探りにいく」を自分なりに大回りの中でやってみました。が、うーん、なかなか思うような動きにならないです。。。(T_T)。どうも基本的なポジションが少し後ろ気味になっているようです。足を前へ前へ出そうという意識が強いといいますか…。ターン前半が間延びしてしまってる気がするのです。今までよりも、早く雪面を捉えている感覚はあるのですが…。あらためて、大回りって難しいですねー。
でも、小回りではターン後半のエネルギーを「引く」ことで次のターンにつなげることが、自分の感覚でも少しづつ分かってきました。不思議なもので、今まで後半ズレズレだったのが、しっかりしたグリップ感に変わってきました。20°程度の斜面で、まだ2回に1回くらいしか上手くいかないのですが、小回りの苦手意識が消えつつあるのが実感できます。小回りも楽しい!
ほんとうに、ありがとうございました!!
ところで、TOKさんはテニスもなさるんですね。一応僕も学生の時からやっていまして、バイトですがインストラクター(インチキラクター?)をやっていたこともあります。現在のテニス技術の主流は、TOKさんが書いているような円運動(回転運動)ですが、僕が教えていたころは、まだ前後の重心移動+補助的な回転運動でした。これもラケットの性能の向上とともに、技術がそれに合わせてより合理的なものに変わってきた例だと思います。私は、ついついスクエアにステップインしてコーチに怒られてますが。(笑)。ただ、今の技術は、回転によって腰に強い負担を掛けることもまた事実。相手が誰でも彼でも同じ技術を押し付けるのはどうかなーと思ったりもします。特にテニスの場合は、スキーよりもプレイヤーの個性が強いと思いますし。
そういう意味で、TOKさんのおっしゃる「合理的かつ楽なスキーイング」「インナーフィーリング重視」には、とっても共感します!
先日、今年の技術選とデモ選のビデオを見たのですが、宮下デモの滑りは本当に素晴らしいですね。TOKさんの考えるスキーイングの究極の滑りなのではないでしょうか?ムダがなくて、スムーズで、美しくて、力強くて。いつか直接その滑りを見てみたいものです。結婚されて、ますますの活躍が楽しみです。
※ 【TOK】のコメント
お便りありがとうございます! 何よりの励みになります。(^I^)
ザ○スはまだ一回も行った事が無いんです。今度機会を作って行かなくちゃ!
大回りの圧調整は、激しい動きが得意な人には難しいかもしれませんネ。ジィーっと待っている感じがありますから…。多分”マジックハンド・ターン”でうまく行くようになると思うのですが…。Wさんはきっと小回り系がお上手なんでしょう。
テニスのお話、全くそのとおりです。心でどう感じてどうプレイするか?技術の押し付けでなく、その人にあった楽しみ方、プレーの仕方の方が大事なのでしょう。インナーフィーリング…私も好きな言葉です。
私も征樹の滑りが好きです。何回か技術について話しをしましたが、ほとんど滑走感覚、意識は私と同じで、それが良く滑りに出ています。私もこれからの活躍、期待しています。
今日も読者のお一人からの貴重なご意見をお聞きする事が出来ました。本当にありがたいと思った【TOK】デシタ!。
28/May (日) 曇
今日も一日、日中はデザインの仕事……。Photosh○pとIllusutrat○rの面白さにはまり込む……。(^I^) 夕方からはテニスとジョギングで汗を流し、夜はメルツェンで美味しいビールをいただく……。
さて、今日もスキーの話題はMatsuさんのE-mailからです。
※ MatsuさんからのE-mail (その5)
昨日、やっと自分の中で答えが出たような気がします。とにかく今まではレールターンで倒して行く事しか考えていませんでした。倒して角付けが強まって、板がたわむまでは何も無かったのです。(ノーマルスキーでは、自分から板を回したり加圧したりDoスキーをしていました。)板がたわむまでを、”板がやってくれていた”のか”自分で働きかける”のか”外力でたわみが出る”のか、の違いでした。以前は、コンフォートとカービングの種目も全く違う動作で対処していました。しかし、今では迎え角の調整だけで(ひとつの動作で)カービングとコンフォートを演じ分けられるようになりました。(・・・たぶん、なってると思います。自信ないですけど)
ですから”枯れたスキー”の意味も、全てが取れて芯だけになったテクニックという意味と理解しています。(初めは、枯れたらいかんやろ・・・なんて思ってました)
しかし、悲しいかな、この感覚を他人に話しても「昔良く言われた事やな」とか「要はズレに乗って行くんやな」と言われてしまう事です。たわましのテクニックである事をなかなか理解してもらえません。Moriさんとも「実際にレッスン受けないとわからんで・・・」という結論になってしまいました。
ネット上での表現には困難が付きまとうと思いますが”オンライン・スクール”みんなで楽しみにしております。
それではまた Schi Heil !!
※ 【TOK】のコメント
カービングターンが今シーズンもある意味で話題になりました。というのも、検定に「カービング要素で滑る、スキッディング要素で滑る…」という語句が出て来たからです。今にして思えばカービングもスキッディングも、これまでもやっていたのに、滑り方の特徴付けでその様に分析してしまい、それがまるで別な技術の様に捉えられてしまいました。特にカービングスキーが台頭してきてから、誰にでもカービング要素の滑りが出来る様になったことが、それに拍車をかけました。ノーマルスキーでも、しっかりタワミさえ作れれば、そしてそれをキープ出来ればカービングターンは可能です。要はMatsuさんのご分析の様に、どの方向から雪の抵抗圧を受けとめるか?の違いだけです。タワミが出来るまでの横方向への移動と、タワミが出来てからの前方向への移動の違いだけ、と言っても過言で無いでしょう。結果的にスキッディングターンは”二次元的なネジレのエネルギー”を、またカービングは”ネジレとタワミの三次元的エネルギー”を意識した滑りだ…という事になります。そして、この様な滑りの基本は”自分の雪への働き掛けよりも、雪が働きかけてくれる力を利用する”ということです。Matsuさんのおっしゃる通り”外力でたわみが出る”ということが大切なのです。
何度も言いますが、Matsuさんの様に、レッスンの感想をこのように分析していただける事は、スキー教師として大変嬉しいことですし、勉強にもなります。普通は、この様な生の声をお聞きする機会も少ない訳ですから、自分の指導法を反省したりより効果のあるレッスン方法を模索する意味でInter Netの素晴らしさを感じます。
オンライン・スキースクール…いま【TOK】の頭の中で構想を立てている最中です。しばらくお待ち下さい。皆さんも良いアイデアがありましたらお知らせ下さい。(^I^)
27/May (土) 曇
日中はTシャツの仕事。白馬のあるラフティングクラブから依頼されたTシャツのデザイン。一昨年白馬に二つのラフティングクラブが出来ました。【TOK】も結構興味があり、そのどちらもトライしてみました。ニュージーランドやカナダほどの豪快さはありませんが、そこそこ楽しめます。白馬の山波を眺めながら川を下るのもなかなかイイものです。(^I^)
ここのところMatsuさんのE-mailをご紹介していますが、今日はその3弾で”斜めの直滑降と圧のやり取り”です。
※ MatsuさんからのE-mail (その4)
斜めの直滑降と谷回り
レッスン前は、ずいぶん悩んだ割にしっくり行かなかった事です。メールでも質問した内容です。これも、迎え角意識、マジックハンド、マシンガン、が大いに関連しあって、今ではほとんど意識していません。以前は、迎え角意識が無かったために、斜めの直滑降の後に、完全な直進状態から身体を倒して谷回りを始めていた様に思います。これでは足元に圧を感じながら谷回りを滑る事はできなかったと思います。(谷回りで我慢できずにパタンと内倒してしまう)
マキシマムと圧の関係
これはレッスン時にも感想を言いましたが、10の力がマキシマムで15になるような感覚を持っていました。ニュートラル時に5:5からスタートし、マキシマムでは外足荷重で10:0、という意識がターンを楽にさせてくれました。
白を際立たせるには回りを黒にする。Tシャツ屋さんでならではの発想だと思いました。
※ 【TOK】のコメント
結局、ターン後半のネジレと圧のエネルギーを次のターンに生かせないと、いわゆる”C字ターン”になってしまいます。ひとつの円弧が谷回りで終了…というターンです。それに比べ、ターン後半のエネルギーを次のターンのきっかけに出来る人は、Sの字ターンをする事が出来ます。この方が楽ですし合理的なターンだと言う事が出来ます。
この時、ネジレと圧の二つのエネルギーを橋渡しする部分が”斜めの直滑降=ニュートラル”なわけです。大事なのはここで、エネルギーの解放を”引く意識”で出来るかどうかです。両足の圧力配分の意識は、両足の荷重圧の合計が「10」であって、それ以上になる意識を持たないことが大事です。最大に貯まった時の圧が「10」だとすると、その部分は理論的にはスキーが最も振り出された時、つまりスキーがフォールラインを向いている時です。この時外スキーが「10」の圧で、内スキーが「0」です。そこから外スキーの引きが始まりニュートラル(クロスオーバー)の部分では外スキーも内スキーも「5」と「5」になります。そして次のターンの外スキーが「5」から「10」へと圧が増えて行くわけです。重力の関係がありますので、実際には外スキーの圧が「10」になるのは、少し遅れてターン後半にずれ込みますが…。
白と黒の話は”ダイナミックな滑り”、”躍動感のある滑りとは”どういうことか?を説明させてもらった時に例として挙げたことです。下半身の動きと上半身の安定さが対比されて見えた時、その滑りは躍動感に溢れています。上半身、下半身どちらも動いたのでは暴れているだけです。
こうやって考えてみますと、スキーをしている時に大切なのは”インナーフィーリング(心の意識)”なんだなぁー…とつくづく思います。雪からの働きかけの力やスキーの動きを、どう心の中で感じ、受けとめて滑るか…。自らの雪への働きかけだけでスキーをしている人は”身体で感じること”はあるにしても”心で感じること”は薄いような気がします。スキーの真髄ってこう言うことなのかなぁーと思った【TOK】デシタ!。
26/May (金) 快晴
今日も快晴の白馬! ようやくいつもの白馬の春がやって来た! という感じです。(^I^) 今日はIllustlat○rでデザインのまとめ。夕方からJogで汗をかきました。春の里を走るのはホント気持ちイイ!(^I^)
さて、今日も【TOK】のレッスンについてのImpression、その2。本日もMatsuさんのE-mailから…。テーマは”マジックハンド”。
※ MatsuさんからのE-mail (その3)
マジックハンド
イメージは間違っていなかったと思います。以前から、横滑りをする時に膝を緩める?というか、くるぶしを前に出すような動きをすると手がマジックハンドと逆の形になる人が多い事に気がついていました。(自分も含めてですが・・・)足の動きが手に連動するのなら、手の動きが足に連動するのは当たり前と思っていましたが、位置が膝の横という事まではわかりませんでした。膝の横に位置する理由が、片足荷重のバランス取りのために・・”と言うのはうなずけました。”片足荷重、手の位置、マジックハンド”の密接な関係はレッスンでなければわからなかったと思います。
ちなみに、ハンネス・シュナーダーの言葉に”手は膝の横に”というのがあった様に思います。
※ 【TOK】のコメント
”マジックハンド”は「外スキーをしっかりたわませる為」と「角付けをバネのあるエッジングにする」、という二つの目的があります。外スキーだけに乗ってあげれば二つのスキーに荷重が分散しませんからタワミがしっかり作れることになります。最近一部の雑誌などでカービングは両足荷重…という様な記述が見られますが、それは時速80キロ以上くらいのハイスピードでの事です。私達が滑っているせいぜい50キロくらいのスピードでは、外足荷重が基本です。それには先ず片足に乗るため、内スキーとバランスを取ることが大事です。そこで手の位置が問題になってくるわけです。いろいろ試してみますと、最も安定して片足の乗れているのは手がヒザの横くらいのところです。前にするとお尻が後ろに引けます。
手の位置や動きが足に連動しているというのは本当の事です。特に手首をオートバイのアクセルをふかす感じで内側に絞ると、足のヒザが内側に入って来ます。しかも手の絞り具合とヒザの絞られ具合は比例しているのです。角付けをコントロールしようとして、意識をヒザに持っていくと、ただ単にエッジングの量だけに気を取られ、バネのあるエッジングは出来ない人が多いのです。そこで、エッジングがうまく出来ない人、雪のエネルギーを効率良く貰えない人には、手首の返しをお薦めします。すると結果的に手首の返しの量を意識するだけで角付けが出来てしまうのです。ヒザを使うのにヒザに意識を集中させるのでなく、ある別のところや事を意識させる…。結果的にヒザが使えている…。という様なことがスキーレッスンではたくさんあります。
5月24日の日記でもMariさんが言っておられる様に「この部分をこう気をつけることによって、こういう効果があるから・・。」…ということが大事なのです。ああしたからこうなった、こうしたからああなった…という、因果関係(対応付け)の滑りをすると、技術向上がより図られる所以でもあります。
25/May (木) 快晴
朝イチ、雪を頂いた、後立山連峰の景色を見ながらのコーヒータイムが最高デシタ! 白馬に住んでいることの幸せを感じるひと時です。(^I^)
今日、日中はTシャツサンプルの作製。なかなかデザインするのは面白い。パソコンソフトのPhotosh○pは使えば使うほど面白い!。夕方からは妻とTennis…。汗をかくのもイイ気分!夜は村の英会話教室のPartyを私の店で…。楽しい一日でした!(^I^)
さて、昨日はMoriさんからのE-mailを紹介させて頂きましたが、今日は5月17日の日記でも紹介させていただいたMatsuさんからのお便りから「コブの滑り方」の所を抜粋して紹介させて頂きます。Matsuさんは私のレッスンを、非常に細かく分析しておられ、私にとっては大変勉強になります。Matsuさん以外の方々からも同じようにレッスンに対する感想をたくさん頂いております。私達スキー教師の大変役に立つ資料になります。これもInter
Netのおかげだとつくづく思います。この場を借りて皆さんにもお礼申し上げます。ありがとうございます。(^I^)
※ MatsuさんからのE-mail (その2)
○コブ斜面の滑りについて
以前のメールに「ゲレンデに整地がなければ膝の調子も悪いので八方行きを辞退しようと考えている」と書いたように思います。コブが出来始めた程度のゲレンデ状況であれば問題ないのですが、完全に溝が出来てしまうと中斜面でも滑れませんでした。(上記、コブとは言わないでしょう・・・)ですから、いくら中斜面とはいえ、夕方の兎平の斜面は私にとって厳しい状況でした。では、なぜ急にコブ斜面が滑れるようになったのか?
◇滑れた原因として◇
1.迎え角意識、マジックハンド、マシンガンが意識できたので、コブの溝に当たるまでにスピードコントロールができた。表現が悪いかもしれませんが、コブの裏側を滑る時に板を真横にしてずらさなくても、前にずらす事?ができたのでスピードコントロールがうまくいったのだと思います。
2.「マジックハーンド〜緩める」の緩める時にコブをうまく抱え込む事が出来た。スピードコントロールが上手くいっているので、コブの表で大きなショックを感じなかった。溝でドスンとなると板が突っ走ってしまい、コブの裏側のコンタクトがなくなり上記1.ができず、次ぎのコブでもっと大きなショックを受けて滑れなくなりました。
3.全体として大きな圧変化が起こらないように、コブをなめるように滑る事ができた。感じとしてはコブの表は抱え込んで裏側でエッジングしている感じでした。斜面をコブの裏側だけで滑っているという表現もできるかもしれません。また、ほっといてもコブの表で圧が来るので小回りが楽に感じました。なにぶんコブ斜面の滑りはスタートラインに立った所なのであまり良くわかりませんが、1.が出来るようになった事が大きかったと思います。あとはどんどん滑って経験を積んで黒菱のコブを滑れるようになりたいと思います。
以上、言葉足らずの意味不明部分もあると思いますが、レッスン後の感想です。
富士山頂を目指すルートは無限にあるということですが今までは、違う山頂から富士山頂を目指していたような感じです。 ”回り道したからこそ、正しい山頂がわかった”と言う表現が合ってるかもしれません。
※ 【TOK】のコメント
ありがたいご分析です。実際にレッスンを受けられた方の感想をE-mailを通じてお伺いできる事は大変参考になります。Matsuさんのスキー滑走の意識がどの様に変わられて行ったか?…がよく解ります。来シーズンのレッスンに有効に生かさせていただきたいと思います。Matsuさんからは、まだまだ多くの事についてコメントを頂いていますので、逐次ご紹介させて頂きます。乞うご期待!。(^I^)
24/May (水) うす曇
やんわりとした陽射しの白馬でした。里の花が勢いを増して咲き誇っています。エネルギーを感じます。
さて、昨日は”インナースキー、心のスキー”の事を書きましたが、この方法を取り入れてから、生徒さんから「マジックに掛かったような気分…」という言葉が聞かれる様になりました。【TOK】は教師日記の中で「効果があった、うまくなった…」という表現を使っているが、ホンマかいな?…という人が多く居られます。当然のことです。そんな魔法がある訳が無い…と思われる方が大半でしょう。
この事について、レッスンをさせていただいたMoriさんから次のようなお便りを頂いております。ご本人のご了承を得られましたので、皆さんにご覧頂きたいと思います。少々長くなりますが…以下原文のまま…。
※ MoriさんからのE-mail
【TOK】先生こんにちは。3日のレッスンでお世話になったMoriです。
一泊二日の予定が、あまりの天候の良さに急きょ一泊延長して、大渋滞の中、昨晩(厳密には今日)遅く帰ってきました。
深夜帰って荷物を片づけた後、次にしたことは、HPの日記を読むことでした。「おっ、書いてある書いてある・・・。ふむふむ・・なるほど・・4日の、タワミについて・・これは講習中に話があったぞ!チェック・チェック」 (^^) 今回のレッスンを受けるまでは、メルツェンでも、ちらっと申し上げたかと思うのですが・・「教わったことを来シーズンまで自分の課題として忘れずに持ち越せるのか・・?忘れてしまうのでは・・?」と言う心配から、少々二の足を踏んでいたというのが正直なところでした。しかし今は、忘れることを心配するのではなくて、今更ながらですが・・・教わったことを課題として持っておかないと上達はない!!と、改めて感じています。
本当にありがとうございました。
「マジックハンドターンを意識・・・目から鱗と言う感じです・・。」と言うコメントを受講者の方が言っていた、というのも・・失礼ながら、「おいおい・・そんな急に変わるのぉ〜?!」と、半分疑ってかかっていたのも事実でした。
Q&Aや教師日記をワープロにコピーして、『荷重点・迎え角・圧の調整』から始まり、『オレンジターン』、『引くターン』、『斜めの直滑降』、『マジックハンドターン』、今シーズン中盤から出てきた、『ドライビングターン(・・感覚的には理解できるけど・・上級者用?なので次の段階で、と思いました。)』、『マシンガンターン』などなど・・読んで、自分の感覚で試すことと、実際に指導してもらうことの違いを、いやという程感じたレッスンでした。
今までに何度かスクールに入ったことがありますが、その印象は・・少々抽象的な言い方になりますが・・、「今は、こういう滑りなので、この部分をこう気をつけ滑りましょう。」という2点を中心に指導しているような気がして、あまり印象に残りませんでした。しかし、今回はそれプラス、「この部分をこう気をつけることによって、こういう効果があるから・・。」という事まで指導していただいて、理論的で、非常にわかり易い講習だったと感心しています。
余談ですが・・・かなり以前、スキー談議の中で、私の恩師がこんな事を言っていたのを思い出しました。「多くのスキー教師が生徒に対して、プルークが大切だとは言うけど、それが何故大切かは教えてくれないんだよな。俺達教師は授業の中で、それが何故大切かを教えてやらないとだめなんだ。」 今回は、改めて自分自身でも、そう感じたレッスンでした。(私自身も実は、体育教師の端くれです。)
※ 【TOK】のコメント
ありがとうございます。お世辞半分としても本当に教師冥利に尽きるお言葉です。
払ったレッスン料分の効果を期待するのは、生徒さん誰もがお持ちの、偽り無い本音でしょう。それに教師はどう答えるか? この事をいつも考えるようにしています。ナニかきっかけをつかむためのヒントをお話しし、うまくなって欲しい…。Moriさんはたった半日のプライベートレッスンでした。2時間という短い間にいろいろな事を試していただきました。教師は指導のボキャブラリーや表現方法をたくさん持っているほど有利なレッスンが出来ます。生徒さんはその中から、ご自分にあった意識や方法を取捨選択すれば良いのです。Moriさんはその短い時間の間にいろんな意識を吸収され、合理的なスキー、自信を持った滑りを披露してくれました。
Moriさんは体育の先生だという事を初めてお聞きしました。釈迦に説法…とはまさにこの事を言うのでしょう。うまくなったと教える側が思うのはその滑りが”合理的なものになったかどうか?”がイチバンだと思っています。教わる側は”今まで不安を感じていた滑りが、不安を感じなくなった。スムーズに行くようになった。滑りが楽になった。コントロールしやすくなった…”という様なフィーリングでしょう。この事は生徒さんの表情を見ているとすぐ解ります。本当にナニかを得た人、感じた人は顔つきが変わるのです。
Moriさんも、今シーズン顔の表情が変わられたお一人だと思います。こちらこそありがとうございました! (^I^)
23/May (火) 快晴
今日は日中一日”i-business”検討。どういう風にしたら皆さんに良い品物をお知らせできるか?イロイロ考えてみる…が、なかなかすぐにイイアイデアが浮かぶわけではない。気長に気長に……(^I^)。
さて、アイデアで思い出した事が……。私がスキーレッスンで”オレンジ”だとか”マシンガンターン”だとかの練習方法を思い付いたキッカケについて…。
アメリカのテニス教師”ティモシー・ガルウェイ”という人が書いた一冊の本”インナーテニス”との出合いがその発端。彼の教え方は俗に言われるテニスの指導法とは全く異なっていて”心”の持ち様をテニスプレイに持ちこもうと言うもの…。その原点は日本の”禅”にあるという事から興味を持ちそれを読破。その中に書かれていたのは、例えばラケットに当たる”ボールをしっかり見る”という事を教える時に、その行動をただ単に「ボールをしっかり見なさい!」と言うだけでは無く「今ボールが5メートルの所まで近づいて来た、あと4メートル、3メートル、2、1、そして0メートルでジャストミート!」という風にしろと言うもの。つまり、良く見るために”5,4,3,2,1,0!”という風に数字を意識する事をさせること。あるいは「テニスは相手の捕れない所捕れない所を攻める意地悪なスポーツだという考えがあり、どうしても相手を攻めきれず試合に勝てない…」という人に対しては「そうじゃない、相手の持っている能力を引き出すために、より難しい状況を敢えて作ってあげているのだ、という考えでプレイをしなさい」という様な事も…。単に欠点を指摘するだけなら誰にも出来る。その欠点が直せないからレッスンを受けている訳で、そのとき大事になるのは”心や意識の持ち様”だ、というのが彼の基本姿勢。
これをスキーに当てはめて考えてみると、体の使い方や姿勢を教えるよりも、その基となる足裏の感覚だとか、滑走フィーリングの指摘の方がより効果があるのではないか…。その考えが、今にして思えば足裏で感じて滑ろうという”オレンジ・ターン”の発想につながったのでした!。まさに【TOK】のインナースキー”心のスキー”の始まりデシタ。
アイデアはいろんなところにあるものですねぇー。(^I^)
22/May (月) 曇
19日から今日まで、友人の結婚披露パーティーに参加をする為、東京へ…。パーティーはなかなか盛況で、久しぶりの土曜の Tokyo Night も楽しめましたが、今朝思いもかけない経験をしました。ある公園の木立の中を散歩をしていたらカラスの威嚇に合ったのです。最初私の歩いている右斜め前5メートルくらいのところの梢に止まっていたのですが、それから左側をスレスレに左後方へ…。何をしてるんだろう?と思っていたら、すぐまた私の左横を通って右前に…。そんなことを4,5回繰り返したので、これは攻撃準備か威嚇だと察知。ヒッチコックの映画「鳥」を思い出してゾッとし、駆け足に…。約100m一目散に逃げたら、ようやく付いて来なくなりました!。その近くに居たビルの警備員がそれを見ていて「カラスに追いかけられてましたね、良くあるんです…」。どうも今が子育ての時期らしく、実際に攻撃を受けた人は居ないらしいのですが、威嚇は受けるとのこと。汗ビッショリになった【TOK】デシタ!。
さて、今日のテーマは”園運動の中心”。この前テニスをしていて頭の中に浮かんだ事。「フォアでもバックでも、ボールをしっかりガットに載せて運ぶには単に”打つ”という感じでは無く、どこかスイングの中心を意識し、そこを円運動のセンターにして打つ事が大事」。ラケットのヘッドスピードを早くするだけでなく、スピンやスライスを掛けてボールをしっかりコントロールするには”円運動の中心意識を持つことが有効”と感じたのでした。そう言えばオートバイでもバイクを倒しながらターンする時、バイクが描いているカーブの中心を意識するとうまくいったし、スキーでも時々ターン円弧の中心を頭に入れている時がある、と…。スポーツには、こういったある共通する意識やフィーリングがあるのかもしれない。夏のスポーツをする時、この事を考えながらするのも面白い…と感じた【TOK】デシタ。(^I^)
18/May (木) うす曇
今日は穏やかなイイ気候でした。今日も昼は一日、Tシャツプリントの”i-business”検討。ホームページの立上げを検討する。
さて、昨日はMatsuさんのE-mailをご紹介しましたが、その中で”迎え角”についてのコメントがありました。それに関連して、今年2級に合格されたKさんから次のようなお便りを頂いておりますので、その一部をご紹介したいと思います。
※ Wさんからのお便り
TOKさん、こんにちは! Kです。 いつもHP参考にさせていただいています。
さて、先日の日曜日に○○スキー場で2級のバッジテストを受験し、合格できました。TOKさんのアドバイスのおかげだと感謝しています! ありがとうございました!
板をカービングに履き替えて、切る事ばかり考えていましたが、「ずらし=スキッディング」を習い、その有効さを知る事が出来ました。意識的に自らずらして行くことで、スムーズな流れを感じられるようになりました。 「ズレちゃう」のではなく、「ズレをコントロールして弧を描く」ことの大切さを実感することができました。
「TOKさんの言う迎え角意識の大切さとは、こういうことなのかー」と納得してしまいました。
※ 【TOK】の返事
そのとおりです。まずは、スキー全体でズレに乗っていくこと。するとスキーがたわみ始め、スキーのトップ部分の抵抗を受ける角度がセンターのそれより大きくなって、スキーのトップが角付け側=ターン内側に入って来て、ターンが切れはじめるのです。ですから、まず「スキー全体での横滑りありき!」 なのです。雪の抵抗を受け、その力でターンすることを覚えれば、楽にターンが出来ます。幾つになってもOK!でまさに”スキーは生涯スポーツ”なのです。
……
今シーズンも”ズレに乗って、枯れ葉が流れに逆らわず流れる様に、滑る”ことの大切さを思った【TOK】デシタ!(^I^)
…ところで、明日から22日まで仕事の都合でこのコーナーも オ・ヤ・ス・ミ になります。(=_=;) 23日にまたお会いいたしましょう。
17/May (水) 快晴
今日はTシャツのデザイン作業。…それをやりながらInter NetでTシャツビジネスが出来ないものか検討。なかなか難しいかもしれないが…これまでのノウハウを使って”個人プリント”メインのビジネスをやってみようかと…。スキーが出来なくなると、余った時間をいろいろなことに使わないと損をした気分になる【TOK】です。ハッハハハハ……(^I^)
さて、ここのところ”動く”がテーマでしたが、5月3日にレッスンさせていただいたMatsuさんから、次のようなお便りを頂きました。ご紹介させて頂きます。
※ MatsuさんのE-mail
『 TOK先生、先日はどうもありがとうございました。
さて、レッスンを受けて良くなった事は、まず切替えやターン前半、の事をあれこれ考えなくても滑れる様になった事、予想外でしたが、コブ中斜面が滑れる様になった事です。今まで悩んでTOKさんにメールした事など全て消し飛んでしまい、ほんとに滑るのが楽になりました。
以下、レッスン前のイメージとレッスンを受けてわかった事を書いて見ます。
@引くターン
イメージは間違っていなかったと思いますが、単純に次ぎの内足を引く動きだけだったと思います。次ぎの外足の”迎え角意識”と”探りながら伸ばす”という感覚はありませんでした。
A迎え角意識
レッスン前には全くありませんでした。迎え角と言うと、身体に対してスキーをひねらなければならない、と思っていました。(もちろんそうですが・・)レッスンでは、スキーと身体が正対していても、全体が斜め前に移動する感覚があれば、それが迎え角になると思いました この感触は、私の中では横ずらしではなく、前にずれて行く様な感覚です。
コブが滑れる様になったのもこの感覚のお陰だと思います。ひとつ気になるのが”前にずれて行く”と言う表現です。的確かどうか?。通常、板の横方向にずれて行くので横ずらしですが、それとは少し違った感覚のスキッドでした。また、カービングというとレールターンを連想していましたが雪面を軽いタッチで削って(えぐって)行くような感覚でした。』
※ 【TOK】の感想
いままでいろいろ練習されていたにもかかわらずうまくならない…という”プラトー状態”にある人は、何かひとつポイントになるアドバイスで別人の様に上手になることがあります。Matsuさんもそういうお一人だったと思います。Matsuさんのような生徒さんを担当できた事は私の幸運でもありました。
Matsuさんも書かれていますが、必ずしも雪に働きかけることが大事なのではないのです。”探りながら伸ばす”という感覚をつかんでいただいた様ですが、ターン前半でさえ脚が伸びる動作はDO的ではなく、”雪の圧を探る”という圧を雪から受けとめる為のLET的動きなのです。雪から身体方向にやって来る圧を”求める”動作で、これは力を身体方向から雪の方に向かって圧を”加える”ものとは明らかに異なります。ターン後半においては尚更のことです。”雪面を軽いタッチで削って(えぐって)行くような感覚”…これも大事なフィーリングです。雪の力でターンする、というLETスキーの極意とも言えるものです。身体を動かすDOのではなく、落ちて行くLETなのです…。
あの重い雪で、いとも簡単に楽に滑っていたMatsuさんのスキーが、こういう意識から発露していたことは【TOK】にとって本当に嬉しいことです。(^I^)
16/May (火) 晴
これまでGW後、例年と違ってハッキリした天気がなく、気分がイマイチでしたが、今日はイイ天気!(^I^)。天気がイイのは最高ですネ!。
今日はビアホールが定休日で少しのんびり…。午後はエアロビクスとテニスで汗を流し、夜は友人宅で二家族一緒の食事。
さて、先日のテーマ”動く”に関連して次のような質問を頂いたことがあります。参考になれば…。
※ ご質問
あるスキースクールに入ったのですが、先生に「スキーをしっかり動かして雪面抵抗を感じてすべりなさい。荷重よりもスキーを動かすことが大事。ポジションは真ん中に....」というアドバイスを受けました。スキーを動かすといった感覚が難しいのですが「荷重する」のとはちがうのでしょうか?
※ 答え
”動かす”が移動する、と言う意味でしたらそのとおりです。ただ”動かす”が操作する、と言う意味でしたら違います。
私の考えではスキーは”操作し、動かすもの”ではなく”雪の力で動いてしまうもの”という感覚です。DOではなくLETなのです。
支点をしっかり土踏まずに意識し斜面を下方に移動して行けば、スキーの持っている性能が生かされ、自然にターンしてくれるものなのです。
詳しくは「スキーQ&A」22「パラレルターン大回りは”ターンの基”?」と、46「カービングターンのコツ」でご覧下さい。
15/May (月) うす曇
昼はTシャツビジネスの準備。売れるとイイなぁー…と念じながら……。
夕方からトレーニングを兼ね”エアロビ”。まだまだビギナーでMatumoさんに頂いたVTRのお世話に…。(^I^)。妻に言わせると全くリズムが違う!と…(=_=;)。ナァ〜ニ、これからサ!(^I^)
夜、ビールを飲みに来てくれたあるスポーツショップのOhさんの話…。ヨーロッパでは、いろいろなスキーをスキーヤーの志向に合わせて時間貸しし、それぞれのスキーの性能を引き出す滑り方をアドバイスするシステムが始まっている…。
ちょっと【TOK】の興味を引きました。従来の”レンタルスキー”とはチョット違う…と思ったのです。特にカービングスキーが出現して、その楽しみ方の幅が大きく広がったのに、一台のスキーではそれら全てをカバー出来ない。そんなにたくさんのスキーを買うことが出来ない。とすると、いろんなタイプのスキーを、しっかりメンテナンスした状態で貸してくれるスキーショップがスキー場の近くにあり、その楽しみ方のアドバイザーが居る、というのは大きな魅力になる。これは従来のスキーのレンタルシステムとスキースクールのあり方を変える発想かもしれない…。スキー場にはスキーを持って行かなくても、現場で手入れの行き届いたスキーを借りる。一日@¥4000-として一シーズン、20日借りれば8万円。スキーとビンディング合わせてこの値段なら、この方がイイかもしれない。そしてスキースクールで、スキー技術だけの指導ではなく、スキー用具を充分に使いこなす方法、楽しみ方、のアドバイスを受ける。
そこで、疑問が…。スキー技術の向上が、その楽しみ方の幅を広げてくれる…のは教師として私も実感し、その為の指導もして来た。しかし、楽しみ方の幅を広げるアドバイスや、いろんなフィールドへの案内を積極的にしていただろうか?
チョット反省と、これからの教師としての方向が見えた感じの【TOK】デシタ!
14/May (日) うす曇
時には日が射したり、小雨が来たり、曇ったり…とめまぐるしい一日でした。(^I^)
今日から夏用のリフト架け替えやゴンドラのメンテナンスが終わり、八方の夏用リフト営業が始まりました。…でも、今年はまだ雪が残っているので、何人かのスキーヤーがアルペンとリーゼングラードを滑走していた様です。一回づつ¥270-のリフト代を支払って…。
さて、大回り小回りの話題、その4です。スキーをする時【動く】という言葉を良く使います。「もっと動きなさい」「脚を動かしなさい」等など…。この事に関してCさんから次のような質問を受けたことがあります。
※ご質問
大回りでターン弧を大きくするには舵取り期での抵抗の捕らえをじっくり行なう必要があるとのことですが、クロスオーバーも急激に行なってはいけない、ターンとターンの切り替え時、直滑降を意識することも大事だ、聞いたことがあります。ですが、ゆっくりクロスオーバーをしようとすると、どうしても体の動きが止まってしまいます。やはり、つねに動いているようにしないといけないのでしょうか?
※答え
『動き』をどういう意味で捕らえているか?大変重要なポイントです。動く、とは”自分の位置を斜面の上で変えて行く”ということですか?それとも動作を起こす、ということですか? もし”動作を起こす”ということであれば、その動きは必要ありません。体の動きが止まる…の意味が重心がスキーとクロス出来ないと言う意味なら、それは、ターン後半貯えられたエネルギーを、脚を重心方向に引き上げながら斜めの直滑降にしていないからです。左右交互操作であること、ターン後半は貯まったエネルギーを引きの意識で解放し、次のターンにつなげることがポイントです。圧が貯まっていて引きのタイミングが良ければスキーは勝手に横方向に出て行き、ヨウヨウの様に次のターン方向へ向きを変えてくれます。あくまでも動作は操作意識の結果であって、みずから運動するものではありません。
『動く』という言葉が「動作を起こす」という意味と「移動する」という意味と、二つの意味があることがややこしくしている、と感じた【TOK】デシタ。
アナタはどっちの『動き』?
13/May (土) 曇
穏やかな春です。ビールが一層美味しく感じられます。(^I^)
今日は本業のひとつ”Tシャツ”のデザイン作り…。以前ほどオリジナルTシャツを創る人が減りましたが、細々と注文が…。今年は高山植物のTシャツを創って販売しようと思い、今日はその写真選び…。教師仲間で山が好き、写真も好きという丸山H君の撮った写真の中から、Tシャツに合いそうなものをさせていただきました。明日はその加工です。この作業もなかなか楽しい(^I^)。
さて、大回り小回りの話題が続いていますが、大回りでは、スキーが”たわみ続ける”ということがキーワードの気がします。この事に関して”オレンジターン”(足裏にオレンジをイメージして滑る滑り方⇒詳しくは「スキーQ&A」bVでご覧下さい)が有効ですが、以前に「オレンジタ−ンって小回り 大回りでも同じですか?」というようなE-mailをいただき、ご返事したことがあります。参考になれば…。
『答え』
要は足裏の感覚をみがくことです。そこに意識が行き、集中でき、斜め前方から雪の抵抗をもらえれば、スキーは自分で動かさなくとも、自然にターンしてくれます。意識を足裏に集中させることで荷重点も良くなります。オレンジのつぶれ方をイメージする事は、実はスキーのタワミを意識する事なのです。オレンジがゆっくりつぶれたり戻ったり…という意識で滑れば大回りですし、ギュッとつぶれパッと戻れば小回りの感覚です。ぜひ実践してみてください。支点、圧の調整にはもってこいの練習になります。
12/May (金) 曇
桜の花も散り始めました。気候的には最も好きな季節です。『緑』という色が、こんなに豊でいろいろあるのはすごい事ですね!(^I^)
さて、ここのところ”大回りと小回り”のテーマが続いていますが、その件で、ある人から次のようなE-mailを頂いていますのでご紹介致します。
『ご質問』
ずーっと思っていたのですが、 大回りと小回りがどうしても結びつきません。小回りは一度波に乗ってテンポが出来ればあとは、それに乗っていくだけでいいのですが、大回りは間が長くて、その間何をしたらいいのかわからないのです。
『答え』
違いは『舵取り期での圧のやり取りの時間が違う』という事だと思います。小回りは圧縮された時間の中で圧をやり取りしますし、大回りでは、それがゆっくり来るだけです。他の要素、雪の力でターンする…という点は同じです。理想とすれば、大回りを時間的に短く詰めたものが小回り、であるべきでしょう。
ポイントはその舵取り期で”圧を感じつづける”ことが出来るか、それとも一気の押しでしか圧を感じれないか?です。小回りでは一気の押しでも圧を作れるので、それを解放することでもターンが出来るのですが、大回りはそうはいきません。雪の圧を受け続けなければ、タワミを作り続けられないのです。タワミがキープ出来なければ大回りの舵取りを持続させる事も出来ません。そういう人は多分、クルッとターンしてあとは斜滑降…的な滑りをしていると思われます。5月4日の教師日記【タワミ】に書いた様に、支点を足裏にして、雪の圧でスキーがたわみ続けるフィーリングをぜひ会得して欲しいものです。
大回りが雪の力を利用し、楽に出来てこそ、スキーの真髄に触れた、と言っても過言ではありません。
11/May (Thu) 曇
どこと無くスッキリしない天気でしたが白馬も暖かくなりました。夕方からはテニスで汗を流しました。(^I^)
さて、昨日の日記で大回りと小回り…どっちが気持ちイイ? という事をテーマにお話したところ、Aさんから次のようなご質問を受けました。私の考えを述べさせて頂きました。皆さんの参考になれば…。
ご質問
『大回りと小回りのターン意識は同じでしょうか? また小回りでのカービングターンはどのようにしたら良いのでしょうか?』
お答え
私自身は、出来るだけ大回りも小回りも、同じ意識でやるよう努めています。しかし、結果的に同じ身体の使われ方がされているとは思いません。大回りと小回りでは舵取りの局面で、「迎え角意識の違い」「踏みこみ圧(エッジ量)の違い」「上体の使われ方の違い」があると思います。つまり、結果的に小回りではスキッディング要素が出てきてしまうのです。
スキッディングではスキー操作が横から横で、圧は少なめ、迎え角多め、上体は斜面下方へ移動ですし、カービングではスキー操作が前へ前へで、圧多め、迎え角意識少々、上体はスキーの進行方向へ移動……という意識です。結果としてスキッディングでは体中心にスキーが動くのに対して、カービングはスキー中心に体が移動することになります。
以前「スキーQ&A」の45 「コンフォートターン」のところにも書きましたが、スキッディングとカービングは明確に区別されるものではありません。要素としてカービングの部分が強かったりスキッディングが強かったりするだけです。まったくズレを起さず、スキーのエッジのたわみだけに乗ったパーフェクトなカービングターンはできるはずもないのです。特に小回りでは回転半径が小さい分、テール部分のスキッドは必要になってきます。同じスキー板を使って回転半径が同じで、スキッドとカービングを使うわける、ということは不可能なのです。
ですから特に小回りでは、どの程度カービングの意識で滑るか?ということになります。カービングで滑ればそれだけ切れはでますが、回転円弧も大きくなります。もし決められた回転半径で滑るにはスキッディングも使わなくてはならない局面も出てきます。ですから、小回りでは以前のようなウエーデルン的なターンも要求されるのです。ただし、カービングに近づけることは可能です。スキーにかかる圧を強めてスキーをたわませることです。タワミが大きければ大きいほど回転半径は小さくなりますから…。
要は、小回りでも大回りでも、スキッディングの量とカービングの量をどう調整するか?ということです。もしスキッディングの量が多い、スキーを振り回すイメージの小回りをこれまでやられていたなら、少しずつスキーを前に走らせる意識を持たれたらいかがでしょう。回転半径はいくぶん大きくなっても……です。
10/May (Wed) 曇
春の芽吹きが美しい時期となりました。スキーの季節を抜きにすると、この時期が一番好きです。いろんな生き物が、自己主張し始めます。木々の梢がほんの短い間ですが萌葱色に染まります。”自然のエネルギー、生命力”を最も感じる時期です。
そこで、今日のテーマは【大回りと小回りの気持ち良さ=スキーをしたくなるエネルギー】について…。私のレッスン経験からすると、大回りが好きな人、小回りが好きな人、それぞれ居られます。どちらも好き!という人にはあまりお目にかかりません。私自身大回りの方が好きです。滑っていて雪の抵抗がじっくり感じられ、スキーの躍動的な動きが体全体に伝わって来て、実に気持ちがイイのです。(^I^) 一方小回りはリズムが早くてじっくり余韻を楽しむ…ということが出来ないのです。逆の人も居ます。「大回りより小回りの方が、テンポが速くていかにもスポーツをやっている!という気がする」という人も…。
以前レースをやっていたときは”ダウンヒル”が一番好きでした。あのスピード感、コースのうねりで身体が宙に浮いて逆Gを感じる瞬間、プレジャンプをして急斜面に飛び込んで行く時のフィーリング、コースのバンクで何Gもの圧に耐える感覚、自分の描いた軌跡どおりにラインを描いてくれるスキーの動き…。そして恐怖に打ち勝ち、ゴールした時の喜び…。勝つ事も嬉しいのですが、レースをやり終え、完走しただけでも満足感がありました。基礎スキーではあのような強烈な感触はありませんが、それに近いものはいつも感じています。この気持ち良さが、私のスキーに対するエネルギー、原点になっているような気がします。大回りが好きな理由かもしれません。大回り小回り、好き嫌いはそれぞれでしょうが、きっと私のような、滑っていてナニかイイフィーリングが感じられているのだと思います。
皆さんの気持ち良さ、スキーに対するエネルギーはナニでしょう?(^I^)
8/MAY (Man) 晴
シーズンも終わり、どことなく虚脱感が残るこのごろです。毎日、雪上でのひんやりとした雪の感触と、滑るという感覚があったものが無くなって、生活が少しけだるく思われます。これが払拭されるには2,3週間かかるでしょう。
さて、今日のテーマは……と考えてみましたが、チョットこれから出掛けなければいけません。明日午後には帰ってきますが……。そういうことで明日も朝のUPはお休み…とさせていただきます。せっかく日記を覗いていただいた方には期待に添えず申し訳ありませんでした。(=_=;)
7/May (Sun) 曇
今日は教師仲間、宮下征樹君の結婚を祝うPartyが白馬○急ホテルで開催されました。奥さんの麻美さんが私のスキーの教え子でもある関係で発起人を努めさせて頂きました。多くのスキー仲間が連休最後の日でもあるにもかかわらず、集ってくれました。征樹君の奢らない人柄、麻美さんの飾らない性格が多くの人を惹き付けているのでしょう。人と人のつながり、仲間のありがたさをつくづく感じます。集ってくれたみなさん、本当にありがとうございました。(^I^)
征樹君、麻美さんも本当に楽しそうで、会を開いて良かったとつくづく感じました。当人達も華美なPartyでなく、質素だけれど暖か味のある会を希望されていました。派手な事だけが幸せなことだと勘違いしがちなのですが、発起人として教えられた気がします。きっとお二人もこれから、華美に流れない、日々の生活を大事にした家庭を作り上げて行かれる事でしょう。
幸せというのはそれぞれ感じ方が異なると思いますが、日常生活のひとコマひとコマ、節目節目を楽しめる気持ちの持ち様が大切なんだなぁーと、つくづく思った【TOK】デシタ!(^I^)
征樹君、麻美さん、本当にオメデトウ!
6/May (Sat) 高曇り
明日開かれるスキー教師仲間M君の”結婚を祝うParty”の準備に一日費やす。出来るだけ思い出に残るようなPartyが演出できればイイなぁーと思いながら…。
…で、今日のテーマは【スキーでの出逢い】について…。
人と人との出逢いにはいろいろなケースがあります。スキーを通じての出逢いもその一つで、私の感じではその数は結構多いと思います。恋人との出逢いだけでなく、年齢、性別、あるいは国籍に関係なく”友達”が出来るのです。私がスキー教師をしているから当たり前、と言えばそれまでですが、同じスポーツ、趣味を共有する人達の間では”仲間意識”が強く起こります。悩みや喜びが互いに理解できるからでしょうか?。雪山の白い世界ではそれにロマンティックな情景が加わり、出逢いの感動をより増長させてくれます。ある人のチョットしたアドバイスが、自分の楽しみの幅を広げてくれ、その人に対する信頼感が増します。リフト上では見知らぬ人と過ごす時間が強制的にセッティングされる事もあります。同乗者が興味のあるスキーを履いていて、それに対する滑走フィーリングを尋ねたり…など、何か話題を見つけ話し掛ける事もしばしばです。普段の生活では思いもかけないような人達との交流が生まれます。フィーリングの合う人と出逢ったら、あとは、それをどう成長させて行くか?です。
M君ご夫妻も、スキーを通しての交際が実り結婚に至りました。みなさんも素敵な人と出逢い、仲間との楽しい時間が少しでも多く持てます様に!(^I^)
【TOK】も今シーズンはいろんな方達との出逢いがありました。スキー場でだけでなく、Inter Netを通じての交流もたくさんありました。明日、スキーで知り合い、いろいろなスキー談議を交わしたAさんご夫妻が、連休を八方で過ごされ、帰られるということです。楽しい時間をありがとうございました! また来シーズンお会いしましょう!
シーズン終わりでちょっぴり寂しい感じの【TOK】デシタ。(^I^)
5/May (Fri) 快晴
穏やかな、いかにも五月晴れ、といった一日でした。仲間数人と桜を見ながら野外で”バーベキュー”を楽しみました。
さて、今日のテーマは”合理的なスキー”。少し面倒くさい話で恐縮ですがお付き合い下さい…(^I^)。
スキーを指導する時、いちばん考えなければならないことは、その操作の仕方や説明が理屈にあっているかどうか?ということ…。スキーの用具が設計されている意図に反していないか?。スキーは落下運動だと言うが、説明が少なくともニュートン力学の考え方に合致しているか?。スキーの形状、長さや幅、サイドカーブ、ビンディングの取り付け位置、スキーブーツの硬さ、前傾角、カント角…など、設計されている意図や意味は何か?。それら道具の性能を生かすためのスキー操作とはどういうモノか?面倒だけれど、これらの意味がしっかり理解出来ていないと合理的なスキーをすることは不可能…。
指導する我々はこれをしっかり理解すること。そして、それを難しい物理用語でなく、日常の言葉でやさしく解説出来なければならない。レッスン方法が無数にあるにしても、忘れてはいけない基本原則としてこの”合理性”がある。
…レッスンでは、常にこの事を考える様にしている【TOK】です。
4/May (Thu) 晴
一シーズンの終わりを楽しむ様に、今日はダラダラと一日を過ごす。丁度、友人が白馬に遊びに来ていたのでお昼をご一緒し、その後は昼寝をしたり本を読んだり…。(^I^) 夜はモチロン、ビアホールで働きましたが…。
さて、今日は【スキーのタワミ】についてのお話。レッスンでも、またE-mailでも多くの方から質問をお受けするのですが、カービングターンで必要な、あるいは意識しなくてはいけない”タワミ”とは一体なんぞや?…ということについて…。
モノがタワムという状況を作るには、図のように「3個所のポイント」に力が掛かる必要があります。黄色と青で示した3個所のポイントがそれです。スキーがタワムには二つのたわまし方があります。ひとつは”青のポイントを固定させて支点を押す”方法です。もうひとつは”支点を固定させ青のポイントを押す方法です”。前者は支点2箇所で作用点が1箇所、後者は支点が1箇所で作用点が2箇所ということになります。前者はスキーを停止させておいて自分から踏み込むときに出来るタワミです。この時、重心と足(作用点)の距離は、縮むか伸びるかします。これを私は、自らの力をスキーに作用させる、という意味で”DO”(ドゥ)と呼んでいます。それに対し後者は身体とスキーが一体となって斜面を滑り降り、自らは雪に働きかけず、雪の力を受け止める事で出来るタワミです。重心と支点との距離を一定にキープ出来ます。自らの力をスキーに働きかけることは要りません。下から来る”雪からの圧”がタワミを作ってくれるので、これを”LET”(レット)と呼んでいます。モチロン実際の滑りの中では、この二つが交じった形でたわんでますが、どちらの意識を強く持っているかが大事なことです。”スキーは落下運動をうまく使って楽しむスポーツだ”ということが正しいとすれば、LET意識を大事にする事が必要です。
自分が滑走している時、はたしてどちらの意識が強いのでしょうか?。
ちなみに辞書によると DOは〈人が〉〈仕事・行為などを〉する,行う,なす。 LETは〈人に〉(…することを)許す,(…)させてやる〈物を〉(…するままに)しておく,という意味だそうです。
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3/May(Wed) Matsu、Moriさん 指名プライベートレッスン
今日は午後から MatsuさんとMoriさんのプライベートレッスン。お二人ともこのホームページを見ていただいている方。シーズンが終わる前に、その内容を雪上で実際に確認しておきたいという事で今日のレッスンとなりました。
お二人とも1級合格を目指されている方で、今シーズンは残念ながら合格にまでは至らなかったとのこと…。午前中は慣らし滑走でフリーで滑られ、ごごからレッスン。で、先ずお二人の滑りを拝見…。春の雪で、しかも午後という事もあり、雪が重く、斜面も荒れていたせいか、どことなくこわごわ…と滑っている様子。
そこで、足裏感覚のうち”支点”の説明から…。重い雪では抵抗が結構強く掛かるので、普段より支点(荷重点)をかかと気味にし、抵抗の来る方向をしっかり意識し、抵抗の拮抗軸とのバランスをしっかり取りながら滑ること。言わば、モップをかける時、汚れているところを拭くには、モップの棒を倒さないといけないのと同じ原理。右の図の様に、重心の位置はスキーの垂直線上にあるのではなく、抵抗に対処出来るだけ(白線の分だけ)後方になければならない。これを”後傾”と間違って解釈しない様注意すべき。次に”雪に体を預ける事”の練習。自ら雪に働きかけるのではなく、雪からの力を受けるため、ターンしなくても良いからとにかく斜面を下方に移動する意識の練習。お二人とも私のホームページを良くご覧なので、私の説明に対する雪上での動きはスンナリ…。そこですかさず”マジックハンド”で効率良い抵抗の受け止め方の練習。やっぱりこれが効く!。スキーがイイ具合にタワミ、切れが出てきて完全なカービングターンだ!。お二人ともその新しい感覚に驚かれた様子。ホームページでのテキスト文書の解説ではつかめなかった手首の感じが、レッスンで理解出来たらしい。次はプラス”迎え角意識”の”マシンガン・ターン”。Matsuさんはこっちの方が迎え角意識が出てマジックハンドよりしっくり来るとのこと…。大回りから中回り、欲張ってそのまま小回りへ…。「ダダダダダ…」のリズムから「ドゥォーン」というリズムで一気に小回り制覇を狙ったのだが…。ところがどっこい、そうは行かなかった…。Moriさんは結構イイ調子でリズムに乗れたがMatsuさんはイマイチ…。中回りまではスンナリ行ったのだが、小回りでの抵抗の捕らえ方がどうしてもターンを急いでしまうためにじっくり出来ない。焦らないアセラナイ…。「たった半日でそこまで出来たのでは申し訳ない…」とはMatsuさんの弁…。とりあえず中回りでの圧のやり取りまでを学び、今日は終わり…ということで兎平のコブ斜面をゴンドラ駅まで降りていたら…。コブの中では凄くイイ調子で小回りをやって来るではありませんか…。「なぁんだMatsuさん、コブではしっかり小回りやるじゃないですか!。整地で出来ないはずがないのに…」と言ったら「驚きですよ!驚き!今まではコブが滑れなかったんです!コブの斜面があるといつも避けて通っていたんです!こんなの初めてですよ!」。これには私がビックリ!。多分、これまでは自分から仕掛けるターンをしていた。それが2時間あまりの練習で「雪の抵抗でターンする」ということが解り始め、そのフィーリングで滑れた、と【TOK】は分析。それにしても、あの無駄のないコントロールされたコブの滑りが、初めてうまく滑れた人の滑りだとは…いかにも信じ難い。
…というわけで本日のレッスン…というより今シーズンの最後のレッスンが終了。おかげさまで、1999-2000シーズン最後を締めくくるレッスンが、【TOK】にとって大変感動的でした。MatsuさんMoriさん、ありがとうございました!(^I^)
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2/May 2000 Fujiさん 指名プライベートレッスン
今日は午前中穏やかなイイ天気。この時期にしては最高のスキー日和。
かねてからご予約頂いていたFujiさんのプライベートレッスン。今日の目的は「来シーズンのテクニカル受験」という目標に向けての課題を明確にする事。これから始まるオフシーズンの間、どういうイメージを持ってトレーニングしたら来シーズンにつながるか?がテーマ。
早速彼の滑りを拝見。一見して相当のレベルのスキーヤーだと直感。特に大回り系は素直なイイ滑りをしている。小回りはやや自分から雪に働きかける動きが多い。ただ、ご自分でも感じられているようだが、メリハリ、ダイナミックさ、躍動感がイマイチ…。上級スキーヤーに、自分の滑りを分析し、ああしたからこういう滑りになった、こうしたからああいう滑りになった…という関連付けが出来ていない人が多いのだが、ヒョットすると彼もその口かもしれない。因果関係(対応付け)で自分の滑りを分析出来れば、もう少し演技の幅が出てくると思う。そこで圧に関する三要素、『支点、方向、調整』からお話をする。彼は私のホームページを良くご覧になっている…というので、私のレッスンの大筋はつかんでおられるので話は早い。重い雪では支点がかかと気味になること、側圧を捕らえ様とし過ぎるとバランスを崩しやすくなる事、スキーをたわみ続けながら斜面を移動し、雪からの圧を感じ取る意識を持つこと…。その時々の課題をひとつひとつ意識して行ったことが、それぞれ自分の滑りでどう感じられたか?滑走フィーリングはどうだったか?をつかんでいただいた。これが”スキートレーニング上の因果関係”。特に”マジックハンド・ターン”では、雪からの抵抗を受ける効率が飛躍的に良くなり、これまで彼が感じていたよりかなり大きい圧が感じられたようだ。この圧が感じられれば、あとはその圧をどう調整して行くかだけの問題になる。マジックハンド意識と雪の抵抗増大、という因果関係が理解出来た、ということなのだ。こういう因果関係の積み重ねがスキー上達に欠かせない事だと思う。
午後からは場所を黒菱、スカイライン移し、小回り系の練習。小回りと聞くだけで、ターン後半、圧を自分からかけて行く人が多いが、ターンに必要な圧をいつでも蓄積し、いつでも解放出来るようにするには雪の圧を受ける事が大事になる。ターンしなくてもイイからどんどん斜面を落ちて行く事をリフト数本使って練習。少しずつ、落ちて行くと雪の圧が来る、という事がわかった様だ(^I^)。自分から押していないから上体は静かにキープ出来るし、貯まった圧をいつでも解放出来る。”受けるゥー…引くゥー”の意識で小回りが楽に出来るのだ。あとはその圧の解放の仕方(タイミング、時間、テンポ)をどうするか?だけ。これはいろんな斜面を滑り、その中で斜度、雪質、円弧の大きさなどに応じた滑りの意識を”因果関係”的に理解するしかない。黒菱の斜面では圧がしっかり出来始め、ニュートラルへの解放の仕方も要領が解った様で、後半スキーが走るイイ小回りになった。(^I^)。
オフシーズンの間、彼は”ジム”で身体作りをしているとのこと。スクワッドの練習などでも”脚を伸ばす時に息を吐く”というトレーニングだけでなく、”脚を曲げながら息を吐く”という逆のトレーニングも大事なことをお話した。これはターン後半、脚を引き込みながらターン後半を仕上げる、という身体の使われ方と符合させるため。つまり、引く・ターンでの圧の減じ方に対応した筋肉を作るためのトレーニングなのだ。「自分の好きなタイプのスキーヤーのVTRを見ながら、イメージトレーニングをする事もオフシーズンのイイ練習になる」こともリフト上でお話しする。VTRを見るときは実際に見本のスキーヤーの動きに合わせてその動きを真似てみる事もイイ。身体や筋肉の使われ方がイメージ出来るから…。
来季に向けて、彼がこれから7ヶ月間迷い無くトレーニングに励める様、アドバイスさせて頂いた積りの【TOK】デシタ。(^I^)
1/May 2000
今日は穏やかなイイ日和でした。桜もようやく咲き始めました。白馬の遅い春がようやく来た…という感じです。
今日から新しい【TOK】の教師日記が始まります。皆さんのご感想をお聞かせ下さい。 (^I^)
Mさんからの E-mail を初日の便りとしてご紹介いたします。
お便り
M市の隣A村に「○○スキー場」という小さなスキー場がありまして、ここが普段の私のホームゲレンデです。そこのスキースクールで教わった時の話です。
今シーズン初めは、中急斜面になると右のターンがうまくいかず、内足を持ち上 げて無理矢理回すように、ターンをしていました。で、インストラクターからのアドバイスは、「スキーが曲がらないからといって、無理矢理曲げようとするのではなく、必ず曲がるから曲がるまで待っていなさい。」というものでした。そ
のとおりやってみると、ターンの始動は右の方が若干遅れるような感じはあったものの、本当に楽にターンが出来るようになりました。
先日、友達と一緒にスキーにいったときに、いい天気で雪が緩ん出来た時に、 「この重たい雪じゃ、スキーを回すのに力がいるんで、足が痛くてもう限界」 と言っていました。そこで、「スキーを無理矢理回すのでなく、曲がるまで待っ
ていろ」「雪からの圧をもらって、一旦ニュートラルに戻し、反対の足にそれをもっていくようなつもりで、ターンしてみろ」とアドバイスしてみました。言っただけで、やって見せもしませんでしたが、そうしたら直ぐに「足は疲れているけど、無理にスキーを回さないか ら、楽にターンが出来るようになった。」というように変りました。
というわけで、私自身も今は、自分から足をひねるという感覚はありません。 でも、一番最初に教えるときは、やっぱり「足をひねる」とか「腰でリードして」 というように教えないと、スキーを進行方向に向かって斜めに向かせることが難 しいのではないかとも思います。
プルークスタンスから、パラレルへの導入時期は、【TOK】さんはどの様に指 導されているのでしょうか?図々しい質問かとおもいますが、良かったら教えて 下さい。
今日のコメント
「スキーが曲がらないからといって、無理矢理曲げようとするのではなく、必ず曲がるから曲がるまで待っていなさい。」…は、そのとおりですね。イイことを教えていただきましたね!(^I^)
私は「雪の斜面を大きい食パンに見たて、それに足裏でバターを塗る様に…」指導しています。
パラレルへの導入では、無理やりパラレルスタンスには導きません。滑走スピードがついてくれば、プルークは自然にパラレルになります。特に圧を加えてターンを始動するのではなく、いままでターンをリードして来た方の圧を減じる方法⇒引く意識、でこれを行なえば、スピードとの相関で自然にパラレルスタンスになります。大事な事はパラレルにする事では無くて、雪の力を足裏やスキーで感じることだと思います。
……と言うように指導法はいろいろあります。八方尾根スキースクールには約200人のスキー教師が居ますが、その数だけの指導法があると考えています。どの方法が良くてどの方法が悪い…という評価は出来ません。良く言われる例えですが、富士山に登るルートは無数にあります。どの道を登ってもたどり着く先は富士山の頂上です。それと同じようにスキーの指導も数限りなくあるのです。どの道が自分にとって登りやすいか?ということを考える事が大事なのです。
私【TOK】はおかげさまでスキー教師になって28年を迎えました。その間色々な指導をさせて頂きました。そして今現在たどり着いた結論は『最も大切な事は”スキーヤーがインナーフィーリング(内面的な感覚)”をどう持つか?』ということだと思っています。フォームや体の使い方よりも足裏の感覚、心の持ち方が全体的なスキーの運動に大きな影響を与える、と感じています。もちろん体の使い方をメインにした指導法が悪い、ということではありません。200人の中の教師の一人は、感覚重視のスキー、レッスンをしている…というだけの話です。
生涯スポーツとしての『スキー』を考える時、どうしたら少しでも白銀の世界を堪能出来るか?楽しめるか?ということを考えてしまいます。ただ汗を流すだけでなく、心の満足感、雪の自然を満喫したその満足感が得られたら最高だと思うのです。その為にも、ただうまく滑るだけでなく、心にナニかが残るスキーをしたいと思います。『雪』が存在することに感謝しながら滑りたいものです。
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