今日のトピック
08/15 “感じる”利点
08/14 横に滑る (感じる強さ)
08/13 横に滑る (感じる方向)
08/12 横に滑る (感じる場所)
08/10 直滑降を楽しむ (因果関係)
08/09 直滑降を楽しむ (滑るイメージ)
08/08 直滑降を楽しむ (足裏で感じる)
08/07 雪原散歩
08/06 板から感じる…No.1
08/04 感じて伝える
08/03 触感
08/02 雪からのメッセージ
08/01 “フィーリングスキー”
***
これまでの日記
***
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08/16 (木) 快晴
今,朝7時半…。北アルプスには雲がまだ掛かっていません。これから上昇気流が発生して夏空になるのでしょうが,気配は「秋」という感じもします。(^I^)
さて,今日これから,大雪渓までトレッキングガイドで出かけなくてはいけません。今日の“フィーリングスキー”はオヤスミとさせていただきます。 見に来ていただいた方…ホントに申し訳ありません…(=_=;)
では,行って来ます! (^I^)
08/15 (水) 快晴
今朝も青空一杯の白馬です。今朝は特に湿度が少なく,爽やかさをより一層感じます。
今日は「終戦記念日」…。国のために自分の人生を犠牲にされた方々に,心から哀悼の意を表したいと思います。
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0013----
前回まで,「感じる場所」,「感じる方向」,「感じる強さ」…についてお話してきました。
もうお気づきの方もおられると思いますが,実はこの三つは,私のレッスンでいつも出てくるフレーズなのです。「足裏で感じて滑る」ためには,具体的にどういうことを意識したらいいのか?ということが大事になりますが,「場所」「方向」「強さ」がそのポイントになります。この三つの要素を意識するということは,ちょっと難しく言えば「足裏に作用するベクトルを意識する」…とでもいうことになるでしょうか。滑っているときの感覚として,一本の力の線をどう意識するか?がスキーの動きと密接に関係してくるのです。
では,この「三つの要素で感じる」…を意識すると,どんな利点があるのでしょうか?
運動やスポーツをするとき,一般的には「フォーム」や「型」を大事にします。上達のための練習でも,フォームを矯正する…というのが普通です。私も中学から高校まで野球をやってきましたが,その練習のほとんどは,「ゴロは体の真中で取れ…」とか「打つときは左肩を残せ…」とか,フォームをどうするか?ということばかりでした。“スキー”でも同じように「ヒザを内に…」とか「腰は前に…」とかの練習用語が多いのですが,これをやればやるほど,意識は「体をどうするか?」ということに集中し,こわばらせてしまうことになってしまいます。肝心な雪面コンタクトはどこかに吹っ飛んでしまい,形がよければ「良し良し!」という評価を受けます。でも内心では「雪とのコミュニケーションは何にもないなぁー」という思いが残るのです。これでは「スキーを楽しむ」ということになりません。前回の「コラム」にも書いたように,スキー技術を論じるときもこのフォームを元にすることが多いのですが,「形」はあくまで「一連の流れのかなのひとコマ」であって,それが全てではない!ということです。人間はひとりひとり,その身体のつくりが微妙に異なっています。ですから同じことを感じていても,そのフォームは人によって違うのが当然なのです。それを皆同じフォームにしよう,とするところに大きな間違いがあると思います。
「足裏で感じる」ということをやってくると面白い現象に出会います。前回も話しましたが,「○○で感じてみよう…」とか「こういう風に感じてみよう…」,「△△くらいの強さを感じ取ろう…」とすると,身体が自然にその意思に反応し,感じ取るのに最適な動きを始めるのです。単純な例では「つま先で感じよう」とすれば「前傾姿勢」になりますし,「“4”の力を感じよう」とすれば,ヒザがやや内側に入り,「エッジが立つ」のです。これはフォーム優先ではありません。フィーリング優先で,身体の運動がこれについて来るのです。しかも感じよう,感じよう,としますから,筋肉がガチッと硬くならず,情報を伝えるのに最適なリラックス状態になります。同じ前傾姿勢でも,その人が使っているスキー用具や,身体の構造の違いから,前傾の仕方に微妙な違いが出てきます。これこそが「スキーヤーの個性」と言っていいものだと思います。
また,“スキー”の快感は「ギューーンと切れる感覚」だったり,「深雪でのスキーの返りの感触」だったり,いろいろなフィーリングを感じ取ることでもあります。これらの場面では,いかに感じ取る能力が優れているか?ということがその快感をたのしむ尺度ともなります。つまり,“スキー”をより楽しむためにも,足裏の感覚,脚の感覚,身体全体の感覚,が良いに越したことはありません。そのためにも日ごろから「感じる能力」を養っておくことが大切です。
「フォーム優先」より「フィーリング優先」の方が,スキー上達の上でも,スキーを楽しむ上でも優れている…そう思います。
08/14 (火) 晴れ
今朝も青空一杯の白馬です。皆さんの「お盆」はどのようなお盆でしょうか?
昨夜,ホームページで知り合ったスキー仲間“D”さんが盆休みを利用して,私の店“メルツェン”に来てくれました。(^I^) そろそろ秋ですから,心を少しだけ「スキー」に向けておこう…ということでしたが,楽しく一緒に飲まさせていただきました。彼の口から「技術一辺倒でない,楽しむスキー」…についてのコメントがありましたが,私も“スキー”をする上での大事なスタンスとして“楽しむ”ということが大事だと思っています。“フィーリングスキー”もその基本は「スキーを楽しむ」…という方向を向いているように感じています。「感じるスキー」でどれだけ「スキーの楽しさ」が増幅して味わえるのか?まだ解りませんが,これからの研究テーマだと思って勉強してみたいと思います。
“D”さん! 昨夜はありがとう! (^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0012----
今日も“横に滑る”。本日はその三回目で“感じる強さ”…がテーマ。
前回,前々回と“横に滑る”…ということで話を進めて来て,“感じる場所”と“感じる方向”のことについて触れました。今日はもうひとつ大事な要素“感じる強さ”がテーマです。
雪の上にスキーが乗っかっていて,前方に滑って行きますから,スキーには雪からの「力」を受けます。この力=抵抗のことを「除雪抵抗」と呼びますが,その強さがどれくらいあるのか?を感じ取ろう…というのが今日の狙いです。「強さはどれくらい?」といきなり言われても困惑してしまいます。そこで次のように考えてみて下さい。最も弱く足の裏に雪を感じるときを“1”の強さの状態とします。ものすごく強い力を感じて「こりゃ大変!腿が痛い…」というように感じられたら,それを“5”の強さ…とします。この強さは,他の人と同じである必要はありません。自分だけが感じる強さの違い,自分だけの尺度,でいいのです。
前回の“感じる方向”を変えてみたり,雪質や斜度が違うところを滑ったりすることで,“1”〜“5”まで,いろいろな強さがあることが少しづつ判るようになります。ある時は“2”だったり,ある時はそれよりチョットだけ強い“3”だったり…という違いが…。最初から,これは“1”,これは“4”というふうに感じ取ることはできなくても,「感じ取ろう」とする意識があれば,徐々にその違いが判ってきます。教える側は「こんどは“2”の強さで…」,「じゃあ,次は“4”で…」という風にいろいろな強さを指定してあげるといいでしょう。
この練習をしていると面白いことに気付きます。生徒さんに「チョットだけ今より強く感じてごらん…」と言うと,ほとんどの生徒さんが,脚を大きく左右に広げたり,ヒザをわずか内側に倒すような仕草を見せるのです。実は,このことが“フィーリングスキー”の特質を表しているのです。次回詳しくお話しますが「感じること」が「動作」につながる…ということです。
この「雪面コンタクトの違いを数字で感じ,言葉に現す…」という手法は,アメリカの心理学者“ティモシー・ガルウェイ”というひとがテニスやゴルフ,そしてスキーのレッスンをする際に用いた手法ですが,「足裏で感じる」ということに意識を集中させるには,もってこいの方法です。感覚を数字に置き換える…言葉を変えれば「アナログデータ」を「デジタルデータ」に置き換える作業を通じて「意識集中」ができる…ということです。
他人にスキーを教えたことがある人はご経験されていると思いますが,“スキー”を教えていて,最初直面する問題は「斜面をうまく登れない生徒さんが居る…」ことで,その次は「スキーをV字形にしたまま滑り降りれない生徒さんが居る…」ということです。このどちらも,これまでお話した「足裏で感じる」ということができれば,万全とは言わないまでも,ある程度スンナリといくことなのですが,どうしても「カタチ」で教えようとしてしまいますから,生徒さんの身体はカナズチのように硬くなってしまうのです。
「感じる動作はリラックスを生む」ということを利用すれば,レッスンもまた違った展開になると思います。
08/13 (月) 晴れ
ここ数日曇り空でしたが,今朝は青空が顔を出しています。(^I^) せっかくのお盆のお休みですから,天候は少し安定して欲しいですね! 夕方にチョット夕立があったりすると,風情があって尚イイですね!(^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0011----
今日も“横に滑る”。本日はその二回目で“感じる方向”…がテーマ。
前回は,スキーを少しだけV字に開いて直滑降意識で滑ることで,足裏のいろいろな場所に感じる雪の感触を楽しみました。
今日は「雪の感触が伝わって来る方向」を意識してみることにします。
右の図のように足裏の内側の黒いラインに対して,雪の力がやって来てる…と感じられる方向が,どのくらいの大きさの角度かな?ということを意識するのがポイントです。ここでは説明上,右の足裏だけについて解説しますが,実際の現場では左右両方の足裏感覚を同じように意識してください。
初めは「α」のように,小さい角度で感じるように意識します。次にもう少しこの角度が大きくなり「β」のようになるように意識してみましょう。最初のうちはなかなか感じ取れないかもしれませんが,数回やっている内に,ほとんどの人がこの感覚の違いを感じ取れるようになります。「α」と「β」の違いが足裏感覚の違いとして感じられるようになるのです。テール側を広げるとか,V字形を大きくするとか,「形」を先に作らないことが大切です。あくまで「足裏感覚」を大事にして,「α」や「β」を意識するのです。もしこの感覚がつかみにくい場合は,黒いラインを頭に思い描き,このラインで前方からの雪を「少しだけもらう」,「たくさんもらう」という風に意識してみるといいでしょう。
結果としてフォームは,スキーのV字角度が,「α」のときは小さめになり,「β」のときは大きくなります。しかし,結果としてのこの「形」を最初に見せてしまうと,その「形」を作ることに神経がいってしまい,足裏感覚がおろそかになります。足裏のフィーリングよりも,形を大事にすることになってしまいますので注意が必要です。
「α」と「β」の違いが少し判るようになってきたら,つぎは一回の「プルーク直滑降」の中で,この角度を連続して大きくしたり小さくしたり,してみます。下肢の動きが自然に現われ,テールが外側に行ったり戻ってきたりする現象が出てきます。また,中には足裏を中心とした「ヒネリ動作」の見られる人も居ます。そのどちらでも構いません。形はどうであれ,大事なのは足裏の感触です。
「黒いライン」と「赤いライン」のあいだにできる「α」や「β」の角度のことを,スキー用語では“迎え角”といいます。この段階では,この言葉にこだわる必要はありませんが,足裏の感覚として,「雪からの力が少ない」という「α」と「雪からの力がたくさん来ている」という「β」の違いがあることを感じ取ることが,大切です。
「雪からもらう力の強弱の違い」は「α,βの大きさの違い」という「因果関係」にあることが判ればこの段階は卒業です。
08/12 (日) 小雨
今日はお盆の初日だというのに小雨が降っています。昨日から降り始めたのですが,おかげで気温は20℃とヒンヤリ…。
皆さんはどこで誰とこの休日をお過ごしでしょうか?
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0010----
今日からは“横に滑る”で,本日はその一回目…。
前回までのように,積極的に前方に滑って行く意識を持つことで,足裏でいろいろな雪の表情が感じられたと思います。初めはそんなにこと細かに感じ取る必要はありませんが,次第に経験が積み重ねられ,微妙なフィーリングの違いがわかるようになります。特に,つま先側からかかとにかけて,雪が足裏をくすぐるように通り過ぎていく感じがつかめればいいと思います。
さて,直滑降では雪の抵抗がスキーのトップからしか来ませんが,実際のターンでは,この雪の抵抗を“斜め前方”から受け止めることになります。そこで,斜め前から受け止める意識とそのフィーリングはどういうものか?ということを学ぶことにします。
初めは,腰の下でスキーをほんの少しだけ「V字形」に開いた状態を作り,その状態のまま前方に滑り降りてみます。あんまり開き過ぎるとエッジが立ち過ぎ,抵抗が強くなって滑るのが大変ですから,少しだけにします。直滑降でほんのわずかテールを開いた状態でOKです。これを“プルーク”の直滑降=プルークファーレン,と呼びますが,直滑降と同じように,この状態で雪から来るメッセージを楽しむようにします。プルーク状態にすると,すぐブレーキをかけたがる人が多いのですが,そうではなくて,あくまで足裏を通過する雪の感触を感じ取り,楽しむことが大事です。あくまでも「わずかだけV字にして前に進む」…という意識を大事にします。
直滑降ではつま先で感じられたメッセージが,プルークでは足裏の内側で感じられます。繰り返し滑っていると,右の図の「A」から「C」にかけていろいろなフィーリングが感じられるようになります。「AからC全体」で雪を感じている感触と,「C」のように足裏の後ろ側で感じる感触は違うことが判ります。雪の力を「A」で強く感じた時と「C」で強く感じた時では,スキーの開き具合に変化が出て,滑走スピードが違ってくることも判るはずです。教える立場の人は,「つま先で感じるようにしてごらん…」とか「こんどはかかと寄りで…」,「次は足裏内側全体で…」というようなアドバイスをしてあげるといいでしょう。このアドバイスは,結果的に“雪の抵抗を受け止める”という意識と,“支点感覚”を養うことにつながります。
大事なことは,直滑降のフィーリングと,少しスキーをV字形に開いた時のフィーリングに違いがあることを感じてもらうことです。そして,そのときどきのフィーリングを感触の違いとして味わい,楽しむことができたら最高です。モチロン,毎度お話しているように,フォームを注意しないことも大事です。各自の骨格,筋力の強さ,使用しているスキー用具によって,表面上現われる「形」は千差万別ですから…。
08/11 (土) 曇り
八方尾根の中間から上は雲が掛かっています。気温は22℃と白馬としては少し高め…。
今日はこれから,大雪渓までトレッキングガイドです。朝早いので今日の“フィーリングスキー”はオヤスミです。 見に来ていただいた方…申し訳ありません…(=_=;)
では,行って来ます! (^I^)
08/10 (金) 曇り
ここのところ二日連続で曇り空の白馬です。おかげさまで日中の暑さは27℃止まりでしのぎやすいですが,朝夕のキリッとした空気に触れられないのが残念です。少々欲張りな【TOK】です!(^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0009----
今日は“直滑降を楽しむ”の三回目…。
前にも書きましたが,“直滑降”そのものを楽しめないと,本当の意味で“スキー”を楽しんでいる…とは言えない気がします。斜面が緩かろうと急だろうと,その違いやスピードの違いはあっても,そのレベルレベルで楽しめる…と私は思っています。位置の高い所から低い所へ「地球の引力」に引かれて落ちて行く感覚は,引っ張られている…という思いがあると地球の大きさみたいなものまで感じてしまいます。
直滑降をどう楽しむか?という手段のひとつとして「ゴールを設定して滑る」というのがあります。最初は初心者に“直滑降”を何回も経験させるための手段としてやっていたのですが,実はこの意識が「斜面移動を積極的に行なう」という意識を養うのに適している…と思っています。どうするか?というと,直滑降で自然に止ってしまう位のところにストックを立て,そこまで滑って行けるかどうか?ということを経験してもらうのです。すると目標ができますから,自分からすすんでその位置まで到達しよう!…という意識が働きます。また,誰がいちばん遠くまで止らずに滑れるか?というような競争の面白さを取り入れた課題もいい練習になります。
実は,これらの課題を与えると,より遠くへ行こう遠くへ行こう…という意識が働きますから,生徒さんは皆,極力ブレーキをかけないようになります。そして,足裏のどの部分に乗っかった方がより遠くまで行けるのかが判るようになります。つま先に乗るよりかかと気味のほうが良く滑る…ということに気が付くのです。つまり,「滑走距離」と「足裏感覚」はどんな風に関係しているか?という具合に,「感じるフィーリング」と「その結果」という図式で身につけることができます。これを私は「フィーリングの因果関係」と呼んでいます。
スキーがうまくなる…ということは,言葉を変えると,この「因果関係」をたくさん身につける…ということだ,とも言えます。つまり,いろいろなシチュエーションごとに,そのときどきのフィーリングがどう違うのか?ということが判り,そのフィーリングを引き出すことができれば,それはうまくなっている…ということなのです。いろんな経験を積み「フィーリングの数」を増やせれば,それは確実に上達への階段を昇っている…ということができます。
あるひとつの状況だけに通用するフィーリングのみで千変万化する斜面を滑ることはできません。また,最近のようにスキー板そのものの性質が多種多様になってきている状況では,その板特有の滑り方ができたとしても,板を替えたらもう滑れない…では,どうしょうもありません。どんな斜面に出ようとも,どんな板を使おうとも,すべり手が大事にし頼るのは「滑走時のフィーリング」です。斜面や板に関係なく,自分が経験した多くの「滑走フィーリング」の中から,どのフィーリングを引き出して生かしているか?が判れば,その状況下での最高の滑りが可能になります。
話が少し横道にそれましたが,“直滑降”という単純な練習の中にも,これから以降スキーを楽しむ上で大事ないろいろな要素が,数多く含まれていることが解ります。「経験の多さ」を「フィーリングの多さ」にして行く…これはスキーの楽しみの幅を広げてくれるキーワードのひとつです。
08/09 (木) 曇り
今日は雲が一面に八方尾根と北アルプスの山を覆っています。おかげで涼しい気もしますが…。
昨日,久しぶりにTennisをしました。ラケットの感触がなかなか気持ち良く感じられました。まるで,一年ぶりにスキーを履いて雪の上に立った時のような感覚でした。ボールがラケットに当たって飛んで行く感覚や,汗をさするような風の流れ…手や足や身体全体で感じる“感触”ってイイなぁー…と思いました。(^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0008----
今日は“直滑降を楽しむ”の二回目…。
“直滑降”では“スキー”の「基本中の基本」と言っていい“滑る”という感覚を身につけることができます。足裏で雪の表情を感じ取ることができ,肌を過ぎる風の心地良さを感じることができれば,“直滑降”そのものが楽しくさえなります。最近は“ターンすること”がメインのスキーが多いのですが,中上級者のスキーヤーも,もっと“直滑降”の楽しさを味わうべきだと思います。(^I^)
さて,昨日お話した,足の裏で感じ,そのフィーリングを上部に伝える感覚は一気に研ぎ澄まされるわけではありません。何回もの繰り返しの中から少しづつ良くなってきます。いろいろなシチュエーションを経験することで,それぞれの状況の違いが感じられ,フィーリングの違いが判るようになります。つまり,「経験の豊富さ」が「違いが判る」ことにつながり,「感度の良さ」となって現われてくるのです。そういうわけで,教える立場の人は,いかに多くのシチュエーションを習う人に提供できるか?ということが大事になりますし,独学で上達しようとする人は,みずからいかに違った状況に挑戦しようとするか?が大切になるわけです。
慣れてきたら,片足交互上げをして滑ったり,交互に踏み換えて滑走ラインを変えてみたり,少しだけジャンプしてみたり…してみます。その時々の足裏の感覚がどういう風か?どうフィーリングが違うのか?を意識させることによって,足裏の感性が次第に良くなってきます。目で見るだけでは恐怖心が先立つこのような運動も,足裏で感じさえすれば安心!…という意識が働くようにもなるでしょう。大げさに言えば「心眼で雪を観る」という姿勢が少しづつ身についてきます。
次に大切になるのは,“滑る”というイメージをどう持つか?ということです。“滑る”という言葉から想像するイメージは,ほとんどの方が「滑って転ぶ…」,「試験にすべる…」などのマイナーなものです。“滑る”が“楽しい”に変わるようにしていくことがスキーを楽しむ上で大切になります。
運動形態として「走る」,「跳ぶ」,「投げる」などの経験はほとんどの方が経験していますが,「滑る」という経験はあんまりありません。それだけにイメージアップするのは難しいのですが,スケーターが凍りの上をスゥーーーと滑る…とか,冬季五輪で脚光を浴びた「カーリング」のへらべったいボールがで氷の上をスゥーーーーと滑っているイメージを思い出すといいでしょう。それでもイメージが湧かないときは,斜面の上からスコップやソリを流し,それが下の方に滑っていくのを見せるのもひとつの方法です。この“滑る”というイメージで大事なことは,滑るもの自体が「ひとつの“塊”となって移動して行く」ということです。
“スキー”では,この滑り降りるのは「人」と「スキー」です。人の身体がスキー板と一体となって滑り降りる…というイメージを浮かぶようにすることが大切です。「スキー板」と「身体」が別物…では別々の物体が落下しているイメージになり,雪からの情報を的確に脳に伝えることができません。スキー板は,身体と一体となった“雪情報センサー”という感覚で滑れたら最高です。
上のアニメーションから身体とスキーが一体となって斜面を滑り降りる…というイメージが少しは沸くでしょうか?良く見ていると目が回りますが,スキーヤーが刻々とみずからすすんでその位置を変えて行き,スキーのトップで雪の情報を感じ取っているような気がしませんか?雪の情報を積極的に捕らえていこうとすると,腰の位置が自然にしっかりしてきます。雪に対抗しようとすると「へっぴり腰」になります。「感じ取ろう!」という気持ちでの直滑降は,スキーヤーのフォームを最も理想的なものにしてくれるのです。“感じる”ということが,人間の持つ潜在能力をいかに自然に引き出してくれるものか…ということがわかります。
“スキー”って,人間の持つ潜在能力がいかに素晴らしいか!…を私たちに教えてくれるスポーツでもあったんですネ!(^I^)
08/08 (水) 晴れ
今日はまた夏の空に戻りました。でもどことなく涼しい…というか肌寒い感じがします。日中はこれから暑くなるかもしれませんが…。私の好きな「地物のトマト」がいま最盛期です!(^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0007----
さて,今日のテーマは“直滑降を楽しむ”の一回目です。
前回までは「”雪”との触れあい」がテーマでしたが,今日からは,足裏感覚を生かして,どう雪の上を滑るか?ということです。「雪原散歩」でも意図せずに短い距離を滑り,その時足裏がくすぐられる感触を体験していますが,今日からは「みずからの意思で斜面を滑る」ということになります。
まず,スタートも平らで自然に止まれる優しい斜面を準備します。足裏全体でしっかりと雪を感じた状態から,少しストックで身体を前方にゆっくり押し出してみます。少しづつスキーが前に移動し,斜面の下に滑り始めます。このとき,足裏がくすぐられる感触は雪面散歩の時に経験したものです。それと少し違うのは前方への移動距離の長さとそれによるスピードの速さです。これらの要素を目で感じてしまうと身体がこわばり,硬くなってしまいます。ポイントは図のように,情報を「足裏で感じようとする」ことです。
足裏で感じようとすると,その情報を上に伝えようとしする筋肉が働きます。足や脚,下半身の筋肉が緊張した状態では,この情報をうまく伝えることができません。赤の線が緑,紫,青などの雪から情報を足裏に伝えてくれ,その後黄色の線のように下半身がそれを脳に伝えます。この情報伝達がうまく行くためには,下半身の適度なリラックスが必要になるのです。これはモノの硬さや暖かさを手で感じようとする時,手の筋肉がギュッと緊張せず,弛緩していることからも判ります。感じ取ろうとする筋肉はリラックス状態を生んでくれるのです。初心者には最も必要なことです。
フォームを気にする人がいますが,これも自然に任せましょう。フォームをイメージさせるとその「形」をつくることに意識が行き,身体の硬直を生んでしまうからです。
斜面を登るときのエッジング感覚は「雪上散歩」でしっかり見に付いているはずですから,自然に止まれる地形さえ選べば,あとはこの練習を続けることです。すると“滑っている時”と“滑ってない時”の区別が足裏で感じ別けることができるようになります。つまり,“滑る”と“止っている”の感覚の違いが分かり,滑ることが“苦痛”ではなく“快感”に思えるようになるのです。
“滑ることの快感”は,筋肉を使って運動をするというよりも,足や肌で雪や風を感じることで,より強く感じることができるのです。まさに“スキーの快感”とは“大自然を感じること”なのです。(^I^)
08/07 (火) 曇り
今日は久しぶりに「曇り」です。…アレレ,いま雨になりました…。これまで10日間連続の「晴れ」でしたから,朝,日が射していないのが久しぶりです。関東地方の方には,「涼風」の贈り物の”オホーツク高気圧”ですね!(^I^)
そう言えば今日は二十四節気の一つ「立秋」ですね。 暦の上ではもう「秋」です!
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0006----
さて,今日のテーマは“スキー板から感じ取る”の二回目です。昨日は「身体の下で滑らせる」ということまで行ないましたが,今回は「雪原散歩」です。
簡単に腰の下で雪の感触がつかめたら,次は雪の上を滑らせながら移動してみます。雪を状態を“スキー”を介して足裏でかんじ取ることと,”滑る”という感覚がどういうものかイメージする練習です。ほとんどの初心者は”滑る”という言葉から「バランスが崩れ倒れる…」ということをイメージしがちです。ですから,日常生活ではできるだけ滑らないように注意します。ですが,それは「マイナーな感覚」で,これから“スキー”を楽しもう…というためには大きな支障になります。スキーが滑ったらその上乗っかっている“身体”も一緒に移動しよう…とする気持ちが大事なのです。私たちの生活の中に“滑る”という習慣がないのですから,初めは誰でも“滑る”ことが怖いのは当たり前です。”身体全体が一緒に移動する”という感覚は,腰(重心)が足や下半身にどう付いて行ったらいいか?ということを学ぶことでもあります。下半身と上半身の対応の仕方を学び取ることです。
”雪原散歩”は平地を”滑る”ということだけでなく,”斜面”が”滑ること”とどういう関係にあるか?ということも教えてくれます。つま先の方が下がっていればスキーは前に…右側が下がっていれば右方向に滑り始めます。水が高い所から低い所へ流れるように,スキーも高い所から低い所へ滑るのです。当たり前のことですが,初心者は足裏感覚が未熟なため,どちらが高くてどちらが低いか?ということが分からないのです。”雪原散歩”は,少しづつですが「足裏感覚」と「滑る感覚」がどう対応しているのか?ということを身体に教えてくれます。このとき,目でも漠然と雪景色を見てはいますが,斜面感覚は“足裏”で感じるようにしなくてはいけません。雪原には緩急さまざまな斜面があり,また日陰や吹き溜まりなども点在しています。その時々の「足裏感覚」は微妙に違います。できるだけその違いが判るように意識を集中させることです。目では景色を楽しみ,足では雪の感触を楽しむ…これが大事です。
雪原をスキーをつけて歩き回る,あるいは滑り回ることは,体の反応を磨く…ということと同時に,“滑る”=“楽しい”という心理的な図式を身体に記憶させる上でも,たいへん大事なことです。いきなり斜面に連れて行って「さあ,滑ろう!」とやったのでは“恐怖心”が先に来てしまい「楽しい!」どころか「怖い!」になってしまいます。
私の所属する八方尾根スキースクールの恩師,「福岡孝行」先生は,少なくとも「雪原の散歩」を少なくとも一日はやるべきだ…と言っておられました。昔はその意味が良く理解できませんでしたが,今は全くそのとおりだと思っています。結果だけをせっかちに求め,途中の大切なモノを軽んじる…これでは後々「雪と戯れる楽しさ」など解るはずがありません。
「形」だけを求めるのではなく,「心や身体に訴えかけるモノ」を感じ取る…このことが本当の“スキー”の楽しみ方だと思います。初心者だけでなく,中・上級者も時々は雪原を歩き回ることで,雪からのメッセージを感じ取ることが必要なのかもしれません…。(^I^)
08/06 (月) 晴れ
昨日は大雪渓トレッキングのガイドで少々疲れ気味…。帰ってきてからの書き込みが出来ませんでした…。(=_=;)
今朝の白馬は気温が20℃で,湿度も低く感じられ,カラッとしていて,秋の気配を思わせる気候です。
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0005----
さて,今日のテーマは“スキー板から感じ取る”の一回目です。
「No.0004」で足裏(スキーブーツ)での情報収集についてお話しましたが,実際に“スキー”を楽しむ時は,さらにスキー板を装着することになります。雪の情報は「雪」→「スキー板」→「スキーブーツ」→「足裏」→「脚」→「上半身」→「脳」…という経路で伝わっていきます。ですから,直接「雪」にタッチしている「スキー板」が感じ取った情報が最初の大事なデータとなります。
ブーツで雪の感触を味わうことが出来たら,次は「スキー板で感じ取る練習」が効果的です。
それには先ずスキーをつけて「平地」を歩くことです。滑らせる必要はありません。スキーを普通に一歩づつ持ち上げながら,普段歩くように歩くのです。これでスキー板やスキーブーツの重さが脚で感じ取れます。前の方が後ろより少し重いなぁー…ということも分かります。
歩くことに慣れたら,次はスキーを雪面から持ち上げず,接触させたまま腰の下でスキーを前後にずらしてみます。先ず,片足を固定して反対のスキーを少しだけ前後に滑らせると楽に出来ます。反対側も同じようにやってみます。大きくスライドさせる必要はありません。ほんの20〜30センチでOKです。ここで初めて「スキーを持ち上げずに雪の上を“滑る”」という感覚が体験できます。少ししたら今度は片足を前に,反対側を後ろに…という風に腰の下で互いに反対側に同時にスキーを前後させてみます。最初はゆっくり…,次第に早めて…またゆっくり…という風にするとリズム変化が出て興味をつなぐことも出来ます。ここで大事なことは「動作」ではなくスライドしている時の「足裏の感触」です。ムズムズするような感触が足裏で感じ取れたら最高です。指導者は常にいろいろな「足裏の感触」について生徒さんに訊ねたり,自分の感覚を表現することが大事です。
初心者の方に“スキー”をお教えするとき,“エッジング”が思うように出来ないために,簡単な緩い斜面でも登れない…ということが多いのですが,それは「スキーと雪がどういう風にコンタクトしているか?」が解らないからです。それなのに「角を立てて…」,「ヒザを山側に倒して…」などという指導はどういうものだろう?と考えてしまいます。さらにひどいのは,エッジングがうまく出来なくて,登れない人のためにマットなどを敷いて,その上を登らせるやり方です。雪とスキーのコンタクトを足裏にイメージする絶好の練習機会なのに,それを奪っている…としか思えません。滑り降りること,先に進むこと…に目が行き,大事な本質を飛ばしているような気がします。
じっくりと「スキー板で感じ取る練習」をすることで,「雪とのコンタクト感覚」を磨くことが出来ます。そうすれば,エッジングの角度と量の関係などは,おのずと足裏のフィーリングとして会得出来ます。
スキーを履いて初めに感じる雪の感触…これがこの後のスキーの楽しみに大きく影響して行く…そんな気がします。大事にしたいものだと思います。(^I^)
08/05 (日) 晴れ
昨日の昼は大雨とカミナリでした。水不足の解消にはならないかもしれませんが…。
さて,今日はガイドでこれから大雪渓に…。で,日記の書き込みは少ないのですが…行って来ます!(^I^)
帰ってきて,時間が取れればまたUPします…。
08/04 (土) 晴れ
それにしても雨…降りませんねぇー…。全国各地で水不足が起こりそうですが…。みなさんの所はOKですか?
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0004----
さて,昨日まで「感じることの意味」…についてお話しましたが,今日はそれを初心者のスキー上達に役立てるための方法について考えてみたいと思います。“感じて伝える”が今日のテーマです。
先ず雪の上に立ったらスキーブーツで雪の感触を確かめる練習をします。特に“スキー”を始めたばかりの方は,融通の利かない重いスキー靴のため,どことなく宙に浮いた感覚でおられる人が多いのです。どれくらいきつくバックルを絞めたらいいものかも分からず不安に思っています。このときに「雪の状態をイチバン感じ取れる強さにして下さい…」というアドバイスは効果的です。
そして,雪の硬さ,柔らかさ,を確かめながら,雪の上をブーツだけで歩き回ってみます。「キュッキュッ…」と雪が音を立てるのを耳で確かめるのも楽しいものです。雪質によって微妙にその音質が異なります。雪にはいろんな表情があることが分かります。慣れてきたらちょっとした斜面を登ったり降りたりしてみましょう。つま先上がり,つま先下がり,右に傾いている,左に傾いている…など,斜面の感じがつかめます。ブーツのままで歩く,走る,そして少し前後左右に滑らせてみる…などの運動は“人間と雪との会話”の第一歩,と言えるでしょう。(^I^)
このような“足裏で感じ取る練習”…,つまり,右の図のように,足裏にあるいろいろな“雪”の状況を,黄色の足裏センサーで感じ取り,それを青線のように体の中枢に伝える…という練習は,これを繰り返すことにより,「目で“雪”を判断」するのではなく,「足裏で“雪”を感知する」という,これまであんまり行なったことの無い,新しい“感じ方”の訓練になります。
「目よりも足裏で感じる」…という,一連の“感じる訓練”はその後の“スキー”の練習に大いに役に立ちます。
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さて,明日は日曜日…。メルマガ発行の準備がありますので,教師日記の“フィーリングスキー”講座はオヤスミさせていただきます。 では,また来週…乞うご期待!
08/03 (木) 快晴
白馬ではここのところ雨が無く,植物には打撃のようです。一昨日,昨日と山のガイドでしたから,雨が無かったのは幸いでしたが…。でも,一緒に登ったみなさん,水のありがたさはしっかり感じられていました!(^I^) 雨は要らないけれど水は欲しい…。どことなく私たち人間のわがままさを感じますね…。
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0003----
さて,昨日は“雪からのメッセージ”ということでお話しましたが,今日はそれをすすめて“触感”について…。
私たちは日常生活においてもいろいろなことを感じています。「視、聴、嗅、味、触」の五感,という言葉があるように,目でみたり,耳で聞いたり,鼻でかいだり,舌で味わったりします。では,最後の「触」という感覚はどの部位で行なわれるのでしょうか?普通は「手」で行なうことが多いでしょう。でも,実は「足」や「舌」,「唇」でも“触る”ことが出来るのです。それほど意識はしていないのですが,歩く時は,地面の状況は足裏で感じていますし,物を食べる時,例えばラーメンの麺の硬さは舌で感じています。そしてそこで感じ取った“触感”は脳に伝えられているのです。
“スキー”をするとき,私たちは先ず目で雪を見,脳で判断して,スキーを操作しようとしがちです。でも良く考えてみると,硬いとか柔らかい,前下がりだうしろ下がりだ,とかの「雪や斜面の情報」は,雪と接触しているスキー板からスキーブーツに伝わり,そして足でその感じを捉えて脳に伝える方が,より確実に情報を伝えることが出来る…ということがわかります。目で見た情報よりも,足で感じる情報の方がより詳しく正確だ,と言えるのです。先ず雪の状況を知る,という意味でも“足で感じる”ということが大事なのです。“触感”の大切な所以です。
“スキー”を始める初心者に,いきなり滑り降りることを教えたり,ターンすることを教えたりすることは,この“足で感じる”という大事な過程を飛ばしていることになります。時間の無駄のようですが,私の経験から,この“足で感じる”ということをじっくり体験した人とそうでない人は,技術的にも,スキーを楽しむ…という意味でも,後になって大きな差が出ると言えます。半日か一日くらいかけて,スキーを履かずに雪の上を歩いたり,雪合戦をしたりすること…また,スキーをつけて雪原を歩き回ること,が雪の感触を楽しむことになり,結果として「雪の情報を足でとらえ脳に伝える」ということの,基本的な訓練にもなるのです。
大げさに言えば,“雪を感じる”ことで,「外界の刺激に触れて心に感じる」ということが出来るようになります。“感じよう”とすることで,心が動かされ,心の中の「知覚」が目覚める…と言っていいでしょう。「感じることの楽しみ」が解るようになる…とも言えます。実はこの「心で感じ取る」ということが,将来の“スキーの楽しみ”と大きく関わっているのです。
「出来た出来ない」,「テクニックがある無い」,「あいつよりうまい下手」…というようなドクドクした感情ではなく,どのレベルでもそれぞれに楽しめて嬉しい!…という素直な感激が沸き起こる原点はここに在る,と思います。
“触感”を磨き“感じる”能力を高めれば,より心が強く動かされ,感動する心が培われる…。
“スキー”ってホントに奥深い…と勝手に決めている【TOK】でした。(^I^)
08/02 (木) 快晴
今日もイイ天気の白馬です。また暑くなりましたがみなさんお元気でしょうか?
さて,リニューアルしたホームページですが,“T”さんからご指摘いただきましたように,タイトルが抜けていましたネ!…ハッハハハハ……(^I^) 多くの方から感想をいただきました。そして,皆さんの持つトップページのイメージは,「シュプール…」,「無限…」,「癒し…」,「未知への挑戦…」,「夢…」でした。…が,私の意図したのは実は“引力”です。宇宙空間に広がる“互いに引きあう力”…。地球上ではこの力が“重力”となり,“スキー”が楽しめる…。というわけです。そして左のスキーエリアの写真に,コンテンツが一様に引かれ,「円周上」に集まっている…。と,まあこんなことをイメージしてみたのですが…。考えてみれば,こじつけ的ですね!(^I^)
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0002----
さて,今日は新テーマの“雪からのメッセージ”ということから…。
“フィーリングスキー”で大事になるモノ…,それは“感じる”ということです。英語では“feel”で,その言葉の意味は…「感覚器官を通じて、外からの刺激を知る」,「外からの刺激を知覚し、生理的な反応をするだけでなく、それにより心を動かされ、なんらかの感情を抱く」…ということです。
私たちが「雪」の上に立った時,誰もが感じること…それは雪の「白い色」であり,ヒヤッとした「冷たさ」です。次に,握ると「固まる…」ということも解かります。歩き回ると「ギュッギュッ…」という音も聞こえます。口の中に含むと「冷たく解けて水になる」ことも…。このような感覚は私たちの五感を通して身体全体で感知されます。そして,「雪のある自然」が,「どことなく普通の世界と違うぞ…!」という感動に似たフィーリングを受けます。
私たちが初心者に“スキー”をお教えするとき,先ず考えなくてはならないことは,このような「雪の自然の特異さ」です。滑ったり回ったり…ということより先に,「“雪”という自然からの贈り物」をしっかり身体で感じ取ることが大事なのです。“スキー”をつける前に「雪の中で転び回る」ことが大事です。
“スキー”を始めるとき,私たちはこの様なことを実感しているのですが,何年か“スキー”をして来るとその感動や「雪の息づかい」ともいえる雪からのメッセージを忘れがちになります。あなたは感じてます?
…ということで,肌で感じる雪からのメッセージ…これを大切にしたいと思った【TOK】でした!(^I^)
08/01 (水) 晴れ
今日から8月です。陰暦では「葉月・はづき」と言うそうで,秋の季語ですネ!。モチロン旧暦でのことですから,本当は9月なんでしょう…。
さて,今日で一歳になった当ホームページです。少しだけ模様替えしてみました。いかがでしょうか?
-------------☆★フィーリングスキー★☆-----------No.0001----
さて,今日から心機一転で新連載をしたいと思います。
これまでの私のスキーレッスンを通じて感じたことを基礎にし,スキーの楽しさ,自然との対話の奥深さ,身体の素晴らしさ,…を中心に据えた「スキー上達の方法」をお話してみたいと思います。これから新しく“スキー”をしてみよう,という人はもちろん,これまで“スキー”を楽しんでこられた人達にも何かしらお役に立てるような,そんなことを目指しています。(^I^)
年齢が解ってしまいますが,“スキー”を始めて40年,“スキー教師”をさせてもらって30年になりました。(^I^)おかげさまでその間,“スキー”についていろいろな経験ができました。そして,いま思うことは「時代と共に“スキー”の楽しみ方が変わったなぁー」ということです。
一番の要因は「道具の変化」だと思います。特に“スキー板”の変化は,「ターンするためのスキー技術」に対する考え方を大きく変えました。「スキーを動かす」ための技術から,「ターンコントロールする」ための技術…に変わってきました。また,いろんな特性を持ったスキーの出現で,それぞれに特有で,また有効な技術も生まれました。
二番目は「スキー場環境の変化」です。機械力が使えるようになり,ゲレンデ整備は比べものにならないくらい簡単に,しかも完全にできるようになりました。人口降雪機が使われ,これまで雪がつかなかった場所にも雪を貼り付ける事ができるようになりました。人口のコブや凹凸さえも造れるようになりました。滑り手は自分の好みでゲレンデを選ぶことができるようになったのです。このことは,自分の好きなシチュエーションだけを選べる…ということにつながり,嫌いなところはパス…というような現象も生みました。
三番目は,上記1,2の環境の変化によって「スキーヤーの選択肢が広がり,志向が先鋭化した」ということです。このことは,いろいろな楽しみ方ができるようになった…ということですが,逆にとらえれば,いろんなタイプのスキーヤーが出現したということにもなります。“スキー”にたいする価値観がひとつではなく多様化した…ということでもあるのです。
このように多様化した“スキー”というスポーツを学んだり,あるいは教えたりすることは大変難しくなりました。それぞれのシチュエーションにあったベストな方法があるからです。しかし,その多様性に合わせて,ひとつづつ
その方策を考えていたのでは大変な作業になってしまいます。もちろん,指導の現場ではその要求に応えるべく対応をしてはいますが,従来型の方法では「アレにはイイが,コレにはどうも…」,「コレには適しているが,アレにはあてはまらない…」…といったことが起きてしまいます。
ここ数年,このことを考えて来て,ふと思いました。「雪の斜面を上から下に滑ってくるスポーツなんだから,単純にそれをベースに“スキー上達”の方法を考えてみたらどうだろう?」。「雪」があって「人間」が居て,そして「スキー」がある。この三つの組み合わせをどうするか?ということなんだから,そのあいだに働く力を「人間がどう感じているか?」ということがキーワードではないか…?
「スキーをとおして,ヒトは雪をどう感じているか?」…。実はこのことをテーマに,20年近く前,スキーグラフィッ○に連載したことがあります。“フィーリングスキー”というタイトルでした。
道具が変わっても,ゲレンデが変わっても,変わらないモノがある。それは「スキーヤーの滑走感覚」です。足で感じ,身体で感じ,心で感じる“スキー”です。このことをこれからお話していきたいと思います。毎日の書き下ろし,となりますので言葉の使い方が適正でなかったり,表現がまずかったりすることが多いと思いますが,その時々で訂正しながら進めていきたいと思います。
“フィーリングスキー”…ぜひお楽しみに…! (^I^)
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