June/30/2003 (月曜日) 晴れ
今朝は,朝からイイ天気です!(^I^) 小鳥のさえずりも聞こえます。耳の良い人は,鳥の鳴き声で時刻が判るそうですが,私なんぞは,「アア,朝が来たナァー」…という程度です。(^o^) 皆さんは鳥の声,聞き分け出来ますか?(^I^)
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さて,今日は“T.E”さんから,2月のシーズン中に頂いていた e-mail の紹介です。スキー指導について,考えさせられました…。
『 … 3月が近づいていますが寒い日が続きます。いかがお過ごしでしょうか?先生のHPを知って間もなく一年になります。さて、うちの弟“C”(昨年12月2級取得)ですが昨年会社を辞め、1月から今月の20日まであるスキー場で修学旅行生を相手にスクールのバイトしていました。途中、お休みをもらって帰ってきたときに相談を受けマシタ。「ところで…アニキ…やる気のないひとをやる気にさせる方法って…なんかないかなぁ…。高校生は…難しい…。例えば5人の受講生のうち、3人やる気があればいいんだけど、3人以上やる気がないと…ほんとに困ってしまうんだ…。」…ということです。わたしも指導資格を持っていて、経験豊富ならなにかアドバイスをできるのですが…いかんせんなんちゃってスキーヤーの端くれです。アドバイスなどできるはずもありません。そこで【TOK】先生の「フィーリングスキー」のページを教えてあげました。初心者や初級者には、まず雪に親しませること。次に抵抗、つまり雪を足裏で感じて雪から力をもらって、例えば5段階の圧感覚を両スキーで増減させることによりターンできることを教えてあげればいいんぢゃないかな?と…。
弟は、自分なりの感覚を少しでもわかりやすくひとに伝えることに悪戦苦闘したようです。はじめてスキーを履く、ひとりでも多くのひとに「スキーって楽しいね。また、スキーがしたいね。」と思ってもらうために…。最初は戸惑ったようですが受講生のみなさんにはオレンジターンも効き、好評だったようで「C先生!、3日間、楽しいスキーを教えてくれてありがとう。また、スキーをしようと思います!」と色紙に寄せ書きをもらったそうです。先日帰ってきた弟はそれを手に顔をほころばせていました。…』
こういうお便りを頂くと,本当に嬉しいですネ!!!(^I^) 他人にものごとをお教えする時にイチバン大事なものは何か?…ということを改めて考えさせられます。資格や経験も大事ですが,それ以上に「どうしたら楽しい!って感じてもらえるんだろう?」ということを,考えているかどうか?だと思います。そうすれば形にはまった指導ではなく,次々とその生徒さんに合った指導の言葉が出てくるはずです。「どうしたら?」,「どうやったら?」…という気持ちの持ち様が熱意となって生徒さんに伝わります。お教えする側のそういった姿勢が,習う側の心を打たないわけがありません。俗に言う「熱血先生」とは,そのような先生のことを言うのだと思います。
私は,極端な話ですが,教えるのに資格はかえって邪魔になる…と思うことがあります。その資格を取るために学んだいろいろなことは確かに一般論としては指導の役に立ちます。例えばスキー指導員の資格を取るために学んだ「スキー理論」や「指導の展開」など,それを実践すればナントナクスキーを教えた気分になるかもしれません。でもそれでは,生徒さんは技術の押し付け,あるは強要の様に受け止めてしまいがちなのです。みずから進んでやってみようという気持ちにはなかなかなれません。本当のスキーの楽しさや技術修得の面白さは,その「理論や展開」とは関係無い次元のことです。
弟さんの“C”さんが,お休みをもらって帰ってきたときに相談を受けた…ということですが,指導する立場の人間として何か疑問を感じ,その高校生に少しでも興味を持たせてあげたい!という姿勢があったのが一番大事なことではなかったかと思います。「スキーって楽しいね。また、スキーがしたいね。」と思ってもらおうとする姿勢も…。そういう姿勢があったからこそ,感謝のこもったサイン入り色紙も頂けたのだと思います。(^I^)
“T.E”さんの弟さんへのアドバイスも適切だったと思います。(^I^) 先ず,身体全部で雪と戯れ,雪の白さや冷たさと触れ合うことです。雪とのスキンシップと言ってもいいと思います。これがあれば,あとはそのスキンシップをスキーという道具を通してどう行なうか?ということになるだけです。そう考えれば,技術のとらえ方が単純になり,どう雪を味わったら楽しいのかな?ということに注目していけば良いのです。身体全部を使って五感で“感じる”という,人の持つ感覚優先のスキーが楽しめるようになります。ですから,こうやりなさい!とか,形はこうです!こうしなければいけません!という「おしきせ」が無くなって,生徒さんはスキーに興味を持つようになってくるのです。
良い機会ですので,準指導員や指導員の資格を取られた方にぜひお願いがあります。スキー指導資格の無い人でも,“C”さんのようにスキーの楽しさを広められ,その過程で,人との交流という「悦び」を見出されている方もおられます。有資格者の中で,レッスン活動に意欲を無くした人が多いと聞きます。ぜひ,資格を取る時に思っておられた初心にかえり,スキー普及のためにご尽力頂きたいと思います。【TOK】からのお願いでした。
“T.E”さん,“C”さん… e-mail そして,スキー指導,本当にありがとうございました。わたしも皆さんに負けないよう,これからも楽しいスキーの普及のために,最善を尽くして行きたいと思います。(^I^)
June/29/2003 (日曜日) 曇り
昨日は,午後から本当に爽やかなイイ天気になり,約1時間半,たっぷりTennisを楽しみました。(^I^) オフトレ…そういえば,何かスポーツをするのもいいですネ!。マ,いずれにしても,こまめに身体を動かし,身体を活性化させることです。ハイ!(^I^) 今日は休日の方が多いと思います。少し,外に出て,散歩でもしてみますか?(^I^)
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さて,昨日まで「オフトレ」の話題でしたが,今日からはまたこの冬に頂いた e-mail
への返事をさせていただきます。冬の間にも簡単な返事は出させていただきましたが,時間が無く,簡単な返事でしたので,教師日記の場を借りて,少し詳しく返事をさせていただこうと思います。(^I^)
今日は“T.A”さんから頂いた e-mail の紹介です。
『 … 私は、競技スキー(主にGS)を楽しんでいるものですが質問があります。教えていただけたら幸いです。最近のカービングスキーになって、カービング要素のすべり方をスクールの先生がたから教えていただきますが、この技術が、最近(最新)のGSの技術と同じものなのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。競技の場合、谷回りの早いうちから捕らえが必要ですので、ある先生から、ターンの後半、切替、次のターンに向けての捕らえにおいて主に、両足同調のエッジのすばやい切り替えを教わりました(感じとしては反復横とび)。斜め斜滑降の部分をできる限り短く処理すると捕らえましたがいかがでしょうか
…』
競技と基礎の接点…という意味で大事なことだと思います。そこには両者に通じる合理性があって欲しいからです。
さて,いろいろな考え方がありますが,私は競技のGSと基礎スキーの大回りとは,その目的において少し違うと考えています。競技は安全性よりも速く滑ることを目的としていますから,タイムを縮めるためにはどうするか?ということが先に来ます。ところが,基礎スキーでは,より多くの人にスキーを楽しんでいただく,という目的がありますから,安全性が先に来ます。でも,同じスキーですから,全く違うことをするわけではありません。そこには共通の合理的な滑り方があります。私も過去数十年スキー教師をやって来ましたから,基礎スキーについては,私なりの考え方は持っていますが,最近のワールドカップなどに通用する「競技技術」については,専門に研究してはいません。そこで,現在白馬のジュニア育成の実力者“O.H”さんに聞いてみました。その骨子は以下の通りです。
『
最近のGS競技で大事にしているのは,ターン後半の舵取りから角付けの切り替え,そしてターン前半の捉えをどう構築するか?ということです。言ってみれば,ニュートラルへの抜け方と,次のターンの捉え方です。競技のGSでも原則は外足ターンです。最もエッジが立っているターン中盤から角付けの切り替えに向けて,どう外スキーのエッジを緩めて行くか?にポイントを絞ります。急激にエッジを緩めると雪面コンタクトが無くなり,抜重になってしまってスキーが走りません。ですから,ニュートラルでは頭の位置(高さ)を変えないように,そしてフラットになった時,1Gの圧で雪面とコンタクトしている感覚を保てるように,そしてさらにエネルギーベクトルの伝達を失わないよう気をつけます。結果的に左右のスキーへの圧変化が起こり,次のターンの外脚が伸びて,ストレッチ的に見えることがあります。それから以降,中盤にかけては自分から角付けを強めて行くことはしません。雪面の抵抗を受けてスキーのアーチベンドが生きてポール付近で自然に最大角付けが生まれます。その後は,どこでニュートラルに入るためにエッジを緩め始めるか?ということになります…
』
…ということでしたが,聞いている内に,私が思う「基礎スキーでの最終的な目標とする滑り方」と同じだと思いました。そのポイントは,「ニュートラルへはエッジングを緩め始めるタイミングを大事にする」,「ニュートラルで抜重しない」,「外スキーへのエネルギー伝達を大事にする」,「ターン始動期では自ら圧を加え過ぎない」…ということです。まことに手前味噌で恐縮ですが,これこそ「キャスター・ターン」そのもの!なのです。
ターン初期から雪面を捕らえるのは,ターン後半に圧が集中して谷側に落ち過ぎないようにするためのものです。競技では圧が溜まり過ぎるとかえって減速になりますから,自ら角を立てる動作は極力すべきで無いと思います。また,反復横跳び的な角付けの切り替えは,急激なクロスオーバーを生みますから,どちらかというと基礎スキーでは不安定要素となりますのでお勧めしません。ただし,競技はタイムが命ですから,そういうリスクを負ってでも,早い切り替えを追求する事はあると思います。しかし,“O.H”コーチも言っている様に,タイムをロスしない,という観点から,ニュートラルでは「1G」の圧はキープする,ということですから,できれば抜重を伴いがちな素早い切り替え,反復横とび的な運動は行わない方がイイ…ということになります。
いろいろな考えがあることを否定はしませんが,あくまで基礎スキーは安全性が最大のキーワードなので,このニュートラル部分での時間的な長さはそんなに厳格にはとらえません。でも,タイムを競う競技ではニュートラルの時間も長いよりは短い方が良いと思います。そういう意味での捕らえの早さ,斜め斜滑降の部分をできる限り短く処理することは,そのための減圧が無ければ,できる方が良いと思います。
また,両足同調…という言葉が出てきました。“O.H”コーチも言っている様に,原則「外足ターン」ですから,ニュートラル部分でも左右のスキーの交互操作意識が大事になります。ですから「両足同時運動」ではありません。「交互操作意識」で,角付けの切り替えを行なうと,右から左へ,あるいは左から右への圧の伝達が起こります。これを“O.H”コーチは「エネルギーベクトルの伝達」という言葉で表現しています。右なら右のスキーのベクトルがそのまま左のスキーに伝達されて行く…というわけです。これが右足の動きに左足が自然に反応した,ハーモニーの取れた「同調運動」なのです。あくまでも追随的な動きなので,同時ではなく同調,と表現しているのです。
June/28/2003 (土曜日) 雨
今日は…雨。結構いい降りです。みなさん,せっかくの土曜日なのに雨で残念ですネ!。でも「根アカ人間クラブ」の主宰者を自認している私は,「雨」…と聞けば,「草木のみんな!キミ達のエネルギー源が降り注いでるゾ!大きくなれよ!」…と心の中でつぶやくのでありました。(^I^)
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さて,今日は“H.T”さんから頂いた e-mail の紹介です。オフトレに関する内容ですので,早い内に回答させていただきます。
『 …オフトレの講座の日記、今日も拝見しました。やはりメンタルな部分はとても重要なのですね。それから、一週間のスキーのオフトレのメニューなんですけども、これはやはりアスリートが対象ということでしょうか・・・。じつはこのページは以前から気づいてました。そしてそして・・・アスリートの方々は すごいなぁ・・・という感じで思いながら読んでいました。私は一介の主婦で身長は164.6、まあ165cmという感じです。3人の子どもの出産の過程でドンドン産後太り・・・となり、悲しすぎる体重・・・。今月号のSJ、今日買ったのですが・・・そのなかにもトレーニングのことが載っていましたよね。体力測定の結果とか様子が・・・。本来はあのようにまずは体力測定が大切なのだと思います。オフトレも一歩間違えばスポーツ障害になりかねないですよね・・・。
TOK先生。たとえば身長も体重もある女性。キックターンが出来なかったスキーヤー。つぎに2級とか(シルバー)目指したいタイプ。滑走は、滑走した後の雪をみると・・・S字じゃなくてV字になるそうです。ギザギザになる。パラレルとかは一気にギューと方向変えているとのことです・・・。これって力任せにしちゃっているということなんですよね。でもキックターンができないのは足の力がないってことですよね?でもパラレルがギザギザになるのは足の力が強いということ?なんかやはりもっともっと勉強しなくちゃなぁと思います。
もしも私と同じようなタイプの人に、こういう悩みならば「足を鍛えるよりも腹筋がいい」とか、あるいは「ビデオでは、とくにこの部分をよく見たらいい」とか・・・何かアドバイスがありましたら、頂ければ嬉しいです。
それから先生はお怪我とかされたりなさいましたか?スキーやトレーニングでの怪我とかが心配の人も多いと思うのです。もし宜しかったら・・・アドバイスよろしくお願いいたします。…』
“H.T”さん,こんにちは!オフトレの仕方でだいぶ悩んでおいでのようですが,オフトレで大事なことは”Dr.K”さんも仰っておられるとおり,「運動を習慣化させる事は大切だが、義務化させないこと。楽しく運動出来る事に感謝する気持ちで行うこと」…が大事だと思います。(^I^) スキーがうまくなるために何がなんでもハードなトレーニングを!…というのでは,“H.T”さんも仰るとおり,障害スポーツになってしまいます。重荷にならないよう楽しみながら行ないましょう。
さて,昨日紹介した一週間のトレーニングメニュー…アスリート専用のメニューか?ということですが,そうではありません。【実施例】を見ていただければわかりますが,特に厳しいかな?と思われる【例
3】のメニューは<自信がつけば…>というところでのメニューで,その前の基本的な身体作りでは入っていません。で,私は普通の楽しみで“スキー”をされる方なら,<更に慣れてきたら…>のメニューをこなすだけで充分だと思っています。技術選出場やテクニカルやクラウンを目指されるようであれば少しは…と思いますが。
体力測定の結果の結果を基に…ということも,もしできる環境にあれば,しないよりした方が良いと思います。でも,一般の健康診断を年に一度行なっておられる方で,特に異常が見つからないのであれば,改めて体力測定まではしなくて良いと思います。健康診断のときにできれば,「運動負荷試験」で負荷を掛けたときの心電図は録られた方がいいですが…。
キックターンが出来ない…。最近こういう方がおおくなりました。カービングスキーの台頭で板の長さが短くなって,雪面のホールドが楽にできるようになったからでしょうか,キックターンをしなくても,少しづつ斜面を回り込むステップ式の方向変換をする人が多くなりました。でも,このキックターン…足の力の強弱では無く,関節の固さや柔らかさに起因していると思います。私は他に類を見ないくらい関節が固い人間なので,キックターンが苦手な方です。(^I^) パラレルが円い円弧でなくギクシャクになるというのは,仰るとおり「雪の抵抗をうまく利用した滑り」よりも,「自分の力を雪に働き掛けてターンする滑り」を多用しているからだと思います。つまり,力任せにしちゃっている…ということです。でも,これも中級レベルまでのスキーヤーには多いことで,こうだからイケナイ!というのではありません。少しづつ雪の力でターンする方法を学んで行けばいいのです。(^I^) でもだからと言って,筋トレをすると筋肉がつき,力任せのスキーになりやすい…ということではありません。スキー滑走中は結構大きな力が雪と身体の間に掛かって,バランスを取っていますから,上級スキーヤーになればなるほどスピードが増して,この力も大きくなりますので,それに耐えるだけの筋力は必要なのです。ですからどちらかというと,雪の力を利用して滑ることが多い人は「瞬発力」よりも「筋持久力」の方を鍛えた方がいいのかもしれません。
トレーニングの内容…「ハムストリング等の下肢」か「腹筋等の上肢」か?という様なことについては,どちらも同じように!ということが大事です。June/23/2003の日記でも「全面性の原則」でお話ししたように,体力は,筋力,筋持久力,柔軟性,スピードなど様々な要素で構成されているので,どれかに偏らずに全面的に向上させる必要がある。結果的に怪我の発生を少なくするなどの効果がある…ということです。
また,ビデオでのイメージトレーニングですが,先ず憧れのスキーヤーの「全体の雰囲気」を楽しむことから始めた方がいいでしょう。そして,特に「この部分が好きだナァー!」という所があったら,そこのところを繰り返し見たり,スローにしたりして注目することです。そしてそのシーンで,特に気になる部分的な身体の動きがあったら,または自分ではこの動きが出来ないんだよナァー!というような部位があったら,そこに意識を集中して観ることです。あえてここで「見る」ではなく「観る」としたのは,目で筋肉の動きを見ようとするのではなく,その注目部分の筋肉や腱が,どのような“感じ”で動いているか?を,自分の身体のこととして感じ取るようにして観て欲しいからです。(^I^)
スキーやトレーニングの最中に怪我をしたことは?ということですが,幸い骨折などの大きな怪我はありません。ただ,一回だけスラロームの練習中に,ポールに内スキーのトップを引っ掛けてしまい,足首の捻挫をしたことがあります。それ以外は40年以上スキーをしていますが,滑走中もトレーニング中も怪我はしたことがありません。その秘訣は“感じる”にあると思っています。例えば,ジョギングでよく膝を痛める…とか言われますが,私は着地の時に足裏のどの部分がどれくらいの圧をどの方向から受けているか?を常に意識し,感じるようにしながら走っています。すると,アスファルトや地面の凸凹で,強い圧を受けたり,変な方向から圧が来たりしても,膝や足首の関節が適度に補償してくれ,膝だけに負担が掛かって痛めてしまう…というようなことが無くなります。また,筋トレをこれ以上続けてもいいか,それとも止めるべきか?という様な判断も,筋肉がどう感じているか?という内なる声に従うようにしています。言ってみれば,筋肉からの声を聞く…ということですが,筋肉に話し掛けながらトレーニングをしていると,その声が聞こえるようになるのです。ウソみたいですが本当のことです。それだけ自分の身体の活き活き度が判るようになるのです。その時はしっかり休養を取ります。
筋力アプのメカニズムは,「トレーニング→筋繊維の破壊→超回復→強い筋肉→トレーニング…」の繰り返しで起こるのですが,この「超回復」のためには“休養”と“栄養補給”がものすごく大事なのです。筋力パワーアップをしようとして,筋肉を痛めるだけ痛めている人がいますが,大変残酷なことを筋肉に強いているだけです。適度な休養と栄養補給,つまり美味しく食事を頂いて,スキーのビデオでも見ながら身体を休める…コレが大事なのです。(^I^)
オフトレ…身体をいじめるのが目的でなく,「活き活きとハツラツとした身体を創る」ということだと思ってください。“H.T”さん!楽しい元気溌剌トレーニング!…オフシーズンの間,おおいにお楽しみ下さい!!! (^I^) (^o^) (^I^)
June/27/2003 (金曜日) 曇り
昨日は,白馬村の第3セクター「白馬村振興公社」主催の「テニス大会」があり,家内と一緒に参加してきました。梅雨空の下で,後半は雨に降られましたが,楽しく出来ました。結果は?…内緒……。でも,自分としては久々に自分の力が出し切れたと思います。(^I^) 家内にとっては初めての「テニス大会」で,普段は練習試合はするものの,勝ち上がっていく「大会」は初めての経験でした。大会…と名前がつくだけで,普段のプレーが出来ず,身体が硬直してしまうのですが,彼女もそのようだったようです。普段の実力を硬くならずに出し切る…難しいことですが,過日のメンタルトレーニングを毎日実行することで,少しは改善されるかも!(^I^)
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さて,今日はまた「オフトレ」に話題を戻したいと思います。(^I^)
前にも話しましたが,「オフトレ」というと肉体的なトレーニングだけだと思いがちですが,その他の「 イメージトレーニング」「リラクゼーション」,「集中力の強化」,「自己暗示」も“スキー”を楽しむ上で大事なトレーニングだと思ったほうがいいでしょう。イメトレとリラクゼーションについては過日話しましたので,今日はそれ以外の項についてお話しします。
初めは「根アカ生活をおくろう!」ということについて…。根アカ,つまりオプティミスト,プラス思考的な生き方…ということですが,日常生活でもプラス思考が身体の活動をスムーズにし,潜在能力を引き出す…と言われています。「良い思い込み」によるプラス暗示を,心や身体にささやきながら行なうと,肉体がそのように良い方へ良い方へと作られて行く…というのです。イメトレをうまく利用して,上手に滑れているイメージを毎日描くことで,いつの間にか「うまく滑ろう,ではなく,俺はうまく滑れるに決まってる!」という断定的な暗示をかけることができるようになり,身体の筋肉もそのような反射的な動きが出るのだそうです。「うまく滑ろう…」という希望的な言葉は,「うまく滑らなくては…」という焦りの筋肉を使うことになりますが,「うまく滑れるに決まってる!」という断定的な言葉は,ゆとりの筋肉を使うことになると言われています。マ,日常の生活でも,根クラで過ごすよりは,根アカの方が,精神的にイイですよネ!(^I^)
次はオフトレをスキーだけのトレーニング!と思わずに自分の「健康管理」だと思って行うことです。私は毎朝,体重と体脂肪を量り,それを体重計の前の壁にピンアプしてある表に書きとめるようにしています。これが実に毎日の自己管理に役立っているのです。
トレーニングも楽しみとして行い,その結果を表に書きとめることで毎日のトレーニングが苦痛ではなく楽しみになると思います。表の内容はその日行なったトレーニングの項目,毎日の脈拍,体重,等です。以前は簡単に前日食べた食事の時の内容も書き込んでおりましたが,そこまでできれば最高!ですネ!(^I^) そう言えば,最近気をつけていることに「食事」があります。どう気をつけているか?というと,空腹を満たす,のではなく「食が体を作る」という意識で食事をすることです。これだけのことなのに意外に効果があります。いま食べている肉や魚,野菜のひとつひとつが筋肉に生まれ変わる…という意識を持って食事をすると,ガツガツ食べなくなります。サプリメントで栄養を補充しようという感覚も少なくなり,食を楽しむ,という気持ちも一層強くなって,食べ物それぞれに感謝の念さえ生まれて来ます。食事に気を配ることも,身体を造る…という意味では大事なオフトレのひとつだと思います。(^I^)
…とは言え,やはり「肉体を造る」のを欠かすわけにはいきません。具体的な筋トレの仕方については,”Dr.K”さんのオフトレ講座がありますが,その中でも「“スキー”に役立つ一週間のトレーニングメニュー」がお勧めです。ぜひお読みいただいて,参考にしてください。その中でも書かれていますが,決して無理をしないこと,生活の一部として毎日行なう習慣をつけること,が大事だと思います。ストレッチだけでも結構です。楽しいスキーシーンを思い浮かべながら毎日10分ほどの運動は,身体の各部に刺激を与え,筋肉バランスの良い体を作るだけでなく,気持ちを明るくしてくれ,生活に潤いと喜びをもたらしてくれると思います。
さあて,今日は天気も良くなる気配だし,自転車にでも乗ってみるかな?(^I^) (^o^) (^I^)
June/26/2003 (木曜日) 曇り
昨日はプールに行く予定でしたが,午後から晴れ間が出てきて,結局トレーニングは「Tennis」をメインに行ないました。(^I^) 湿度が結構あって,汗ダクダクになってのプレイでした。(^I^)
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さて,某掲示板に「SAJスキー教程と検定の内容がらいシーズンから少し変わる…」とのUPがありました。次のような内容でした。
『 SAJ検定は変わります。○○で見たんですけど、来シーズンは、検定種目が変更され2級の資格がないと1級受験が出来きなくなり2級、1級とも小回りが復活するらしいです。また、テク・クラは総合技能の講習テストがなくなり6種目となり1日受験となるそうです。検定種目変更というよりも、SAJのスキー教程が改編されます。今、出版されている教程の指導理論編がまず改訂されます。来年の指導員、準指導員検定の理論講習に間に合わせるということなので、新指導理論編の発行は今年9月頃でしょう。新指導教程に沿って、検定種目も変更されると思われます。1級検定にはスキッディング&カービングの小回りが入るでしょう。2級にももう少し簡単な小回りが入るんじゃないでしょうか。
』
…ということでした。実は「教程」と「検定」の内容がどうも変わるらしい…という情報は,私のところにもウスウス入って来ていたのですが,まだ決定ではない…ということで皆さんにお知らせするのを控えておりました。上記の掲示板でのご発言も「確定」…ということでは無いと思います。
でも,もし教程が本当に改定され,検定内容も「スキッディング要素の小回り」が入るとすれば,本当に嬉しく思います。(^I^) これまでこのホームページをはじめ,いろいろな場所で「小回りの復活」と「スキッディング」の重要性の認知を,要望し語って来ました。それが功を奏したとは思いませんが,SAJの組織を預かる人の中に改定を実行しようとする人達が居られたことは,良かったと思います。
できれば,実践種目講習テストも無くす方向に行ってくれれば尚嬉しいですネ! (^I^) (^o^) (^I^)
June/25/2003 (水曜日) 小雨
昨日はプール行けませんでした…。今日こそ行って来ようかな?
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今日も,「簡単オフトレ講座」でお話したことから…。きょうのテーマは「リラクゼーション」についてです。
リラクゼーションというのは relax から来た言葉で,「くつろぐこと。らくにすること。身体や精神の緊張をゆるめること」という意味があります。つまり,肉体的なトレーニングやイメージトレーニングで緊張させた部位を穏やかにし,本来在る姿に戻すということです。普段私たちは自分の持っている能力の5〜10%程度しか使ってないといわれています。残りの95〜90%は開花されないまま身体の中に眠っているわけです。でもリラクゼーションによって,「平常・自然・宇宙存在の状態」という“気持ちのニュートラル状態”に入ることができれば,本来私たちが持っている「潜在能力」を多く引き出すことができるのだそうです。
人間の身体は,緊張状態のときは交感神経が強く働き筋緊張を起こして,思うように身体が動かないのですが,
リラックス時は副交感神経が働き,筋肉が緩んで本来の働きがスムーズに行なえるようになるのです。スキー検定の場面などで,普段はものすごく良い滑りをされるのに,検定の場面になると気持ちが萎縮してしまって,緊張状態に陥り,本来持っている能力の半分も出せない人が居られます。このような人などは,もしその場面でリラクゼーションができるようになれば,合格間違いなし!だと思います。では,どうやったらそういう「心のニュートラル」状態に入れるようになるのでしょうか?答えはひとつ,普段からリラックスできるように訓練することです。私事で恐縮ですが,私は電車に乗っていても,座ることができれば3分もしない内に仮眠状態に入ることができます。そして,このちょっとした仮眠でその後の身体の動きを活き活きさせることができるのです。でも,私も初めはやろうと思ってもすぐにはできませんでした。ある本に書いてあるとおりに,何回となくトライして,ようやくできるようになったのです。リラクゼーションも同じで,すぐにはできませんが,訓練次第でかなり自分の心をコントロールできるまでになります。
このように,リラクゼーションは「緊張状態からの開放」と「潜在能力の開花」という効果が期待できるのですが,どのようにして行なったらいいか?ということなります。「簡単オフトレ講座」では,次のようにして皆さんにリラクゼーションを疑似体験していただきました。(^I^)
※気持ちをニュートラルにする
@部屋を薄暗くし,音楽をかけ,香りを漂わせる
音楽はα波が出やすい,癒し系のヒーリングミュージックで,香りは爽やかな香りのオイルを漂わせました。気持ちを落ちつける効果と,香りによってホルモンの分泌が促進され,心身をリラックスさせる効果をねらったものです。
A右手を胸に当て心臓の鼓動を感じる
生命の原点ともいえる「心臓の鼓動」を感じることで,身体への思いいとおしさが増し,リラックス感が増幅されます。
B腹式呼吸をする
丹田腹式呼吸(7つ数えながら鼻から吸い,丹田で溜めて5つ数え,さらに10数えながら口から吐く)でさらに身体をリラックスさせます。
C雪の景色を思い浮かべ,うまく滑っている時の様子を思い浮かべる
身体のリラックスに加え,楽しいイメージが重なって,心身が晴ればれとしてきます。(^I^)
D満ち足りた幸福感を感じ,感謝の念を抱くようにする
ここまで来ると,リラックス度も最高域に達し,幸せで満ち足りた気分になります。心身の緊張状態はほとんどありません。
以上の方法で,リラックスすることを,寝る前などに毎日行なうようにします。すると1ヶ月もしない内に@で聞いた音楽を聴いたり,アロマを嗅ぐことでDの満ち足りた幸福感がよみがえるようになります。短時間のうちに「超リラックス状態」に入れるようになるのです。(^I^) @の音楽をご自分の好きな音楽にしたり,自分の好きな香りを選ぶこともOKです。
最近,スポーツシーンで,よく試合の前やレースの前に一流のアスリートがヘッドホンを付けているのを見ますが,これなどは,この方法のリラクゼーションを行なっているのです。
そして,さらに「潜在能力」引き出したい場合には,Dの後で次のことを行います。昨日の「イメージトレーニング」との併合です。
※潜在能力を引き出す
E自分の望むスキーヤーのVTRを見,自分も同じように滑るのだ!という強い願望を持つ。
自分自身の身体や気持ちに話し掛け,必ずそうなる!…と,強く望みます。
F自分が主人公になってその滑りをしているイメージを浮かべる
ただ漠然とイメージするのではなく,具体的に太ももの感じとか足裏の感じとかのフィーリングを思い起こし,身体の各部位が活き活きと動いている様をイメージします。
これも何度も何度も,毎日のように続けます。自己暗示にも似ていますが,イメージとが具体化することで,潜在的な能力が呼び起こされて来ます。
一般的には,「潜在能力」の開発…とまでは行かなくても,自分の心をいつでも落ち着かせることができ,リラックスできるようになるまでにはしたいものです。これができるようになれば,“スキー”の時だけでなく,日常生活に於いてもいろいろな面で心のコントロールをすることが可能になります。(^I^) そのためには,まずリラクゼーションを毎日,短時間でもいいから続けることです。
オフトレ講座に参加された方の中には【TOK】は新興宗教にかぶれた?というような思いを抱かれた方も居られるかもしれませんが,そうではありません。(^I^) (^o^) (^I^) 一見,“スキー”を楽しむこととは無関係に思われるリラクゼーションですが,これができるのとできないのとでは,同じようにスキーをしていても,その充実感が全く違うものになるのです。皆さんも今日からリラクゼーション…始めて見ませんか?(^I^)
June/24/2003 (火曜日) 小雨
今日は夜の仕事が休み……昼から気を緩めて,リラックスを楽しもうと思っていましたが,チョッと天気がイマイチで残念(=_=;)。プールに行って泳ごうかな?
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さて,今日の話題は先日行なった「簡単オフトレ講座」の紹介です。何人かの方から,どういうトレーニング内容だったの?という e-mail を頂きました。今月と来月はこの冬に頂いた e-mail への返事を…と思っていますが,できれば早い時期からオフトレの参考にされたい…ということなので,急遽「簡単オフトレ講座」の骨子をお話ししたいと思います。ご了承下さい…。
今回のオフトレ講座の目的は,June/22/2003の教師日記でも紹介したように,先ず「身体を活性化させること」です。そして徐々に身体の準備ができてから,筋トレなど,負荷を増やして行くということです。もうひとつの柱は,筋トレなどの体力的なトレーニングだけでなく,“感じる”能力や集中力を高める精神的なトレーニングも合わせて行なっていく…ということです。そして,どちらのトレーニングも「苦痛」を通してではなく,「楽しみ」や「新しい発見」を通して行なう,というスタンスを守る…ということです。トレーニングが義務や負担になってしまうと,身体自身が喜びを感じなくなり,活き活きとするどころか,身体を痛めてしまうことになりかねません。
ウォーキングやジョギングでは,足裏で地面を感じながら…,また筋トレでは筋肉に話しかけながら…ということを前々回話しましたので,今日はイメージトレーニングの話しをしようと思います。
普通イメトレというと,ビデオを流して,それを見てイメージを膨らます…ということで終わってしまうのですが,もう少し踏み込んで行なうと,さらに効果が期待できます。
具体的にどうするか?とういうと,先ずスキーヤーのモデルとして自分が「ああいう風な滑りがしたい!」という人のビデオを見ることです。教わる人の滑りにご自分の滑りが似るのと同じで,ビデオの中の好きなモデルの滑り方に近づくのです。
次に,スキーヤーの滑りの全体を見る以外に,身体の細部を絞って見るようにします。例えば,ビデオの中のモデルスキーヤーの「足裏の感覚はどうなっているんだろう?」とか「すねの感覚は?」,「太ももの筋肉の張り具合は?」…という風に見るのです。すると不思議なことに,見ている自分自身の「足裏」や「すね」そして「太もも」に意識が行き,見ているモデルと同じような筋肉の緊張が起こるのです。つまり,モデルが感じている感覚と似た疑似体験ができるのです。「エッ?そんなことが…???」と思われるかもしれませんが,私たちが酸っぱい物を想像すると唾液が出たり,怖い映画を見ると脈拍が上がってしまうことと同じことなのです。イメージしたとおりの筋反応や生体反応が出るのです。ビデオのイメトレでトップデモと似た筋肉の緊張状態が体験できる!ナント素晴らしいことではありませんか!(^I^)
次に,できればスロー再生からスタートし,少しづつ普通の再生速度にしていくことです。このことによって,より筋肉の具体的なフィーリングがわかります。実際のビデオの中のモデルと同じように,身体の注目しているその部分を意識して,動きについていく感覚で動作を真似てみることです。これはスローモーションの方が確実にやりやすいのです。馴れて来たら徐々に普通の滑走スピードでも付いていける様にトレーニングします。
そして,できればご自分の好きな音楽を流したり,アロマを漂わせた中でイメージトレーニングを行うことです。その音楽や匂いと身体の動きのイメージを,連動した形で思い出す効果が期待できるからです。例えば,深雪シーンのビデオのBGMが「A」という音楽だったとします。こいうビデオを何回も見たスキーヤーが,実際に自分が深雪を滑るシチュエーションになった時,その「A」という音楽を口ずさみながら滑るとバッチリ!!!…ということがあるのです。匂いも同じ効果が期待できます。ぜひ試して欲しいトレーニング方法です。
たかがイメトレ,と思ってはいけません。オフシーズンの間に少しでもこのような気持ちで身体のイメージを高めるのと,何にもしないのとでは,各段に差がついてしまいます。それもなんとなく…ではなく,しっかりと目的意識を持って行うと効果があります!ぜひお試し下さい。(^I^)
冬の景色をビデオで見るだけで,心が晴れ晴れしますヨ!!! (^I^) (^o^) (^I^)
June/23/2003 (月) うす曇
この週末は本当にイイ天気に恵まれ,絶好のトレーニング日和でした。「簡単オフトレ講座」ご参加いただいた方々…本当にお疲れ様でした。少しはお役に立ったでしょうか?
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さて,昨日の「オフトレ講座」は,客員講師…○○大学の修士課程で「バイオメカニクス」の勉強をしている“S.S”さんにお願いしました。最近のトレーニング事情などを交えて興味ある講習をしていただきました。今日はその骨子を紹介します。
まず,「トレーニングの5大原則」ということで次のような解説がありました。
1, 全面性の原則
体力は,筋力,筋持久力,柔軟性,スピードなど様々な要素で構成されているので,どれかに偏らずに全面的に向上させる必要がある。結果的に怪我の発生を少なくするなどの効果がある。
2, 意識性の原則
今,行っているトレーニングは何のために行なっているのか?また,そのためにはどう取り組むべきなのか?といった,トレーニングの意義,手段,方法などをはっさり意識することが大切。例えばトレーニングしている部位に集中して行うのと,そうでないのとでは,その効果にも大さな差が生じる。
3, 漸進性の原則
トレーニングの負荷,強度,難度は除々に高めていく必要がある。このときに,特に考えなければならないのは,量と質ということ。例えば椀立て伏せを15回できるようになったからといって,次は30回に増やせばいいというものではない。回数の増加により違った意味を持つトレーニング(筋持久力)へ変化してしまう恐れがあるためです。もし腕の筋肉強化のためだったら,回数を増やすのではなく,足を高い所に持ち上げるとか,背中に重りを乗せるとかの工夫をし,回数は15回のままにしたほうが良い。
4, 反優性の原則
技能やフォームなど条件反射的な要素から成る種目のトレーニングでは,余計な緊張をなくし,スムースにできるようになるまで反復する事が大切。そのため,このようなトレーニングを行う環合,疲労こよる悪影響を感じたり,何らかの影警で,集中力を保てないようなときには行わない方がよい。あくまで,自分の身体をいかに動かしているかを意識できるときに集中して行うほうが効果が期待できる。
5, 個別性の原則
トレーニングは各個人の特徴を優先して考え,行うことが大切。つまり,自分の体力レベルを知るということです。ですから他人との比較で,人には負けない…という競争意識で行なうべきではない。これは,トレーニングメニューを組み立てる時に,最も考慮しなければいけない要素の一つで,これを知らずにトレーニングを開始してしまうことにより,効果が実感できなかったり,オーバートレーニングに陥る危険がある。逆に自分の体力特性を知ることで,他人より劣っている部位や,優れている部位を知ることができ,より効栗的なトレーニングを行うことができる。
以上の5大原則のほかに,「持異性の原則」があり,スポーツ種目によって特有のスキルや体力持性がある。そのため,トレーニング効果をそのスポーツ種目と結び付けるために,そのスポーツ種目で用いられる独特な筋肉の部位や,体力持性に合ったトレーニングを行う必要がある。全面性の原則も考慮に入れながら適度な特異性の原則に沿ったトレーニングも行なうべきである。
…ということでした。特に意識をしながら行なわないと,せっかくのトレーニング効果が薄い…との指摘は大切なことだと思いました。
この他,「ホ−ルド・アンド・ストレッチ」という,筋と腱の関係をうまく利用したストレッチ方法…アイソメトリック的な要素を利用したストレッチも紹介してもらいました。これは単にストレッチという範疇を超えて,筋肉トレーニングにもなるのでないか?という気がしました。
腹筋強化では,呼吸法を利用しながら行なう「ダイレクト刺激」によるトレーニング方法を紹介してくれました。息を極限まで吐き切りながら頭をヒザにつけるように…するものですが,これも効きました。短時間に筋に強い刺激を与えることができ,時間的にも短時間でできる良い方法だと思いました。腹筋だけに限らず他の筋トレにも有効ではないかと思いますので,研究してみたいと思います。(^I^)
また,「トップアスリートから学ぶ,初心者でもできるトレーニング」ということで,全日本のスケートチームが取り入れているという,相撲の「四股」や,スキーの皆川賢太郎選手がやっているという「ステツフ動作」も紹介してもらいました。この内,「四股」はスローモーションで行なう四股なのですが,筋トレをはじめとして,バランス感覚の練習にも,有酸素運動としても有効なもので,私もこれからのトレーニングに取り入れようと思いました。
二日間,厳密には一日半の短い間でしたが,最も基本的なトレーニングということで,みなさんにいろいろ試していただきました。これでは負荷が足りない…という方も居られたかもしれませんが,継続して気軽に楽しみながら行なうトレーニングを,日常化することが大事です。そして,基本的なことができるようになり,体力も少しづつ付いてくればさらに負荷を増すことも可能です。焦らずに頑張りましょうネ!(^I^)
先ずは10分でもいいから毎日身体を動かし,筋肉に刺激を与えることから始めたいものです。時間が無い…というのは,自分に対する言い訳かもしれませんネ!?(^I^) ひとたび,身体を動かすことや汗をかくことの快感を知ると,止められなくなります!。そして,張りのあるBodyが少しづつ作られて来るのが感じられ,自分の身体の素晴らしさにも気付きます!(^I^)
また,リラクゼーションやイメージトレーニングの必要性についてもお話させていただきました。このことの詳しいことは明日以降の教師日記で紹介したいと思います。参加いただいた方は,もう一度反復して思い出していただければ嬉しいです。(^I^) 皆さんもお楽しみに!(^I^)
幸い天気には恵まれ気持ちよくトレーニングができました。遠い所お越し頂き本当にありがとうございました。お疲れ様でした!(^I^)
「チューブトレーニングの方法…具体的にどうやるの?」というご質問も頂いておりますので,これも「教師日記」か「スキーQ&A」で,おいおい紹介させていただきます。乞うご期待!(^I^)
June/22/2003 (日) 晴れ 夏至
今日の夏至の日,白馬は7時半現在,今のところ薄日が射しています。朝早くは霧が一面掛かっていましたから,その影響かもしれません。今日半日,天気は持ちそうです。「簡単オフトレ講座」…天気に恵まれて本当に良かったです!(^I^)
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さて,今日は昨日,今日行なわれている「簡単オフトレ講座」について…
どうシーズンオフを過ごしたら,冬イイ状態でシーズンインを向かえられるか?ということで,オフトレの企画を致しました。10数名の方から参加希望のご連絡があり,昨日,今日とその企画を遂行中です。数名の方が急遽お仕事の関係で来れなくなり残念ですが,10名の参加者で気持ち良い汗をかいています。
オフシーズンの過ごし方の基本は,身体をすこし動かし,筋肉に適当な刺激を与えて持久力や瞬発力の衰えを防ぐ。もし可能なら少し負荷を増やし,さらなる身体つくりをする…というのが1/3。また,ビデオや写真を見て,イメージトレーニングを行なうことが1/3。残りの1/3は,リラクゼーションを通して,精神的な訓練,集中力や良い自己暗示のかけ方を訓練する…ということだと考えています。
普通に「オフトレ」と言うと,身体つくりがメインで,走ったりウエイトトレーニングをしたりして,ある意味で身体をいじめ,苦難に耐えて,持久力や瞬発力をつけることだけのように思いがちですが,むしろ私は筋パワーを付けることよりも,先ず身体を活性化させることのほうが大事だと思っています。自分の肉体の素晴らしさを,身体の筋肉全体にある種の刺激を与えることで感じ取り,活き活きさせるのです。そのためには負荷をそんなに掛けず,先ず日常生活の中で意識を身体のどこかに集中させ,そこから感じる刺激を味わう…ということから始めたいと思います。
簡単にできるウォーキングでも,たんに「歩く」ということだけでなく,足裏のどこでどう地面を感じ,その情報がどのように伝わってくるのか?というようなことを味わいながら行なうのです。歩幅もいつも同じくするのではなく,大またにしたり,小またにしたりしながら,その時々で身体の各部位の感覚がどう違うんだろう?という風に,身体で感じる感じ方の違いを楽しむようにするのです。ジョギングでも同じです。身体で感じながら,特に足裏で,アスファルトの硬さや道路にある傷を感じ取ったり,芝や草,土の硬さや柔らかさを足裏センサーで感じ取るようにするのです。
今回はチューブを使った筋肉トレーニングを皆さんに紹介しています。自転車のチューブのことです。価格も安いし,持ち運びも便利で,いろいろな場面で少しの時間を割けば,簡単に行うことができます。椅子に座ったままでも,エキスパンダーのように両手でチューブの端を持って左右に引き伸ばせば,上腕筋に刺激を与えることができます。この刺激の繰り返しが筋肉の再生に役立つのです。チューブの一方を柱や椅子に固定すれば,その他方に足を掛けるなどして,前後左右にチューブを伸ばすようにすることで,下肢の筋肉を鍛えることもできます。この時大事なことは,刺激を与えている筋肉に意識を集中させることです。緊張している筋肉に,「オーッ,よく縮まってるネェー!良し良し!」…という風に話しかけるように行うことで,自分の身体もまんざら捨てたものではない…という風に思えてきます。自分の身体をいとおしむようにすることが大事だと思います。先ずこういう,簡単な刺激から始め,馴れて来たら少しづつ負荷や時間を増やしていくことです。
昨日は,一気にトレーニング!トレーニング!…というのではなく,「身体を活性化させる!」ことから始めよう…ということを,皆さんにお話ししたのでした。(^I^)
イメトレ,リラクゼーションについてはまた明日…。
これから二日目の予定が始まります。では行って来まァーす!(^I^)
June/21/2003 (土) 晴れ
台風から変わった低気圧も日本海を北上し,イイ天気です。(^I^) 気温は8時現在20℃でしのぎやすいです。
今日,明日の二日間,「簡単オフトレ講座」を開講します。シーズンオフにどのように身体を良い状態に保ち,シーズンインに備えるか?…がテーマです。楽しみです!(^I^)
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さて,今日は“Y.K”さんから頂いた E-mail を紹介させていただきます。
『 こんにちわ、先週もメールさせていたたいたY.Kです。先週に引き続き この週末も TOK先生流の練習を実践してみました。先週は”内足の圧を軽くする事で外足に乗る”だけで劇的なイメージの変化を体験しました(ターンがとてもスムーズになりました^^)。今週は 引く引くターンに挑戦しました。言葉では理解していたつもりでしたが実際やってみて外足を”引く”ということが 次のターンが開始することになるという事を 身をもって体験し、理解できました!。ターンの始動が以前より早くなったのかとても動作に余裕がでてきました。また、思ったよりスピードが出てしまい面喰らってしまう事も。。。”体の後ろから板がまわってくる”とまではいきませんが自分の中では大躍進です。(体の左右や前を板がちょろちょろ回る感じです)
もうひとつの課題”躍動感のある滑り”についてビデオを使って現状を理解しました。”もうこれ以上は曲げられない”と思うくらいの屈伸運動をして滑ったものをビデオに撮ってもらい、後で見てびっくりしました。自分では 周りの人にヘンと思われる程、屈伸しているつもりだったのに実際は ゲレンデに普通にいるレベルだったのです。自分の稼動範囲がいかに小さいかよくわかりました。今までビデオといえば 上手に滑ろうとしたところを撮ってもらう事はあっても、こんな使い方をした事はありませんでした ^^;
ここで考えてしまうのが Do と Let の違いです。私の中では Do = 働きかける = 屈伸 と理解してしまっているところがあり(たぶん本当は違うのでしょうが)、この次へ進めなくなってしまいました。(以前は外足をつっぱる事で圧をかけていたように思います)。Do は上体が外足の上(板に乗り込んでゆく)、Let
は上体が左右の中心(内足の圧をゆるめる)と解釈したらよいのでしょうか??? そして,屈伸の伸びの方向が今は上に抜けてしまいがちです。もう少しななめ前方にした方がよいと思うのですが、それを意識するのによいイメージや練習方法は ありますか?
本来、自分でいろいろ滑って よい位置を覚え込むのがいいのでしょうが、上達は雪質のよい2月がカギだと思っています。(もう半月しかない!) TOK先生のマジックがありましたら おねがいします。
TOK先生のホームページのお陰で私の中で大改革が始まりました。次はどんなことを練習しようと 楽しみでなりません。今度の週末は久々の八方尾根なので 余計にたのしみです!… 』
“Y.K”さん, E-mail ありがとうございました。レッスンをご一緒させて頂いておりませんが,このホームページを見て,実際の雪上で試されているとのこと…。役に立っているのであれば本当に嬉しいです!(^I^)
さて,「思ったより スピードが出てしまい面喰らってしまう事も。。」ということですが,「引く引くターン」では,引いた後はしっかり探りを入れて,反対側の圧をしっかり感じ取れるようにしないとスピードが出過ぎますから危険です。(^I^)
ビデオに撮った自分の滑り…周りの人にヘンと思われる程、屈伸しているつもりだったのに実際はゲレンデに普通にいるレベルだった…。良くあることですネ!(^I^) 自分では本当に信じられないくらい小さい姿勢で滑っているつもりでも,傍から見ると普通…ナンテことは良くあります。人間の感覚では大きな差があるのに動作はそんなに大きくない。つまり,ほんのわずかな動作の違いでも感覚の違いはもの凄く大きい!ということです。ですから,同じようなフォームや動きで滑っていても,スキーヤーの内心の感覚はもの凄く異なっていることが多いということです。動作や姿勢を真似るよりも,内心のイメージや感覚を大事にすることの意味が解りますネ!(^I^)
DoとLetですが,正確には【Letスキー】は「受ける」です。圧を雪から身体に感じ取る意識です。一方【Doスキー】は圧を雪面に加える意識です。ですからターンに必要な圧が「むこう向きか?」,「手前向きか?」の違い…とも言えます。脚が伸びるというのは,“探り”を入れるから伸びるのであって,雪面を押すためでは無い…という風に考えたら良いと思います。脚が屈折したり伸びたりするのは,“重心”を中心として「圧のコントロールを調整するため」…ということです。身体が上に伸びてしまうのは,圧を雪面に加えてしまうか,もしくは圧を緩めてしまうからです。角付けの切り替え時でも,上体や重心は出来るだけ動かさないようにして,バトンタッチ要領でエネルギーを伝達する事です。両足同時の抜重や加圧も必要な時がありますが,自分で加えた圧か?雪から貰った圧か?の区別がつくようになるといいですネ!圧のコントロール…これにイチバン効くのは“オレンジ”を足裏に意識し,そのつぶれ具合をイメージすることです。(^I^)
「スキーの上達は雪質のよい2月がカギだと…」ということですが,私は3月以降のザクザク雪の方が良い位置,良いポジションを学ぶのに,また合理的なスキーを学ぶのに適していると思います。いい雪の時は多少のごまかしがあってもナントカ滑れますが,悪雪ではそうは行きません。(^I^) そして何よりも楽しいのは「いろんな性格の雪たち」とめぐり合えることです。(^o^)
上達の「マジック」ですか?ウーmm,「雪と仲良くなる,「身体全体で雪とのスキンシップを楽しむ」…ということかな?
June/20/2003 (金) くもり
今朝は,チョッとめまぐるしく天候が変化しています。朝陽が射したかと思うと,今は曇りで,時々青空が見えたり…。台風から変わった低気圧がウロチョロしてるんでしょうか?(^o^) でも,今日午後から晴れて,明日は晴れの天気だそうです。「簡単オフトレ講座」,晴天に恵まれそうで,良かったです! (^I^)
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さて,今日は“F”さんから頂いた E-mail を紹介させていただきます。検定に関する E-mail です。
『 TOKさん、はじめましてFと申します。昨日2級を受験したものです。その際(その前日に)はじめてTOKさんをお見受けしました。土曜日の白樺で、スクリュードライバー講習を失礼ながらまじかに見て感動してた者ですが検定について質問です。
恥ずかしながら今回で(昨年から)数回受験しましたが、毎回午前中の先生(検定員)の求める運動が違う表現なんですが何とかならないんでしょうか・・・今回は午後も厳しい主任検定員と周りの皆さんが言っておりましたが、検定員と前走者の態度ががすこし怠慢と言いますか受験者に不快を感じさせたような気がしました。(主任検定員を見てみんなが「あ!最悪!」って言わせるのはやっぱり運が悪いとあきらめる状況なんでしょうか?)文句無しで滑れれば問題ないのですが・・・滑り出して2ターンまでに点数を出してしまうのは・・・そういう場面がほとんどでしたよ!検定員ヨガリし過ぎでは?!失礼な発言申し訳ありません。受験者の一部の声を言わずにはいれなかったのでメールいたしました。失礼致します。ますますのご活躍を期待しております。…
』
検定員の態度について,お言葉のようなことが事実であったとすれば,全く仰るとおり怠慢!です。“F”さんだけでなく,周りの方もそう思われたようですので,間違い無いことだと思います。申し訳ありませんでした。(=_=;) 今後そのようなことが無い様,検定員全員に申し伝えましたのでお許し下さい。
検定の都度,検定員の表現が異なる…このことについては,新しい検定制度ができてから,私たち検定員も最も危惧していることです。新しい,と言ってももう4シーズン以上になりますが,「実践種目講習テスト」という検定方式が採用されてから,こういうことが多くなりました。どうしてか?というと,一人の検定員が3種目の検定を,レッスン方式で行なって,その結果をスキーヤーの能力としてどの程度のレベルなのか?という視点で評価しなさい…ということになったからです。いろいろな課題をお与えして,それがどの程度クリアできるか?。また,もしワンポイントアドバイスで矯正されたとしたら,どの程度のレベルまで引き上げられたか?。それが5級を50ポイント,クラウンを80ポイントとしたら,その中のどのレベルなのか?ということを判定しなさい…ということなのです。ですから,検定員は受験生の能力を試すためにいろいろな課題を指示します。実はこの課題の指示が各検定員によって異なるのが問題なのです。いろいろな考え方がありますが,スキー技術は何が正しくて何が正しくない…ということはひとことでは言えないと思います。また,検定員によってはその技術解説のとき,その人なりの表現方法を使って解説したり説明したりします。これは検定する側の人間がそれぞれ違うのですから,同じことを解説するにしてもその人柄の差が出てしまう…ということです。もし3人の検定員が評価するシステムならば,一人だけの観点で無い,ある程度公平性のある技術評価ができると思うのですが…。一人で判定するシステムでは,残念ながらやむを得ないことだと思います。
午後の,規定種目での態度は,許せません!いかなる理由があるにしても,滑り出して2ターンまでに点数を出してしまう…などということがあっていい筈がありません。“F”さんから貴重なご意見の E-mail を頂きましたので,当日検定を行なった検定員を特定し,そういう事実があったかどうか尋ねました。大筋で“F”さんのお話しの通りでしたので,厳重注意させていただきました。ご忠告本当にありがとうございました。その後の検定では,お話しのような検定は無かったと思っております。これも“F”さんからのありがたいご忠告のおかげです。本当にありがとうございました。
受験される方々の真摯な姿勢を拝見すると,このようなことがあっていい訳がありません。私たち検定員ももう一度原点に返って,「検定」とは何なのか?ということを見直したいと思います。そして,SAJの検定システムのあり方,評価の仕方についても改善をお願いしたいと思います。
June/19/2003 (木) くもり
今朝は,チョッと雲が重く,暗めの白馬です。でも,白馬乗鞍の山稜は見えています。今日は晴れ間が拝めるでしょうか?台風が来ているようなので無理かな? でも,この台風20日には列島の中央を通り過ぎるとのことなので,そのあくる日から予定している「簡単オフトレ講座」,台風一過で晴天に恵まれるかも!(^I^) だといいですネ! (^I^)
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さて,今日は“M.F”さんから頂いた E-mail を紹介させていただきます。
『 …【TOK】様、初めてメールいたします。昨年末に初めてHPを拝見し、Letスキーに感銘を受けた一人です。おかげさまで今まで何回も受験し、合格できなかった1級に合格することが出来ました。
HPを拝見して気づいたことがあり、どうしてもお伝えしたくメールいたしました。私は現在カウンセリングの勉強をしております。カウンセリングといっても疾病の人が対象ではなく問題を抱えている健常者がより健全に生活できるように自己決定への援助をおこなうものです。特に私の場合は産業界で働く人々を対象にしております。そこで「感じた」ことは(カウンセリングでは「思う・分かる」など頭で考えるのではなく、心で感じるので「感じる」という表現を大切にします)カウンセリングとスキーは共通した部分が多いということです。カウンセリングでは言語・非言語を通してコミュニケーションを行なうのですが、スキーも雪とのコミュニケーションを行なっているような気がします。いかに雪と仲良くなるかそのために手・・・ではなく足探りが必要だと感じました。カウンセリングもいかに相談者の気持ちに寄り添えるか、相談者の気持ちがどのようなものか手探りが続きます。もちろんカウンセリングもスキーもいろいろな感覚が大切です。雪と仲良くなると滑走時シュルシュルシュルと音がします。逆に雪と喧嘩していると(過度なDOスキーの時に多いです)ガガガーと音がします。シュルシュルシュルという音が聞こえると話しかけられているみたいでとても気持ちがいいですね。(このすべりが良いかどうか分かりませんが)。カウンセリングも相談者の気持ちがお互いで分かち合えるととても気持ちがいいです。(相談内容は悩みが多いので内容自体はつらいことが多いですが)。しかし、カウンセリングでも「指導してあげる」「アドバイスする」など上下関係になると強い弱い関係になりがちでカウンセリングが出来なくなってしまいます。対等な立場で共有することが大切です。スキーもカウンセリングも強い立場での力ずくの行為はいいことがないようです。体調の関係でスキーで雪と仲良くなれない日もありますが、カウンセリングも相談者の話をうまく「聴く」ことが出来ない日もあります。このことは今後の課題です。一見関係なさそうですが、こんなにかかわりが多いなんてびっくりです。趣味でスキーをしていましたが、人生に無駄はないですね。感性が豊になったからでしょうか、カウンセリングの勉強によって「産業カウンセラー」の試験に合格しました。今年は良いことが多いです。
それと【TOK】さんの日記を拝見し、大変感受性が豊かなのに驚きます。生徒さん一人一人の「良さ」を見極めて指導されていらっしゃいます。悪いところではなく、良いところを伸ばすのは基本ですよね。また、悪いところを修正するのは良いところを伸ばすよりかなり手間がかかるようです。過日の高校の合宿ではスキー技術だけでなく集団生活・自然との接し方などいろいろなねらいがあり、成長していく過程をじつに明確に感じられていらっしゃいました。それにしても短期であれほど成長するなんて人の成長力には驚かされます。私も自然を愛しているのですが、スキーは自然を壊しているのではないかと思いスキーをしながら自然を保護できるのか疑問を感じています。私はスキー場でのごみは持ち帰る、アイドリングを減らす、帰るときには山に感謝して帰るぐらいしか実践していません。【TOK】さんは自然にたいしても感性豊な思いが伝わってきますので、スキーと自然とのかかわりについていろいろ教えていただければと思っております。HPで自然へのコーナーがあってもいいような気がします。
長々とメールしまして失礼いたしました。技術だけでなく、感性豊かな日記は大変参考になります。私も感性を磨くべくこれからも自己研鑽に励んでいきたいと思っています。最後にますますのご活躍をお祈り申し上げます。…』
“M.F”さん,1級合格おめでとうございます!(^I^) 私のこの日記が本当にお役に立っての合格かどうかはわかりませんが,少しでもご参考にしていただけたのであれば嬉しい限りです。(^I^) 本当におめでとうございます!。
そうですか?カウンセリング…私はずぶの素人ですが,そのご相談の時も相手の方とのコミュニケーションが必要で,その時には「心で感じる」ということが大事だということ…興味が在ります。私の専門分野の“スキー”でも,感受性や感性が大きな意味を持っているとかねがね思っております。スキーでは「雪を探る」という意識を通しての“感じる”なのですが,同じように見えても雪からの情報は千差万別です。この違いをいかにスキー板から足裏,脚を通じて感じ取れるか?ということにスキーの楽しさの究極があるように思います。全く仰るとおりで,シュルシュルシュルとガガガー…全く違う感覚ですよネ!?。カービングでのキュゥイィーンという切れの感覚もいいですが,シュルル…という横滑り的な感覚もまた素敵な快感です。これこそ「雪との会話」そのものだと思います。力づくでなく,相手の資質や特徴を考えた上で,そのものと一体となる,マッチングするという感覚ですネ!。カウンセリングでも,ある問題について相手の方とその問題の本質を共有するところから始まる…ということなのでしょうか?「産業カウンセラー」も合格された,とのこと,こちらも本当におめでとうございます!(^I^) 今度,何かに行き詰ったら,私もカウンセリングお願いします。(^I^)
過日の高校の合宿…というのは「K大付属高校」の諸君のレッスンのことだと思いますが,私も毎年ビックリ!の連続です!年齢的には親子以上の差があるのですが,気持ちは良く伝わります。テクニックをお教えしようというのではなく,“スキー”の裏側にあるもの,表面には直接見えないモノをスキーという道具を通して,どう味わうか?ということをテーマにするようにしています。すると,姿勢やフォームの真似ごとでは無い,本質的な雪の大自然との付き合い方が分かってもらえるような気がします。5日間と6日間,という長丁場のレッスンだからできることでもありますが…。毎日毎日変わっていく彼等の滑りや,気持ちの高ぶりを見ていると,私の方が嬉しくなって来ます。若い時にこのような感性を磨くことは,キット彼等の人生にとって,大きな財産になることだと信じています。
自然環境の保全については,一人一人ができるだけの努力をして欲しいと思っています。これも私のわがまま…スキーをこれからも楽しみ続けていくには,自然破壊による地球環境の悪化を食い止めなくては…という思いからです。人にはそれぞれ価値観の違いがありますので,一概には言えませんが,少なくとも今の状況の地球環境を子々孫々に受け継いで行くことは必要だと思います。HPでの自然へのコーナー,ですが,機会を見て私ができる範囲でやってみようとも思っています。もしそのようなページができましたら,ぜひ応援や書き込みの方よろしくお願い致しますネ!(^I^)
“スキー”は人間の感性を豊かにしてくれる…本当にそうだナァー! と思っている【TOK】です。(^I^)
June/18/2003 (水) くもり
今朝は,朝早くカーテン越しに少し陽が射していました。(^I^) 白馬三山の山肌が所々見えています。
昨日の休日…のんびり過ごしました!。今日からまた張り切って!! (^I^)
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さて,今日は“K.S”さんから頂いた E-mail を紹介させていただきます。
『 … レッスンを受けましたK.Sです。まだ、シーズンが終わって1か月しか経ってないのに、なんか雪が恋しくなって、TOK先生にメールしてしまいました。
SGの6月号を本屋で立ち読みしていたら、1ページ目からの技術戦の特集で、柏木選手本人のコメントが掲載されていました。 TOK先生もお読みになったかもしれませんが、柏木選手の滑りが変わったポイントは、本人の意識として、これまでの外足onlyの滑りからターンの切り替えで内足を利用するようになったことと、これまでのように自分からアクションを起こすのではなく、スキーが動くように仕掛けていく滑りに変えたこと・・・。まさしく、TOK先生のキャスターターンに近い感覚ですよね。私は、柏木デモの大ファンで、次に宮下デモが好きなんですが、今年の柏木デモの滑りはまさしく昨年の宮下デモの滑りでしたよね。
ところで、最近、TOK先生のレッスンを受けてから、自分の自動車の運転までが変わったことに気付きました。これまでは、スキーで言えば、角付け中心のレールターンのようにコーナーリングの快感を求めてどこか気負って運転していたのが、TOK先生のレッスンを受けてから、気持ちが穏やかになり、路面状況や道路形状に適応したゆったりとしたドライブが楽しめるように、気持ちにゆとりがでてきたんです。発進時も無理なく、車間距離もとるようになり、割り込みをされても腹が立たなくなりました。
運転だけでなく、普段の生活もどこか、気持ちに余裕をもてる様になった感じがして、あらためてスキーが自分の生活にまで大きな影響を与えていることを実感しました。…』
柏木選手…ホントですネ!(^I^) 彼の今年の滑りは昨年の滑りとガラッと違って居ましたネ!滑らかで合理的だと思いました。あれなら多くのスキーヤーが真似しても,そのエッセンスを理解できると思います。自分からアクションを起こしてターンをする意識と,雪の力を利用してその力でターンする意識に明確な違いがありますが,その両者をどう意識し,どうミックスして使うか?ということになるのだと思います。見ていて美しい滑りには,それなりの合理性があるのですネ!(^I^)
車の運転が変わった…私も同じ感じがするときがあります。そのことは2001年4月の教師日記に書いてありますが,運転の時のロードグリップと,スキーの雪面グリップの感覚が同じように感じることがあるのです。実際には足や身体が地面に接してはいないのですが,あたかもタイヤが自分の身体の一部になっていて,そこで地面を感じ取りながら道の上を進んでいる感覚になるのです。急発進や急ブレーキをした時は,どことなくシックリしないコンタクト感が伝わって来て,気分悪く感じます。一方適度なグリップを感じながら運転していると,心地良いコンタクト感があって運転全体がスムーズで,心地良いのです。不思議ですよネェー?!。タイヤのグリップを身体で感じることは,実際にはあり得ないことなのですが,そのようなイメージが沸き,それが運転の仕方にまで影響を与える。みなさんも,ぜひスキーをしている感覚で運転をしてみて下さい。キット,スキーの恰好なイメージトレーニングになり,そして安全運転にもつながると思います。(^I^) モチロン,迷惑スキー厳禁!ですゾ!。
こういうお便りを頂くと,ホント!うれしいですネェー!(^I^) “スキー”がスキーだけにとどまらず,生活全般にいい影響を与えるというか,生活そのものを豊かにしてくれる…。そのくらい精神的な高まりをもたらせるのも,第一に“K.S”さんの豊かな感受性があるからだと思います。(^I^)
話しはかわりますが,最近ある方から,昨年カナダのウイスラーに行った時の写真を E-mail 添付で頂きました。一度だけ私もウイスラーに行ったことがあるので懐かしく拝見しましたが,オフシーズンにあのような美しい写真を拝見すると,思わず心が晴れ晴れとします。(^I^) Print Out
して時々拝見していますが,気分が少しふさぎ気味の時など,すぐに晴れ晴れした気持ちになります。皆さんもぜひ,思い出のスキー写真…どこかに貼られてはいかがでしょう?“K.S”さんが仰るとおり,普段の生活も気持ちに余裕を持て,あらためてスキーが自分の生活に大きな影響を与えていることを実感できると思いますヨ!(^I^)
“スキー”で感じた心の余裕…“K.S”さんのように,ぜひ日常生活でも応用できたらいいですネ! 皆さんの中で,私は“スキー”で感じたことを,こんな風に日常生活で活かしている,こういう風に使うと面白い…というようなことがありましたらぜひご紹介下さい! お待ちしています!(^I^)
June/17/2003 (火) 小雨
今朝は,いかにも梅雨らしい…という感じの雨がシトシトと降っています。天気予報によると台風6号が日本に迫っていて,それに刺激された梅雨前線がすっぽりと列島を覆っている感じです。金曜日当たりまで,数日は雨が続くようです。
*****
さて,今日は“K.I”さんから頂いた E-mail を紹介させていただきます。
『 …二日間の講習及び二日目の夜もお世話になり有難うございました。昨日は快晴で最高のコンデションの中講習内容を復習しながら気持ちよく滑ってきました。帰りに皆で安曇野で蕎麦を食べて帰りました。ちょうど我々の前で蕎麦が無くなり、これから蕎麦を打つと言うので最初から打ちあがるまで見学をすることができました。最初弟子が練りまでをやり、2,3分ねかした後主人が出てきて、のしから切るまでをやりました。流れるような手順で見た目もきれいで手際よい作業で、あっと言うまに出来上がりました。全作業約20分位でした。蕎麦も美味しく、技術の確かさが味につながっているな!と感じました。主人の作業の中で、のし棒、包丁、等の置き方、刷けの使い方等々・・その主人の個性(クセ)思われる動作が現れていました。先の弟子の練りの作業を思い出すと、そのなかにも主人の個性と思われるしぐさが有った事に気が付きました。多分この主人は自分の個性も技術の一つだ!と弟子に教えているのか?また弟子がそれも技術だと思って見習っているのか?非常に興味深く見ることが出来ました。
さて、今回二つのテ−マで講習をしていただきましたが、この技術をどのように生かして自分の味を出すか?なかなか奥が深そうです!見た目、フィ-リング、感受性、順応性、運動能力、等々、個人差があり、一つの言葉が種々違った結果で現れているなーと思いました。また、間違って理解して受け入れてしまった場合、そこから抜け出すには倍の時間がかかってしまうなとも思いました。一度、水の量を間違えて正しいと信じて蕎麦を打っても他の技術ではカバー出来ないだろ-な・・なんて思いながら、一つ一つの基本技術の大切さを思いながら帰ってきました。…』
“K.I”さん, E-mail ありがとうございます。安曇野の蕎麦…美味しいですよネ!スキーの行き帰りのこのような「食」も楽しみの一つですネ!(^I^) 美味しいそばを打ってくれる人の作業は,本当に手際が良く,見ていて無駄が在りません。ひとつの技術,仕草はそれぞれ「合理性」に裏打ちされた形で集約されて来るものだと思います。これが名人…ということなのでしょう。そして,そば打ちもスキーも,その意味で共通した技術の形があるのですが,“K.I”さんが仰るとおり,その中にはしっかり「基本」で裏打ちされたモノが生きている,と思います。基本を守っているからこそ,その上の応用が活きて来る…そう思います。
でも,そば打ちの名人も,一夜にして名人にはなり得なかったのではないでしょうか?そば打ちで水の量を間違える…というな失敗の経験を積み重ねることで,いろいろなことを学び,勉強を重ねて来たからこそ今日があるのだと思います。失敗を失敗として気付き受け入れてこそ,次なる飛躍があるのではないでしょうか?わたしはどちらかというと「経験主義者」なものですから,失敗の経験が大事だと思っています。“K.I”さんが仰るように,もし間違って理解して受け入れてしまった場合でも,そのミスに気付き,その経験を生かせれば,スンナリ理解できた人より二倍三倍の得をした…という見方もできます。要は,ミスをミスとして気づくことができる柔軟な姿勢,素直な感受性があるかどうか?が大切なのだと思います。私も時々「思い込み」で失敗をしますが,そんな時は「もう少し自分の頭を真っ白にして置けばよかったナァー…」と思います。Miss
understood の原因の多くは,それまでの自分の体験を通して培った,自分なりの経験を基にしているからだと思います。自分の頭を「白」でなく「赤」や「黄色」にしていて,その上に他人からのアドバイスを重ね合わせてしまうと,結果は違ったものになってしまいます。言葉を変えて言えば「白」であるということは,「基本」をベースとしている…ということなのだと思います。このベースの材料にアドバイスという塩やスパイス,水を加えて練り上げることで,その人なりの個性あるそばが打てたり,スキーが可能になったりするのだと思います。スキー技術の修得でも,基本をベースとした柔軟な姿勢で臨めば,もし間違った理解をしてしまった場合でも,違和感を感じますから,間違いに気づくことは容易です。むしろ,こういう失敗は数多い方が良いのです。自分なりの味や個性というのは,そういった「基本」の上に個々のフィ-リング,感受性,順応性,運動能力…が加味されてマッチングした形で作られたものなのだと思います。
蕎麦屋さんにもいろいろあり,自分が美味しいと感じるそばもあれば,そうでないのも…あります。でも,この「基本に裏打ちされた多様さ」がいいのだと思います。ひとつの味や舌触りだけがイイ!という評価では,Only one のものしか世の中で認められないのですが,いろいろあって,それぞれに味がある…だから楽しい,と思います。“スキー”にもそういう意味では,いろいろな滑り方や楽しみ方があり,ある形のものだけしか評価されない…というのでは寂し過ぎると思います。
“K.I”さんが「そば打ち」から感じられたいろいろなこと…その感受性の深さにも感心しました。私たちの身の回りのいろいろなもの,チョッとした身近なもの…それらからナニかを感じられると,毎日の生活が楽しいですネ!(^I^) 心のアンテナを一杯伸ばして,今日も感受性豊かな一日を!(^I^)
June/16/2003 (月) 曇り
今,少し雲間から陽が射してきました。(^I^) 平地の近いところにも雲がポッカリポッカリ浮いていますが,これも標高7,800メートルの高さだからなのでしょうか?凄く近い,手の届くところに,雲が浮いています。(^I^)
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さて,今日は“M.A”さんから頂いた E-mail の紹介です。テーマは「恐怖心との付き合い方」…かな?
『 …【TOK】先生はじめまして、“M.A”申します。いつもホームページを楽しく拝見させていただいております。また、スクールの方でも6年位前からお世話になっており八方に行くのをいつも楽しみにしている者です。今シーズンも年末一週間と正月3.4日と八方でした。技術はさることながら、早くも十分楽しめたと思っています。
ところで、あつかましくもご相談があります。こけるのが怖い、と思うことがあります。こんな私にスキーをする良い方法はあるでしょうか?4年前のことですが、スキーで後ろからぶつかってこられたため、もう少しで脊髄損傷になりそうでした。一時的に手足の感覚がなくなり、全く動きませんでした。幸い圧迫だけにとどまり、徐々に回復し、少しの後遺症のため脊髄間拡大術(頚椎7本右側切開術)をしています。おかげで今は、後遺症はほとんどありません。あるのは、私の心の中のこととして・・・手術直後のシーズンから滑ってはいるものの、こける度に「どうしよう・・・首大丈夫かな」という思いが沸いてきてその後の滑りが一変します。それと前転、後転や格闘技、バンジ−ジャンプはあまりしない方が良いと病院の先生に言われています。人よりは首の骨が弱いということとあまり回旋できないのです。しかし、私の首の骨が折れる時は、普通の人も同じだそうです。スポーツをするためにこの手術に踏み切ったのにどうしたものかと、こける度にストレスを感じてしまいます。斜面が怖くないところでも、思いっきり滑っていけないところにストレスを感じるのです。それが恐怖心かもしれませんが・・・。思い切り滑ってみたいです。
3.4日は八方を3回目という友人を案内しながら滑っていました。北尾根コース以外は全部滑ることができ、とても嬉しかったです。いつも同じところを練習しながら滑っている私でしたが、別の楽しみ方ができたと喜んでいます。ところが夕方下山のリーゼンでこけて以来、「首の骨、大丈夫だったかな?」「今度帰ったら一度病院に行こうかな?」「定期検診はもう行かなくて良くなったので一度診ていただこうかな・・・」とまあ、こんなことを思いながら滑ってしまうのです。
レッスンでは、いつも安全な滑りをご指導いただいています。だから安心して、また楽しく滑ることができるのですが友人と来た時は、人のペースにあおられて自分を見失っているのだなと反省しています。自分で回答を出しながら、色々迷いつつ長々とメールを書きました。
こけるのを怖がっていては滑れない・・・・と思っていた私にはどうしようもなく自分が情けないです。この1月には40才になります。そんな年齢的なことも合わせて何か良いアドバイスをいただければ嬉しく思います。宜しくお願いします。…』
“M.A”さん,こんにちは!追突されて怪我…大変でしたね…(=_=;) でもスキーは楽しいので,こころおきなく滑りって欲しいと心から思います。(^I^)
さて,私の個人的な意見ですが,先ず「怖い」と思うコースは行かないことだと思います。それから,「チャレンジ」が必ずしも良いことだとは思わないことです。つまり,もう少しうまくなってあの人に追いつきたい,とかできないことをできるようになりたい!という欲望をあんまり持たないことだと思います。モチロン,恐怖心が無くガンガン滑れる状態にある人にはあてはまりませんが,“M.A”さんのような,失礼ですがある意味で「とらうま」を背負っている人は,そういう人なりの滑り方,楽しみ方がある…という感覚で滑ることだと思います。心理学の専門家ではないので,詳しいことは申せませんが,「心の満足」をどう感じるか?という点で,“M.A”さんなりの楽しみのスタイルを作られてはいかがでしょうか?
かく言うわたしもそろそろ還暦を迎えます。(^I^) 昔のようにコブ斜面をガンガン滑ったり,急斜面をガンガン飛ばすことは,しなくなりました。…というより,自分でコブを滑っていて「楽しい!」と感じたり,コントロールできないようなスピードを出すことが「楽しい!」と感じる事が少なくなったのです。もしチャレンジしても,昔の感覚では滑れませんので,快感よりもむしろ,うまく滑れなかった,自分の意思どおり滑れなかった…というフラストレーションの方が多く溜まるのです。こういう時は,そのような斜面に行かないことです。自分で余裕を持って滑れる場所で気持ち良く滑る事を心掛けるようにしています。つまり,トライして暗い気分になるより,イージーなコースで楽しく心の余裕を持って滑り明るい気持ちになるようにしています。せっかくの“スキー”ですから楽しく過ごし,「根アカ人間」になるようにしています。(^I^)
スポーツ選手でも,根アカ人間の方が,根クラ人間より好成績を出す,と言われています。これから行う試合でイイ結果が出る!必ず出る!という姿勢で臨むと,筋肉がイイ結果が出るような働きをしてくれるのだそうです。酸っぱい物を見るとよだれが出たり,怖い記憶を思い出したりすると心臓がドキドキしたり…という経験がおありだと思います。これは,身体が心の持ち方に敏感に反応して,身体の働きを制御するからなのだ,と言われています。ですから,この原理を応用すればイイのです。ものごとを良い方に良い方に考えることが,筋肉の動きを良くし,素晴らしい身体の働きをもたらしてくれます。不安も解消され,より一層楽しい気分で滑れるようになり,さらに身体の動きが良くなります!。つまり私の思うところの「喜びのスパイラル」に入って行けるのです。先ず,「イイ結果を信じ込むこと!」が,身体の機能がそのような働きを自然に行なってくれるのです。“M.A”さんも,ぜひ「根アカ人間クラブ」に入って見てください!
それから,技術的には「転ばない滑り方」を習った方が良いでしょう。エーッ?!?!…そんな滑り方があるの?と聞かれそうですが,実はあるのです!(^I^) そのコツは「雪から来る抵抗と自分がターンしながら進んでいく方向がミスマッチしないように滑ることです。私のホームページの「スキーQ&A」に“オレンジターン”他,いろいろなポジションニングに関する解説が載っています。つまりは【Letスキー】感覚を大事に滑る…ということになるのですが,そちらの方でお調べいただければ,キット“M.A”さんの参考になる事が載っていると思います。ぜひお読みいただいて,安心して滑れる技術を身に付けて下さい。
伸び伸びと,雪の斜面を楽しく堪能できるようになられることを,心から祈っております。(^I^)
June/15/2003 (日) 曇り
今日の日曜日,曇り空の白馬です。梅雨ですから仕方がありませんが…。でも時おり空の青が見えたりしてますので,トレーニングには差し障りありませんが…。最近は雨の日も「マウンテンバイク」で約40分,白馬村の村内を巡っています。ジョギングの速さと車のスピードの中間的な速さ,での移動なので,景色も違って見え,なかなか楽しいです。(^I^)
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さて,今日は“S.S”さんからいただいた E-mail を紹介いたします。
『…S.Sといいます。 はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。 5/27の老教師の願いを読んで、2年ほど前から感じていたことに共鳴する部分が多いのでMLさせていただきました。カービングスキーが主流となり、どこのキャンプに参加しても、スクールに入っても、スタンスを広くとか、内足がどうのとか、同じような言葉や説明を言われます。今のレッスン内容は、全日本技術選で披露される技術、テクニックを頂点とした裾野のスキーヤーへの技術展開に他なりません。検定制度のジャッジ点についても表向きはそうなっていますね。技術選は競技であり、全日本で活躍する選手は、まさにアスリートです。そうしたテクニックやマテリアルを一般のスキーヤーに押し付けるような体制、状況はどうか?と思っています。私はもともとゲレンデエンジョイスキーヤーです。新雪やコブを転ばずに滑りたい!という一心でうまくなりたいという気持ちのもとに練習をしてきました。その延長線でバッチテスト、プライズテスト、準指検定、技術選などといったありきたりの道に知らぬ間にはまっていきました。いつも腰はどうなっている?手はどうなっている?とかを気にしながら滑っていて、気がつくとスキーそのものが楽しくなくなって、つらい時期もありました。
そうしたときに、カナダやNZといった海外でのスキーを通じて、自然がおりなす造形のゲレンデ、山を滑ることの楽しさと難しさを通して、スキーの奥深さを垣間見れた気がしました。(ヘリスキーでは雪崩に巻き込まれ危険も体験です。(^^;; )
氷河や自然のゲレンデの上では、カービングテクニックなんて使う場所はありません。またスタンスとって、重心下げて、そんな疲れることしたら体力持ちません。そういう経験があり、今の日本で起きているゲレンデスキーテクニックに疑問を感じてきました。NZでは、ハイクアップのさいに70過ぎの地元のおじいちゃんに抜かれ、女性にも抜かれ、年配者の元気さに脱帽です。(私が体力ないだけ?(^^;;; )
最近、日本のゲレンデに年配の方々が増えてきたと思います。でも、そういう人達に対しても、スキースクールや一般の人達は、一様にカービングを口にしている風景をよく見かけます。本当にこんなんでいいのだろうか?とつくづく首をかしげる瞬間です。
そんな思いの積み重ねから、先シーズンはSAJ風にいうならスキッド(幅広い)をテーマに仲間内で滑っていました。雪が降った日は会社を休み(^^;;;、アイスバーンやコブを楽しんで滑れたシーズンでした。改めてスキーは楽し〜いと!(^^
シーズンが終わり、気がついたのは、例年に比べ体の疲れ方が違っていたことです。明らかに疲れ方が軽い。高齢化が進み、今頑張っている30代半ば〜40代前半世代(「私をスキーに連れていって」青春時代)も年をとり、疲れないスキー。応用のきくスキーが求められている(いく)ことと思います。そうした中、(偉そうですが)いまのスキー指導のありかたには警鐘をならしたい。そう、今の指導法、体系によるスキーは、「生涯スキーにつながらない」むしろ「障害スキーへの道」に向かっていると思うのです。全てのことが、全ての場所がそうだとはいいません。(^^
政治体質、経済会体質がなかなか変わらないように、お役所体質のSAJがころっと変わるとも思えません。私は私のまわりの極極極小さな仲間内でしか、自分の思いを行動として示せませんが、これからも、生涯、スキー仲間として一緒に楽しめる仲間を増やしていきたいと思っています。TOKさんのような考えの方が増え、八方から輪が広がっていくことを願っています。応援しています。…』
“S.S”さん, E-mail ありがとうございます。みなさんからいろいろなご意見を伺えるのが楽しみです。心の中ではいろいろ思われても,なかなかそのご意見を E-mail に乗せてご意見をお送りいただく…というのは大変だと思いますが,それにも関わらず多くの方からご意見を頂戴しています。ありがたいことです。(^I^)
「…今のレッスン内容は、全日本技術選で披露される技術、テクニックを頂点とした裾野のスキーヤーへの技術展開に他なりません。…」というご指摘は,その通りだと思わずには居られません。SAJ傘下のスキースクールに勤務していながらこういうことを言うのは不謹慎かもしれませんが,技術選の頂点を目指したレッスンや検定が主流だと言わざるを得ない現状だと思います。多くの一般スキーヤーは,そのことよりも,もっともっと地に足の付いた「スキーの面白さ」を求めていると思います。いろいろな条件の雪の中で,自分の日常生活では体験できない様な触れ合いをし,新しい経験を積んで,自然界の懐の深さを知る…。このような自然界への誘い的な運動もSAJの大事な仕事のはずです。現今の状況を見ると残念ながら“S.S”さんの仰るとおり,そのような環境つくりも底辺拡大もおろそかになっているように思います。シーズン始めの「指導員研修会」等では文面として,「底辺拡大」とか「お客様のニーズに合った指導」…というような言葉は羅列されていますが,実際の現場では,技術偏重のレッスンをせざるを得ない環境にあります。
その理由の大きなものは「検定制度」だと思います。3級→2級→1級→テクニカル→クラウン→技術選…というように,これができたら次,次ができたらさらに次…という,技術クリアを前面に押し出している検定制度は,その習得した技術をどう使ってどう楽しんだら良いのか?ということと無縁のシステムです。しかも,その基軸にある技術の構築が,応用の効かないレース志向的な技術ですから,ナントも言いようがありません。このような制度が全てイケナイ!と言うのではありませんが,もう少し底辺や一般スキーヤーを視野に入れたスキーの啓蒙をして欲しいと思います。「底辺拡大」は各傘下のスキースクールやスキークラブに任せている…ということかもしれませんが,それではあまりに負担が大きいと思います。SAJが音頭を取って,「苦を楽しむスキー」ではなく「楽しいスキーを楽しく行なうスキー」にもう少し気を配っていただくことを,切にお願いしたいと思います。
また,われわれ指導の現場に立つ人間にも,責任の一端はあると思います。検定制度や下達された指導カリキュラムがどうであれ,指導員や教師が己の信ずる“スキー”を,堂々とレッスンで生徒さんにお伝えすればいいのです。難しいことですが,教師としてあるいは指導員として,ナニが生徒さんのためになるのか?どういう遊び方が“スキー”を通してできるのか?どういうスキーが明日の活力を生み出し,心や身体のリフレッシュに役立つのか?…ということを考え,お伝えすればいいのです。検定には受からないかもしれません。人より速くは滑れないかもしれません。でも,そのかわり,それに代わる「大きな楽しみ」を手に入れることができます。“S.S”さんも仰るように,「…自然がおりなす造形のゲレンデ、山を滑ることの楽しさと難しさを通して、スキーの奥深さを垣間見れた…」というようなことに触れることができるのです。
“スキー”は単なるスポーツとしてだけでなく,自然界の素晴らしさや人間の身体の素晴らしさが実感でき,そして精神的高揚にも大きく貢献できる…そのような要素を持ったスポーツです。小さい「技術」という箱に閉じ込めてしまうのではなく,もっともっと大きく活用できるよう,皆さんとご一緒に「真のスキーの普及」に努めて行きたいと思います。(^I^)
June/14/2003 (土) 曇り
しばらく留守をしている間に「梅雨入り」になった白馬です。早速ジメジメした気候ですが,気分は明るく!…デス。(^I^)
さて,3日間の留守でした…。失礼いたしましたが,また教師日記の再開です。皆さん,よろしくお願い致します。シーズン中,そして雪が溶けてからも,皆さんから多くの E-mail を頂戴しました。ご質問あり,問い合わせあり,励ましあり…といろいろですが,皆さんにとっても役に立ちそうな内容のものについては,お名前を伏せた上で紹介させていただきたいと思います。(^I^)
*****
さて,今日は“T.K”さんからいただいた E-mail を紹介いたします。「急斜面・小回り」についての E-mail です。
『 …探し求めていたサイトに出会い興味深く拝見させて頂いております。小生52歳となります。40よりスキーを始めようやく1級レベルとなりました。どうしても克服出来ない急斜面小回りの厚い壁に、なんでだろう?の繰り返しです。どうしてもターンをひっぱってしまう、というか中回りに近くなります。急ぐと、やはり止めるだけになってしまいます。基本に忠実に丁寧に、と斜めの直滑降・ニュートラルを意識すると中回りになります。ここ最近は止めるだけの疲れる急斜面小回り練習禁止とし、中回りの練習に専念しております。小刻みなメリハリのあるエキスパートの小回りを観察すると、チェックというか膝で強いエッジングでターンを終わらせているように見受けられるのですが・・・・外向、上体谷向き、捻りはものすごく意識しています。突いたストックをその場でふせる、やってます。苦手外足股関節の矯正も横座りで伸ばしてます。ニュートラルでは脚を筋力で引き戻してテールも上がります。チェックの練習もよくやります。抵抗に対しての外向、ブーツが腰の下、ズレからのエッジングに気を付けて、パーツ練習としては出来ますが、中斜面以上では実際の滑走でのタイミングやコーディネートがまだまだのようです。
やはり急斜面小回りではこのチェックを使ってターンを終わらせ、強い反動を瞬間的なクロスオーバーに利用するのでしょうか。いわゆる斜めの直滑降状態からギュッと意識して膝を入れるのでしょうか。その当たりのフィーリングはいかがなものなのでしょうか。ここではやはり自らの働きかけ、というかアクション・リアクションが必要なのでしょうか。雪にターンさせて頂くにはあまりにもこちらが急いでいるような気がするのですが・・・・・大中回りでは雪の抵抗を感じられるよう集中するようになりました。
今後、年齢のことも考えるとやはりズレから切れ、雪とスキーと身体が一体となった疲れないスキーを目指し、エキスパートでコブ斜を滑れる身体と技術をもった還暦を目指す、一高年スキーヤーですが一条の光明を頂きたく、公私ご多忙の折誠に恐縮でありますがご助言頂けましたら幸いに存じます。』
“T.K”さんこんにちは!急斜面を,切れが良く,走りのある小回りターンで滑りたい!…というお気持ちが良く伝わってきます。40歳から始められ,52歳になられてまだまだ向上心がおありになることに,敬意を表します。
さて,大回りでも小回りでも,「滑り方はひとつ」ではありません。特に小回りは,百人スキーヤーが居れば百通りの小回りスタイルがある…と言ってもいいくらいいろいろな滑り方があります。その中でも“T.K”さんは最も難易度の高い小回りを目指しておられるようです。人には向上心やできないことに挑戦する気持がありますから,このお気持ちを否定するわけではありません。でも,急斜面を,切れが良く,走りのある小回りで滑ることにどれ位の意味があるのかなぁー…と思うこともあります。できないよりできることの方がいいに決まっていますが,それに固執してしまうと,精神的に余裕の無いスキーになってしまうと思います。私は個人的に,その人の力量や体力によって楽しみ方の質を変えた方がいいと思っています。かく言う私も急斜面小回りで宮下征樹君のような小回りはできません。かつてもできませんでしたが,今もできません。もしできていたら,技術選に出ているでしょうネ!(^I^) 彼のような滑りは,若さと鍛えられた身体,そして滑りを実現してくれるハイパワーなスキー用具の存在が必要です。
前回June/09/2003の,「疲れるスキーへの対処」ギンギンカービングの板を乗りこなす…でも話したように,小回りでもトーションが強めの板を使えば,急斜面でも雪面ホールドが良くなり,雪からの抵抗も効率良く受け止める事ができます。そして,信じられないほどの反発エネルギーが得られ,その力を次のターンにつなげたターンができます。つまり,“T.K”さんが仰るところの,「強いエッジングの小刻みなメリハリのあるエキスパートの小回り…」ができやすくなるのですが,その代わり,大きななリスクも負うことになります。どういうリスクかというと,「疲労」や「怪我」です。残酷な言い方ですが,40代,50代になればどうしても体力の衰えは隠せません。どのようなトレーニングをしようとも,若い選手のような筋力や体力にはかないません。こういうことを言うとお叱りを受けるかもしれませんが,私たちの“スキー”は競技で勝つことではなく,健康増進,精神的高揚だと思っています。もちろんその中から競技の世界に入り,チャンピオンスポーツとしての“スキー”を目指す人も出てくるかもしれませんが,齢を重ねてくれば自分の体力に合ったスキー…が大事なファクターになってくると思います。「雪とスキーと身体が一体となった疲れないスキー」と「ギンギンガンガンのチャンピオンスポーツ的なハードなスキー」とは,少し目指す方向が違う…と私は思っています。
それでも,覚悟を決めてどうしてもギンギンの小回りをしたい…ということであれば,それなりの体力を整え,小回りに適した板を使用し,さらに気力を充実して臨むことです。技術的にはギュッと意識して膝を入れるのではなく,ターン中盤で最も角付けが強くなった時に最大の雪面抵抗を受けるようにし,後半にかけては角付けを緩めながらニュートラル状態に入ることです。この時角付けは徐々に緩めるのですが,雪面とのコンタクト圧を減らしてはダメです。なぜかというとスキーが走らないからです。ギンギン意識の小回りで特に大事なことは,詳しくは,May/18/2003の日記に書いたように,角付けの切り換えの時に,スキーのスピードが速くなることが必要です。結果的に抜重が行われることもありますが,それはあくまでスキーが腰の下で走った結果であって,はじめから減圧したのではスキーは走らず,切れのある小刻みな小回りになりません。
年齢の応じた“スキー”の楽しみ方…というと,向上心は無くて良いのか?!と言われそうですが,スキーをしていて「できない,できない…」といった精神的苦痛ばかり感じるようでは,何のための“スキー”か?ということにもなりかねません。「スキーって楽しいな!」と思えるような意識改革も必要なのではないでしょうか?そうすれば私も含め,還暦を目指す一高年スキーヤーにも一条の光明が見えてくる…と思います。(^I^)
June/09/2003 (月) 快晴 (^I^)
「快晴」と言う言葉…間もなく聞かれなくなりそうです。明日あたりから天気が崩れ,前線が列島を覆い始める気配です…。 さて,明日10日早朝から所用で白馬を留守にします。その間新しいデータのUPがストップします。(=_=;) 本当なら出先からもノートパソコンなどでUPすればイイのですが,時にはキーボードやInter Netから離れてみるのも良いことだと思い,出先からのUPはしないことにしています。そういうわけで少しの間ですが,皆さんに会えません…(=_=;) よろしくお願い致します。(^I^)
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さて,今日は“T.N”さんからの E-mail で,「疲れるスキーの対処の仕方…」について…。
『 …私はスキー歴数十年万年中級?スキーヤーです。先シーズンから俗に言うカービングスキー板(R15)170cmで楽しんでおりましたが 中〜大回りで雪からの圧?(自分が与えてるのかも)により 足裏・ふくろはぎ・膝・ももにかなりの負担を感じます。ハイスピードでは決して滑っていません。40歳を過ぎているので体力不足もありますが 1時間滑ると限界を感じます。そこで お聞きしたいのですが、これは 技術不足のためで技術を上げていけば解決するのか。スキー板を替えた方が良いのか。基礎体力をつけた方が良いのか等々.....解決策がありましたらご指導よろしくお願い申し上げます。…
』
“T.N”さんこんにちは!。E-mail 拝見いたしました。スキー歴数十年万年中級スキーヤー…ということですから,多分技術的な問題はないと思います。滑りを拝見していないので,私の推測で申し訳ありませんが,おそらく“T.N”さんのスキースタイル,あるいは楽しみ方とスキーの性能が合っていない…ということだと思います。R15の板ということですので,かなり回転円弧が小さい時に最も性能を発揮するタイプの板ですが,キットその板の「トーション」が“T.N”さんにとっては強すぎるのではないか?と思います。トーションの強い板はかなり強く雪面をグリップしますから,ベテランの方で良い位置に乗れれば乗れるほど,身体への負担も厳しくなります。つまり,疲れやすいのです。ご年齢が40過ぎ,ということですので,若い頃のようなギンギンの筋力も少しは衰えを見せ始めていると思います。そういうことで,1時間ほど気を抜かずに滑れば相当の負担が身体に掛かっていると推察できます。ちなみにスキー板のタイプは「レースカーブ」ですか,それとも「ピュアカーブ」かな?もし,レースカーブの板であれば,上記のことがあてはまるように思います。
この解決策ですが,ご自分のスキースタイルに合った板を選ぶ…ということだと思います。技術的にはベテランであられるだけに,よりいっそう板の性能をモロに受けてしまうので,技術を磨かれることは必要ないと思います。もし,どうしても切れや走りのあるスピーディーな,若々しいスキーをされたい!ということであれば,最後の手段,基礎体力をつける…ということを選択することになります。(^I^) できれば,「試乗テストセンター」等でレンタルスキーを借りて滑ってみる事をお勧めします。多分いろいろなタイプのスキーがあり,自分に合ったスキーが見つかると思います。ギンギンで滑るのも快感ですが,ズレ要素の多いスキーイングの中に,心地良い快感を見つけることもできるはずです。(^I^)
尚,過去に私がUPした「カービング神話への警告」というコラムもご参考のためにお読みいただくと良いと思います。
June/08/2003 (日) 快晴 (^I^)
今日の日曜日…きれいに晴れ上がりました。今日は八方尾根のゲレンデ整備の仕事が入りましたので,行ってきます。久しぶりのゲレンデ…どうなってるンでしょうか?(^I^)
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さて,今日は“K.M”さんからいただいた E-mail です。クロッシングとターン前半の雪面ホールドについてのコメントです。“K.M”さんは毎シーズン一回ほど,私のレッスンを受講されておられますが,私に言わせれば,雪と一体となった無理の無いイイ滑りをされる方だと思います。ご当人にとってはマダマダ…という思いがおありのようですが…。(^I^)
『 …TOK先生、レッスン有難うございました。最終日、バスの時間待ちにナイター練習しました。練習のポイントはターン弧の違いによるクロッシングとターン前半の捉えの違いを感じること、そしてそれを土台にして緩斜面の小回りの完成。最初はほとんど貸切状態なので大回り、混み具合に合わせて中回り小回りと、終わりの数本は小回りのバリエーションとなりました。結果は最高に満足のゆくものとなりました。なんと、斜めの直滑降が消えた!!クロッシングに集中していると斜めの直滑降を全く感じることなく小回りターンが始動するようになりました。 滑らかにクロッシングが行われると体の下を通過するあたりからすでに次の谷スキー板の前半部から感じられていた雪面抵抗が、切り替わるのと同時に待ってましたとばかりに少しずつ増大してきます。この時に着力点のイメージと、サーチを積極的におこなうか消極的に行うかの違いでターンの大小深浅が決まってきます。外観的にはナチュラルベンディングのストロークの違いとなって現れてくるように思います。着力点の違いは内面的には前頚骨筋の緊張の強弱となって現れているように思います。1(※注)で受ける時(大回り)は弱く、5で受ける時(小回り)は強くなっているように感じられます。浅回りの時はストロークの差が小さく、深回りの時はそれが大きく現れます。ストロークの差は滑走スピードと斜面の緩急や硬軟によっても違ってきました。積極的サーチングはDo的要素を含んでいると言うことで、使うことにためらいがあった(昔の滑りを忘れる意味で100%Let信者と固まっていた)のですが、急斜面や深雪悪説斜面を滑る時や小回りを行う時に、早く雪面抵抗を捉える必要があるときは絶対に必要だなということがよく実感できました。センサー機能を損なわない範囲のDo的要素を使っていくように考えを改めることにしました。終わりの頃にはかなり早いリズムの快適な小回りができるようになりました。フォールラインに正対した静かな上体、その下でスキー板が勝手に左へ右へと心地よく回っているように感じられました。2年前メールで話しましたくるくる回るスキー、あれに近い感じです。リズム変化やターンの軌跡の変更も自由自在、混雑したゲレンデもまた楽しい心境です。以上です。有難うございました。…』
“K.M”さん E-mail ありがとうございました。
文面を拝見いたしますと,次のターン開始時期の「サーチ感覚」を掴まれた様で,良かったですネ!。特にターン前半の雪面の捉え感覚については,人それぞれ感覚の違いがあるようです。Do意識だという人も居れば,Letだと言う人も…。「積極的サーチングはDo的要素を含んでいる…」と仰る感じは充分理解できますが,私は敢えて,「探る」という【Let】意識だと話しています。どうしてかというと,外向きに押すことで生まれる圧意識を,極力持たないようにしたいからです。ある程度の角付けを保ちながら,つまり雪の抵抗を受け止めながら雪面移動して行けば手前方向にやって来る圧を感じる事ができます。
でも,センサー機能を損なわない範囲のDo的要素…というのも分かる気がします。圧の方向にさえ気を配る事ができれば,本当はこのことにこだわる必要は無いのかも知れませ。人には人,それぞれの感覚があります。その感覚はその感覚として,大事にしないといけないと私も思います。“K.M”さんのように,私がお伝えした言葉を基に,ご自分の新しい言葉を見つけ出すことが大事だと思っています。その様なご自分自身の言葉や感覚でスキー技術が語れるようになった時,その人は本当の「スキー名人」の域に達しているのかもしれませんネ?(^I^)
“K.M”さんは,どうやらご自分のお言葉を見つけ出されたようです。その根本には“感じる”ということがあるように思います。「スキー板が勝手に左へ右へと心地よく回っている…」,これこそ地球の引力,重力に素直に従った結果感じることができた“究極の滑り”なのだと思います。“K.M”さん,新しいスキーイング感覚の修得,おめでとうございます!(^I^)
(※注):「パワートライアングル・ターン」あるいは「エネルギーライン」をイメージした滑り方で,スキートップの着力点の位置を表す言葉です。1はかなりトップに近い位置で,5は親指の付け根付近の位置になります。
June/07/2003 (土) 曇り
今日の白馬は,久しぶりに曇り空です。気温は18℃でしのぎやすく,穏やかな週末…といったところです。(^I^)
ところで,NYの松井君…良かったですネ! 久しぶりのホームラン…。でも,彼のコメントも凄い! 「淡々と当たり前のことを当たり前にやっていますから…」どことなく“高倉健”に似てませんか?(^o^)
*****
さて,今日の E-mail は,今シーズンから八方尾根スキースクールで始めた「達人検定」の検定員を3回,全て担当していただいた“丸山貢一”さんからいただいたものです。丸山さんは地元の八方ご出身の方で,デモ選にも何度も出られ,本当に惜しいところで認定を逃された経験を,数度もお持ちです。デモになられた多くの方々がスキーから離れて行っている中,自分流のスキーを追及されています。それだけに,“スキー”に対する見方も“一筋縄”ではないものを持っておられます。少々長いですが,土曜日の週末…彼の
E-mail をじっくり味わってください。(^I^) 尚この E-mail は第一回,1月23日に行われた検定後お送りいただいたものです。
『 達人検定 ……
一昨日下見と打ち合わせに行って、昨日が本番でした。個人的には長年八方尾根でスキーを楽しんできた私達といろんな所を ”一緒に滑って遊べる人” つまり言葉は悪いですが、スキーフリークの仲間選びということでしょうか。フリーク度で「参りました」と言わせるオーラが感じられる人が達人なのかもしれません。便宜上は ”達人検定” を企画した検定する側の ”検定員” と、される側に分かれますが、”フリーク”を目指す同じスキーヤーとして対等にお付き合いさせて頂いたつもりです。
で、下見&試走した所はリーゼンフルコース、リーゼングラート、黒菱、スカイラインのウインドクラスト斜面、パノラマのタテッコ、セントラルコースで、
トライアルは元デモがすることになり、その彼をして転倒連発で泣きがはいる程タフなクラストで、グルーミングされた斜面を具合の良いスキーに乗って何となく安楽に滑っていたままの感覚ではとても太刀打ち出来ない斜面状況でした。
こういう環境を滑り切る為に最も大切なことは、真ん中に乗る”つもり”ではなく、絶対に真ん中に乗らないと、あるいは常に荷重点がブーツセンターに来るように板をコントロールすることが出来ないと、まずクラストを割り続けることはできません。誤魔化しやいい加減さはまるで通用しない最も基本的で正確なポジションと構えが要求され、今風のエッジに乗っていくだけの滑り方ではまず無理でしょう。
こういう斜面では残念ながら楽に滑るという訳にはいきません。やはりパワーが必要になります。言ってみれば全身をフルに使った問答無用の ”パワースキー” これに尽きます。
気持ちを引き締め、クラストを破り、足元をすくわれる前に切り返す方法でなんとか滑ることが出来ました。昔さんざんやったスピンターン(プロペラターン?)がおおいに役に立ったものの、大きめのターンは危なくてとてもできないのでショートターンということになります。
本番も同じ場所で滑りを拝見させて頂きましたが、当日は新雪が40cm程積もり、荒らされていたとはいえ難易度はかなり低下していました。予想より多かった9名の受検者は”達人”認定に参加するだけあって、条件の良いコースでは皆さん上手でリーゼンコースのノンストップ滑走で問題のある方はいませんでした。
大雪の為に謀らずも深雪/悪雪滑走になってしまい、リーゼングラートの中回り、黒菱の急斜面小回り、スカイラインの中回り数本、兎平のフリー、パノラマタテッコの急斜面フリー、セントラルコース急斜面の長距離小回り(フォールラインを外さないよう指定)、名木山ジャンプ台跡深雪フリー等の、斜面状況も滑走距離も非常にタフな検定になりました。
最初はそれなりに緊張していた受検者も私達も、一緒に面白そうな(難しそうな)斜面を滑って ”遊んでいる” 内に、同じスキー愛好者の仲間意識のようなものが生まれ、失敗しても転倒しても歓声が上がったり気遣かったりと、とても良い雰囲気で検定が進んだように思います。
結果は達人認定者2人、名人認定者2ということになりました。達人に認定された方の滑りを言葉で表現するのは困難ですが、一言で言えば悪説斜面を最良の斜面ではないかと錯覚しそうになる程安定していて、且つ軽やかに蝶のように舞って降りて来たといったところでしょうか。
この検定の趣旨は”悪雪の達人”を認定する訳では勿論ありませんし、ましてやハデなパフォーマンスを求めている訳でもありません。様々な条件を気の向くまま自由自在に思い切り楽しんでいるのが伝わって来る、そして「ああゆうふうに滑りたい」と思わせる人こそが達人だと思いました。そういった意味で58歳と40代の初代達人のお二方には冒頭にも書いたように心から「参りました」と言いたいです。
技術の奥深さを感じさせるこのお二方の滑りを拝見していて、昨今は道具の進歩?によって早く簡単に滑られるようになった反面、大切なことが省かれてしまったのではないかと思われて仕方ありませんでした。
余談ですが、レーザーカットされたステンレス製のエンブレムのカッコよさは抜群で、達人よりむしろ名人 の方を欲しいと真剣に思った程です。』
原文そのまま紹介させていただきました。「八方達人検定」の面白さと言うか,趣旨…お分かりいただけたでしょうか?
彼は,若いころ,オーストリーの「ブンデスハイム」にスキー留学をした経験の持ち主で,特に深雪や悪雪系の滑りでは定評のあるスキー教師です。今はホテル経営がお忙しく,レッスンの現場にはあまりお出になりませんが,雪の降ったあくる日など,ゲレンデでたびたびお見かけします。本当に楽しそうに雪と戯れている姿と,まだまだお若い滑りをされている姿を拝見すると,“スキー”ってやっぱりイイナァー!(^I^)…と思うのです。
私は彼のことを生意気に「貢ちゃん」と呼ばせてもらっていますが,その彼に,「オイ!貢ちゃん…死ぬまでスキー…一緒に楽しもうナ!」と言わせていただこうと思います。 ヨ・ロ・シ・ク! (^I^)
June/06/2003 (金) 快晴 (^I^)
今日も又々本当にイイ天気です!。梅雨前のこの時期,思いっきり外で身体を動かしたいですネ!(^I^)
さて,「簡単オフトレ講座」の開催要項が決まりました! 興味のある方はご覧下さい。
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さて,今日の E-mail は“A.G”さんからいただいたものです。
『 …はじめましてこんにちは、私はスキー歴12年のスキーヤーですが、技術的な質問ではないのですが、よく晴れて斜面がよくみえる時と、朝のまだ太陽の光が差していない斜面とでは滑りのポジションが変わってしまいます。どうしても自分で克服する練習方法がないのですが、こんな、くだらない質問によければ良いアドバイスをお願いします。…』
大変大事なご質問です。くだらなくはありませんヨ!(^I^) 斜面状況や視界によって滑りが変わってしまう…ということですネ?
先ず,「ポジションが変わる…」ということについて考えてみます。ポジションがどうして変わってしまうか?というと,それは,雪から来る抵抗と自分がターンしながら進んでいく方向がミスマッチするからです。私のホームページの「スキーQ&A」にオレンジターン他,いろいろなポジションニングに関する解説が載っていますのでご参考にして欲しいのですが,その中で最も私が大事だと思っていることは,“足裏で感じる”ということです。
視界が良く,雪の状態がしっかり目で確認できる時は,目で状況を判断し,その情報を基に脳が判断して身体の各部位にその情報を伝えて行動を起こします。言ってみれば「目で感じている」と言えるでしょう。でも,もしガスが掛かったり,吹雪だったりして視界が悪い時は目で斜面状況を見ることができません。斜面の状況が分かりませんから不安になり,身体が固まってしまうのです。これではミスマッチが起こりバランスを取って滑るどころの話ではありません。ポジションがおかしくなるのも当たり前です。それでは,目以外にどうやって雪の状況を判断するかと言うと,身体全体で観ればいいのです。敢えて「見る」では無く「観る」にしたのは理由があります。それは“感じる”ということを大事にしたいからです。具体的には,このような時は「足裏」で雪や斜面の状況を探るようにしてみます。6月4日の日記「カタツムリの触角感覚」でもお話ししたように,雪からの情報を先ずスキーで受けて,そして足裏で感じ取り,それを脚を通じて脳に伝えるようにするのです。あたかも「カタツムリの触覚」のように…です。
そんなことできるの?と思われるかもしれませんが,できます! 私は時々,レッスンで実際に目をつむって滑り,それを生徒さんに見ていただきます。急斜面やコブの所ではさすがにできませんが,中斜面程度で整地ならできます。(^I^) なにも,これ見よがしに目隠しターンをしているわけではなく,足裏の感覚を研ぎ澄ませば,雪からの情報を感じ取ることができ,人間の身体は素直にそれに従ってくれるものだ…ということを解っていただきたいからです。目だけが雪の情報を取得する方法ではなく,身体全体がセンサーになれば,もっともっといろいろな感覚でのスキーが楽しめます。(^I^)
後傾だとか内倒気味だとかいうことも含め,ポジションニングが悪く,バランスの取れたターンができない理由の多くは“感じ取るスキー”,つまり【Letスキー】でなく,目で見て状況を判断し,自らの力で雪に働き掛ける【Doスキー】をやりすぎるからです。
“A.G”さんもぜひ「足裏感覚の達人」になってください。(^I^)
June/05/2003 (木) 快晴 (^I^)
今日も本当にイイ天気です。こういう日は,山に行きたくなりますが,事務の仕事が待っています…。家の中から外の景色を見て我慢です…。(^I^)
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さて,今日の E-mail は“T.S”さんからいただいたものです。
『 …2月22、23日の”準指スペシャル”を受講させていただきました、“T.S”と申します。その節は大変お世話になりました。…あの2日間のおかげで無事準指導員にならせていただきました。22日にキャスター意識を教えていただいて、先生に「スキーが変わるよ!」と言われてから、本当に滑りが変わりました。その後の2週間で今までとはまったく違った滑りになっていったことに自分でも驚くばかりです。あの日以来、頭の中で”トゥー、フォー”といいながら滑っているのですが、あの一言ですべてOKでした。カービング中廻りと大回りはこのキャスター効果が抜群にでました。また、先生が、「検定では、自分の滑りを見てもらうように」と言っていた事を思い出して、自分の理解しているつもりの滑りを、検定員にみせるように滑ってきました。プルークとシュテムターンでは効果抜群でした(オレンジ意識があることはもちろんですが.....)。報告させていただきたいことが山ほど有るのですが、ご多忙の先生がこのメールを読んでくれるだけでもと思って書かせていただきました。くれぐれもお体には気をつけてくださるよう、そして、来年、再来年も僕達スキーヤーに指導してくださるようにお願いいたします。本当にありがとうございました。…』
“T.S”さん,合格おめでとうございます!(^I^) 少しでも私のアドバイスが活きて,お役に立てた…ということであれば本当に嬉しいです。(^I^)
準指導員になられた以上は,「指導活動」を通して,“スキー”の面白さを多くの方に伝えて欲しいと思います。「…来年、再来年も僕達スキーヤーに指導してくださるように…」ということですが,そのお言葉はありがたいのですが,ご自分で自らの道を探し,新しい“スキー”との関わりあいも見つけ出して欲しいと思います。もちろん私も皆さんとご一緒に,スキーの面白さを紹介させていただきますが,同じ教師仲間として,「スキー指導」を通して最善を尽くしたいと思います。(^I^) 指導の中からスキーの本質を見つけ出して欲しい…というのは本音です!
でも「準指導員合格」…本当におめでとうございました!私も嬉しいです!(^I^)(^I^)(^I^)
“T.S”さん以外にも準指導員や,指導員の資格を取られた方がたくさんおられます。でも,せっかく取られた「指導資格」を有効に活用されない方も多い…と聞きます。「自分の力量を試すために,ということで取った…」というのではなく,今後はぜひ大勢の方に「スキー指導」を通して,スキーの啓蒙をお願いしたいと思います。学科や理論も相当勉強されたわけですから,その知識をぜひ有効に活用して欲しいと思います。指導の現場が少ないとか,環境が無い…と仰る方もおられるようですが,そういう方のためにスキースクールが何かお役に立てたいだろうか?ということも考えています。また企画が煮詰まったらお知らせしますが,皆さんの中で,もし指導活動を積極的に…と思っておられる方がおられましたらお知らせ下さい。(^I^)
June/04/2003 (水) 晴れ
今日もイイ天気の白馬です。昨日より日差しが柔らかくおとなしい感じですが…。
さて,今日は6月4日…昔,小学生の頃,6/4に引っ掛けて「ムシ」…で虫歯点検の日でした。この日,学校に行くのがイヤでイヤでたまらなかったのを覚えています。ところで,皆さん,「歯」大事にしていますか?(^I^)
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さて,今日もシーズン中に頂いたご質問 への返事を兼ねて,皆さんからのお便り紹介です…。(^I^)
今日は“S.I”さんから頂いた E-mail で,「ターン前半の雪の捕らえ…」についてです。
『 …今年の2月にTOK先生のプライベートレッスンを受講した“S.I”といいます。LETスキーの感覚を教えて頂き、たいへん滑りにプラスになっております。大回りでは外スキーの先端から、へその当たりにエネルギーラインを作ると良いと教えて頂きました。 そこで、一つ聞きたいのですが、ターン後半の外向(外スキーの先端に向いている分)の方向に体、板は進行方向に進むことによりクロスオーバーすると思いますが、ターン前半の内向のとき次の外足はどうすればよいでしょうか?踏んでしまうとLETでなくなりそうです。板が体と正対するまで待っていればよいのでしょうか?それとも板を正対の状態まで回し込む方が良いのでしょうか?…』
“S.I”さんこんにちは!お元気ですか?(^I^)
仰るとおり,スキーの先端部分で雪の抵抗を受け止め,そのエネルギーを「へその内側」に伝える意識を持つことで,その二点間のエネルギーラインが想定できます。するとそのエネルギーラインの方向を胸が向こうとしますから,自然な外向姿勢ができます。この外向はスキッディング的なものとは少し違っていて,腰そのものが開いてしまうものとは少し異なります。積極的にスキーのトップで除雪抵抗を受け止めようとすると,腰は正対気味なのに,ウエストから上の部分が外向的になるのです。つまり,スキーの向きに比べやや外側を向くことになって,ネジレ状態が生じるのです。基本的には,角付けの切り替え時に,このネジレ状態が開放されることによって,次のターンが始まります。ご質問の「板が体と正対するまで待っていればよいのか?」…の答えは,その通り!,「ウエストから上部のネジレ状態をキープしたまま“待つ”」です。(^I^)
さらにご質問は,この後どのようにターン外側の抵抗を捉えるのか?と言うことですね?。結論から言うと,「次の外足で“探る”という意識で滑る」ことです。ターン後半からクロスオーバーまでは,しっかり雪の抵抗を捉える意識があって,徐々に角付けを緩めて行けば,ある程度楽にできます。問題はその後,外足での抵抗をいかにつかむか?ということになります。多くの方は,この局面で外脚を伸ばしてしまったり,スキーを振り回したりして,できるだけ早く谷回り部分を終えて,フォールラインからターン後半に移行しようとします。でもこれだと“重心”の軌跡を滑らかに作ることができず,安定感の無い,いびつな大回りになってしまいます。どうすればいいか?と言うと,外足の裏側で,つまり足裏で,雪の情報を探るようにすればイイのです。すると脚は少し伸びるようになります。伸びる…?ということは「押す」ということじゃないの?と質問される方が居られますが,探るために伸びるのと,押すために伸びるのは,根本的に違います。どう違うかというと,“探る”動作は外向きに力を与えてはいません。あたかも「カタツムリ」が障害物が無いかどうか?探るために触覚を伸ばしているようなものなのです。ですから圧力はありません。その結果,“重心”の軌跡を不自然に変えてしまうことがありません。触覚を出してターン外方向に移動し,雪の抵抗を求めることができれば,適度な雪の抵抗を受けることが可能になり,スキーの性能が生きて自然に谷回りが始まるのです。つまり【Letスキー】の谷回りが行なえるのです。ですから,踏み込んだり,回しこんだりする必要はありません。(^I^)
もちろん,さらに攻撃的なスキーをしようとすれば,外スキーの抵抗を強めるために,自らの力で押し込むこともできますが,そのアクションが「バランスを崩しやすくなる」というリアクションを引き起こす…という大きなリスクがあることを,覚悟しなければなりません。私が思う基礎的なスキーでは,極力このリスクを負わないで済むように,安定して滑れる方法を先ず身につけるべきだと思います。そして,これができるようになったら体力に応じた各自のパワフルなスキーをされることをお勧めします。(^I^)
June/03/2003 (火) 快晴 (^I^)
今日も昨日に引き続きイイ天気です! こう天気がイイと心が軽く,嬉しくなりますネ!(^I^)
そうそう,昨日の花の写真…詳しい人に聞いてみたら「苧環(おだまき)」だそうです。キンポウゲ科の多年草で,古くから観賞用に栽培されているようです。わたしは育てていませんので,風に乗ってやってきてくれたのでしょうネ。(^I^) いとくりそう,とも言うらしく,紫のは「むらさきおだまき」だそうです。…またひとつ利口になりました!(^I^)
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さて,今日のお便りは“Y.S”さんから頂いた E-mail で,昨日同様「キャスター」についてのご質問です。
『 …過日のレッスンではキャスターの要領がつかめませんでしたが、その後何回か練習しました。まだわかったようなわからないようなという感じです。さて,検定を受けたのですが,ちょっと気になったのが、次のターンの内足の4輪を意識したら、検定員に「内倒している」と言われたことです。あと、質問なのですが、4輪から次の外足の2輪に載るときのタイミングというか、乗り方です。4輪から一気に次の2輪に載ると、「急激な圧変化」ということになってしまいますが.....。また,教師日記では、弧の大きさについてのご説明は書いてらっしゃいますが、弧の深さについての調整とキャスターターンについての関係は今まで無かったと思います。同じターンの大きさで弧の深さを変えるには、上体の向きとかヒネリということでしょうか・・・このあたりがよくわからないので、深回りが今ひとつ苦手なのです。キャスターターンでは、弧の深さはどのように調整するのか、ぜひともご説明していただけると嬉しいです…』
キャスター要領がよく分からなかった…ということですが,これまで“Y.S”さんは雪に働き掛ける動作が多かったので,すぐには馴れないと思います。結果を焦らず,じっくり練習されることをお勧めいたします。
また,内倒と言われた…ということですが,ターン前半は,スキーと重心が離れて行く局面ですから,少し内倒気味になるのが普通だと,私は思います。でも,「内倒」と言っても雪から来る圧とバランスの取れている内倒であって,ターン内スキーだけに乗ったものとは異なります。いずれにしてもその後,外スキーの内側二輪のキャスターで雪を捕らえて行けば,内倒は直って来ます。
「急激な圧変化」…ということですが,意識の上では四輪から二輪に移るので,急激な雪面コンタクト移動…のように思われるかもしれませんが,実際に「二輪⇒四輪⇒反対側の二輪…」という意識で滑ってみると,圧変化はスムーズに行なわれます。この理由は,四輪意識から次のターンの二輪に意識が移るとき,一気にその二輪で圧を受けることにはならず,四輪の圧が徐々に軽くなり,それに従って二輪の圧が徐々に増えて行くからです。
「キャスターでの深回り」ですが…回転の円弧を深くするには,ターンを切り上げていく時,しっかりとトップ部分方向にスキーを進める意識をもつことです。迎え角を,2時方向あるいは10時方向のように,深くしてしまうと,体のネジレ状態が強くなって,次のターンに入りやすくなって,深回りができにくくなりますので,迎え角を小さく保ったままスキーを進める感覚です。もし小回りでの深回り,を想定しているのであれば,腰のウエスト部分から上の逆ヒネリを意識して,腰の向きは正対気味に保つことです。つまり,大回りでも小回りでも,少なくとも腰の向きは正対気味に保つということです。「3番キャスターの転がりに乗り続けて行く…」という意識をしていれば,結果的にこのような滑りになるのですが…。またこの時,キャスターの転がり速度が失速しないようにすることが大事です。失速してしまうとスキーのたわみが無くなってしまいますから,ターンは持続できなくなりますので,注意が必要です。
キャスター・ターンは【Letスキー】そのものです。あくまで,その原点には「落下エネルギーをターンエネルギーに有効に変えて滑る…」という意図があります。ですから,もし【Doスキー】的に,雪に自ら圧を加えたり抜いたり…というような滑りを多くされて来た人には,キャスターの要領が少し分かりづらいかもしれません。でも,この意味が解るようになると,【Doスキー】とは全く別の世界に入れます。私に言わせれば,このような“体力勝負でないスキー”ができるからこそ,“スキー”は生涯スポーツだ!”…と言えるのだと思っています。
June/02/2003 (月) 晴れ
今日は朝からいい天気で,本当に夏のような雲が広がっています。野草の生長がすごく早く感じられます。玄関先にご覧のような花が咲きました。白と紫の花です。名前は分かりませんが,風にそよいで気持ち良さそうです。(^I^)
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さて,今日のお便りは“taka”さんから頂いた E-mail です…。
『 …【TOK】さんはじめまして。takaと申します。HPの内容を参考にさせていただいてます(^^)。ショートターン(切替)が下手な私としては「キャスターターン」試してみたいです。しかし、もう雪はなし。。。キャスター・ターンでのストックを突くタイミングに関して質問です。Q&Aの「13.ショートターンのストックワークは? 」にて、2.外スキーの圧力が最大になったときでなく、抜重もしくはニュートラルに移行する時に、タイミングを取る要領で突く。とおっしゃられていますが、これを「キャスター・ターン」(ショートターン)で考えると、2輪→(ストックを突く)→4輪→2輪のタイミングとなるのでしょうか? May/16/2003 の「キャスターターンのクロッシングイメージ」ですとフォールラインの1つ前の足と2つ前の足の間ぐらいでストックを突くイメージですか?回答していただけるのを期待しております(^^ゞ…』
“taka”さんこんにちは! 小回りのストックをつくタイミング…ということですが,結論から言えば右の図の「このポイント」の場所になります。二輪意識から四輪に行こうとする時に,軽く,チョン…と付きます。
小回りで角付けの切り替えがうまく行かない人の主な原因は,ターン後半スキーの運動を止めてしまうことにあります。この動作がどうして出てしまうか?と言えば,それは,エッジングを強めて雪面コンタクトを求め,その反動で抜重動作を行ないながら,体の入れ替えを行なおうとするからです。もちろん小回りの初歩段階ではこのような滑り方も必要ですし,一回々々確実にスピードコントロールしながら滑るためには大事な技術です。ですから,初めは「荷重-抜重」の小回りでもOKです。ストックを強く付いても構いません。でも,このような滑りができるようになったら,もう少しスピードを出したり,急斜面や悪雪でも滑りたくなります。その時には,もう少し滑らかな角付けの切り替えが必要になってくるのです。ストックワークも強いものから弱いものへと変える必要が出て来ます。言葉で説明すれば「ガツン,ガツン…」あるいは「ギュッ,ギュッ…」という滑りから,「シュゥーン,シュゥーン…」という滑りになります。(^I^) ストックの付き方の強弱と,エッジングの強さの強弱は比例しているところがあります。ですから,ストックワークの強弱をいろいろ変えて練習し,ワンパターンでなくいろいろな雪面コンタクトの小回りができるようにした方が良いでしょう。あるときにはストックを付かない「ノンストック小回り」も…。
「このポイント」の時に,「3番キャスター(右かかと)」の外側,フォールライン方向に軽くストックを付きます。ですから,ウエストから上の上半身はフォールライン側に開いている形になります。つまり上半身と下半身との間に「ネジレ現象」ができていて,「ストックを付くのはそのネジレを開放するタイミングを計るため!」という言い方もできます。
小回りには実にいろいろな滑り方があります。それぞれいろいろな得失を持っているのですが,最も安定していろいろな斜面を滑る…という観点からは,抜重動作が少ないキャスターイメージの小回りの方が良いと思います。(^I^)
ストックを付くタイミング…お解かりいただけたでしょうか?
June/01/2003 (日) 曇り
今日から「六月」ですネ! スキーシーズンが終わって一ヶ月…ですが,【TOK】はまだまだ“スキー”とのお付き合いが続きます。この六月は新しいシーズンに向けての「企画」が動き出す時期です。皆さんはいかがですか?
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さて,今日から新しい月に入りました。昨日までは「2003シーズンを終えて…」ということで話しをさせていただきました。今日からは少し角度を変えて,皆さんから頂いたお便りをご紹介しながら,シーズンを振り返ったり,ご質問に答えさせていただいたりするスタイルにしたいと思います。(^I^)
今回,初めてのお便りは“Yuki”さんから頂いた E-mail です…。(^I^)
『 …はじめまして!私はスキーをはじめたのは今冬からのど素人です。しかも2回目のスキーで怪我をしてリタイアしてしまいました!今年結婚しただんなさんがアルペンをしているのでなんとなく始めたスキーですが、スイスイ滑れるようになったらどんなに楽しいだろうと思うようになりました。来冬こそは頑張って練習するつもりです。書き出しがわからずつまらないことをかきましたが、それはさておき質問です!「どうしてスキーの板の底面はほとんどのものが黒色なんですか?」.....黒である理由がファッション的なものなのか、性能的なものなのか?。何を調べればいいのかも分かりません!!どうか教えてください
』
“Yuki”さん,こんにちは! E-mail ありがとうございます。ご夫妻でスキー…素晴らしいことだと思います。(^I^) 私もご夫妻でスキーをされておられる方々をたくさん存じ上げておりますが,みなさんご夫婦仲がよろしく,熱々カップルが多いですよ!自然の中で,相手を束縛したりされたりせず,お互いが自分のレベルで,レベルなりの楽しみを見つけ出すことができるからでしょうか?“Yuki”さんも間もなくスイスゥーイ…と滑ることができる様になると思います。楽しみながら頑張ってください!(^I^)
さて,ご質問の「どうしてスキーの滑走面は黒色?」ということですが,これは次の理由からだと,今の科学的分析では言われています。 『 黒い色が熱を吸収し,滑走面に閉じ込める⇒滑走面に熱があれば,雪と接した時雪を溶かしてくれる⇒雪が溶けて水玉ができる⇒水玉がコロの役目をして滑走面と雪の間の摩擦抵抗が減る⇒スキーが良く滑って楽しい!』…ということです。滑走面と雪の間に水滴ができるには「圧力融解」と「摩擦融解」がある,と言われています。滑走面が黒いのはこのどちらとも直接関係ありませんが,熱を逃がさないで保存しやすくすれば水滴ができやすいわけです。そのため滑走面の色は黒いわけです。
スキーヤーのみなさん,こういう疑問お持ちでしたか?まことに素朴なご質問ですが,こういった疑問から“スキー”の本質がみえてくるんですネ!(^I^)
“Yuki”さん,本当にありがとうございました! (^I^)
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