【TOK】のスキー教師日記  July 2006

 July 2006

What's Today ?

07/31 滑りのムラ...あって当然 !!!
07/30 心・技・体...
07/29 両天秤のバランス
07/28 “道”に通じるスポーツ
07/27 味わうことで余裕を !!!
07/26 滑りにムラが...
07/25 シンポジウム的展開
07/24 聖徳太子かな?
07/22 オレンジが原点
07/21 “愛”を育てていく
07/20 結果としてのベンディング
07/19 身体が勝手に反応...
07/18 New Ski World
07/17 つまりは“基本”が大事
07/16 荒れた斜面に同化する
07/15 荒れた所ほど感じて...
07/14 荒れた斜面を滑るコツは?
07/13 ブーツ選びのポイント
07/12 スキー選びは恋人選び
07/11 矛盾する性格
07/10 06春のオフ会
07/08 性能を表す言葉
07/06 試乗レポートを参考にする...
07/05 赤裸々なレポート
07/04 素晴らしいお答え
07/03 ほど良い...選択
07/02 板は好みで変わる...
07/01 安定性を増すには?


*** これまでの日記***

* 2006年06月
* 2006年05月
* 2006年04月
   (Canada Tour)
* 2006年03月
* 2006年02月
* 2006年01月
* 2005年12月
* 2005年11月
* 2005年10月
* 2005年09月
* New Zealand05 通信
* 2005年8月
* 2005年7月
* 2005年6月
* 2005年5月
* 2005年4月 No.2
* 2005年4月 No.1
* 2005年3月
* 2005年2月
* 2005年1月

* 2004年12月
* 2004年11月
* 2004年10月
* 2004年9月
New Zealand04通信
* 2004年8月
* 2004年7月 No.2
* 2004年7月 No.1
* 2004年6月
* 2004年5月
* 2004年4月
* 2004年3月
* 2004年2月
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* 2003年12月
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* 2001年9月
* 2001年8月No.2
* 2001年8月No.1
* 2001年7月
2001年6月

*  以下 2001年

教師日記 5月

教師日記 4月
教師日記 3月
教師日記 2月
教師日記 1月

*  以下 2000年

教師日記 12月
教師日記 11月
教師日記 10月
教師日記 9月 #2
教師日記 9月 #1
教師日記 8月 #2
教師日記 8月 #1
教師日記 7月
教師日記 6月
教師日記 5月 
2000年4月 
2000年3月
2000年2月
2000年1月

*  以下 1999年

1999年12月
1999年秋
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1999年3月
1999年2月
1999年1月

*  以下 1998年

1998年12月

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★ July 01  2006  Saturday  曇り (白馬)
 今日から七月です。2006年も丁度半分が過ぎたことになります。
 日本は夏本番ですが,逆の気候のニュージーランドではほとんどのスキー場がOpenしたようです。一昨年行った,あまり降雪量の多くない“Mt.Dobson”でも今年は1m以上の積雪があり,今朝も20cm近い新雪が降ったとか !!!。新雪...滑りたいですネェー !!! (^ー^)
 では,今日も  Have a nice day !!! 
     -------------☆★☆-----------
 今日は昨日の“Sas”さんからのご質問に対する,私の回答です。
 ご質問の骨子は...
 @滑っている最中スキーの安定感が無い。もっと安定して滑るには何に気をつけたら良いか? 
 A板の長さは滑走中の安定性にどういう影響を与えるか?
 Bスキー用具選びの注意点...スキー板とブーツの選び方は?  ...ということでした。

 先ず,@の「安定感が無い...」ということについて...。安定性が失われる要因はいろいろありますが,その主なものは,(a):滑り方に難がある場合。(b):用具に問題がある場合。(c):斜面条件が悪い場合...の三つです。
 (a):滑り方に難がある場合⇒これはレッスンでもお話ししたように,“フィーリングスキー”の“Let Ski”流でお話しすれば,「かかとを支点とし,“センサーポイントSP”から来る雪の力を“レシーブポイントRP”にしっかり受け止める意識を持つこと」...です。この両者の間にできるラインを“エネルギーライン”と呼んでいますが,このラインができると本当に滑りが安定してきます。私も,少しでもスキーがふらつき始めるとこの“エネルギーライン”のことをイメージするようにしています。すると不思議なくらい落ち着きます。暴れ馬が素直に走り始めてくれる感覚です。(^ー^) これは思いの外効果がありますから皆さんもぜひお試し下さい。モチロンのことですが,“Do Ski”をやられると安定性は確実に失われます。身体を動かす...という運動そのものが安定性を乱すことだからです。
 (b):用具に問題がある場合⇒いくら“エネルギーライン”を意識してもうまくいかない時は,用具に問題がある場合が多いです。私のレッスンでも,スキー板を変えたら見違える滑りになった !!!...という例はたくさんあります。後での「用具選びのポイント」とも関係してきますが,スキー板のトーション(ネジレやすさ)とか,フレックス(たわみやすさ)のバランスが,スキーヤーの体重や乗り方に合ってないと,どんなに練習しても安定した滑りにならないのです。こういう時は,滑りを拝見すると,「ハハァーン,これは用具のせいだ !!!」とピンと来るのですが,あのレッスンでの“Sas”さんの滑りを拝見した限りでは...(実はさっき,確認のためレッスンの時の映像,見直してみました...),安定感はあるように見えましたが...。ひょっとすると,あの当時より大分うまくなられ,滑走スピードが速くなったり,カービング的な要素が多く出て来たり,悪雪などに入る機会が増えたから...かもしれませんネ !!!。(^ー^) こういう様に「レベルが上がった場合」も,それまでは具合の良い板だったのに,オカシクなった...ということがあり得ますヨ !!!。
 (c):斜面条件が悪い場合⇒この場合は,当たり前のことですが,整地を滑っている時に比べれば,バランスを乱す要因が増えるわけですから,スキーが不安定になるのは当然です。整地ではOK !!!なのに場所を変えて滑ったらオカシイ...という時は,斜面条件のせいですので,そんなに気にしなくてイイでしょう。ただ,“Let Ski”で“愛のターン”に洗練してくれば,重心の乱れが少なくなりますので,安定性は増しますが...。でもあの時はまだ“愛のターン”...レッスンで使ってなかったモンねぇー...。(=_=;)

 二番目の...A板の長さと滑走中の安定性,についてですが,普通は,スキー板が長い方が「有効エッジ長=エッジの効き具合の長さ」が長くなるのと,「スウィング・ウエイト=スキーの振り回しやすさ」が重くなりますので,フラフラする要素が減り,安定性は良くなります。ただ最近は,スキー板が長くても「有効エッジ長」を短くすることが可能になり,また「スウィング・ウエイト」も軽くすることができるようになったため,一概に「こうだ !!!」とは決め付けられなくなりました。一般的には「スキーの安定性」と「スキーの操作性」は矛盾する性質ですので,安定性が増せば増すほど,「重いし,扱い難いなぁー...」ということになるのは仕方ありません。大回りは安定していてイイけれど,小回りができにくくなった...ということになるのです。(=_=;) 
 昔は,「身長+20センチ」とかよく言われたものですが,カービングタイプの板が出だしてからは,その格言は的を得ないものとなりました。今日の答えの,上の「@の(b)」のようなこともありますので,今はむしろ「身長」よりも「体重や脚力」の方が,安定性と密接な関係にあるように思います。

 さて,今日も答えが長くなってしまいました。Bの答えはまた明日...ということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(=_=;)

 また,今回もすでに4名の「教師日記」購読者の方々から,それぞれのご意見が届いていますので,それは明後日以降,皆さんにご紹介させていただきます。ヨ・ロ・シ・ク・...(^ ^)


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★ July 02  2006  Sunday  雨 (白馬)

 今日,日曜日ですが,「雨」が降っている白馬です。ようやく梅雨らしい天気です。
 ベランダに降っている雨を眺めながら,朝イチのCoffeeをいただきました,(*^^)v 水の溜まった所に降り落ちる滴が,本の小さなリングを作っては消えて行きます。季節々々ごとの風情みたいなものが感じられて,これもまたナカナカ...とおもった【TOK】でした。
 では,今日も  Have a nice day !!! 
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 今日からこの「教師日記」日付順に下の方に書き連ねて行くことにしました。その理由は,「これをプリントアウトした時に,日付が逆だと読みづらく,切り貼り作業が大変...」というお声を頂いたからです。...ということで,この「教師日記」...この7月からの分は,A4サイズで Print Out できることになりましたのでヨ・ロ・シ・ク・...(^ ^) 

 さて,実は“O”さんから次のような e-mail をいただきました。
 
『…最近の先生の日記は双方向になって、色んな考えが紹介されたりして益々意義の有る内容になって来てます。やはり教えて貰うだけでなく各自が自分の頭で考える事も重要なんですね。
 それと一つ思ったんですが、課題に対する回答や考えを紹介する時は、先生の回答 (今日の詳しい解説付きの回答なんかはまさに大正解ですね)は最後に登場させて生徒達の’不完全’な回答を最初に紹介する仕方はいかがでしょうか。生徒達の回答に先生のコメントを付けながら解説し、生徒達に色々考えさせる。そして最後のまとめを先生が務める。 (ああ これじゃ学校教育と同じになってしまう) TOKさんの日記は学校教育じゃない事を忘れてました。 済みません m(__)m…』

 実は,このことに付いては,わたしもどちらの方が皆さんにとって,より良いことかなぁー?...と思っていました。...でよくよく考えたのですが,学校教育云々はさておき,わたしも皆さんのお考えを先に披露した方がイイと思い始めたところでした。双方向で皆さんに先ず考えていただき,その後で【TOK】の意見を集約させるスタイル...これを少し試したみたいと思います。「善は急げ」の諺もありますから,早速今日から...。

 ...ということで,“Sas”さんからのご質問@とAはすでに昨日【TOK】がお答えしてしまいましたが...途中になりますが,差し挟んで行きたいと思います。(^ー^)  「この日記に紹介されるのはイヤだ...という方はそう書き添えて...」とお知らせいたしましたので,そのコメントが無い方は支障の無い範囲で紹介させていただくことにしたいと思います。では e-mail を頂いた順に...

 今日は先ず,“U”さんからの e-mail です。
 
『…私的には、コブ斜面以外では板の長さは関係無いです。コブ斜面はリカバー時の慣性モーメントが効いてきますので脚力のない私には短い方が楽だと思います(今年の常用は身長167cm体重57kgで150cmのST9)。長い(170のHCXや180のCYCHO)と抵抗を捕らえて回るに良い感じです。という傾向がありますが板により安定感は随分変わってしまうのでなんともいえないというのが結論です。
 今シーズン、150cm、SLの板を年上の女性に使っていただいたら気にいられて、そのまま奪いとられた後、その方の滑りががらっと良い方向に変わらたなんてこともありました。
 板は好みもあるので正解は無いような気がします。』

 “U”さんのご意見は“Sas”さんからのご質問の,A板の長さは滑走中の安定性にどういう影響を与えるか?と,Bスキー用具選びの注意点...スキー板とブーツの選び方は?...に関係するものと思いますが,ありがとうございました !!! (^I^)
 確かにコブ斜面では板の長さの影響を受けますネ !!!。どうしても整地斜面に比べれば,“U”さんが仰るように,「スピン的にスキー操作することも必要になる」からでしょう。ですから,リカバリーが大事になるコブ斜面では短くてスウィングウエイトの軽い方が,一般的には適していると言えるのですネ !!!。でも,それ以外ではあまり関係ない...。これは“Do Ski”も“Let Ski”も,どちらにも精通されるようになってこそ,言い得ることだと思います。(^ー^) ただし,「板により安定感は随分変わってしまう...」とも仰ってますように,滑って滑れないことは無いけれど,その快感度,満足度は違ってくる...ということですネ !!!。(^ー^) ショートターンもロングターンも,どちらにも最高に適した一台 !!!...というのは,その滑り方の違いからして,あり得ない事なのです。残念ながら...。そのどちらの滑りもできるという,両方の性能をそこそこ犠牲にした「オールラウンドスキー」は有りますが...。(=_=;)
 「150cm、SLの板を年上の女性に使っていただいたら…その方の滑りががらっと良い方向に変わられた...」というような事例...私も数多く知っていますし,経験もしています。皆さんも,「これだけ“フィーリングスキー”を実践しているのに,思い通りのスキーができない...」と悩んで居られる方は,用具を見直してみると良いと思います。
 「板は好みもあるので正解は無い...」というご意見は,「どういう滑りをしたいのか?」という各スキーヤーの志向に合致した用具選びが大切だから,コレといった正解は無い...という意味で「正しい」です。ですが,それを言ってしまうと,「じゃ,何をどうやって買ったらイイの?何でも良い...ということ?」ということになってしまうので,こういう志向にはこういう板,ああいう滑りにはあの板...というようなアドバイスができたらいいなぁーと思います。(^ ^)(^I^)
 いずれにしても,「“スキー道具”はその楽しみの味わい深さを左右するほど大切なもの」ですので,慎重に選びたいものですネ !!!。後日,私のスキーテスタートしての経験などから,私の持っている全ての知識を披露させていただこうと思います。(*^^)v
 “U”さん,貴重なご意見,ありがとうございました !!!


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★ July 03  2006  Monday  小雨 (白馬)

 今日も「雨」の白馬です。でも,時々空がサーァッと明るくなり,弱いですが陽射しが照ることも...。これもある種の風情があってGood !!!です。この雨今日一杯続き,明日も曇りで,明後日ようやく一時晴れ間が出る...との予報です。
 皆さんの地域はいかがですか?雨続きで,気分暗くなってませんか?そういう時はトップページ上のスキーヤーの絵をクリック !!! (*^^)v
 では,今日も  Have a nice day !!! 
     -------------☆★☆-----------
 今日も,“Sas”さんからのご質問に対する皆さんのご意見の紹介です。

 今日は,“O”さんです。
 
『 @シッカリ安定して滑るには何に気をつけたらイイか?
 これは適切なポジション維持以外に思い付きません。その手段としてTOKさんが常々述べられてる’センサー軸’をいつも意識する事。練習には深雪や荒れた斜面を滑るのが何と言っても一番、どんな饒舌な人よりも多くの事を教えてくれる気がします。
  A板の長さは滑走中の安定性にどういう影響を与えるか?
 長ければ長いほど直進安定性が増しますが、逆に取り回しが難しくなるので程良い長さの選択が必要と思います。
  Bスキー用具選びの注意点
 色々試乗するのが一番。試乗出来ない場合は出来るだけ自分と似た体型、スキー暦の人の試乗体験記を参考にする。一度選んだらパートナーとして最後まで大事に扱う。相手に合わせる努力も大事。 (結婚と同じかな (^o^) ) 』

 というご意見...ありがとうございました。(^ー^) 「’センサー軸’をいつも意識する...」これはわたしも書きましたが,ホントに大事ですネ !!!。これをしっかり意識すると,板の特性,斜面条件,その人の身体の特徴など,その時々の条件に最適な運動が現れると思います。ですから,まずこのセンサー軸を意識することから行ない,その結果どうしてもうまく行かない...ということになったら,用具などを考え直す...というのがイイでしょう。それと,“O”さんが仰るように,トレーニングとしてはいつも同じ所,簡単に滑れる斜面,ばかりでなく,チョッと挑戦 !!!...というような所も滑ることです。そのためにも,いつも独りでスキーをするのではなく,スキー仲間と滑ることも良いことです。
 Aはその通り !!!です。(*^^)v 程良い長さ...この「ほど良い...」という言葉,スキーだけじゃなく,人生いろいろなところで使える“フレーズ”ですネ !!!。(^ー^)
 B「試乗するのが一番...」⇒これ以上の最高のアドバイスはありませんネ !!!。ハッハハハ...(^ー^) 試乗できない時は,「自分と似た体型、スキー暦の人の試乗体験記を参考にする...」⇒これもその通り !!!です。スキー雑誌などに「試乗記」が特集されますので,どういうスキーをしたいか?という自分の志向に適したコメント,あるいは同じような体型のテスターのコメント...これらを参考にするのがいいでしょう。
 「一度選んだら...最後まで大事に...」これにはチョッと反論...です。我慢できない時,どうしても波長が合わず不協和音しか出ないときは,考え抜いた上で,あっさり決別することも必要かと...。ハハハハ...(^ー^)


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★ July 04  2006  Tuesday  晴れ (白馬)

 今日は,梅雨明けの夏を思わせる,イイ天気です !!! (^ ^)(^I^) やはり天気がいいと,気持がイイですネ !!!。前線が太平洋側に下がったために,今日は曇り予報が晴れに変わりました。そのため気温は低めで,室内で今(8:00)20℃くらいです。
 ときどき,雲間から残雪を頂いた北アルプスの山並みが見え,清々しさも感じます。
 では,今日も  Have a nice day !!! 
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 今日も,“Sas”さんからのご質問に対するご意見の紹介です。“K”さんからの e-mail です。

 
『…TOK先生 初めまして。“K”と申します。いつも教師日記、楽しく拝見しています。このHPを読むようになって、滑りの意識が変わってきてます(感謝) さて、6/30 の日記について私なりの意見表明をさせていただきます。実際にこの方の滑りを拝見しているわけではなく、勝手な思い込みが多々あるかと思いますが、ご指摘いただけると幸いです。

 まず、@滑っている最中スキーに安定感が無い ですが、いくつかの要因が考えられます。
 a.スキー板の性格と滑りのスタイルが合っていない⇒初中級向けのトーション・フレックスの弱いスキーの場合、滑走速度が上がると雪面からの抵抗を受けとめきれずに ブレ易くなる傾向があります。逆にエキスパート・レーサー向けスキーの一部は 充分な体重や脚力、滑走速度がないと必要なたわみを得られずに有効なエッジ長を確保できず、不安定に感じるかもしれません。
 b.雪面状況と滑り方が合っていない⇒例えば アイスバーンの急斜面で後傾気味になるとスキートップ側の捉えが不足してバタツキがでます。また、抵抗をもらいやすい雪面状況(新雪、春のザク雪など)では、ズレ幅が大きすぎれば 急な圧変化でバランスを崩しやすくなります。
 c.移動方向に対してスキーの操作が急すぎる⇒この場合も急な圧変化からバランスを崩しやすくなります。斜度に対する恐怖心があると、山回りを引っ張りすぎて谷回りが作れない(=急な操作になる)場合が多い気がします。また Doスキー的な意識が強い場合も、圧変化が急になりがちですね。
 以上をふまえて解決策を考えると、a.の場合⇒これは簡単。滑りのスタイルに合わせた道具に替えましょう。注意点等はB項で。b.の場合⇒いろいろな斜面を滑った経験がモノをいいます。あえて悪条件なところを滑る割合を増やしてみては?滑りのクセを TOK先生のレッスンやスクールにて教えてもらいながら併せてやると効果的かと。c.の場合⇒恐怖心を取り除くのは大変ですが、キャスターターン・愛のターンなどのフィーリングスキー意識がいいのではないでしょうか。積極的な斜面移動とセンサーポイントからの圧を飲み込むことができると安定した滑りが期待できます。

 次に A板の長さと滑走中の安定性の関係について
 アルペン競技の例からも判るように、滑走速度が高くなるほど長い板(というよりも長い有効エッジ)が有利になります。(SL<GS<SG<DH の順にスピードもスキー長も増える)。ただし、長くなればなるほど重く・取りまわしにくくなるので、やはり技量に合わせる必要はありますね。大回り好きならやや長めをセレクトするとよいのでは。小回り好きで中・大回りの安定を求める場合は、長さを落とさずラディウスを小さくして軽めの板が良いかと思います。

 さて、では Bスキー用具選びの注意点 です。
 現在お使いのスキーが長さ158cmとしか判らないので、かってな思い込みですが
3サイズ 105-65-95 程度のレディスモデルをご使用と想像しますm(__)m。整地と併せて 新雪やオフピステを滑りたいとのこと、ずばり 160〜165cmのセミファットスキーなどどうでしょう。トップ幅110〜120mm、ウェスト75〜80mmあると新雪や春のザクザク雪でもかなり安定しますよ。この場合、パーク向けモデルよりオールマウンテン向けの方が合っていると思います。
 ブーツは板や滑走技術との兼ね合いもありますが、やや硬めが雪面の情報を感じやすいですね。(硬すぎて体の動きが硬直するとNGですけど。。。)』


 “K”さん,ありがとうございます !!! (^I^) まことに的確なご指摘で,「素晴らしいお答え」だと思います。多分,だいぶスキー歴もお永く,指導経験などもおありなのではないか...?と,推察いたします。(^ー^)
 お答えの中でも,スキーの安定性を考える時に,スキーヤーと用具との相性に言及されていて,「スキー板の性格と滑りのスタイルが合っていない...」というご指摘は大切なことだと思います。以前は,「ズレるスキーをどうずらさないで滑るか?」ということがスキー滑走で大事なポイントになったものですが,今では様変わりで逆に,「ずれにくいスキーをどうずらして滑るか?」ということがレッスンでも大事な要点になって来ています。「用具選びはどうしたらイイ?」の時にまた詳しくお話ししますが,できるだけ試乗会などでいろいろなスキーを履かれることがイチバンだと思います。スキーヤーの感性が鋭いほどスキー板の違いが分ります。ホントにこんなにスキーの性能って違うものなの?!?!...ということが経験できると思います。(^ー^)
 「急激なスキー操作がバランスを崩す元凶になる...」というのも,その通りです。そしてそれが“恐怖心”に起因していることが多い...というのも,適切なご指摘ですし,またこの“恐怖心”を取り除くために,キャスターターンや愛のターンなどの“フィーリングスキー”意識が役立つこと...これは私がレッスンの現場でいつも思っていることです。一度もご一緒に滑ったことの無い“K”さんが,このようなお考えをお持ちで,しかもそれが適切...というのにはビックリ(*_*)です。(^ ^)
 スキー用具選びの注意点...として,「整地と併せて 新雪やオフピステを滑りたいとのこと、ずばり 160〜165cmのセミファットスキー...」を挙げておられますが,“Sas”さんのスキー歴が5年,身長が160センチで女性...ということを考えますと,セミファットでこの位の長さの板がベストかもしれませんネ。
 スキーブーツについては,今シーズン本当に再確認させてもらいました。そして,“Do Ski”ならまだしも,“Let Ski”で「生涯スポーツ」として“スキー”をお楽しみになるのであれば,迷わず「フレックスの硬めのブーツ」をお勧めします。“K”さんが,「硬すぎて体の動きが硬直するとNGですけど。。。」と書かれていますが,スキーブーツが硬くなるに連れて,自分から雪面に働きかけることができにくくなり,雪の抵抗をもらおう...とする気持が出てきて,身体の反応もそれに合った動きが起こるようになります。そして,硬いほどその情報を敏感に,しかも的確に受け容れることができるのです。...とは言っても,初心者の方にギンギンに硬いブーツをお勧めしているわけではありませんが,“Sas”さんくらいになれば,硬めのブーツでスポイラーが付いているブーツを選ばれたらイイと思います。さらに,前傾角の調整機能が付いていれば,申し分ないですネ !!!。
 ...ということで,大変長くなってしまいましたが,“K”さんからの e-mail のご紹介でした。“K”さん,本当にありがとうございました !!!。
  


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★ July 05  2006  Wednesday  小雨 (白馬)

 今日は,小雨模様ですが,今(am8:40)白馬三山の稜線がウッスラ見えています。前線が列島の真ん中にかかり,全国的に雨のようですネ...。
 さて,今日の言葉...「“豊か”であるということに対する思い如何で,心の平安に差が出る」。私の好きな言葉“少欲知足”に通ずる言葉に出会いました。心の平安...その様な気持でスキー...したいですネ !!!。(^ー^)
 では,今日も  Have a nice day !!! 
     -------------☆★☆-----------
  今日も,“Sas”さんからのご質問に対するご意見の紹介で,“U”さんと“O”さんからの e-mail です。お二人ともご経験に照らした,ある意味で「赤裸々なレポート」です。(^ー^)
          *****          
 先ず“U”さんからの e-mail です。
 『…今日の“Sas”さんはスキー暦も私と同じようで参考になりましたので、私の少ない体験からご報告をいたします。私は今回のカナダツアーを機に板を替えました。身長は168体重75キロです。従来headのカービングタイプのC-200、155センチを使ってましたが、買い換えました。カナダツアーでオガサカのセミファットの174センチ、センター幅85を試しに使用しました。初心者ながら板が長いとバッグンに前後の安定性があると感じました。又幅がわずか十数ミリの違いながら幅広は整地されたゲレンデでも、それ以外で十分楽しめました。カービングで短いスキー板では日本の国内の整備されたゲレンデでは滑れてもオフピステに一歩足を踏み入れると非常に辛いものがありました。TOKさんの愛のターンや、滑らすスキーにはカービングのきつくない方がいいのではと思います。板が短いとどうしても力で振り回してしまうように感じました。
 今シーズンからカービンはやめ、某メーカーの170センチ、センター85ミリ、ビンディングワイドにしました。カービング系を使わなくてもなんとなく楽に滑れそうな気がしたからです。年齢的なこともありますが、スピードより安全に長い距離を長く楽しみたいと思います。 』

 “U”さん,貴重な体験談...ありがとうございます !!! (^I^) カナダツアーでは滑りがかわりましたものネ !!!。(*_*) 多分にスキー板のせいもあったのかもしれませんネ !!!。(^ー^) でもなによりも,板を替えられてその滑走フィーリングの違いを見事に感じ別けられた...ということが凄いです。これほど感性が鋭ければ“スキー”の楽しみの幅もどんどん広くなると思います。
 さて,私も Canada キャンプ...今年は昨年の反省を生かし,同じ様にセミファットの板を使いました。カナダ日記にも書いていますが,楽しさがぜんぜん違いましたネ !!!。“U”さんも仰るように,“生涯スポーツ”ということを視野に入れているのであれば,そして,オフピステやクルージングを楽しまれるのであれば,セミファットのスキー板は「これ一台のスキー !!!」という意味で,私達に適しているのかもしれません。
 年齢と仰いますが,まだまだこれからですゾ !!!。安全に,長い距離を,味わいながら滑りましょう !!!。 e-mail ありがとうございました。(*^^)v

          *****
 次は“O”さんからの e-mail です。
 
『…6月30日のこと、私なりに女性の立場から、考えてみました。年齢は私より5歳若いから、まだ体力があること。身長は一緒ぐらい、体重は私の方が重い。スキー歴というより、年間滑走日数は恥ずかしくて言えませんが...。
 @安定感⇒これは、永遠の課題ですね。これだけは、未だに分かりません。スキーは、バランスとの戦いですもの。というより、落下のスポーツで、落下を楽しむものですもの。落下し続けている以上、バランスは崩れ続けていくのは当たり前だと思います。落下方向とポジションがあっていれば、安定感は増すと思います。私の場合は、切り替え時と切り替えしてすぐ後に上体が起きてしまう癖があるため板が先に行き、上体だけが山側に残りやすいです。ということは、雪からのお便りを、上体は逃がしています。落下方向に、体も素直に落ちていけば、雪からのお便りはもらえると思います。まだ未熟なので、安定感はこれしか言えません。
 A板の長さ⇒女性で160cmで50キロの場合、板の長さは、女性側から見ると、158〜162cmでいいと思います。いろんな斜面を楽しんだりするには、この長さでいいと思います。50キロであれば、155cmでも大丈夫ですが。150〜155cm、短いので、小回りはやり易いですが、長く滑ったり、大回りするには疲れやすいです。158〜162cm、長く滑ったり、大回りは楽ですし、小回りもまあまあ大丈夫ではないでしょうか。165cm以上は、いろんな斜面を滑るのに女性の脚力では、疲れるのではないでしょうか。ただ、レーサー・大回りのみはもっと長いのではないでしょうか(間違っているかもしれませんが)。
 B選び方⇒板は158〜162cmの長さでいいと思います。板の硬さは、あんまりやわらかいと、長く滑るには、疲れます。なので、少し固めがいいです。逆に、すごい固いと、コブや凹凸が多いところは、膝や腰にバーンと来ます。最近は、レディースモデルが多くでていて、脚力に合うそうです。準指を目指す友人が、試乗会で履いてみたところ、来季のレディーモデルもばかにできないと言ってました。コブに強い女性、タフな女性、年の割にはカービングに強い女性...とさまざま周りにいますが、皆レディースモデル履いてます。レディースモデルも考慮してみては...。やはり、男性と女性では脚力、骨格が違うんですね。私の場合は、体重があるので、レディースモデルじゃないほうがいいと言われてしまいましたが。でも、重い板は、リフトに乗っている時、重さで膝を伸ばされて痛くなり足がだるくなるし、滑っていると腰にくるので、あまり重くない板、やわらかすぎず、かたくすぎずの板を選んでます。重いと、小回りも大変です。
 ブーツは、あまり柔らかいと、膝が前にいってしまい、後傾と操作性の問題点が出てきます。現に友人がそうだったので、私も周りも、もう少し固めのブーツに変えたほうがいいということもありました。逆にレーサー並みの固さは、いろんな斜面を滑るのに、ポジションが取れにくいのではと思います。では、どのような基準かというと、メーカー側のレベルの真ん中よりちょっと上がいいです。やわらかすぎず、かたくすぎずです。そして、女性の場合は、いろんな斜面を滑るにはwomen用の方がいいです。かかとからふくらはぎまでの高さが、女性の高さに作られているようです。仕事があるのに毎週末滑り,そして体力もやや衰えてきたので、全般的に、疲れない、体を痛めない用具を選んでます。
 まだまだ未熟で、理論を述べるレベルではないし、、現実にあったことばかりの話ですが、女性として、長年滑るには、年齢的に、疲れない、体を痛めない...を念頭に書きました。毎年6月の中旬になると、私や女性の友人(全員11月〜5月まで滑り,滑走日数50日くらい)は、6ヶ月滑った疲れが出て、体が動かなくなります。そういう経験を元に書かせてもらいました。でもまあ、毎年これだけ滑って、体が壊れない?、私が一番症状が出ると言われてますが。去年はオフになったとたん、重症のじんましん(顔も腫れ、友人も驚き!)、ある年は、オフになったとたん腰痛、ある年はオフになったとたんめまい症と診断され、職場では、毎年こんなに体を壊すのならスキー止めろと言われる始末で、肉離れをして足を引きずって出勤た時は、まじでスキー止めろと言われました。1ヵ月後にはもう滑っていましたが。シーズン中の滑り込みに対しての体力と、オフに入ったとたんの症状の戦いが、用具の選び方や安定感につながってます…』

 “O”さん,同じ女性からのご意見,ありがとうございます !!! (^I^) いろいろなご経験を元に素直なレポートには頭が下がります。ホントにありがとうございました。きっと“Sas”さんにとっても参考になったと思います。(^ー^)
 さて,「安定感」についてのコメントですが,「落下し続けている以上、バランスは崩れ続けていくのは当たり前...落下方向とポジションがあっていれば安定感は増す...」というのは全くその通りです。鏡のような整地でない限り,バランスは崩れるようにできているんですネ !!!。“O”さんの場合,「切り替え時と切り替えしてすぐ後に上体が起きてしまう癖があるため板が先に行き、上体だけが山側に残りやすい...」ということですが,この時のポイントは斜面下方に落下する意識よりも,ターン外側に出て行く意識があると尚イイかも知れませんネ...。“エネルギーライン”をしっかりイメージすることでも,ターン前半の滑りを変えることはできると思います。(^ー^)
 Aの板の長さと,B選び方...については,“O”さんのこれまでのスキーライフで感じられたことを,素直な語り口で述べられていてどことなく感動モノのレポート...ですネ !!!。(*^^)v 「男性と女性では脚力、骨格が違う...」。だからレディースモデルも視野に...というのは貴重なご意見です。
 ブーツに対するご意見も適切なアドバイスだと思います。そうですか...“O”さんの周りでも硬めのブーツの話題が出てましたか。これはこれからのスキーライフや滑り方を考える上で,大事なポイントになるでしょうネ !!!。
 それにしても,11月から5月まで...お勤めが毎日あるのに,週末は毎週スキー場にお出掛けになり,滑走日数が50日を越える...というのも凄いですネ !!!。シーズンが終わるといろ後遺症が出るとか...。今年は出ないことを祈っております !!!。(^ ^)(^I^)

 壮絶な“O”さんのレポートで,今回の“Sas”さんのご質問に対する皆さんのご意見紹介を,ひとまず終了させていただきます。いろいろありがとうございました。明日からは【TOK】の用具選びについての解説をさせていただきます。(*^^)v

 
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★ July 06  2006  Thursday  曇り (白馬)

 今日は,「曇り」の白馬です。この地域...これまであまり降雨がありませんでしたが,残雪のおかげで,田んぼの水は確保できていました。でも,この梅雨空の雨で草花や木々も豊かな「水」をいただき,活き活きしている...そんな感じがします。九州地域の人は雨が多すぎて困っているようですが...。ひどい災害にはなりませんよう...祈ってます。
 では,今日も  Have a nice day !!! 

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 今日は【TOK】が“Sas”さんの最後の質問にお答えいたします。その要点は...Bスキー用具選びの注意点...スキー板とブーツの選び方は?...ということでした。その内,今日はスキー板選びの要点についてお話ししたいと思います。
 皆さんが書いてくれたように,「好みもあるので正解は無いような...」,「色々試乗するのが一番...」,「セミファットスキーなどどうでしょう...」,「カービング系を使わなくても...」,「レディースモデルも考慮してみては...」…というようにいろいろなご意見もあります。私はスキーテスターをさせてもらった経験から,それを参考にお話ししたいと思います。

 スキー板の性能を決める要素については,板の長さ,ラディウス(R),フレックス,トーション,スウィングウエイト,レスポンス,センター幅の広さ...などいろいろあります。それぞれ検討すると,大回りに適しているとか,アイスバーンでもOK !!!とか,コブに最適...といったコメントが出てきますが,実際に私達が履いてみて,自分に合っているとか合っていない...と判断するのは自分の滑走フィーリングが最終的なものです。ですから,試乗してみないとなんとも言えない...というのが,大正解なのですが,それでは漠然としすぎていて話になりません。そこで,雑誌などの「スキー試乗レポート」などを参考にするのが一般の人にとってはベターだと思います。
 そこで,「試乗レポート」を読むときのポイントをお話したいと思います。注目すべきことは...
 (a):スキースタイルがテスターの志向と似ていること。⇒どんな斜面をどのように滑るのに適しているか?が分ります。大回りか小回り?深雪か整地かコブか?ハイスピード向きかほどほどのスピードか?etc.など等です。
 (b):テスターの身長・体重が自分の体重と同じくらいであること。⇒これも板のフレックスやトーションとも関係してくる大事な要素です。体重の違った人の意見はほとんど参考になりませんから注意が必要です。
 (c):コメントの中の「適した滑り方」が自分の要求に合っていること。⇒試乗スキー毎に,テスターが「これはこういう状況に合っている...」というようなコメントを載せていますので,それを参考にするとイイでしょう。
 (d):価格的にOK !!!であること...です。⇒実はこれも大事です。最近はレンタルでも結構良いものが貸し出されていますから,その時々に合ったスキー板をレンタルする...というのも選択肢としてあっていいと思います。なにも高価なスキー板を毎年購入する必要も無いと思います。実際,来シーズン,「“Hakuba 47”では高級スキー板を履き替え可能な形でレンタルする」...との情報もあります。

 さて,長くなりましたので,明日もう一度「スキー板」の選び方について,その「キーワード」をお話ししたいと思います。では... (^ー^)


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★ July 07  2006  Friday  晴れ (白馬)

 今日は,「晴れ」の白馬です。気温は22℃,カラッとした晴れではありませんが...。 今日は,申し訳ありませんが「急用」ができてしまいました。
 そのため「教師日記」...オ・ヤ・ス・ミ…です。申し訳ありません...(=_=;)。
 では,今日も  Have a nice day !!! 

 

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★ July 08  2006  Saturday  晴れ (白馬)

 今日も「晴れ」の白馬です。(^ー^)
 朝の気温は昨日と同じく22℃,雨にはならないで済みそうです。 jpSKI.com 春のオフ会の開かれる「野麦峠」も午後は晴れ予報が出ています。さて,どんなオフ会になるんでしょうか?
 ...ということで,明日は「野麦」からの Up date ですが...。時間がとれないとUPできません...その時は悪しからず...。
 では,皆さんも  Have a nice day !!! 
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 今日は,
「スキー板」の選びの「キーワード」についてです。
 板を選ぶ時,試乗会などで実際のスキーを履く機会が無い人は,他人からの情報や雑誌などの「スキー試乗レポート」などを参考にするしかありません。その時いろいろな表現が出てきます。...で,実際にいろいろなスキーヤーやスキーテスターと話をしていて思うことは,性能を語る「表現上の言葉」が大事だ...ということです。人間の身体は機械ではないので,数字でフィーリングを表現するわけにいきませんから,どうしてもそのテスターや試乗したスキーヤーの「感覚上の言葉」を参考にするしかないわけです。そこで,今日はスキー板の性能を語る言葉...これを考えてみたいと思います。
 @「切れるスキー」と「ずれるスキー」:
 これはスキーをしていて最も皆さんがご自分の感覚として感じやすいフィーリングだと思います。今流の言葉で言えば「カービング」か「スキッディング」か...ということになるでしょうか。これは,「ターン円弧をどうコントロールしているか?」というフィーリングを最も端的に表す言葉でもあります。どちらかと言うと,多くのスキーヤーは「切れる」ということを求める傾向にあります。その理由は,上手になるに連れてハイスピードでのターンコントロールをしたいからです。ズレのターンは迎え角を大きく取って滑ることが多く,スキー板のトーションが弱い方が適していて,スピードがあまり出せないからです。ところが「切れのターン」は雪面抵抗を強く受けますから,身体にかなりの負荷が掛かります。つまり,雪面ホールドが良いほど疲れるが,適度にずれやすいスキーはハイスピードは出せない。けれど,ロングコースを快適に滑る「クルージング」には適している...ということが言えます。「切れ」と「ズレ」はもともと相反する滑り方ですから,これをどちらも可能にするスキー板はあり得ない...ということなのです。ですから一台で全ての滑りをカバーする...という時には,「ほどほどのカービング特性を持った板」を選ぶことになります。
 A「大回りに適したスキー」と「小回り用のスキー」:
 大回りと小回り...これもスキーの滑り方としてはポイントが異なる滑り方...と言っていいでしょう。一般的には,大回りは方向安定性の方が操作性より重要になりますし,小回りでは逆に操作性のほうが重要になります。普通は板の長さが長いと雪面ホールドの長さが増し,方向安定性は良くなります。ですが,最近は短い板でもフレックスとトーションのバランスをうまく調整できるようになりましたので一概に板の長さでこのことを論ずることができなくなりました。ですから雑誌などのデータを見るときは,長さではなく,テスターのフィーリングとして「大回りに適した板か,それとも小回りか?」...という読み方をした方がいいでしょう。もちろん,「大回りにはバッチリ !!!」という板は,「小回りでは扱いにくい...」ということになりますし,その逆もまた同じですので注意が必要です。「大回りにも小回りにもある程度適した板...というバランスのいい板...」という表現で紹介されている板は,「これ一台で大回りも小回りも,それなりに...」という意味で注目に値する板だと言えます。(^ー^)

 長くなりましたので,この続きはまた後日...。


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★ July 10  2006  Monday  曇り (白馬)

 今日は「曇り空」の白馬です。気温は26度と少し暑さを感じます。昨日から雨が断続的に降ったり止んだりで湿気もあります。
 ところで,昨日は結局時間が取れず, Up date できませんでした...(=_=;) ですが,楽しく有意義な「オフ会」となりました。(^ ^)(^I^)
 詳しくは「教師日記」で...。
 では,今日も  Have a nice day !!! 
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 今日もは一昨日と昨日開かれた「オフ会」の模様をお伝えしたいと思います。
 今回のオフ会は,“すのう”さんが幹事となって皆さんにお声を掛けていただき,11名の方の参加を得て行なわれました。場所は野麦峠スキー場にあるヒュッテ「不思議童子」。オーナーの“Miya”さんと“イガラシ”さんのご協力を得て行なうことができました。

 まず,pm2時過ぎに三々五々ヒュッテに集合し,自己紹介をしてから早速「役に立つオフトレ」の開始です。(^ー^) 単なる,想い出会,飲み会ではなく,少しは皆さんのお役に立てることを...ということで,私が考え実践している「オフトレ」を紹介させていただきました。普通の人は,オフシーズンに身体を動かしたいと思ってもそれを実行に移すのに大変な努力が要ります。でも,考え方をチョッと変えれば,「楽しみ」や「リラックス」,そして「癒し」...ということの延長線でスキーヤーに必要な筋肉に刺激を与えることができます。その方法は,私が雨の日にやるようになった「ダンスストレッチ」です。乗りのイイ音楽や時にはヒーリングミュージックを掛けながら,そのリズムに合わせて体が動くように動かす...というものです。一般的なストレッチを音楽のリズムに合わせて行なうようにすると,筋温の上昇と動き作りの両面 が可能になり,トレーニング効果も期待できる...というものです。音楽のリズムは決して早いものが必要ではなく,ヒーリングミュージックが結構これに適しています。このゆっくりしたモーションのストレッチと速いテンポのリズミカルな運動を交互に行なうことで,楽しみながら筋肉を活性化させようというトレーニング方法を紹介させていただきました。機会があれば,いつかビデオなどに撮って皆さんにも紹介したいと思います。
 約1時間半の「オフトレ講座」の後は,散歩を兼ねて「野麦峠スキー場」を見学に行きました。まだまだ運動のやり足りない人も居られ,急遽駐車場で「テニス」も楽しみました。この「野麦峠スキー場」...来シーズンは何回か「jpSKI.com スキーキャンプ」を考えています。その時のことを頭に描いたりしながら,白樺の木々の中の散歩を楽んだ一行でした。
 その後,ヒュッテの温泉で身体を癒した皆さんは,6時半頃から屋外での「バーベキュー」です。今回ご無理をお願いして,せっかくなので屋外で...という企画を了承していただき,10時近くまで,“スキー”の話題を中心に,ビールやワインを楽しみました。
 10時頃から場所を,リビングに移し, jpSKI.com ...今シーズン総まとめ映像の上映でした。第一回目のキャンプから最終キャンプまで,ハイライトを約15分のビデオにまとめたものを見ながら,その時々のことを思い出し,いろいろな話に花が咲きました !!!。(^ー^) 一部酔いつぶれ,夢うつつの人も居ましたが...(^ー^)

 あくる日,朝風呂をいただいて,8時から朝食...高原の美しい景色を眺めながら1時間半くらい以上掛けての,優雅な食事でした。(^ー^)
 その後10時チョッと前から,スキー用具購入のアドバイスを...ということで,【TOK】のミニ講演会兼相談会となりました。そのテーマや内容の詳しいことは明日からの「教師日記」でも皆さんに紹介しますが,結局「用具選びは恋人選び...」ということに落ち着きました。(^ー^) 話しに花が咲き,気が付くともう時刻は12時...。2時間以上も皆さんと「用具選び」についてお話しをしたのでした。(*_*)
 オフ会の〆に“Miya”さん特製の「チーズケーキ」と, jpSKI.com 会員の“KIUPE”さんから差し入れのあった「ドラ焼き」をいただきました。どちらも美味しかったァー !!! ありがとうございました !!!(^ー^)
 午後1時近く...来シーズンの再開,いや「この秋のオフ会」での再開を約束して,名残り惜しみながらのお開き...となりました。この秋のオフ会...“kaorin”さんに幹事を引き受けていただことになりました。よろしくお願いいたします。(*^^)v
 参加いただいたみなさん !!!,幹事の“すのう”さん,そして不思議童子のスタッフの皆さん...本当にありがとうございました !!!。
 スキー仲間との語らいの楽しさを満喫させていただいた【TOK】デシタ !!!。ありがとう!!!


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★ July 11  2006  Tuesday  曇り (白馬)

 今朝も「曇り空」の白馬ですが,時が経つに連れて,雲の量が減り始め,空がいくぶん明るくなり始めました。でも,天気予報では今日日中は「陽が射す」ことはない...とのことです。でも,雨が降らなければ,屋外でのトレーニング...楽しめます。
 みなさんも,身体...動かしましょうネ !!!。(^ー^)
 では,今日も元気で...   Have a nice day !!! 
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 今日は
「スキー板」の選びの「キーワード」についての続き...再開です。(^ー^)
 7/8の「教師日記」で,@「切れるスキー」と「ずれるスキー」,A「大回りに適したスキー」と「小回り用のスキー」について解説し,このどちらも,互いに矛盾する性格を持っているので実際に選ぶ時には,どれ位のところに落しどころを見つけるか?ということが大事だということをお話ししました。実は,この二つ以外にも矛盾する性質があるので,今日はこのことをお話します。

 B「軽いスキー」と「重いスキー」:
 滑っていて,「このスキーは重くて嫌だ !!!」とか,「軽すぎて落ち着きが無いワ !!!」...ということをよく聞きます。では,この“重さ”...実際に手に持って重いとか軽いと感じることと符合するのだろうか?...というと,実はそうではないのです。手に持ったとき重い...と感じても,滑ってみたら軽い...ということや,その反対のこともよくあるのです。なぜそういうことが起こるか?というと,一本のスキー板中で,その重さの配分は必ずしも一様になっているわけではなく,いろいろな分布で散らばっているからです。そのため,スキー板が滑走している時に感じる重さは,手に持った時の重さとは異なって感じられるのです。滑走している時に感じる重さのことを「スウィングウェイト」と言い,足元に重さが集中していればいるほど,滑った時には軽く感じられます。その逆に,手に持った時に軽く感じても,スキー板のトップやテールに重さが集中していれば,重く感じるのです。ですから,「私...脚力が無いから手に持って軽く感じる板を選ぼう...」というのは間違いの元なのです。やはり実際に試乗するか?雑誌などのデータを読むことが必要です...(=_=;)。

 C「正確に滑る」と「快適に自由に滑る」:
 バッジテストなどを受験する時にはどうしても「滑りの正確さ」が要求されます。本人がいくら気分よく滑っていても,ターン円弧がギクシャクしていたり,リズムがバラバラでは検定の評価が下がってしまうからです。ですから検定などでは,板の性能とすれば,自分の意思がストレートに板に伝わり,思い通りのスキー操作ができる様な「シビアな板」が適している...ということができます。ところがシビアな板はそれだけ敏感ですから,スキーヤーのちょっとしたミスも逃さず表現してしまい,乗っていて安心できない...といった「精神的苦しさ」が常につきまとうことになります。このような板で長い時間滑っていると疲れるのは当然です。そこで,自由に快適に滑る時は,ある程度ルーズな板の方が安心できる...ということになります。「正確な滑り」を取るか?それとも「自由で楽な滑り」を取るか?...というのもスキー板を選ぶ時の大きなポイントになるのです。雑誌などのデータでは「適正シーン」などという項目で,前者は「検定用」,後者は「フリーライド用」あるいは「クルージングタイプ」...などという風に記載されています。

 D「走る板」と「走らない板」:
 実に不思議なもので,スキーテストをしていると,思いの他「走る板」と「走らない板」があることに気付きます。フレックスとトーションのバランス,あるいはその分布の違いでこの滑走フィーリングの違いがでてくるのだと思います。私のテスト経験から言いますと,「トップよりテールのフレックス及びトーションが硬めの板の方が走る」...という傾向にあります。この方がテールでの雪面の捉えがしっかりし,トップが軽めになって雪面に食い込まないからです。ステンマルクが愛用していた「elan・RC05」などはモロにこの性格のスキーでした。だからこそワールドカップ80勝というような大記録が出たのかもしれません。かかとを支点にし,スキートップで雪の抵抗を受け止めるスキーをする...つまり「トップで圧を飲み込む」滑り方をすれば,自然に「走る」のですが,それにはこのような特性の板を使うのもお勧め...ということです。テスターの評価として「走る板だ !!!」,あるいは「しなやかな板...」というコメントのある板は,このような特性を持っているスキーだと言うことができます。実際にあったことですが,「ワックスをいくら塗っても滑らないの...」という板を試乗してみたら,トップの捉えが強すぎてターン最中に前のめりになってしまう様なスキー板だった...(=_=;),というようなこともありますから,滑走性も楽しいスキーをするには大事なポイントですネ !!!。

 さて,二回に渡って,「スキー板」の選びの「キーワード」についてお話ししてきました。次回はこれらの総まとめで,「用具選びを楽しむ」...です。



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★ July 12  2006  Wednesday  曇り (白馬)

 断続的に降っていた雨も,今は上がり,「曇り空」の白馬です。ここのところ,ようやく「梅雨」を思わせる気候が続いています。前線がだいぶ北上し,いよいよ梅雨明けも近いのでしょうか?(^ー^) どうせ暑い夏なら,カラッとした夏空...早く来るとイイですね !!!。昨日も“ダンスストレッチ”で汗を流した【TOK】でした。(^ー^)
 では,今日も元気で...    Have a nice day !!! 
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 今日は,
「用具選びを楽しむ」...ということをお話ししたいと思います。
 これまでの「教師日記」で「スキー板選びのポイント」についていろいろ見てきました。そして,「これこそ万能 !!!なんでもOK !!!」という板は作り得ないことをお話ししました。つまるところ,「自分はどんなスキーがしたいか?」ということで選ぶしかない...ということです。当たり前といえば当たり前のことなのですが,各種各様な性質の板が作れるようになったけれど,一台で何でもスーパーにこなせる板は無い...ということでもあります。ある Party に招かれて洋服を選ぶ時,その場の雰囲気を考え,また自分のアピールをどうしようか?と,チョッと考えたりするのと同じように,スキーをする時もその時の雰囲気をどう楽しむか?ということを先ず考えて板選びをするのが大事なのですネ !!!。(^ー^) つまり,「スキー用具選びは,スキーライフを考えること...」と言うこともできます。
 実際に試乗して自分の感性や滑り方に合っているかどうか?を試し,その上で購入する...というのがスキー板選びにはベストな方法だけれど,それができない人は,スキー雑誌などの「試乗レポート」を参考にするしかない...ということでいろいろお話ししてきました。で,スキーテストをしていたら,こういうこともある...ということを,板選びの最後の話としてお伝えしたいと思います。それは,「年齢,性別,スキースタイルの異なる多くのスキーテスター皆んなが口をそろえて,『これはイイ !!!』...と評価する板がある」...という話しです。「エッ?!...じゃ,早くその板を教えてヨ !!!」...と仰るかもしれません。その板は「板としてのバランスが取れていて,板そのもののエネルギーが高い !!!」...と感じさせる板です。「皆んながイイ !!!」と言っても,「大回りも小回りもアイスバーンもコブも,何から何までこれ一台で万全 !!!」という板だというのではありません。犠牲になる要素を少しは含んでいるけれど,「この一台 !!!」という意味では誰にでも適していて,その“エネルギー”が高い...と言える板です。では「試乗レポート」で,このような板を見つけ出すには?...ということですが,それは,「ほとんどのテスターの評価が“評価表”の高い評価ゾーンに揃って偏っているスキー板」です。ここの「高い評価ゾーンに揃って偏っている」というのが大事なポイントです。ハッキリ言ってテスターは実際にテストをしていると,「これはもう二度と乗りたくない...」という板にも,また「ぜひ欲しい !!!」という板にも出会います。ですがいくら乗り心地が悪くても,「悪い...」という評価だけではテスターは務まりません。悪い中にもどこか光る部分を見つけ出し,それを評価しレポートしなければならないのです。そして,実際に「試乗レポート」に載るのは,その良いところ取りのレポートで,どんな板も良いところが突出する形で書かれています。ですからその様な板は,テスターの評価は定まらないことが多く,あるテスターは良いと評価しても,違うテスターはあまり評価しない...ということになり,評価が分かれる...という形で本に載ります。このように,ある特徴だけが突出して評価されているのは偏った性格を持っている...という可能性が強いのです。その逆にほとんどのテスターが揃って良い評価をしている...ということならば,「それは本当に良い特性を持っている,ということの証明...」と言うことができるのです。このように,板としてのエネルギーの高い板...これは「試乗レポート」の読み方のコツをつかめば,皆さんでも読み切ることができる...ということです。試乗レポートの行間に隠されている“言葉”...これを見つけるつもりで本を読むのも面白いオフシーズンの過ごし方かもしれません。(^ー^)
 「スキーライフを考える」,あるいは「試乗レポートの行間を読む」...こうやって見てくると,スキー選びという行動は,素敵な恋人を求めて探し回る行動と似ている気がします。(^ー^) 人にはそれぞれ好きなタイプがあり,それは皆がみんな同じではない。それぞれ自分のタイプの人に出会えることを期待して探し回る...。この行動そのものがまた楽しいことでもある。スキー探しの旅も全くこれと同じ...そんなことを思います。
 みなさん !!! 大いに楽しみながら,素敵な“恋人”に出会えますことを !!!


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★ July 13  2006  Thursday  小雨 (白馬)

 今朝の白馬...「小雨」です。天気予報では,大雨になりそうなことを言ってましたが,今のところその兆候はありません。それどころか今(9:10)少しですが陽が射してきました !!!(^ー^)
 湿気が家の中に入らないように窓を閉めっぱなしにしていますが,それでも過ごせる気温だというのは,恵まれてますネ !!!。ハッハハハ...(^ー^)
 では,今日も元気で...Have a nice day !!!               
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 今日は用具についての最終日で「スキーブーツの選び方のポイント」です。
 あくまでも「“フィーリングスキー”を念頭に入れての話」...ですので,“Do Ski”的な運動が多い方には参考にならないと思いますが,ヨ・ロ・シ・ク・...(^ ^) 
 ポイントごとに挙げますと...

 @ブーツの硬さ(フレックス):
 過ぎたシーズンの後半,レッスンをしていて,この大切さを身を持って再確認することになりました。結論から言うと,「初心・初級者でない限り,できるだけ硬めのブーツを選ぶべきだ !!!」と思います。硬い方が,雪からの情報を途中でその信号を減衰させること無く,ストレートにスキーヤーの身体に伝えてくれるからです。この硬いブーツを使った時に,思いっきり硬く締めた時の受信感覚が判れば,それを緩く締めた時のフィーリングとの違いが明確に分るようになります。つまり,一度でもいいから「雪から圧が来るフィーリング」を体験しないことには,緩い硬いの違いさえ分らずじまいで終わってしまう...ということなのです。そのためには硬めのブーツを準備し,その時々の状況に応じてバックルやパワーベルトの締め具合を調節する...というのがベストな使い方だと思います。もし,柔らかいブーツを買ってしまうと,いくらフロントスポイラーを装着しても,元々持っている性能以上のものは引き出せません。

 A前傾角:
 これはスネがどれだけ前方に曲がっているか?...ということです。これも結論から言わせてもらえば,「できるだけ前傾角が浅く,起きているブーツ」をお勧めします。その理由は,「前傾角の浅いブーツを深くするには,バックスポイラーなどを装着することで容易に可能だから...」です。ところが,逆に前傾角が深くできてしまっているブーツを起こして使うのは至難の業となります。ですから,できるだけ前傾角が少ないブーツをお勧めします。
 この前傾角...深ければ深いほどテールがずれやすくなりますし,逆に浅ければ浅いほどテールでの雪面ホールドが強くなります。同じスキー板を使っていても,「これほどに滑走フィーリングが違ってくるものなの?!」...とビックリするほどです。ですから,「ひざが前に入る方がイイや !!!」...といった単純な考え方で購入してしまうと,後で後悔することになりかねません...。

 B調整機能:
 前述の前傾角度やフレックスなど,調整できる機能を持ったブーツも出回っています。この調整機能が豊かなほど,いろいろなスキー滑走シーンでバラエティーな使い方ができ,楽しめますので,もし可能ならこういう機能付きのブーツを選んだ方がイイでしょう。

 C大きさ:
 これもよく聞かれます。「薄い靴下を履いて試着し,20〜30分履いていて痛くならないブーツ」が良いと思います。もし履いている最中に,緩みが出たらワンサイズ小さいものに,締めつけがきつくなって痛くなるようならワンサイズ大きいものにした方がイイでしょう。もちろん,両足履くのですヨ !!!。右足の大きさと左足の大きさ...結構違いますから,片方だけではダメです !!!。(^ー^)

 Dブーツチューン:
 私が今履いているスキーブーツ...一昨年のニュージーランドから履き始め,トータルで290日ほど履いています。皆さんならば10年くらいに相当するでしょうか?で,何を言いたいのか?というと,ブーツチューンはできるだけしてもらった方が良い...ということなのです。「教師日記」に私のブーツチューンのいきさつについて書いてありますが,これ以降ブーツが原因でオカシイ滑りをしてしまったということや,右ターンと左ターンで足が原因の違和感がある...といったことがありません。たしかにチューン代は約6万円で高い !!!...と初めは思ったのですが,それを滑走日数割りにすると微々たるものです。滑走の快適性を考えれば,ぜひ行なった方が良い !!!...私はそう思っています。
 ブーツ選びとは直接関係がありませんが,このチューンをすることを念頭にブーツ選びをすることになれば,その選択ポイントも少し変わるかな?...と思うからです。

 さてこれまで,“Sas”さんのご質問をキッカケに「用具選び」についてお話ししてきました。
 明日はまた別の方からいただいているご質問のご紹介です。どんなご質問でしょうか?楽しみですネ !!!。(^ ^)(^I^)


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★ July 14  2006  Friday  曇り (白馬)

 今朝の白馬...「曇り」ですが,時おり陽が射したり,小雨がちらついたり...ナンとも微妙な天気です。湿度は昨日ほどではありません。気温も24℃と,比較的過ごしやすい天候です。梅雨明けもだいぶ近いようですが,その前に大雨などの発生が多いようです。皆さんも充分お気をつけ下さいネ...。(*^^)v
 では,今日も元気で...Have a nice day !!!           
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 今日は女性の方,“Ino”さんという方からのご質問 e-mail の紹介です。
 
『…こんにちわ。はじめてお便りさせていただきます。「教師日記」毎日読みながら勉強しています。今シーズン中は20日ほど滑りました。日記を参考にさせていただきながらいろいろな斜面を滑るようにしています。ですがどうしても斜面が荒れている所での安定感が少なくばらついてしまうのです。整地ですと思いどおりできるのですが・・・。みなさんのように気持ちよく荒れた斜面も滑れたらなあーと思っています。なにか良いアドバイスがありましたらお願いいたします…。スキーをはじめて4年が過ぎ、これまで60日ほど滑りました。50歳を超えましたが、先生の仰る生涯スキーを目指して頑張っています。よろしくお願いいたします…』
 “Ino”さん, e-mail 拝見いたしました。“生涯スキー”...イイですネェー !!!(^ー^)。“スキー”はご自分の意志で適度に刺激がコントロールでき,有酸素運動としても良いそうですから健康維持のためにも,若さを保ち続けるためにも最適なスポーツだと思っています。ぜひ楽しく続けていただいて,“スキー”の面白さを満喫して欲しいと思います。
 さて,ご質問の趣旨は,「荒れた斜面を安定して気持ちよく滑るには?」ということですネ?。日記をお読みの皆さん,あなたならどうアドバイスして差し上げますか?。今回も先ず皆さんのご意見を先に披露させていただこうと思います。どしどしご意見を【TOK】宛お寄せ下さい !!!。ただなんとなくこの日記を読むのとは違って,「自分の意見を文にまとめる作業」...これを通して,自分自身の滑りを見直す良い機会になると思います。
 では皆さんからのアドバイス...楽しみにしています !!! (^ ^)(^I^)


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★ July 15  2006  Saturday  曇り (白馬)

 週末土曜日...今朝も白馬...「曇り」です。前線が丁度真上にあり,今日日中一杯は曇り模様で,明日からは雨に...。この週末は行楽的にはあまり恵まれていないかもしれません。...でも,この状況を状況なりに楽しむことも大切なのだと思います。(*^^)v
 皆さんはどのようにお過ごしですか? では,今日も元気で...Have a nice day !!!  
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 昨日の“Ino”さんのご質問に早速お答えいただきました。今日はそれをご覧いただきましょう。(^I^)

 先ず,“O”さんからの e-mail です。
 『…TOKさん どうも “O”です。今日の課題'荒れた斜面を滑るコツは?’も中々奥深いテーマですね。最近は荒れた所は荒れた所として素直に受け入れる気持ちで滑ると意外と楽しく面白い事に気が付いて来ました。
 発展途上の自分が何か人様にアドバイスするとしたら、
@何度も話題になってる'センサー軸'を常に意識した雪面コンタクトを心掛ける。
A体全体(特に下半身)をリラックスさせて雪面からの不規則な圧を車のサスペンションの様に吸収する。
B足元の凹凸にあまり惑わされない様に目線を上げて前方を見渡す感じで滑る。
 ざっとこんな感じですが、他に留意点有ったら教えて下さい。…』


 “O”さん,いつも早速のアドバイス,ありがとうございます !!! (^I^) 荒れた斜面,私はどちらかというと整地よりも最近はこのような,粗踏みの少し荒れ気味の所を滑るのが楽しくなってきました。どうしてなんでしょうネ?!。“O”さんが仰るように,「荒れた所は荒れた所として素直に受け入れる気持ちで滑る...」ということができるようになったからでしょうか?(^ー^)
 さて,アドバイスの一項目,「“センサー軸”を常に意識した雪面コンタクト...」ですが,バランスをしっかり取り続ける...という意味で本当に大事なことです。うまく滑っている人の滑りの中には,“センサーポイントSP”から“レシーブポイントRP”に向かう,この“センサー軸”が必ず観えますネ !!!。うまく滑っているから在る...というよりは,このセンサー軸を意識して滑るから滑りが安定する,ということがレッスンをさせていただいているとよく分ります。この軸を良意識することで,“Ino”さんの滑りも大きく変わると思いますヨ !!!。(^ー^)
 Aの,「体をリラックスさせて雪面からの不規則な圧を車のサスペンションの様に吸収する...」ということもその通りです...が。さて,じゃその様にするにはどうしたら良いか?が問題です。そうすればイイのは分ってるけれど,それができなくて困っている...ということなのでしょう。そこで,私なら「足裏にオレンジを意識し,そのオレンジのつぶれる様子をイメージしてみたら?」...という風にアドバイスします。身体が硬直してしまうことが,サスペンションの様に身体が動けない原因なのですから,それを取り去ることが大事です。そのためには足裏で“感じる”...ということを試してみたら良いと思います。不思議なもので,このイメージでほとんどの方が,身体の硬直から解放されます。人間の潜在能力の不思議を思う瞬間です。(^ー^)
 Bの,「目線を上げて前方を見渡す感じで滑る...」,これは効果があります。私のレッスンでは,「アホな目をして滑る...」とか,「遠くの山の稜線を見ながら滑る...」という言葉で,よくコレを皆さんに実践していただきます。近くの状況を目で見てしまって,「荒れてる !!!」とか,「突っかかりそう !!!」...だとかいう情報を先に頭に入れてしまうと,身体が先にその目から来る情報に反応してしまって,硬くなってしまうのです。実際に荒れてる雪が,衝撃が強く来る状態なのか,そでないのか?は実際にそこを滑ってみないと分らないのに,「予め自分で想像してしまうこと」が返って逆効果を及ぼしているのです。「“fear”(恐れ)という感情は未来のことを思うことで起きる。今在る状況を今在る状況として感じ取るようにすれば,未来を思うことから来る恐れの感情を軽減することができる。今,この瞬間を味わい,一生懸命生きることが“fear”を無くす最善の方法...」という「精神療法」の手法がありますが,それと同じで,その荒れた斜面のことは,実際にその場所を滑ることで足で感じ取りましょう...というのが良いと思います。(*^^)v

 ...ということで,“O”さん,アドバイスありがとうございました。
 明日は,“K”さんからのアドバイスをご紹介します。お楽しみに !!! (^ ^)(^I^)


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★ July 16  2006  Sunday  雨 (白馬)

 日曜日...ですが,雨の白馬です。土曜日...今朝も白馬...「曇り」です。梅雨前線がしっかりと日本列島の真ん中に居座っているみたいで,今日から水曜日ごろまで,雨雨あめ...と続くようです。こういう時は,冬のスキーシーンを見るに限ります。あの時のCD取り出して見てみますか?(^ー^) そして,その後は「ダンスストレッチ」ですゾ !!! ハッハハハ...(^ー^)
 では,元気で... Have a nice day !!!   
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 今日も“Ino”さんのご質問に早速お答えいただきました“K”さんからのアドバイスをご紹介します。

 
『…TOK先生こんにちは。”K”です。「斜面が荒れている所での安定感が少なくばらついてしまう」とのこと、確かに整地よりずっと難しいシチュエーションですね。この荒れた雪面(新雪後の粗踏みや春の軟雪がボコボコになったような状態)は何故難しいのでしょうか?それは雪面から受ける抵抗が一様でないからでしょう。
 そのためこんな事になりがちです↓
・スキー操作に対して期待する反応が返ってこない(反応が一様でない)のでフラつく
・急な抵抗を受けてバランスを崩す
・バタつくスキーを抑えようと力が入り、疲れやすくなる
 そして苦手意識からポジションが狂い、さらに不安定になる悪循環に(経験あります。。)
 では、対策です。このような状況を滑りこなすには、、、
a) 雪面状況を無視できるくらいに力を加えて 雪を蹴散らして滑る。。。
 こういうのも 一つの方法だとは思います。が、正直しんどい。失礼ながら ご年齢とスキー経験を考えるとコレは勧められません。
b) 雪面からの圧力を「受け」て滑る
 雪面からの抵抗が激しく変化する状況でスキーヤー側から力を加えると、予期した以上のリバウンドを貰ってしまいます。この状況には 自ら圧を加えるのではなく、雪からやってくる圧を感じて滑るLetスキー/フィーリングスキー意識が有効です。Do的に力を加えないことでスキーの反応が穏やかになり、脚のつっぱりが減る分サスペンション的な動きが使え安定してきます。さらには、脚が突っ張らないことにより疲れも少なくなるはずです。

※ 私が荒れた斜面を滑るときの意識を参考までに。
 かかとの骨をボール(ビリヤード球くらい)に見立て、ボールの前下の面で雪面からの圧を受けるイメージを持ちます。抵抗をいなして滑らかに滑りたいときには、進みたい方向にボールを回転させるイメージで。ズレを使いたいときには、ずらしたい方向にボールをゆっくり回すイメージ。制動・深回り・リズム変化などで強い抵抗が欲しときには、ボールを止めたり逆回転させるイメージで滑ってます。TOK先生の「キャスターターン」「かかと支点」に近いイメージでしょうか。今シーズンは「愛のターン」を参考に、上半身+両腕でパラボラアンテナをイメージして センサーポイントからの誘導電波を受信するような意識をプラスしてます。対策をもう一つ
c) 道具に頼ってみる
 今までの滑りを変えるのは なかなか難しいものです。考えを切替えて、道具に助けてもらうのもアリではないでしょうか。普段の板より10cm長く、10〜20mmセンター幅の広い板に乗ってみてください。レンタルに在れば借りてもいいですね。びっくりするほどの安定感の違いが感じられると思います。また、振り回しにくくなるところから、Letスキー感覚を体感しやすくなる効果もあるかも。。。?
 最後に、こういった状況を安定して滑るには、やはり経験が必要だと思っています。頭で理解していても、なかなか身体は反応してくれないですし。。イメージ+経験値UPで滑りの引出しを増やせると最高ですね。…』


 “K”さん e-mail でのアドバイス,ありがとうございます !!! (^I^)
 今回はご自身の滑走イメージ「ビリヤード・ターン」までご紹介いただき,興味深く読ませていただきました。みなさんもぜひこのイメージ...試してみてください。私も早速やってみようと思います。(^ー^)
 さて,雪面から受ける抵抗が一様でない...という「斜面が荒れている所」...の状況分析も的確ですし,また,「一様でない抵抗の来る所での“Do Ski”の欠点」についても良く判って居られると思います。どういうスキーをされても“スキー”はスキーなのですが,できれば転倒しないで,心地良く滑りたい...というのが正直なところです。それには“Let Ski”を心掛けられるのが良いと,私も思います。“K”さんも“フィーリングスキー”を応用しながら,いろいろ楽しんでおられるようで,こういうレポートをいただくと本当に嬉しくなります。(*^^)v
 ところで,このアドバイスの中で私の注意を引いた一節があります。それは,「・スキー操作に対して
期待する反応が返ってこない...」というところです。“K”さんは,「安定感が少なくばらついてしまう」...という,バランスを崩すことの原因として挙げておられますが,私はこのことこそが,「なぜかシックリ来ない感じを抱かせ,滑り手にフラストレーションを感じさせる原因」という風に捉えています。つまり,スキーヤーはほとんどの方がある“期待値”を持って雪上を滑走するのですが,実際にその期待値が得られないことで,フラストレーションを感じてしまうのです。もし,この“期待値”を捨て去り,真っ白,純白な気持で,悪雪に中に飛び込んで行ったらどうなるでしょうか?。「予めこうなるだろう...」と予測すること無しに,あるがままをあるがままに受け入れ感じ取ってみよう...という気持で滑ってみるのです。すると,もちろんバランスを崩すかもしれませんし,転倒...に至ることもあるかもしれません。でも,予め予測し期待した時とは明らかに異なる“新しい感覚”が体験できるのです。このような気持で雪面に入って行くと,身体の硬直がなくなり,どことなく“自由な自分”を発見し,得した気分になります。(^ー^) 実は“愛のターン”...これを意識して滑っていると,悪雪や粗踏み斜面で,これに似た滑走フィーリングが得られます。あらかじめ期待し過ぎることなく,「何か新しい発見があるかもしれない...」と思って滑る...すると,このことがスキーヤーの潜在的な能力を引き出す機会になり,そして「悪雪や粗踏み斜面」こそがスキー技術修得の“磨き砂”になる...ということが解ります。“期待値”を捨て,あるがままの雪の斜面を,あるがままに楽しみ味わう...これこそが,「斜面が荒れている所での安定感が少なくばらついてしまう」というマイナス要因を,逆にプラス要因に換えてくれる“考え方”になるのです。
 このように,「荒れた斜面を克服するのも面白いけれど,その荒れた斜面に同化して滑るのもまた楽しい !!!」...という心境になれば,またさらなる“スキー”の奥深さに気付くことになると思います。(^ ^)(^I^)


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★ July 17  2006  Monday  雨 (白馬)

 今日は「海の日」...ですが,せっかくの休日も日本列島は沖縄を除いて「雨模様」...のようです。(=_=;)
 昨日から,【TOK】は「白馬アウトドアスポーツクラブ」の依頼を受けて,青木湖エリアの管理人をすることになりました。カヌーやラフトボードの体験をしていただこう...という趣旨で企画を展開しています。白馬の近くにお越しの節はぜひお寄り下さい。(^ー^)
 では,今日も元気で... Have a nice holiday !!!   
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 今日も,“Ino”さんのご質問へのお答えシリーズ,三日目で“Taka”さんのアドバイスです。“Taka”さんは八○尾根スキースクール主催の「達人認定」で,“名人”と“達人”の認定を受けられた方です。悪雪の滑り...私も何度か拝見していますが,素晴らしいものをお持ちです。では早速ご紹介いたしましょう。

 『… 投稿です。 僕自身が荒れたバーンを滑る時に注意している事は、
 1.谷回りを自分から積極的にコントロールするので無く、出来る限り素直に板がをホールラインに落ちるようにする。荒れた雪面状況の中では、積極的に自分からターンを始動する程にリスクが生じると考えています。したがって、最も抵抗が少なく、自然に板が動いてくれる方向であるホールラインまでを如何に自然に落とせるかが一番に大切だと思っています。
 2.瞬時であってもホールライン上にある状態を明確に意識し、非常に短い時間ではあるが、斜面に対して垂直に立っている事、自分が考える重心がぶれていない事を確認する。この事は少しぐらい真っ直ぐにスキーがホールライン上に進んでも、しっかり自分のポジションを保つ事の方が大切であり、その確認が出来れば絶えずリカバリーする為の準備になり、どんな操作も始動の出来る基本の姿勢になると考えている。
 3.この時に同時に足裏を使って斜面にしっかり垂直に立っている事を確認する。雪面状況が悪いほど、足裏の感覚を大切に考える。足裏が敏感になればなる程に、板全体のレスポンスが分かり易い。この事は、より重心の一点が小さくなる程に、基本的な座標軸が作れ、スキー全体、ブーツなどギアのリスポンスが感じやすくなる。
 4.雪面状況が次のターンをメイクするのに困難だと感じた場合に、どちら側にも横滑りやどちら側にもターンが出来るように心掛ける。悪雪は基本的にリカバリーの連続であり、板をホールラインに向ける事で基本的な体勢を作り易いと考える。これは技術と言うより、アグレッシブさが必要になり、慣れが大切であると思う。
 5.上記を明確に確認した後に、スキーを山回りさせる為に本当に僅かなきっかけを作る。特に悪雪は自分からの積極的なコントロールが普段の体の使い方を変えてしまう。まずスキーを信頼し、スキーに仕事をさせる意識が特に重要である。
 6.スキーが僅かでも山回りを始めれば、少しぐらい後傾になっても、ローテーションだけはしないように気をつける。悪雪はローテーションが一番の問題である。これに尽きると思う。
 7.山回りのターン弧とずらしでスピードコントロールを心掛ける。ローテーションの次はずらし操作が大切。

 *僕が悪雪滑走で最も大切にしている事は、ターンの中で一番に短い時間であり、尚且つ恐怖心が現れる、「ホールライン時を大切にする事」が悪雪滑走のコツと考えています。…』


 “Taka”さん,アドバイス...ありがとうございました。人それぞれ,いろいろなイメージで滑っていますが,見ていてうまいナァー !!!...と思う人はやはり,「ご自分なりの滑走イメージを明確に持っている...」ということが分りますネ !!!。(^ー^) 
 さて,“Taka”さんのポイント...いろいろありますが,先ず,「谷回りからスキー板がフォールライン向く状況までのプロセスを大事にしている」...ということです。この時自分で“Do Ski”的にスキーを回さない...つまり,その前のターン後半での処理を誤らなければ,ターン前半は素直に自然に起こってくれる...ということでもあります。“Taka”さんが後で述べておられる様に,「ローテーションをしない !!!」ということ,つまり基本的に「適度な外向傾」を意識するということにつながることでもあります。
 次は,「フォールライン上にある状態を明確に意識する...」ということです。これは私のレッスンでは「縦の直滑降」を意識して滑る...ということと同じイメージだと思います。スキー板がフォールラインを向いているときは,ある意味で身体とスキー板との間のテンションが一番少ない時で,基本姿勢を確認できる局面でもあります。この時に少しくらいまっすぐ走る感覚があってもOK !!!...という意識があれば,良いポジションをしっかり作れる...ということにもなるわけです。
 「重心がぶれていない事を確認する...」。これも大事なことです。少しくらい下半身がぶれても,“重心”の移動軌跡が滑らかであれば,転倒に至るような大きなバランスの崩れを産むことはありません。
 「足裏の感覚を大切に...」そして,「スキーに仕事をさせる意識が特に重要...」というのも,常々私が“フィーリングスキー”で述べていることと共通することですネ !!!。“感じ”ながら滑ることと,“Let Ski”意識を大事にすること...これは悪雪や,粗踏み滑走では基本ともなる大事なキーワードです。
 最後に「慣れること...」と「ローテーションだけはしない」,「ずらし操作が大切...」ということ...これらも,悪雪や粗踏み,深雪を愛するスキーヤーが異口同音に話されていることです。
 つまるところ,ズレや外向傾など,「“スキー”の最も基本的なことこそが大事 !!!」...と言うことですネ !!!。(^ー^)

 ところで,“Taka”さんですが...皆さんもご存知の方も多いと思いますが,彼は“Ultimated Grip”のお仕事を世界中で展開されています。詳しいことは彼のブログ...「Taka with UG in the World!」をみていただければ分りますので,そちらもお楽しみ下さい !!! (^ー^)

 “Taka”さん,アドバイス...いろいろありがとうございました。
 明日は【TOK】の番です。


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★ July 18   2006  Tuesday  小雨 (白馬)

 今日の白馬...小雨が降ってます。八方尾根にスジ状の雲が掛かっていて,それが時々刻々と姿を変えています。雲が湧き,流れては消え...また湧く...。これを繰り返しているようです。これはこれで,また風情があります。(^ー^)
 さて,海の日を含んでのせっかくの連休でしたが,あいにくの天気でした。(=_=;) でも身体の休養にはなったでしょうか?(*^^)v
 今日も元気で... Have a nice day !!!
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 今日は,“Ino”さんからいただいたご質問にたいする【TOK】の回答です。
 これまで3人の方からお寄せいただいたアドバイスをご紹介してきました。皆さんそれぞれに良いアドバイスをしていただきましたので,今更また?...という感もありますが,重要なことは何度も繰り返し見聞きすることでより明確に頭に入ることになると思いますので,我慢しながらお読み下さい。(^ ^)(^I^)

 さて,“Ino”さんのご質問の要旨は,「荒れた斜面を安定して気持ちよく滑るには?」...ということですが,悪雪や粗踏みに限らず,私は“気持ちよくスキー”をする...このことを考える上で大切なことが二つあると思っています。そのひとつは,@「技術的な能力を高めてより安定して滑る」ということ,もうひとつは,A「気持の上での考え方を見直す」ということの二つです。@は,技術的に上手になることで,それまで滑れなかった場所でも滑れるようになって“気持ちよくなる”...という「ダイレクトな解決方法」です。それに対し,Aは@とは少し違った観点で,技術的にではなく,ある意味で精神的に考え方を変えることで“気持ちよさ”を感じるようにする...ということです。

 @「技術的な能力を高めてより安定して滑る」...について私の大事にしていることは...
  @-1:“センサーポイントSP”から“レシーブポイントRP”に伸びる“センサー軸”を大事にする。⇒これは7/1の「教師日記」でもお話ししたように,雪に圧を加えるのではなく,雪からの圧を貰うことを意識することにつながり,“フィーリングスキー”の“Let Ski”感覚が養われることにもなります。また,“センサー軸”を意識すると,かかと支点になり,テールがふらつきにくくなって,安定性も増してきます。
  @-2:“重心”の移動軌跡をしっかり意識し,上下・左右・前後共にできるだけ急変させないようにする。⇒そのためには“Let Ski”意識をしっかり意識することです。バランスを崩す最大の原因として,「重心が不規則に動いてしまう」...ということが挙げられます。“Do Ski”では圧を雪面に向かって掛けることが多く,その結果重心も動いてしまうのです。ですが,“Let Ski”では重心方向にやって来る圧を利用してターンしますから,重心の移動軌跡は滑らかで安定しているのです。荒れた斜面でいくら下半身が揺れても,その時重心が安定していれば上半身は安泰ですから,転倒などという事態は避けられるわけです。
  @-3:落下する意識を,地球のコアに引かれるイメージを持ちながら,常に保つ。⇒これは,「抵抗を常に求め続ける...」ということです。斜面移動が無ければ雪からの圧は受けられませんから,斜面に立ち止まってしまうことは極力避けなければなりません。そのためには,「落差をしっかり取る」...というイメージ,「斜面を落ちて行く」...というイメージも大事なのです。この時,“コアに引かれる”イメージを持つことで,バランスを取るための身体の軸がビシッと決まり,的確な角付けも得られます。
  @-4:“つぶやきの呼吸法”などを使い,足裏や身体で雪を感じる...ということを大事にする。⇒目で見過ぎることは,身体の硬直につながります。むしろ目で見るより,足裏で観る...くらいのつもりで滑った方がリラックスできて,脚もサスペンションの様に動くようになります。この時,♪♪♪Love...and...Receive...♪♪♪などと,声を出しながら滑ることで,身体の感じる筋肉をより有効に働かせることができます。“つぶやき”が身体の硬直を無くしてくれるのです。
  @-5:適度な外向傾ができるようなイメージを大切にする。⇒“愛のターン”などは,この様な荒れた斜面を滑る時に大きな助けとなってくれます。自分で作る外向傾ではなく,“愛”を受け容れることで自然に,そして適度にこの外向傾が顕れて来るからです。また,“愛”を感じながら滑ろうとする心の持ち様が,雪とのコミュニケーションをより一層優しくしてくれ,雪と喧嘩しない滑りを可能にしてくれます。さらに,“愛のターン”はこれだけでなく,他@-1や@-2のためにも役に立ちます。

 A「気持の上での考え方を見直す」...というのは,気持ち良く滑る...ということを,精神的に,その捉え方の視点を換えてみる...ということです。
 “Ino”さんは,「整地での気持ち良さを,斜面が荒れている所でも同じように...」という風に求めて居られますが,「もともと条件が異なるのだから,滑ったその結果としての味わいも違っていて当然 !!!...と思えないだろうか?」...というのがその骨子です。斜面が違えば,その味も違うのだから,満足の種類というか,満足の形も異なっていて当たり前なのでは?...ということです。7/16の「教師日記」にも書きましたが,「こうであって欲しい...」,「こうでなければいけない...」という“期待値”を捨て,「あるがままの雪の斜面をあるがままに楽しみ味わう...」という心境で滑ることで,整地とはまた違った新しい滑りの味を経験できるし,“スキー”の深みも体験できるのではないだろうか? また,「“スキー”をすることは苦行難行ではなく,人格を磨き,心を豊かにし,生きて行くことの素晴らしさに気付くことなのだ !!!」...と書かせてもらった6/12の「教師日記」のように,安定感が異なり,快感度も違うからこそ“スキー”は面白いのだ !!!...という心境になれないだろうか?...ということです。もし,こういう心境になれたとしたら,「斜面が荒れている所で安定感が少なくばらついてしまう」...これを感じられたことこそが,実に素晴らしいことなのだ !!!...ということになります。
 整地も荒れた斜面も,同じように安定し,同じ快感を感じながら滑ることを求めれば求めるほど,フラストレーションを感じ,“スキー”の本来持つ味わいの深さが解らなくなり,悩み多いスキーになってしまう恐れがあるのです。「斜面条件が違うのだから,感じ方や安定感も違って当然 !!!」...というくらいの気持ちで,荒れた斜面を楽しむ心の余裕があると,全く別の“New Ski World”が見えてくる...そう思います。
 ...というわけで,「斜面が荒れている所」こそ,私たちスキーヤーにとって絶好の“磨き砂”であり,「新しい世界発見」の“宝庫”なのだ...そう思います。(^ ^)(^I^)
 

    
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★ July 19   2006  Wednesday  晴れ (白馬)

 今朝早くは一面雲に覆われていた北アルプスの山並みでしたが,10時頃からその雲が取れ始め,山並みが見え晴れててきました。(^ー^)
 ここ数日,雨,雨,雨...の連続でしたから,稜線が見えると,どことなくホッとした気持ちになります。(^ー^)
 皆さんの地域は雨の影響...大丈夫ですか?梅雨末期の雨...あまり降りませんように...。
 では今日も元気で... Have a nice day !!!
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 今日は,「荒れた斜面を安定して気持ちよく滑るには?」...ということについて,昨日“M”さんからいただいた e-mail と,新しい質問 e-mail のご紹介です。

 先ず,“M”さんからいただいた e-mail から...
 
『"TOK"様 毎日、教師日記を楽しく読ませていただいています。荒れた斜面での滑り方について、私の経験が参考になればと思い、メールします。実は今年の2月まで(フィーリングスキーに出会うまで)、私は斜面どころか2cm程度の段差でも引っかかりそうに思えて、よく見えるめがねをかけ、足下の雪面の荒れを見逃さないように目をさらのようにして滑っていたのです。少しでも段差があれば、きれいなところを求めて斜滑降を続けるか、ボーゲンで切り抜けていました。だから、このようなゲレンデはとてもストレスを感じていました。3月になって、フィーリングスキーのキャスターターンで、目よりも足裏で雪面を感じることを試したところ、荒れがほとんど気にならなくなりました。荒れていて最も困るのがターンの時ですが、これも、お手玉と習字、ゲロもどきをやることで荒れに関係なく、板が足の下できれいに回ってくれていました。この経験以降、晩春の溶けかかったグスグス、ボコボコのゲレンデが、気にならなくなり、楽しめるようになりました。荒れの最もひどいのが「こぶ」でしょう。私はまだ「こぶ」を回ることができないのですが、ゲレンデへの連絡路途中に深さが1mを超える穴が掘れているところがあります。この連絡路は斜めの直滑降で人一人が通れる幅しかありません。この穴を避けて通るにはもっと怖い急斜面に降りなければならず、ほとんどの人はこの穴を通るしかありません。上手な人はすいすい越えていくのですが、私は穴の対面に板をつっこんだり、穴の底に尻餅をついたりしていました。フィーリングスキーを始めて3ヶ月が経過し、フィーリングスキーの安全性、安定性が解ってきた時期でしたので、足の屈伸、前傾後傾を気にせず、かかとキャスターに乗って、センサーポイント・レシーブポンイントの関係を崩さないことにのみ専念して、思い切って向かっていきましたところ、気がつけば穴を越えて対面の頂上に立っているではありませんか。板が穴の上を飛んだのか、穴の底をなでるように滑っていったのかわからないのですが、とにかく、対面にひょいと立っておりました。この経験から考えると荒れた斜面ではまず、第一に一番キャスターに乗るキャスター感覚とセンサー・レシーブポイントをキープすることに専念すればよいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 18日の先生の日記にも同様のことが書かれていたように読ませて頂きましたが、確かに荒れた斜面を自由に滑ることが出来るのは、また、格別のおもしろさが有るように思います。 』


 “M”さん e-mail ありがとうございました。(^ ^) 実際の体験談...他の読者の方にとっても,おおいに参考になったと思います。(^ー^)
 「フィーリングスキーのキャスターターンで、目よりも足裏で雪面を感じることを試したところ、荒れがほとんど気にならなくなり...」ということと,「キーキャスターに乗って、センサーポイント・レシーブポンイントの関係を崩さないことにのみ専念して...」滑れば,身体が勝手に雪の抵抗に見合った動きをしてくれて,今まで滑れなかった所も滑れた...というのは凄いことですネ !!!。「キャスター感覚とセンサー・レシーブポイントをキープすることに専念すれば,身体が潜在的に持っている能力が開花し,スキーの世界が変わって見えてくる...というのは本当のことだと私も思っています。(^ ^)(^I^)
 来シーズンも“フィーリングスキー”を実践され,スキーの世界を十分にお楽しみいただきたいと思います。(^ー^)

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 次はご質問 e-mail の紹介です。今日は“Y”さんからのご質問で,5月下旬にいただいていたものです。
 
『TOK先生、こんにちは。シーズンお疲れ様でした。シーズン終えた虚脱感はございませんか?
 自分はスキーのオフトレのテニスを3〜4回/週のペースで復活させています。フィーリングテニスはないものかと探しているんですが…。相手のボールの力を利用するLET テニス、ラケット面に長く乗せる感覚=圧を感じる、線でなく面で滑るイメージ、重心の上下のブレがない動き、スプリットステップの姿勢=スキーの基本姿勢などが同じ感覚かな〜!?と思ったりしてますが。今、思いついたんですが、明日レッスンがあるんでSound of Musicテニス試してみますね。ストロークは打球音で回転のかかり具合の違いが顕著に出るし、音を聞き取る意識を持つことでボールに集中したり、ボレーは顔の近くに打点が自然と来るなんてことが考えられそうなんで、ちょっと楽しみです。
 そうそうレッスンでは以前にも増して、イメージ、集中力、素直さを意識してました(^_-) 3日目のSound of Musicターンでちょっとフィーリングスキーをつかめた気がします。決して集中力がある方ではないのですが、とにかく先生に言われたことをやってみようとチャレンジした結果でしょうか!? 自分はこのイメージのキーポイントは両耳で聞くということだと思ってます。そうすると自然に適度な外向傾ができてた気がします(小回りでも)。そのイメージで滑っている時は新雪パウダーを滑っている様でした。強い圧感はないんですが、止まっている局面がなくて、ずっと運動しているようでした。他には何がよかったって、悪雪を滑っても疲労が少なかったことです。これはビックリしました(@_@) 雪との喧嘩が少なかったっていうことですかね?別に急かしてるわけではないんですが、早くビデオを見てみたいものですが・・・
 それから、先生を始め、皆さんが壁や整備されていない斜面に進んで行かれるわけが少しわかりました。圧を感じられるんですよね!? これがエネルギーをもらえるということなんでしょうか?ちょっと病みつきになってフリーの時、ラインCのリフト降りて直ぐのリフト下を何度か滑ってしまいました!(^^)! 今までは考えられなかったことです。
 ほんと楽しい3日間でしたし、新しいフィーリングスキーを体感できましたこと、心から感謝申し上げます。またスキーをご一緒できる日を楽しみにしています。
 さて最後に質問です。
 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?』


 “Y”さん, e-mail ありがとうございました。返事が遅れて申し訳ありません...(=_=;)。
 さて,テニスでの“Sound of Music Tennis”...結果はいかがでしたでしょうか?(^ー^) 多分うまくいったとは思いますが...。
 “Sound of Music Turn”で,自然な外向傾ができてきたこと,疲れが少なくなったこと,雪からエネルギーをもらう感覚がわかり始めたこと...etc.など,イイ感じになられたようでよかったですネ !!!。
 さて,最後に三つのご質問が提示されておりますが,皆さんならどうお答えしますか? e-mail で,ぜひご意見をお寄せ下さい。尚,「教師日記」での紹介を望まない方はその由お書き下さい。ではよろしくお願いいたします。(^ ^)(^I^)



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★ July 20   2006  Thursday  晴れ (白馬)

 今朝も,かろうじて天空の1/10を青空が占めていますので天気は「晴れ」の白馬です。
 昨日は「長野県地域」も大雨でしたが,幸いここ白馬はそれ程の降雨ではなく,晴れ間が出たほどでした。県南地域は,がけ崩れや,洪水などで大変そうですが...(=_=;)
 今日も元気で... Have a nice day !!!
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 今日は昨日の“Y”さんからのご質問 e-mail に対する皆さんのご意見紹介です。
 今回は多くの方々からのご回答が寄せられ,今(7/20 am7:30)現在,7名の方からの e-mail が参っております。本当にありがとうございます !!! (^I^) 到着順に,2〜3名様分づつご紹介したいと思います。
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 トップバッターは常連の“O”さんです。(^ー^)
 『 TOKさん こんにちは “O”です。 今日のテーマに対しての私なりの回答を記します。
 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 → 圧を飲み込む、板が腰下に戻る等の観点からはそうだと思います。しかしストレッチングターンも重要で使い道の広い技術だと理解してます。生涯スポーツとしては技術の幅を狭めないで色んな技術の引き出しを持っていた方が良いと思ってます。   
 Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 → 地球の中心(核)だと思います。
 Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?』
 → 小回りのRPは山側足の内膝と考えてます。少し大きな小回りは内腰と考えています。
 究極的なフィーリングスキーとは以上のような細かなチェックポイントを全て無意識に達成し、頭を真っ白にして自然を堪能する滑りだと思ってます…』

 “O”さん,いつも早速のご回答...ありがとうございます !!! (^I^)
 Q1:⇒“生涯スポーツ”という見方にもよると思いますが,“O”さんが仰るように,技術的にはひとつの枠にはめないことが良いと思います。雪からの圧を受け容れることをメインに行なって行けば,滑走スピードや斜面状況などにより,自然にストレッチになったり,ベンディングになったりします。自分から意図してストレッチだ,いやベンディングだ...という選択はしないほうが良いと思います。
 Q2:⇒“O”さんが仰るように,地球の真ん中です。詳しくは6/22の「教師日記」で...。
 Q3:⇒小回りの“レシーブポイントRP”ということですが,仰るように,ズレを意識するか?それとも切れか?,あるいは俊敏な動作か?ゆったりした運動か?でこの位置は変わってきます。ズレの成分を大きくしようとするほど体側のターン内側になりますし,俊敏な動作,回転弧を小さく...と意図するほど足元に近くなります。ですから,“O”さんのフィーリングで合っていることになります。
          ******************************          
 次は“K.M”さんからの e-mail です。
『 【TOK】先生 こんにちは。“K.M”です。…《1.質問に関する“K.M”的意見》です。正直なところ私はDOスキーが抜けきれていません。そんな私が“Y”さんへのご返事を書くので当てにならないかも知れません。(笑) 自分自身が、【TOK】流フィーリングスキーを理解しできているのか?できていないのか?ということの確認と、自分自身の勉強のために書いてみました。かなり言葉足らずの部分があると思いますがお許しください。
 ●Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 “K.M”的意見⇒フィーリングスキーではベンディングターン的な滑りになるのですが、ベンディングターンが目的ではなく、動きの結果としてベンディング要素が現れるのだと思っています。つまり「オレンジターン」→「引くターン」→「クロッシング」→「圧のキャッチボール」→「探る」を意識して滑った結果、ベンディングターン的な動きになり雪からの圧も一定になると理解しています。
 ●Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 “K.M”的意見⇒コア方向とは、間違いなく「地球の中心(核)」を指します。(「コアに引かれる」は、私はまだまだ未熟なのですが)フォールラインに引かれることを意識すると、急斜面になるほどオーバーエッジングになり易いと思いますし、トップを押さえようとすることで、いわゆるトップヘビー状態になり易く、特に荒れた斜面では、前につんのめり易くなると思います。しかし、地球のコアに引かれる意識を持つと、板がフラットなまま、ゆったりと落下でき、オーバーエッジングになり難いはずです。上体は、雪の抵抗に対処しようとする分だけ、若干後ろ気味になるのですが、これは後傾とは全く別物で、荒れた斜面でも楽に滑ることができるはずです。
 ●Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?
 “K.M”的意見⇒レシーブポイント(RP)を意識すると、そこで積極的に「圧を受けよう」としますから、RP部分が自然に前に出てきますね。そして、ズレを積極的に利用しようとするのなら、RPは、ターン内側にある、“体のある部分”になります。このことから、「内腰で受ける」意識で滑ってもズレを利用した小回りは可能だと思います。しかし、深雪などを滑るとよく分るのですが、内腰で受けていると捻り戻しの力を効率よく利用できなかったり、胸の向きをフォールラインにキープし続けることも若干難しくなるはずです。だとしたら、色んな斜面を自由に滑るためにも、また上体をフォールライン方向にキープし続けるためにも、「内膝で受ける」意識を持たれたほうが良いのではと思いますが如何でしょう。…』

 “K.M”さん, e-mail ありがとう!!! 
 Q1:動きの結果としてベンディング要素が顕れる...⇒これは全くもってそのとおり !!!...大正解ですネ !!!。(^ー^)
 Q2:⇒“K.M”さんの仰るとおり「地球の中心(核)」です。「フォールラインに引かれることを意識すると、急斜面になるほどオーバーエッジングになり易い...」というご指摘もそのとおりです。これを勘違いして,フォールラインに角付けをしている上級者がけっこう居られますネ !!!。
 Q3:⇒「内腰で受けていると捻り戻しの力を効率よく利用できなかったり...」というのは,
バネのある外向傾ができにくい...という意味で正解です。内腰で受けると,外向そのものは大きくなるのですがエッジが緩み,「捻り−戻り」の力は弱くなってしまうのです。ですから,小回りをある程度俊敏に行なう...ということであれば,“K.M”さんの仰るように,「内膝で受ける」意識を持たれたほうが良い...と思います。
 “K.M”さん...ご心配には及びません !!!。しっかり“フィーリングスキー”...ご理解できて居られますよ !!! (^ ^)(^I^)


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★ July 21   2006  Friday  雨 (白馬)

 今朝はさすがに白馬も「雨」です。 今(90:30)大雨警報,雷&洪水注意報が出ています。皆さんの所は大丈夫ですか? 今年は前線の停滞がしつこく,梅雨明けも遅いようですが...。はやく梅雨明け宣言が聞きたい...そう思うこの頃です。(^ー^)
 でも,気持ちは,今日も元気で...     Have a nice day !!!
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 今日も“Y”さんからのご質問 e-mail に対する皆さんのご意見紹介です。

 今日は先ず,“Y.K”さんからの e-mail です。
 
『 こんにちは。今シーズンはキャンプで大変お世話になりました。TOK師匠のお陰で今シーズンは少し違ったイメージで滑れたかなと思って自分では大変満足しています。最近の「スキー教師日誌」は、少し形式が変わって大変面白いですね、またタメになります。
 今日の日誌の質問,「 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。」について、私もキャンプで三日間「愛のターン」と「ベンディング」とどこが違うのかとずっと考えて滑っていて、途中で師匠にも質問させて頂きましたのを思い出して、アドバイスが出来る立場ではありませんが、について自分の考えを書かせて頂きます。
 一般的に言われている「ベンディング」と言うのは足を引くことが切り替えの方法になっているだけで、自分から動くと言うことにおいては引くか押すかの違いで「ストレッチング」と同じDO的動きだと思います、LETスキーではあくまで雪からの力で足が曲げられて結果として見かけ上ベンディング的動きに見えると言うことでは無いでしょうか?
 キャンプの時のCDで自分の滑りを見直して、自分から引く(動く)意識が強い時は板が重心に近づくのでは無く上体から板に近づいて行ってしまって上体が煽られたように前後に動き不安定な滑りに見えます、旨く雪からの圧を貰えた時は自然に足が縮み上体も安定しています。
 師匠が「自然なベンディング」と表現されていましたが、上記のような意味で「愛のターン」と一般的な「ベンディング」を区別されているのでは?と勝手に思ったのですが如何でしょうか?
 オフピステ滑走に目覚めたというか今年のARAIキャンプは、私のスキー経験で最高に楽しかったのです、やはり急斜面でも悪雪でもこれだけ楽しめたのは師匠のフィーリングスキーに出会えたお陰だと思っています、今後ともご指導宜しく御願い致します。
 以上から質問 Q1に対する私の考える答えは...
 1.一般的に言う「ベンディングターン」は切替え方法であり、DO的にも出来るしLET的にも可能である。
 2.フィーリングスキーで大切にしているのは雪との圧のやり取りであり、それが上手くいけば現象として師匠の言う「自然なベンディングターン」(雪との圧のやり取りがあるベンディングターン)になる。
 3.「自然なベンディングターン」になる為のイメージトレーニングとして「愛のターン」がある。
 フィーリングスキーのベースは「愛のターン(自然なベンディングターン)」ではないでしょうか?』
 “Y.K”さん, e-mail ありがとう!!!。キャンプは楽しかったですネ !!!。 
 一般的に言われている「ベンディング」は、自分から動くと言うことにおいては引くか押すかの違いで「ストレッチング」と同じDO的動きだと思います、LETスキーではあくまで雪からの力で足が曲げられて結果として見かけ上ベンディング的動きに見える...⇒というのは,全くそのとおり !!!です。形の上でベンディングだとかそうでない...という議論はナンセンスですネ !!!。(^ー^)
 雪とのやり取りを,人間だけが一方的にやるのではなく,雪から来る情報とマッチングさせた形で行なう...という意味では,生涯スポーツとしての“フィーリングスキー”のベースは,仰るように“愛のターン”だと言えるでしょう。

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 次は“K”さんからの e-mail です。
 
『TOK先生こんにちは。”K”です。
 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 ベンディングターン(脚の曲げ切り換え、伸ばし荷重)は、雪面から重心までの距離をできるだけ変動させないことで、ターンの安定化を図る技術。対してフィーリングスキーは、斜面移動による圧の量・方向の変化を感じ取り、そこで起こる身体の反応を利用してターンを安定させる技術だと認識しています。結果として似た形が現れる場合もあると思いますが、フィーリングスキーのベースにベンディングターンがあるわけでは無いと思います。フィーリングスキー意識だと、低速・緩斜面などでは圧を求めて弾むようなストレッチング的な動きがでる場合もあるのではないでしょうか。また、フィーリングスキーでベンディング的な要素が出る場面にしても、脚の曲げ伸ばしのタイミングに若干の違いがあるように感じています。脚の曲げ最大となるのがベンディングターンでは切り換え時なのに対し、フィーリングスキーではクロッシングの始めで次のターンの外足が曲げ最大、クロッシングの終わりで前ターンの外足が曲げ最大となるように感じます。(つまりクロッシング中は左右の脚で曲げ伸ばしが逆になるということ) 伸ばし最大のタイミングも、ベンディングターンではターンがもっとも膨らむターンMAXで、フィーリングスキーではそれよりやや早い段階であると考えています。これらも、雪面からの重心距離を意識するか、雪面からの圧を意識するかの違いでしょうか。
 Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 コア意識に関しては、実はあまりよく理解できていません(汗) 私的な意識としては、急斜面では身体の真下(地球の中心)方向への力を強くイメージします。緩斜面になるほど前方(フォールライン)への意識が強くなりますね。
 Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?
 小回りのRP、膝に設定しなければならない!ということは無いと思います。各自の骨格・筋力の違いから適したRPの位置も変化するのではないでしょうか。色々な位置にRPを設定してみて、最もしっくりくるポイントを探すのも楽しいかと思います。私の場合、小回りは丹田から外腰の間、中回りはみぞおち付近、大回りは喉元から内肩あたりにRPを想定することが多いです。RPを変化させる場合、スキーヤー正面から見て重心(へそ下付近)〜 外スキーの内エッジ を結ぶラインの延長上からRP設定ポイントを大きく外さないほうが バランスを崩し難いと思います。』

 “K”さん,いつも的確なご指摘,ありがとうございます !!! (^I^) 今回も私の言いたいポイントをズバッと言い当てておられますネ !!!。(^ー^)
 Q1:「フィーリングスキーのベースにベンディングターンがあるわけでは無い...低速・緩斜面などでは圧を求めて弾むようなストレッチング的な動きがでる場合もある...」⇒という部分はまさにそのとおりです。「クロッシングの始めで次のターンの外足が曲げ最大、クロッシングの終わりで前ターンの外足が曲げ最大...」⇒というのは,実は,“同時操作”ではなく“交互操作意識”だ...ということで意識される滑走感覚なのです。同時操作ではこのような感覚のベンディングは起こり得ないでしょう。また,「雪面からの重心距離を意識するか、雪面からの圧を意識するかの違い...」⇒これなどは,もの凄く大事なことなのにも関わらず,スキー教師を何十年やっている方でも気付かない人が居るくらいです。これを難なく文にされる“K”さんの繊細さ,感性の鋭さが伺われます。(*^^)v
 Q2:私の場合は緩急,どちらも原則的に“コア方向”意識を大事にします。でも,感性は人それぞれ...という部分もありますから,コレが正しくアレが間違っている...ということはありません。ただ一度も人のフィーリングを経験しないで,私はコレしかない !!!という姿勢を貫くのではなく,たまには他人のフィーリングも試されることをお勧めします。(^ー^)
 Q3:この問いの答えも,骨格やDNA,運動履歴で人それぞれですが,いろいろと“レシーブポイントRP”を変えてみることで,その時々の滑走フィーリングが確実に違うことが,その人なりに体験できます。この違いを経験することこそ“レシーブポイントRP”をいろいろ変えてみることの目的なのですから,大いに試行されてみてはいかがでしょう?そして,自分自身の小回り最適場所を見つけられたら最高ですネ !!!。“K”さんの仰るとおりです。(^ー^)

 こうやって,皆さんの e-mail を拝見すると,“スキー”の滑り方はコレ !!!というものがあるわけではなく,雪との間にどのような“愛”を育てて行くか?...という姿勢があるだけ...。そんなことを思います。(^ ^)(^I^)


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★ July 22   2006  Saturday  小雨 (白馬)

 今朝も「小雨」の白馬です。 でも,天気予報によると,白馬エリア,ピンポイントですが午後3時頃一時「晴れ間」が出るとの予報が出ています。(^ー^) ホントだといいのですが...。 
 各地で大雨の被害が出ていますが,皆さんの所...大丈夫ですか? 充分お気をつけて !!!
 では,今日も元気で...      Have a nice weekend !!!
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今日は,“T.M”さんからの e-mail です。
 『 【TOK】先生こんばんは!今日は久しぶりに早く帰宅できましたので、今日の教師日記の質問について、自分なりに考えてみました。
 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 私の感覚⇒自分は、スキーの指導資格もないので、用語を良く理解していないのですが、フィーリングスキーのベースは、ベンディングターンだけというわけではないような気がします。斜面状況や、雪質、自分が滑りたいターン弧などによって、滑り方は刻一刻と代わるような気がするからです。なんだか答えになっていないような気がしますが・・・例えば、スキーは力で滑るものだと思っていた自分が【TOK】先生に初めてオレンジターンを教わった時は、まず、オレンジジュースが足裏で♪つぶれる〜♪戻る♪〜で、しっかりと雪を感じることを覚えました。良く考えれば自然なストレッチングターンだったような・・・。その後、そのオレンジを足裏のくるぶし下に意識して、ごろごろ転がるイメージで滑りました。そうすると斜面移動する意識が出て、スピードも増し、結果的にベンティング的になっていきました。
 Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 私の感覚⇒ ⇒コアは前者の地球の中心(核)に引かれることだと思います。でも、今シーズン、どうもその感覚がつかめなくて、正直自分でもよく分かりませんでした(-_-;)
 Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?
 私の感覚⇒小回りということであれば、自分はおっしゃるようにひざ付近を意識するようにしてます(結果はともかく(>_<)) ずれを多用ということであれば、おっしゃるとおり真ん中あたりを意識すればいいような気がします。RPを内腰骨とすると、弧の大きさが大きくなり、中回り的なターンになる気がします。
 ところで、Yさんのメールで勉強になったのは、Sound of Musicターンで両耳で聞くということでした。特に小回りは、上半身と下半身のねじれが大切だと思うのですが、両耳で聞くことを意識すると、自然に上半身は斜面に対して90度方向を向くことができますよね。勉強になりました。』

 
“T.M”さん, e-mail ありがとうございました。(*^^)v お仕事がお忙しいようですが,その中でひと時でも“スキー”のことを思い出していただければ,心がまた洗われ,新鮮になって気力も充実してくると思います。その様な状況の中でのご回答...ありがとうございました。
 Q1...「スキーは力で滑るものだと思っていた自分が…“オレンジ・ターン”とそのゴロゴロ回転を意識することで斜面移動する意識が出,スピードも増し,結果的にベンティング的になってきた...」というのは,多くの生徒さんが体験されていることです。“T.M”さんも,あれで滑りがどんどん変わってきましたネ !!!。今思い出してもビックリするほどです。(^ー^) “フィーリングスキー”の原点は“オレンジ・ターン”ですが,このイメージだけでも,皆さん仰るように自然なストレッチ的運動が出たりベンディング的滑り方が顕れたりします。私がしつこく話しているように,「形にこだわらずイメージにこだわる」ことの大切さを思います。 
 Q2...“コア意識”...そうですか,今シーズンはあまりその感じ,つかめませんでしたか? 私のレッスン中の説明が解りづらかったせいもあるかもしれません。このことの詳細は6/22の「教師日記」に書いてありますので,これをお読みになれば来シーズンはきっと直ぐにお分かりになると思います。前向きに考えましょう。(*^^)v
 Q3...これは各人の身体的特徴により,いろいろ違った,個性的フィーリングが前面に出てくる感覚ですのが,ズレの成分を大きくしようとするほど“レシーブポイントRP”は体側のターン内側になりますし,俊敏な動作,回転弧を小さく...と意図するほど足元に近くなります。
 “Sound of Music Turn”の音を“両耳”で聞く...コレが大事です。片方だと外向傾がうまく出ませんネ。



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★ July 23   2006  Sunday  晴れ (白馬)

 今朝は,久しぶりに「晴れ」の白馬です。 天気予報では「曇り」ですが,晴れてます。(^ー^)
 ところで,今日は急用のため,「教師日記」...オ・ヤ・ス・ミ…です。ス・ミ・マ・セ・ン...。
 では,今日も元気で...     Have a nice weekend !!!



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★ July 24   2006  Monday  雨 (白馬)

 今朝は,「雨」の白馬です。
 今年の梅雨は本当に局地的な「洪水」や「土砂災害」に見舞われている日本列島ですが,皆さんの所...大丈夫でしょうか?被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 明日はわが身...このことを頭に入れて,いろいろ準備しておきたいものです。
 では,今日も元気で...
     
Have a nice day !!!
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  昨日は急用のため,「教師日記」オ・ヤ・ス・ミ…でしたが,今日は“Y”さんからのご質問 e-mail に対する皆さんのご意見紹介シリーズの最終回で,“miyunapapa”さんからの e-mail です。7/20に頂いておりました。

 『 Tok先生、こんばんわ! “miyunapapa”です。降り続いた大雨も峠を越え、静かで、気持ち良い夜であります。久しぶりに、考えてみました。

 Q1 生涯スポーツとしてできるスキー=フィーリングスキーのベースはベンディングターンでしょうか。
 A1: ベンディングターンとは、曲げ切り換え、伸ばし舵とりによるターンですが、フィーリングスキー(FS)は、似た者度同士のようで、内面的に違いがあると考えます。内面的な違いとは、FSの場合、雪面からやって来る刻々と変化する圧をどの様に一定にして受け止めるか。一定に受け止める事で、バランスを崩しにくく、安定して楽で、楽しく滑る事ができるとい思います。今更要領は説明の必要はありませんが、、雪面から来る変化する圧を足裏(SP)で感じ取り、そこから伝わる圧変化を腹と背中の中心辺り(受け止めるには、バランスが良い位置)をRPとして受け止め、受け止めながら圧が多く感じれば圧を一定に保とうとする意識が働きSPとRPの距離(下半身が畳まれる)が短くなる。圧が少なくなるに従い、圧を求めてSPとRPの距離(下半身が伸びる)が長くなる。ですから、曲げ切り換え、伸ばし舵とりを外観的や内面的にどの様に指導するかの違いにより、同じような動きが全く別物の滑り(本質が違う)になると思います。若かりし頃(20年前かな?) 見よう見真似で、雪面からの圧変化に関係無く、DO的要素(雪と喧嘩)して、型だけに拘り、ビデオを観て、自己満足の世界がありました。朝から晩まで滑っても疲れを知らない若者だったんですね。今は、FSが自分には、肉体的にも、精神的にも合っています。更に、これなら生涯スキーが可能だなと自負しております。

 Q2 コアとは地球の中心(核)、それとも重力に引かれる方向(フォールライン)でしょうか。
 A2: コアは、地球の中心(意識)ですね。これを何時でも意識できると、地球と自分とがマグネットのように張り付いて(板の面で滑る)体が一本の軸と化し、川の流れのように淀みが無く安定して滑る事ができるようなフィーリングが除々に掴めるようになります。過去は、フォールラインに引かれる意識でしたから、これだとエッジを多用して、Do的に制動要素が強く、不安定、疲れる、エッジが丸く成り易くチューンにお金が掛かる!?等々デメリットがあると明治天皇?が言ってました。

 Q3 小回りのRPはハート(心臓部)でなく、ひざの真ん中でしょうか?実はずれを多用したいなと考えて、内腰骨をRPにしてました。これでもよいのでしょうか?
 A3: 小回りのRPは、大腿部とくるぶしの間で、回転弧の大きさによってRPの位置を変えれば良いと思いす。そしてズレを多用するのであれば、ターンの内側にRPを意識する事でSPとRPの位置関係により、エッジが立ち難くなりその結果、ズレ幅の多いターンになると考えます。足の外側に意識すれば、ひざがターン内側に入り、若干エッジが立ち気味になる。。でしたっけ師匠?miyunapapaは、この程度の感考えですから、まだまだ師匠のレッスンは必要かと。。 』 


 Q1: 「 ベンディングターンとは、曲げ切り換え、伸ばし舵とりによるターンですが、フィーリングスキー(FS)は、似た者度同士のようで、内面的に違いがある...」という「内面的」という捉え方は面白いですネ !!!。“miyunapapa”さんが仰るように,“フィーリングスキー”ではスキーを楽しむ時に,「圧コントロール」ということをメインに考えますから,その場その場に最も合った滑り方が顕れてくるのです。フォームや型を求めず,“圧を受ける場所,その方向,その量”...ということを心掛ければ,その時々の状況に合った最善の運動が自然に起こる...ということです。“Do Ski”に比べると“Let Ski”的な滑り方は,そういう意味で“内面的”と言えるのだと思います。(*^^)v
 Q2: 「地球と自分とがマグネットのように張り付いて(板の面で滑る)体が一本の軸と化し、川の流れのように淀みが無く安定して滑る事ができる...」というのは“miyunapapa”さんの独特な感じ方覚かもしれませんが,オモシロイ感覚ですネ !!!。これに似たドッシリ感は私も時々思うときがありますが...。確かにフォールラインにエッジングしている時より安定感は増しますし,コアに引かれる意識から起こる斜面移動では,「エッジを使う意識から面を使う意識に,その感覚が変わる...」ことも事実です。フォールラインに引かれる意識だと,「エッジを多用して、Do的に制動要素が強く、不安定、疲れる、エッジが丸く成り易く、チューンにお金が掛かる!?...」と仰ったのは確か...明治天皇ではなく,聖徳太子?ではありませんでしたか? ハッハハハ...(^ー^)が
 Q3: 特に「小回り」では個人的な身体の特徴が表れます。「小回り」で身体のどこを使おうか?...というような意識があると,“Do Ski”的な滑り方になってしまいがちですが,“レシーブポイントRP”を意識すると,「雪とのコンタクトの質的なこと」に思いが行き,自然に“Let Ski”的な小回りをすることができます。私自身も昔,先輩に,「おマエはホントに本当にひざが使えないなァー... ?!?!?」と散々言われたのですが,使えなかったのは,「ひざを使おう !!!...とにかく,形を真似なきゃ !!!...」ということが頭にあったからでした。そうではなく,ひざはどうでもいいからともかくイメージを豊かにし,雪から来る圧をどういう様に,どこで受け止めたらイイか?...ということを“オレンジ・ターン”以降心掛けるようになってから,「そうだよ !!!,アレでイインだよアレで !!!,やりゃできるじゃない !!!」...と誉められ,くすぐったい思いをしたのでした。(^ー^)

 さて,今回で“Y”さんからのご質問への回答終了です。明日はまた他の方からのご質問をご紹介したいと思います。お楽しみに !!! 



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★ July 25   2006  Tuesday  小雨 (白馬)
 今朝も,「小雨」の白馬です。気温は21℃。やや肌寒むですが,雨量はそれほど多くありません。
 「白馬アウトドアスポーツクラブ」の青木湖本部の手伝いをし始めて10日ほど過ぎましたが,夏の「水」をテーマとしたアウトドアスポーツもなかなかイイですネ !!!。カヌー,ラフティング,沢登り...。あなたも一度経験されてみては?(^ー^) ...でも朝早くから,夕方遅くまで,忙しい...。少々疲れモードの【TOK】です。
 ですが,今日も元気で...     
Have a nice day !!!
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 昨日“Y”さんからお礼の e-mail をいただきました。今日はそ
れと
,“F”さんからのご質問 e-mail をご紹介させていただきます。

 先ず“Y”さんからの e-mail ...。頂いた e-mail は紫色で,【TOK】のコメントは濃いグリーンで表示しました。
 
『 TOK先生、こんばんは。自分のメールを教材(?)として使用いただき、感謝申し上げます。また、多くの方々からお答えいただいたこと、重ねて感謝申し上げます。殊に”miyunapapa”さんはご一緒していただいた“F.N”さんじゃないんでしょうか?
 掲載された当日に、その時点での自分の答をメールしようと考えていたんですが、帰宅が遅かったこと、その翌日より出張、週末はテニス合宿と残念ながら、お返事が遅くなってしまいました。
Q1.
 他の方の滑りを見ていたら、ベンディングターン様に見られたので、このような質問をしました。自分の中でも客観的にはベンディングターンっぽい曲げ切り替え、伸ばし舵取りの感覚がありましたが、それよりも以前にメールした新雪パウダーを滑っている様で、強い圧感はないものの止まっている局面がなくて、ずっと運動しているという感覚が大きかったです。皆さんのおっしゃられているように外的にはベンディングターン様だけども、インナーフィーリングはDOでなく、正しくLETスキーだったように思います。

 
【TOK】:“Y”さんご自身も皆さんと同じ感覚がおありだったようですネ !!!。ご質問は,それを確認したいということだったように思います。「強い圧感はないものの止まっている局面がなくて、ずっと運動しているという感覚が大きかった...」という滑りの感覚は大事にされたらイイと思います。(*^^)v
Q2.
 言語のコアは理解できてたんですが、何人かの方と同じようにコアのフィーリングがつかめず、質問いたしました。後日の日記で詳しく説明していただきありがとうございました。コアはイメージしにくかったものの例のオレンジと一緒ですよね?自分の中ではこっちの方がイメージしやすいかもです!?
 
【TOK】:“オレンジ・ターン”でも“地球のコアに引かれる”でも,どちらでも結果が良ければOK !!!だと思います。イメージのしやすさは人それぞれですから,コレしか無い !!!...と決めつけることは避けたいものですネ。
Q3.
 ずれを多用したいために体の内側にRPを持ってきたのは正解だと思うものの、たしかに内腰骨にRPするとターン弧が大きくなるかも?と思ってました。後日送っていただいたCDで確認すると、正に弧が大きい小回り(?)になってました。実はRPを外膝、外膝と内膝の間、内膝とトライしたんですが、元来クイックな動きが苦手なこともあってか、しっくりこなかったことがあり、結果内腰骨に落ち着いたんですが…。絶対に同じシーンはあり得ないスキー環境の中で、局面に応じた最適SPとRPのチョイスが来シーズンの第1テーマですね!
 
【TOK】:仰るとおりです。私がそうであったように,クイック動作...というのも,身体をそういう風に動かすからそうなる...という人も居ますが,イメージを膨らますことで自然にそうなる人も居ます。ホントに人それぞれって感じがします。(^ー^)
 今シーズンはフィーリングスキーのお陰で、先生の教師日記を拝読しながら、自分の滑りをCDで見比べられることで、ゲレンデを滑れないものの、まだまだスキーシーズンは続いている気がします。オフトレのテニスではなかなかフィーリングテニスとは出会えませんが、スキーのお陰か今シーズンのテニスでの集中力は昨年より増している気がします。先日、コーチ(コーチ業を生業としているプロ)から「集中力を欠いてダラダラとテニスすると、それがその人の実力になる。うまくなる人間は集中力を持続できるから誰が教えても伸びる」という言葉をもらいました。誰が教えても...っていう部分には多少の?がありましたが、テニス、スキーに限らず、いろいろなことに当てはまるな〜と共感しています。フィーリングテニスに出会えた際には、またメールします。
 それから提案が一つあるのですが、今回もそうですし、前々回も自分なりに答を導き出したんですが、時間が取れなくてメールできませんでした。質問→解答が約1日というものは短いんではないんでしょうか?先生の構成上の都合があろうかと思いますが、生徒の立場としては2、3日の猶予があるとうれしいです。
 
【TOK】:これについては私も少し期間を置いた方がいいかな?...という気持ちもありましたが,問いが発せられてから期間が経ってしまうと新鮮さが薄れるというか,テーマが散漫になってしまうような気がします。ある方の紹介 e-mail が載りはじめてからでも e-mail をお送りいただくのは一向に構いませんのでドシドシお送り下さい。(^ー^) シンポジューム的というか,皆さんのご意見をこういう形でご紹介できるのは Inter Net の効用だと思いますし,それでこそ,このホームページ “ On Line Ski School ”の目的に叶うことになりますから !!!。ぜひ有効に使いたいものだと思います。

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 次は,“F”さんからの e-mail です。

 『拝啓 TOK様 日々夏の香りが進む中、如何お過ごしでしょうか。 レッスンでお世話になりました“F”です。 昨日、プライベートレッスンのCD届きました。ありがとうございました!! ビデオ待ってました〜。一人でブツブツ言いながら何度も見てしまいました(^^) あれを見ていると、まるでシーズン中のような気分になれますね・・・ そろそろ夏なのに。 
 ところで、私もシーズンを振り返って、ひとつ気になることがあります。 シーズン中、その日によって滑りにムラがあるというか、 いわゆる調子の良し悪しがに極端な差があることがあります。 自分なりに考えると精神的な側面、その中でもやはりネガティブな要素が、 (個人的には集中力の欠如が)身体へ影響しているのでは・・・と考えます。 
 こういったメンタル的な部分については、人によって感じ方は様々で難しいことかもしれませんが、精神面と身体、技術との相関関係についてTOKさんのこれまでの経験から考えられることを、オフ中の日記のお題にでもしていただけたら幸いです。 
 では、お体には気をつけて素敵なオフシーズンを!! Ciao!! 』


 “F”さん, e-mail ありがとうございます !!! (^I^) お元気でしたか?
 さて,皆さん !!! 今日は,「精神面と身体、技術との相関関係について...」という,なかなかの難問ですゾ !!!。ご質問は【TOK】に発せられていますが,ぜひとも皆さんのご意見を伺いたいと思います。皆さんはどう思われるでしょうか?例によって e-mail まで,よろしくお願いいたします。(^ ^)(^I^)




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★ July 26   2006  Wednesday  晴れ (白馬)
 今朝は気持ちの良い天気です。モチロン,「晴れ」です !!!。
 23日以降の晴れ間で,三日ぶりですが,どことなく数週間「雨」だったような気がします...(=_=;) 皆さんも白馬の夏の風景...じっくり味わってください !!! (^ー^)
 さあ,今日も元気で... !!!
  
Have a nice day !!! 
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 今日は...
『…シーズンを振り返って、ひとつ気になることがあります。 シーズン中、その日によって滑りにムラがあるというか、 いわゆる調子の良し悪しがに極端な差があることがあります。 自分なりに考えると精神的な側面、その中でもやはりネガティブな要素が、 (個人的には集中力の欠如が)身体へ影響しているのでは・・・と考えます。 こういったメンタル的な部分については、人によって感じ方は様々で難しいことかもしれませんが、精神面と身体、技術との相関関係についてTOKさんのこれまでの経験から考えられることを、オフ中の日記のお題にでもしていただけたら幸いです。…』という“F”さんからの e-mail についてです。
 
なかなかの難問...と昨日の日記にも書きましたが,そのせいもあるのでしょうか?今回は今朝(8:25)現在,“”お一人だけ...常連の“O”さんからの e-mail が届きました。ではご紹介しましょう !!!。
 
 
『 TOKさん お早ようございます “O”です。 段々日記のアップが早くなって快調のようですね。こちらも迅速にテーマへの私見をまとめたいと思います。(ダラダラ思考は頭の回転が鈍くなり不可です)今日のテーマ「精神面と身体、技術との相関関係について...」への自分なりに思い付いた回答です。(確かに今日のテーマは難しそう)
 @良く言われる様に「健全な精神は健全な肉体に宿る」、健全な精神無しに健全なスキーが出来るはずがないので、まずスキーは健康で丈夫な体作りから。さあ オフトレ、オントレ 頑張らなくちゃ (^。^) 
 A精神を本当に集中出来るのはせいぜい20分から30分。つまりそれ以外は精神は自分の身体をコントロール不能になる恐れ有り。気を付けなくちゃ(特にランチの後あたりは)
 B技術の進歩は健全な身体を前提にプラス精神力(向上心)。向上心の無い人にいくら技術を教えても無駄。(自分はマダマダ下手 向上心一杯)
 C向上心を支えるのはモチベーション。つまり心の底から、それをやりたい、成し遂げたいと思わせる動機付けが必要。(自分はもっともっと上手くなって国内外のどんな斜面も自由に楽しく滑れる様になりたい__十分なモチベーション有り)
 ざっと以上ですが、スポーツ医学的な見地からの専門的な回答をお聞きしたいので、お詳しい方からのコメント紹介を是非お願いします。』


 “O”さんいつもありがとうございます !!! (^I^) 
 @⇒体調を万全に...そうしておくことは,自信を持って滑れる...ということになりますから,大事な要素ですネ !!!。身体が活き活き !!!...ということがネガティブにものごとを考えないで済むことにつながり,前向きな姿勢を生み出しますから,大切なことです。

 
A⇒集中力...おなかが一杯だと薄れますネェー...(^ー^)。また,いつも連続して集中するには,人間限りがあるでしょうネ。ですからいつも集中...というよりは,「大事なここ一番」...という時に集中できたらイイと思います。滑りの中でリズムを付けて滑るコツ,楽しむ局面と気を配り集中する局面...コレに気がつくと,どうも気分がいまいち乗らない時や,ロングコースを滑る時など,調子の良し悪しがあまり気にならないで滑ることができます。
 B⇒うまくなりたい !!!...という向上心が適度にあれば,最高だと思います。でも,これがあり過ぎると,逆に,2005/11/24の日記に書いたように,“must症候群”ともいうべき「…ねばならない病」になりやすいですから,気をつけたいですネ !!!。(^ー^)
 C⇒動機付け...モチベーションが高ければ高いほど,集中できるでしょうし,やる気になり,少しくらいのマイナス要因は蹴散らすことができると思います。さて,その動機付けが何によってもたらされるか?...ということが,問題です。“O”さんが仰るように,「上手くなって国内外のどんな斜面も自由に楽しく滑れる様になりたい」...という様なことは,大きい要素になります。いろいろなことを経験してみたい !!!...という,人生をプラス思考的に,前向きに捉える習慣があれば,それもいいでしょう。皆さんが“スキー”をするのはなぜ?...このことを考えてみると,自分のモチベーションがどこにあるのか?分りますヨ !!!(^ー^)
  “O”さん,ありがとうございました。(^ ^)(^I^)
 
 ところで...「滑りにムラがある...」ということを,マイナス要因...と捉えすぎ,精神的に自分を追い込むことが,果たして“スキー”を楽しむ上で適した考え方なのかな?...という思いはあります...ネ。このことについては,私の経験として後日お話しすることに...。



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★ July 27   2006  Thursday  雨 (白馬)

 今朝は再び...「雨」です。(=_=;) 九州や四国地方は「梅雨明け」のようですネ !!!。前線がだいぶ北に上がって来たようですから,この地域の梅雨明けも直でしょう。(^ー^) 今年は雨が多いような気がします。この雨もキット8月になれば「晴天 !!!」に変わることでしょう。
 では,今日も元気で... !!! 
Have a nice day !!! 
     -------------☆★☆-----------
 
今日は“F”さんのご質問...
「精神面と身体、技術との相関関係について...」の二日目。皆さんから頂いた e-mail をご紹介します。昨日,日記を Up date してから3名の方から e-mail を頂戴しました。ありがとうございます !!! (^I^) 
 では,早く着いた順に,今日は“K.K”さんの e-mail をご紹介します。

 
『TOK先生こんにちは。“K.K”です。さて、本日のお題「精神面と身体、技術との相関関係について...」ですが。やはり、精神が充実していなければ、技術向上はあり得ない、と思います。同じ斜面条件でも、とてつもなく急で恐くて恐くて滑り出せない...ということもあれば、なんとなく行けちゃうこともある。どうしてだろう?と考えてみると...自分の持つ技術には幅があって、たまたま上端が顕れることもあるし、下端が顕れることもある。だから日(気分)によって、上手くいく時もあればいかない時もある。それがムラという風に感じるのではないでしょうか?そういうのをひっくるめて自分の技術、としてとらえれば、失敗してもあまり落ち込んだりしないんでしょうね。そうすれば、精神面でも安定するし、技術向上につながると思われます。
 「上手くなりたい!!上手くなりたい!!」と思いながら滑っても、体が硬直して雪との対話ができなくなってしまう気がします。なんか、追いつめられた気になるんですね。以前の私がそうでした。しかし、最近は「気持ちよく滑ろう!!」と思っていることの方が多いような気がします。精神を充実させる=心に余裕を持つ -> 技術向上に繋がる、という図式でしょうか...
 今は雪山に思いを馳せて、冷静に考えられるんだけど、シーズンインすれば、また必死で滑っちゃうんだろうなぁ...来シーズンはもう少し余裕を持って滑りたいもんです。
 「先生がいないと滑れない症候群」や「ねばならない病」にはまり込まないように... 』


 “K.K”さん e-mail ありがとうございます !!! (^I^) 
 「自分の持つ技術には幅があり,上端が顕れることも,下端が顕れることも...。だから日によって上手くいく時もいかない時も...それがムラ...。それらをひっくるめて自分の技術ととらえれば失敗してもあまり落ち込まないで済む...」⇒こういう根アカ的な思考,プラス思考でものごとを捉えられるようになると,失敗を失敗と感じても,精神的に落ち込むことが少なくなり,次のステップへのバネとすることができるようになります。「モノは考え様」...とはよく言ったもので,どんなに素晴らしい滑りを見せてくれる人でも,「アア,今あそこで失敗してしまった !!!。ナンで?...俺って,ダメだなぁー...(=_=;)」...と,小さい失敗がもの凄く大きいことのように感じられて,自分から進んで「根クラスパイラル」に落ち込んでしまう人も居ます。どうせなら「根アカ」的にものごとを考え,「あの粗踏み斜面,抵抗が来たり来なかったりで滑りづらかったけれど,俺の身体のセンサーが良く働いてくれて,転ばずに済んだよ...。俺の身体って凄いナァー !!!...」という風に考えたいものです。そうすれば,あなたの身体(肉体)は,「私のご主人(精神=自我)は私のことを良く誉めてくれるワ !!!。この次も期待に応えてあげましょう...」という風に働き,持っている潜在的能力を,「火事場の馬鹿力」並に発揮させてくれることでしょう。そうすれば,ひとつのミスが,逆に「根アカスパイラル」的に作用し,信じられない技術向上につながる可能性も出てきます !!!。そうなんです,みなさん !!!...ものごとは「考え様」なのですゾ !!! ハッハハハ...(^ー^)
 「気持ちよく滑ろう!!」と思っていることの方が多い⇒「精神を充実させる=心に余裕を持つ⇒技術向上...」このことも大事なことですネ !!!。“気持ち良く”とは,なにも「上手く」とか「ミス無く」という意味ではなく,悪雪は悪雪,コブはコブとしてそれぞれ持っている状況を楽しんで...ということです。“味わう”と言ってもイイでしょう。つまり味わうのですから,甘いのは甘く,辛いのは辛く感じられるのが当然です。甘いのも辛いのもみな甘く感じてしまったら,それは“味わう”ことになりません。これと同じで,悪雪は悪雪,コブはコブ,整地は整地...なのです。ですから,コブで整地を味わおうとすることの方がオカシイ...のです。このように,悪雪は悪雪,コブはコブ...という気持ちが前面に出てくれば,心に余裕が生まれます。そして“K.K”さんが仰るように,結果としてこのことが技術向上に結びつくのです。ところが,多くのスキーヤーは,「コブで整地を味わおうとする」ケースが多く,余裕など生まれるべくもありません。このように,自分みずから“滑りのムラ”を作り出し,調子を落としてしまっているケースさえあるのです。こうならないよう気をつけたいものですネ !!!。
 そういえば“K.K”さん,今年のキャンプで大ブレークでしたもんネ !!!。(^ ^)(^I^) 特にARAIでは,良い滑りを見せてもらいました。来シーズンも「気持ちよく滑ろう !!!」を合言葉に“スキー”...楽しんでくださいネ !!!。 e-mail ありがとうございました !!!。(*^^)v



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★ July 28   2006  Friday  曇り (白馬)
 今朝は「曇り空」の白馬です。 ここ白馬の上空はまだ“前線”の影響を受けていて,雲り空が広がっています。梅雨明けはどうも八月に入ってからのようですネ...。
 梅雨明けした地域の方...暑さに負けませんように !!! (^ー^)
 では,今日も元気で... !!! 
Have a nice day !!!
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 今日も“F”さんのご質問...
「精神面と身体、技術との相関関係について...」で,その三日目です。
 今日は“K”さんからいただいた e-mail のご紹介です。

 『TOK先生こんにちは。”K”です。「精神面と身体、技術との相関関係」今回のテーマは難しいですねぇ。。。。まずは「精神面が身体に与える影響」「ネガティブな精神状態の技術への影響」「解決への方策」に分けて考えてみます。

・精神面が身体に与える影響は?
 コレは少なからぬ影響があります。プロスポーツの世界ではメンタルトレーニングは常識のようですが、趣味レベルのスポーツや日常生活においても精神面の影響は無視できません。思うように体が動かせない、地に足がつかない感じに陥るなどです。憂鬱な精神状態にあるときなどは、身体の免疫機能まで低下し平時では問題ない程度の雑菌・ウィルスで風邪や腹痛になる、 と医師に言われたことがあります。また、このことは精神→身体への一方通行ではなく、身体的なストレスや疲れなどでマイナスな精神状態になることも有ります。

・スキーにおけるネガティブな精神状態の技術への影響
 精神状態がスキーに与えるマイナス要素はいくつかの要因に分けられます。
 a.斜度、雪面状況への恐怖や苦手意識
 最近の教師日記でも時おり話題に上がってますが、恐怖心や苦手意識がでると雪面からの情報を感じることが阻害され、身体のスムーズな運動が難しくなります。また、視野が狭くなり状況判断能力も低下します。
 b.気分が乗らない、憂鬱な状態
 原因は色々でしょうが、こんなときは集中力の欠如から雪面からの情報を感じることが難しくなり、また身体の応答速度も遅くなってきます。
 c.極度の緊張状態
 上記の二つのダウン系というような精神状態とは別に、検定やビデオ撮影などで上がって(緊張して)しまう場合があります。この場合は過剰な反応や筋肉の硬直がおこり、正確な運動ができなくなります。

・解決への方策
 a.足裏の感覚、雪面から感じる圧に集中することで、斜度や苦手な雪面状況への意識を軽減することが有効でしょう。フィーリングスキーの実践ですね。目線を上げて、より広く見渡すようにすると尚良いかと。
 b.これは難しい。。技術的な注意点はa.と同様かと思いますが、集中が切れていると怪我につながりかねません。解決策としては、気の合う仲間・滑りの嗜好の近い仲間と滑ることでしょうか。相性のいい仲間とのスキーは、精神的なエネルギーを与えてくれるような気がします。・・・・・逆にこのヒトとは合わないなぁ。ってこともありますが(汗汗) 思い切って「滑らない」というのも有りでしょう。前述したように身体の不調のサインかもしれません。怪我をしてシーズンや生活を棒に振ったら つまらないですよね。
 c.多少のプレッシャーは集中力の向上が期待できますけど、自分の滑りを思い出せないほどのあがり症は困りものです。a.の対策で多少はマシになるでしょうが。。。根本的な対策として、様々な斜面での滑走経験や技術の裏付けで自信をつけるとアガりにくくなると思います。また、他のスポーツ(特に対戦型でないもの)の経験も役に立ちます。私の場合では、学生時代の弓道の経験が効いてますね。しーんとした道場、外乱の無いなかで射を行ないますのでほんのちょっとした精神的・身体的な乱れが結果に現れてきます。プレッシャーを受けた時の心の持ちよう、骨格・筋肉の合理的な使い方など、今思えばスキーに応用できる点も多かったですね。(当時はそんなこと思ってませんでしたが^^)…』


 “K”さん e-mail ありがとうございます !!! 今回も理路整然とした分析で素晴らしいですネ !!!。(^I^)
 「プロスポーツの世界ではメンタルトレーニングは常識...」,これは本当にそのようですね。気持ちの持ち様が身体の運動機能に大きな影響を与えることが,その方面ではいろいろ研究されているようです。まさに“気”の持ち様が身体の運動と密接に関係している...ということですネ !!!。私自身も“気”に大いに興味があり関係図書を読んだりしています。「“フィーリングスキー”のイメージを大事にする方法」も,そういった意味でメンタルな方法のひとつであり,“潜在能力”を引き出し,身体が生来持っている機能を開花させることと関係している...その様に思ってレッスンさせていただいています。(^ー^)
 さて,滑りにムラが出ることの原因を,「苦手意識」,「うつ状態」,「緊張」の三つに分けられ,その解決方法をいろいろ分析されていますが,的確な方法だと思います。(^ ^)
 「苦手意識」では“フィーリングスキー(FS)”の実践をとおして,不要な身体の緊張状態をできるだけ作らないようにすることを,“K”さんも挙げられておられますが,私も“FS”にはその様な効果があると思っています。また,「なぜ苦手意識が起こるのか?」ということを考えることも大事です。実は,その源に自分で設定した「自分の滑りのモデル」があり,それに到達していない...という焦りから「不安や恐怖」が起こってしまい,結果として「苦手」...ということになってしまうのです。ですが,「自分の滑りのモデル」はほとんどの場合他人の滑りのコピーであり,自分の身体の特徴を反映したものでないことが多いのです。ですから,これを見直し,「これが自分,自分の滑りはコレ !!!」...というような気持ちがあれば,自信が湧き,「苦手意識」は逆に,「自分なりの特徴ある滑り」...として表現できるようになると思います。要は,「自分には他人とは違う自分なりの滑りがあるのだ !!!」...という気持ちを大切にすることです。
 「うつ状態」になる要因は様々で,その人のライフスタイルみたいなものが関与してくるでしょう。人間関係や前日の深酒,あるいはその日の天候にいたるまで...本当にいろいろありますネ !!!。仰る様に,その様にうつ状態がひどい場合には滑らない...ということもひとつの選択肢として考える...これは大事なことです。
 最後の「緊張」ですが,私はこれこそ「スキーヤーの心の持ち様」で,あるいは訓練で変えられるコト...だと思っています。「在るがままの自分」を出すことで,緊張はかなり抑制できることだと思います。自分の実力以上の滑りをしようとしたり,他人に気に入られる滑りをしようとしたり,点数の出るような滑りをしようとしたり...頑張ってしまうから「緊張」してしまうのです。これだけが「緊張」の原因ではありませんが,かなりの部分を占めていると思います。特に私たち日本人は,どこかに「他人の目を気にした滑り」をする傾向があるように思います。そうではなく,「自分は世界にひとりしか存在しない自分なのだ...わたしは他人と同じではない」...という気持ちで滑るように,いつも心掛けることです。そうすれば,その考え方は逆に,「“スキー”をすることはプレッシャーから自分を開放する術を学ぶことだ」という...“世渡りのテクニック”を学ぶことにさえなる...そう思っています。

 “スキー”は上記のごとく単なるスポーツではなく,“スキー道”とも言える“道”に通じる要素を持った素晴らしいスポーツなのですネ !!!。凄いことです...。 (^ー^)



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★ July 29   2006  Saturday  晴れ (白馬)

 今朝は雲が多いものの「晴れ」の白馬です。天空の1/10以上,青空が占めています。(^ー^) でも,気温は21℃と涼しくしのぎやすいです。天気予報では前線の影響を受けて「雨」...なのですが...。不思議といえば「不思議な夏」です。これも「地球温暖化」となにか関係があるのでしょうか?(=_=;)
 では,皆さんも元気でイイ週末を !!! 
 
Have a nice day !!!
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今日も“F”さんのご質問...
「精神面と身体、技術との相関関係について...」に対する皆さんのご意見の紹介で,その四日目です。
 今日は“M.I”さんと“H.M”さんからいただいた e-mail のご紹介です。お二人とも似た観点で「精神面と身体、技術との相関関係について...」を捉えておられます。

 先ず,“M.I”さんからいただいた e-mail です。
 
『 TOK先生 こんばんは いつもながら元気にご活躍ですね。雨ばかりで、健康の為に始めた自転車通勤がほとんど出来ません。ようやく梅雨明けが近づいたようでほっとします。
 調子の良し悪しについてはこう考えます。精神面と身体、技術の関係について考える前にもっと他に考える事があります。体調の違いもあるでしょう。でもそれ以外の好不調の原因があると思います。技術が無いから出来ない、滑れない、恐怖心が出る。それがますます滑りを悪くするのです。技術が磨かれれば好不調の差が少なくなってくると思います。私の考えるフィーリングスキーヤーの調子の良し悪しの原因は
 @イメージの持ち方の集中度が違う。たとえば、SP,RPの意識が甘いなど。
 Aイメージについて間違った考えをもった。イメージの理解度が浅かった。そのため、日によって滑りの差が大きくなる。
 B運動ですから反復練習をしていないと、良いイメージを持っていても運動としての再現性が悪い。
 Cこのイメージを持つと、こういう事が良くなって、こういう動きが出来滑りが良くなった...そういう技術論を理解した方が再現性が良くなると思います。
 しかし、それを自分で気付いた時に本当に自分の身についたものに出来、好不調の差が少なくなると思います。』

 
次に“H.M”さんからの e-mail です。
 『先生、こんにちは。精神と技術が問題になっているようですが、この2者の関係は単純だと思うんです。技術が伴えば自ずと精神力は充実するのではないでしょうか。この逆はないと思うのです。もしあるとすれば、それはオカルトです。
 「横綱の風格」というフレーズがあります。これは技術力に裏打ちされた「自信」からくるものだと思います。自信=精神力は、技術の裏づけあってこそではないでしょうか。----』

 “M.I”さん, e-mail ありがとうございます !!! 自転車でのご通勤...イイですネ !!!。“H.M”さんも貴重なご意見...ありがとうございました !!!。
 さて,今回はお二人とも「精神面のことを考える前に技術的な裏づけを !!!」...という視点からのご意見です。

 先ず“M.I”さんの e-mail について...
 「技術が無いから出来ない、滑れない、恐怖心が出る。それがますます滑りを悪くするのです。技術が磨かれれば好不調の差が少なくなってくる...」という見方,真の技術が伴っていないから「滑りにムラが出る」...というご意見ももっともだと思います。そしてその要因を「集中度」,「イメージの持ち方」,「練習量」,「イメージと結果の理解」という様に挙げておられます。技術的に実力を伸ばしていくには,確かに仰るような要因を意識することが大事だと思います。そして力がつけば,不調を感じる度合いも少なくなり,滑りのムラをそれほど感じないで済む...というのもそのとおりです。

 次に“H.M”さんのご意見について...
 “M.I”さんよりももっと単刀直入に,「技術が伴えば自ずと精神力は充実する」...と仰っています。そして,「この逆はない」...と。つまり,精神的に良い状態にあるから技術が向上することはあり得ない...ということですネ !!!。また,「自信=精神力は、技術の裏づけあってこそ」という風に,精神的な安定は技術の裏づけから生まれる“自信”によってもたらされる...という様に述べられています。

 お二人のご意見...ごもっともだと思います。ただ,正直に私の思うことを申し上げると,「技術の裏づけが好不調の波を少なくする」ということが50%,そしてその逆の,「精神的なゆとりが技術を向上させる」ことが50%だと思っています。「身体の調子」を支えるのは,身体そのものの「肉体的なポテンシャル」と,「精神的ポテンシャル」が,ハイレベルでバランスが取れている状態だと思います。言葉を換えて言えば,あたかも両天秤の二つの皿の上に乗った「精神」と「肉体」が共に鍛えられ,研ぎ澄まされて,重いところでバランスが取れている状態がイチバンだと思っています。そのどちらかだけが重いのでは,バランスが崩れ,脆くなってしまうのではないでしょうか。

 “M.I”さん,“H.M”さん...貴重なご意見...ありがとうございました !!!。
 では,この続きは明日以降...ということで。お楽しみに !!! (^ー^)



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★ July 30   2006  Sunday  晴れ (白馬)

 今朝は「晴れ」の白馬です。梅雨明けの感じですが,気温は低めで21℃です。いつもなら前線が太平洋高気圧に押し上げられ,南からの高気圧に覆われるのですが,今年は南に前線が下がったまま,消滅するタイプ...ということを,気象予報士の方が語っていました。どうもいつもの夏らしくなく,暑さがあんまり感じられない白馬の夏です...。暑さに弱い私には最高 !!!ですが...。
 では,皆さんも元気でイイ週末を !!! 
Have a nice day !!! 
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今日は“O.M”さんから昨日いただいた e-mail のご紹介です。,“O.M”さんからも“F”さんのご質問...「
精神面と身体、技術との相関関係について...」に対するご意見をお寄せいただきました。

 
『TOKさん こんちには“O.M”です。いやー最近のTOK日記はスキー上達のみならず、人生、ビジネスの事をジックリ再考する良いキッカケにもなり毎日読ませて頂くのが以前以上に楽しみになってます。 色んな方の考え、情報も非常に参考になります。是非今後もこの様なあるテーマを基にした’双方向’日記を続けて頂ければと願っております。(最後のまとめが大変でしょうが (^_^;) 
 「精神面と身体、技術との相関関係について...」 のテーマに対して、よくよく考えて見るとスポーツで重要な三大要素「心」「技」「体」そのものでしたね。昔剣道をやってた頃、この三大要素の一つでも欠けたら絶対に一流の剣士にはなれないとの事で、各々の要素を徹底的に追求したのを思い出します。三者の相関関係が問題じゃなく、あくまで三者が揃うか否かが問題でした。
 「心」のポイントは常に何事にも動ぜず平常心で臨めるか。スキーで言えばどんな斜面状況に出会っても慌てず平然と滑り下りられるか。
 「技」のポイントは基本技以外に自信の有る得意技を持ってるか。スキーでも全く同様。
 「体」のポイントは健全で持久力の有る丈夫な体に鍛え上げてるか。スキーでも全く同様。
 どんなスポーツでも重要なポイントは同じみたいですね。 
 そして今回のテーマの事を再度色々考えてたら、ある成功した経営者の下記の様な 文言に出くわしました。
 「ちょっとの気づきで人は変われる 『心』・『技』・『体』を鍛えよ 」
 「心」⇒常にプラス思考を持て。「技」⇒知識・技術を習得せよ。「体」⇒健康を保持せよ。「心」・「技」・「体」は仕事をするために絶対必要なものである。まさにスキーもビジネスも心掛けるべきポイントは同じようですね。』


 
“O.M”さん, e-mail ありがとうございます !!! 本当ですネ !!!。皆さんからのお考えをいろいろ伺うことができて,私も嬉しいです。(^ー^) 「最後のまとめ」...ということですが,そんなに大変ではありません,なぜかというと,答えをひとつにまとめるつもりは無いから...です。皆さんそれぞれが思ったり感じたりすることが大事であって,これが正解 !!!というものは,何ごとにおいても無い...そう思うからです。私はこれまで経験させてもらった“スキー”に関する事がらを,そのまま正直に披瀝させていただくだけです。かえっていろいろなお考えがあることを知り,学ぶことができて幸せだと思っています。...ホントです !!!。(^ー^)
 さて,“O.M”さんからの「心・技・体」ということについてですが,これは古くから相撲や柔道,剣道の世界では言われてきたことですネ !!!。昔からある武術に共通して取り上げられている考えですから,それなりの重みがある言葉です。考えてみると,私が昨日,
「精神」と「肉体」が共に鍛えられバランスが取れている状態...というようにお話ししましたが,その結果「技」が磨かれる...という風にも考えられると思いました。つまり,「心」と「体」が土台となり,それがバランスが取れて磨かれて行けば,その結果として「技」が実ってくる...ということです。心で考え,身体で経験し,魂が磨かれるように技が備わる...と言うこともできます。
 今回“O.M”さんから e-mail をいただいて,そんなことを思いました。

 さて,明日からは【TOK】が思うことをお話しさせていただこうと思います。皆さんのご参考になれば嬉しいのですが...(^ー^) では,また明日...




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★ July 31   2006  Monday  晴れ (白馬)

 信州地方も「梅雨明け宣言」が出されました。待ちに待った...という感じですが,ご覧のように「晴れ」の白馬です。気温は相変わらず低目で,22℃です。これから昼過ぎにかけて気温が上がるのでしょうか? 少しは暑くなってもらわないと,作物の育ちに影響が出そうです。特に「稲」に...。今年は冷夏なのでしょうか?
 では,皆さんも元気でイイ一日を !!! 
Have a nice day !!!
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今日はニュージーランドスキーツアー,キャンセルのお知らせから...。 まことに残念ですが,最少催行人数に達しませんでした。二名の方の参加希望表示がありましたが,これでは皆さんの負担が大きくなるので,結局中止ということにさせていただきました。お二人の方には本当に申し訳ありません。(=_=;) でも,8月下旬から9月にかけて,【TOK】は個人的に行くことにしました。そして,向こうからまた New Zealand の様子を Up date させていただくつもりです。(^ー^)
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 “F”さんのご質問...「
精神面と身体、技術との相関関係について...」に対する【TOK】の考えをお話ししたいと思います。おそらく一日では語りきれず,数日に渡ってのコメントになると思いますがヨ・ロ・シ・ク・...(^ ^)

 今日はまず,「わたし自身がどう“滑りのムラ”に対処したか?」...ということをお話ししたいと思います。皆さんに限らず誰でも,いつも調子が同じではなく,「滑りのムラ」や「調子の良し悪し」はあるものだと思います。モチロン,私にもあります。でも私は「スキー教師」ですから,「今日は調子悪いから,レッスン止ァーめた...」というわけにはいきません。では,どうやってそれを克服しているか?というと,結論から言えば,「自分の身体の“感性”を鋭くし,ありのまま感じたことを,そのまま素直に受け容れて滑る」...ということに尽きます。

 わたし達スキーヤーは,「調子の良い時と同じような満足感を感じて,同じ気持ちでいつも滑りたい...」という願望がどこかにあります。「あの時の,あの気持ちイイ滑りの感覚を,いつも味わいたい...」という欲求があるのです。その時の感触が忘れられないのです。...でも,考えてもみてください。その「あの時」と同じシチュエーションが同じように作りだせるものでしょうか?雪や斜面の状況,身体の調子,気持ちや精神的な状況,用具の状態,一緒に滑っている仲間...etc.など,これ等のこと全て...「あの時」と同じ様に作り出せるでしょうか?残念ながら無理です...。同じ状況を作りだすことは不可能...としか言いようがありません。あの時感じた気持ち良さは,あの時のスペシャルだったのです !!!。状況や条件が異なっていれば,おのずと顕れてくる「滑りの質」や「満足の質」も変わってしまいます。もちろん,似たような満足感が得られることはありますが,その満足感も微妙に違っていて,全く同じではありません。ですから結局,滑りの満足感は,どれ位の質の違いの差なら自分で良しとし,納得するか?という,「程度問題」になってしまうのです。調子良さの程度をどう自分の「調子の良し悪し」として感じ受け止めるか?ということになります。ある人は,結構なばらつきがあっても「これ位ならOK !!!...大丈夫...」と思うかもしれません。ところがある人は少しの違いでも「これはイカン !!!...まだまだあの時の気持ち良さが得られるはずだ !!!」と思うでしょう。そうなのです...ある人には満足できる「滑りのムラ」でも,ある人には満足できない「滑りのムラ」になってしまうのです。
 一般的には,技術的にレベルの高い人ほど滑りの違いが分りますから,違和感を感じることも多いと言えます。つまり,うまくなればなるほど敏感に滑りの質を判断するようになるので,「滑りのムラ」を感じる機会も多くなる...ということです。あなたが初心者の時はどうでしたか?プルークボーゲンで回れれば,滑りが滑らかでなくても,少々バランスを崩しても,「うまく滑れた !!!...回れた !!!」と感激し,「自分って凄い !!!」...と思いませんでしたか?一方,うまくなって急斜面もどんどん滑れるようになって,少しのコブにつまずいてバランスを崩すと,「チッ !!!失敗してしまった...。何で?シッカリしろよ !!!」...と自分を責めてしまうのです。明らかにうまい人のほうが「滑りのムラ」に敏感で,そのことがフラストレーションを感じ,「調子の良し悪し」を問題にする傾向にあるのです。

 わたし自身,昔はそうでした。でも,“フィーリングスキー”を皆さんに話すようになってから次第に,シチュエーションが違うのに同じように滑れることの方がオカシイ...。そう思ったのです。骨格や運動履歴が違うのに同じフォームや運動で滑ることがオカシイ様に...。そして,「シチュエーションが違えば雪から受けるフィーリングも違うのだから,結果として顕れる滑りの質も感じ方も違って当然 !!!...」と思うようになりました。「その時々のシチュエーションに応じた感じられ方があり,それはみな同じではない !!!」ということです。ですから自分が意識すべきは,最初に述べたように,「自分の身体の“感性”を鋭くし,与えられたシチュエーションで感じたことを,ありのままそのまま素直に受け容れ,その経験や感情を精一杯愉しむこと」...だと思うようになったのです。
 それ以来,私の“スキー”に対する感じ方が変わり始めました。以前は,「雨の日なんか滑りたくないなぁー...悪雪は嫌だ...コブはキライだ !!!...」という感情がありありでした。でも,シチュエーションが違えば,自分が感じる気持ちも違って当たり前 !!!...という風に思えるようになり,その後この様な「嫌だナァー...」と思っていた条件の中でスキーをすることが,逆に面白くなってきたのです。「滑りのムラ」があって当然...。だったらそれがあることを,逆に味わい楽しむようにしよう...ということです。

 結局,「滑りの調子の良し悪し」を決める要因は,雪や斜面の状況,身体の調子,気持ちや精神的な状況,用具の状態,一緒に滑っている仲間...etc.などの「シチュエーション」にあるのだと思います。
 明日からは,この“シチュエーション”について,考えていきたいと思います。

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【注】:この「教師日記」の中には,いろいろな“フィーリングスキー”に関する用語が出て来ます。これについては,検索で「エネルギーライン」,「愛のターン」...等と入れていただきますと,その用語に関する記事がたくさん出てまいりますので,そちらを参考にしてください。




この「教師日記」はスキー教師【TOK】の個人的な日記です。
 【TOK】の主観的な意見や感想を書き綴ったものですので
ページ内の記事及びデータなどを,みなさんが参考にされることは構いませんが
そのことによって派生した結果についての責任は負いかねますのでご了承ください。
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