スキー教師日記 March 2000 by 【TOK】

スキー教師の【TOK】が 日記替わりに日々の雑感を綴るコーナーです。
100% 個人的な日記です。
興味のある人は見てください。 (^I^)

Ski Top へ   【TOK】へのMail

3/31(金)晴→曇 検定事前レッスン
 今日は検定事前の1、2級合同クラスを担当。今日の生徒さんは1級受験のSugiさん、2級受験のOkiさんとMatsuさんの3名。Sugiさんは今年の元旦、同じ検定事前でご一緒した方で私のホームページをいつもご覧の方。(^I^)
 さて、レッスンは、1、2級共通の”スキッド&カーブ”ターンから……。いつものことながら『雪の抵抗を受けとめ、その力でターンする』という基本中の基本の考え方の説明から…。そして、それをうまく行なうには、圧を受けとめる『支点、方向、やり取りの調整』の三つが大事なことも…。コレまでの経験どおり初めてレッスンを受ける方は、自分の力でなく雪の力でターンする、という事に馴れていない人が多い。特に,Matsuさんはカービングターンをエッジを立てることと、圧を加えることでやって来たせいもあり、腰を必要以上に曲げてしまうクセがなかなか抜けない。Okiさんは中学3年生のなかなかしっかりした男の子で、私の話すことを忠実にやろうとしている。その効果が次第に出始める。いつも思うことだが、いかにあるひとつポイントに集中し、そのことがどういう滑りになったか?……という「因果関係」でとらえないとスキーの上達は望めない。なんとなくうまくいった…ではなく、こうしたからこうなった、という要因と結果を、対応付けて覚える事が肝心なのだ。それにはいろんなことを同時に行なおうとするのではなく、ひとつのポイントだけに集中して滑ってみて、それがどういう滑りにつながったか?を確認する事。Sugiさんは抵抗の受け止め方も上手で、どうしてこの滑りでいままで合格できなかったのか、不思議なくらい。ただ大回り、中回りで、ターンをしっかり仕上げてから次のターンに入る、ということが時々おろそかになることがあるが…。
 午前中は大回りを中心にレッスン。午後は各種目を追いながらレッスン。午後の小回り系でMatsuさんの欠点がもろに出始める。角付け、自分からの加圧、の滑りなのでスキーが止まってしまうのだ。斜面を下方に降り続け、雪の抵抗を受けとめる事の重要さを再確認する。Sugiさんはかなり改善されたが、外足での捕らえ、抵抗を受けとめる方向が時々うまくいかない。マシンガンやオレンジを足裏に意識して、もう少し滑りこみが必要…。Sugiさんはよほどの失敗がない限り1級大丈夫!。もう少し【TOK】がOKを出したという自信を持って検定に望むこと。
 シーズン終わりに近づき、合格を願っているスキーヤーも多いと思うが、この春の雪、重い雪でしっかり基本を学び、来シーズンにつなげることも大事。春の重い雪は決して妥協を許さない。しかし雪の力でターンすればこれほど楽しいスキーもない、という事を教えてくれる。
 皆さんも、4月、コレからのスキーを楽しんで下さい! (^I^)




3/30(木)晴 Ultimate Cup 放送係
 Ultimate Cup の放送係。
 競技大会の役員はいつものことながら早起きが当然。今朝は4:30起床で原稿資料をチェック……。
 6:00にスキースクールへ……。7時から放送できるよう資材のセット……。8時から放送で現場を盛り上げ……。選手のノリや観客の興味を惹くことも放送係の仕事……。今回はUltimate Cup ということで少し派手気味に演出。妻と義弟にノリノリ音楽を選んでもらいそれをBGMにアナウンス……。わたしの好きなユーロビートが口調を滑らかにしてくれる。(^I^)。
 競技は9時に開始され午後2時半終了。少し競技運営場のトラブルはあったものの、皆さんおおいに楽しんでくれました!
 また来年会いましょう! (^I^)  ……会場近くで私のMC聞いてくれた人が居たらコメント頂戴! 



3/29(水)曇 Ultimate Cup 放送係

 明日開かれる Ultimate Cup の放送原稿書き。
Ultimate Cup とは『スタートとゴールを名木山ゲレンデとし,決められたリフトとコースを使用して,3名ひと組のチーム編成で,5時間という定められた時間内に,リーゼンコースを何周回できるかを競うゲーム。チーム編成は,小学校5年生以上の男女で,スキー、スノーボード、テレマークスキー,ファンスキーの用具のうち,最低2種類以上を使った混成チームとし,そのうち1名は必ず女性を含むことが条件』…というもの…。
 1998年冬季オリンピックのジャンプ競技で放送係長を命じられ、やり終えた実績というか経験を買われ、今回の任命となりました。このゲームが少しでも盛り上がる様努めたいと思い、原稿書きに一日を費やしました。
 はてサテ、明日はどうなりますやら…? 興味のある方はぜひ、名木山ゲレンデまで足を伸ばして下さい! (^I^)



3/28(火)曇→小雨 バッジ検定事前コース担当
 
 1級受験希望者Wataさん、Mizuさん、2級Itoさん、Maeさん、合計4名の検定事前コースが今日の担当。
 皆さんこれまで各級を受験された事があるが、残念ながら不合格。そこでまず、基本的な考え方『スキーの性能を生かしたターンとは?』ということから…。”スキーの前後差”は土踏まず付近を支点とした回転モーメントを作るため。”サイドカーブ”はスキーをたわませることで、トップの沈みこみ角がセンターのそれより大きくなる事を利用し、ターン内側への回転力を生むため。そのどちらも、自分で雪に働きかけるのではなく、『雪の力を受け続けること』が必要。この意識をしっかり持ってもらうことが単に検定に合格する、という事だけでなく、これからのスキーを楽しむ上でも大切な事を力説。午前中は大回りパラレルを中心にこの二つの代表的な滑り方を学んだ。
 午後は各種目に移って、検定の着眼点、ポイントを学習。マシンガンターン、圧の左右へのやり取り…を中心にレッスンを進める。
 1級のWataさんは支点が時々前になり過ぎ、トップの捕らえが大きくなり過ぎてテールが外側に流れ、ヒザ下の三角窓が見える。スキーがたわんでカービング状態になったときは、支点をかかとにし、トップ部分で雪の抵抗を受け続ける事がポイント。
 Mizuさんは以前ご一緒した事もある人で、自分から雪に働きかけ無い様にする事がポイントだったが、大分直ってきた。大回り、中回りは充分に1級合格レベルに達しているが小回りでやや雪の圧とターンのリズムがマッチしていない。小回り意識が強くテンポを早くしようとし過ぎて、ニュートラル意識が少ないせいなので、ターンを急がず蓄積した圧をニュートラルに解放する意識を持てば最高!
 2級のItoさんは、外スキーでしっかり雪の圧を受けとめ、スキーをたわむようにする事がポイント。そのためマシンガン意識と、マジックハンドの活用が大切。
 お一人だけ男性だったMaeさんは、今日の”ベストプログレス賞”を上げたいくらいの変貌を遂げた人でした。(^I^)。DOのスキーが完全にLETのスキーに変わり、スキーの動きもポジショニングもまるで別人のようになった!。2級は変な事をしない限り合格間違い無し。雪の抵抗を受けることをマシンガンターンで開眼したらしい…。
 本日の4人の方は、それぞれ得手、不得手はあるものの、自分の滑りをすれば合格圏内にある人ばかり…。いつもよりうまく滑ろうとするのではなく、いつもの滑りをする様心掛ければ合格間違い無し! GUNばってネ! (^I^)



3/27(月)晴 Day Off 
 今日は天気も良く、兎平常設主任に無理を言ってお休みを頂き、妻と義弟と一緒に滑る事に…。
 一昨年使用していたRossgno○のノーマルスキーを、今シーズン義弟に貸していたが、カービングスキーを履いたことが無いというので、交換して滑ってみた。一回パノラマコースを降りてみたがその違いが解らないという…。そこで左右別々の板を履いてもう1度トライ。私の履いていたスキーの方が回しやすいと言う。私のフィーリングでは義弟に貸していたノーマルスキーの方が、トーションが強くしっかり雪面をグリップしてくれるので安心して斜面を下方に移動できる。そう言えば一昨年はスクールの経理担当でほとんどスキーをして居なかったので、スキーもへたばる事も無く充分使用に耐える事が出きる訳だ。実に雪面抵抗の捕らえが良く、解放した時の返りもイイ!(^I^)。彼の体重は約60キロ、私が73キロでトーションの強さに適合しているのかもしれない。そこで彼にカービングスキーを履かせてスキーイング。聞くと、小回りがうまくできないと言う。滑りを見ると、雪の抵抗をうまく受けとめれないで居る。そこで、マシンガンターンで効率良い抵抗の捕らえ方の練習をする事にする。人差し指が進行方向を指差するので自然に手首が返り、それに連動してヒザが内側に入って角付けがうまく行くようになった。抵抗がしっかり捕らえられスキーがたわみ始め、引くことで次のターンにスムーズに入っていくようになった。あとはその圧の加減をどう短い時間でやり取りできるかがカギ。マシンガン意識を”マグナム銃”意識に変え♪バババ…バババ…♪から♪バギューン…バギューン…♪にイメージを変え、一発お見舞いしたら次のターンに移るイメージを持ってもらった。バギューンと一発発射するごとに圧が強まり、斜面移動を保ったまま、短時間での圧のやり取りができるようになった。つまり小回りの完成だ!(^I^)。妻もその変貌の仕方に驚きの声と顔。実にイメージとは恐ろしいもので、”マグナム銃を構え、迎え角方向に銃弾を発射しながら移動する”という意識を持つことだけで、これだけの滑りができてしまうようになるのだ!。中斜面から急斜面に整地からコブ斜面に…といろいろな斜面で、”マシンガン意識”と”マグナム銃意識”を試してみる。やはり効果がある!。この効用はただ「斜面を積極的に移動し、効率良い抵抗を受け続けられるか?」ということなのだが…。いつの間にか妻の滑りも懐が深くなり、ポジションが良くなっている。(^I^)。今シーズン一度もトライしていない、という国際第一の急斜面もマシンガン意識で難なく滑り降りる。
 久しぶりの身内スキーを、午後1時ころ切り上げ、生ビールで乾杯をした【TOK】デシタ! シーハイル! (^I^)



3/26(日)大雪 バッジテスト1級検定員
 今日は1級の検定員。
 午前中はビブナンバー1〜12までの受験生の実践種目テスト。カービング要素のターンとはどういうターンで、どういうポイントがチェックされるかを説明。大回りでは前半幾分スキッディング的に入りスキーがタワミ始めた時点でカービングに移行する意識が重要なこと…。これを雪の圧を受けることで行なう事…。また圧変化はゆっくりした圧変化で行うこと……。正対といってもスキーに直角に上体が対するのではなく、左右のスキーの前後差だけ、上体の向きは外向きになること…。角付けの切替えは3次元的な脚のひねり戻りの力と、タワミ戻りの力を使う事…。 中回りでも同じ意識で圧変化がより急激に行なわれる意識を持つこと…。 総合滑降も全体として雪との圧のやり取りをどう行なうかが重要なポイントである事…。 実践種目の3種目とも尽きるところは”雪からの抵抗をどう利用し、それを効率良く行なう為にはどうしたら良いか?”を考えて滑る事にある…ことを説明した。それをどう受験生が演技し、実力を見せてくれるかが検定員の役目。
 午後は規定種目の検定。午前中の種目との違いは”コンフォートターン”で行なう事…。大雪の中、視界が不良な為、積極的に雪の圧を受ける意識があるかないかが大きな別れ目となった。その意味では大回り、中回りから小回りの2種目とも、本当に実力が試される検定となった。自分の馬力だけで雪からの圧を利用できない人、雪面抵抗を効率良くしっかり受けれない人、ワンパターンのリズムだけで、それを変えれない人……。言ってみればこういう悪条件下だからこそ、スキーの本質をしっかり考えた滑りをしなければイイスキーイングはできない。そのことを、証明してくれた検定となった。
 50数名中合格者は2名でした。その中に先日プライベートレッスンをさせていただいたSatoさんが…。おめでとう! (^I^)



3/25(土)雪 Kasa、Miyo、Matsuさんプライベートレッスン
 毎年一度はレッスンさせて頂いている、お三方の指名プライベートレッスン。
 今回のテーマは”スキッディングとカービング”について…。
 まず、毎年確認しているプルークボーゲンのポジショニングから……。このV字形の姿勢はスキッディングの基本とも言っていいもので、ズレに乗ってターンを描く滑りには欠かせないもの。スキーの前後差はなぜあるのか?、雪の力でターンするとはどういう事なのか?、左右の圧バランスの調整の仕方はどうするのか?DOとLETの違いはどう意識できるのか?、ターン始動のキッカケはどう作るのか?…等々いろんな要素が学べる『スキーの基本が詰まっている宝箱』と言っていい。支点を土踏まずにし、迎え角方向に移動する事で雪の抵抗を受けて回転モーメントが生まれ、スキーが方向を変えて行く。あくまでターンは雪の力によるものだ!という意識をしっかり確認してもらう為、じっくり2時間かけて特訓。これがしっかり頭に入れば、カービングの理論もおのずと解ってくる。
  午後、ようやくカービングの練習へ…。さて、カービングターンをするには”スキーをたわまし続ける事”が大事なのだが、あれだけじっくりスキッディングを特訓したおかげで、雪の抵抗を受け続けるとスキーを”たわまし続ける事”が可能であることが理解できる。カービングターンとはスキーのサイドカーブを使うことだ、と思っている人はたわみの観念を逆にとらえている人が多い。つまり、サイドカーブに乗っていけばタワムと考えているのだ。しかしその発想は逆で、タワムからスキーのサイドカーブを有効に使えるのだ。だからノーマルスキーでもカービングターンは可能なのだ。サイドカーブだけを利用して滑っているスキーヤーは軸だけを倒す意識が強いから腰が外れてしまったり、内足に乗り過ぎてしまったりしてしまう。タワミを意識して滑ると、腰はしっかり雪の抵抗を受けとめられる位置にセットでき、内スキーに乗りすぎてシェーレン状になったりすることも無い。外スキーでしっかり雪の抵抗を受けとめる意識が強いから、引く意識で”交互に蓄積されたエネルギーを、次のターンにつなげられる”。つまり上体の乱れを起こさずに下半身でターンをコントロールできるのだ。
 マジックハンドターンやマシンガンターンなどで、斜面を移動し、効率良く雪の抵抗を受けとめる練習を繰り返す。三人とも雪の抵抗を受けとめるポジションが飛躍的に良くなり、姿勢が決まってきた。MatsuさんはDOの意識が時々顔を出すが”受ける!”を意識すればイイ滑りができる。Kasaさんは上体の構えが別人の様に深くなり、ハイスピードに耐えられるポジションが作れるようになった。Miyoさんは圧のやり取りが上手でターン弧が自由自在に描けるようになった。お三方ともいかに雪の力でターンする事が重要か、しっかり解っていただけた様だ!(^I^) カービングターン全盛のこのごろだが、本当にその意味を解っている人は少ない…と思う。今日、Kasa、Miyo、Matsuさんの三人はその意味をしっかり見に付けられた。
 これでどんな斜面もOK! お疲れサン (^I^)




3/24(金)小雪 Day Off
 雨模様の天気だったせいもあり、朝早くから今日はお休み…を決めこみ、久しぶりに11時近くまで、ゆっくりZzzzzz……。(^I^)
 春の雪で脚も疲れているし、明日はプライベートレッスンが入っているので、少し休養も必要と自己判断。
 ボケーーとしているのも時にはイイものですね?! (^I^)


3/23(木)高曇  技能級別テスト 2級検定員
 今日は2級の検定員。
 午前中の実践種目テストは受験生11名を検定。大回りパラレルターンではスキッディングを理解してやっている人と、ナントナクやっている人の違いが出た。普段滑る時からスキーの性能引き出して滑ろうとしているか、自分の馬力で滑っているか…で合理性に相当の違いが出ると、実感。中回りについても同じことが言える。スキーの性能を引き出そうとすれば、斜面を落ちて行くことに抵抗は無いのだが、自分の力でターンしようとすると、一回一回止めるような滑りになり、リズムも圧の調整もできなくなってしまう。総合滑降ではスピードと雪面との圧のやり取りのマッチング、滑走ライン取りが大事なポイントになるが、これも自分のパワーだけで滑ろうとすると上体がブレ、全体として安定した滑りでなくなってしまう。2級クラスのレベルでも、もう少し雪の抵抗を受けとめて、その力でターンする意識が重要。
 午後は規定種目の検定員。まず小回りから中回りのリズム変化。小回りと中回りのリズム変化をはっきり区別して演技できるかがカギ。圧のやり取り、貯めと解放の間合いを一気にではなく、抑揚をつけた中で調整できるか?。リズム変化ができない人、抑揚ができない人が結構多く、もう少し小回りの練習が必要だと感じた検定でした。カービングスキーが全盛になって特にそのような傾向が出始めている事も……。次の大回りパラレルではカービングスキーの性能だけに頼った俗に言う”腰はずれターン”が目立った。まずターン前半でスキッディングがあり、スキーがたわんでカービングの準備ができ、そしてはじめてカービングターンになるというプロセスを省いて、いきなりカービングに持って行こうとしている。急激に角から角に…という意識でなく角付けも徐々に行なわれるということを学ぶべきだろう。検定はスキーの性能を見るものではなく、スキーヤーの能力を判定するものだということを考えて欲しい。スピード重視の暴走カービングスキー操作は、検定という視点からは評価できない滑りと心得るべきだ。


3/22(水)うす曇⇒晴  バッジテストスペシャル2.0 2級担当 二日目
 バッジテストスペシャル二日目。今日は実際の種目ごとのチェックがテーマ。
 まず実践種目の大回りから…。スキッディングが基本なので”V字スタンスの外側を滑る”意識が必要。雪が少し重かったせいか、少し気を抜くと内倒、正対の滑りになってしまうので注意。また圧のやり取りが、中回りや小回りに比べるとゆっくりしているのでその調整がうまく行かないと、リズム取りができない。また、スキッディング要素で滑れれば2級の実力がある…という見方をするが、もしカービングで滑れれば能力的にはさらに優れているわけで、その方が評価が高くなる。しかし基本のスキッディングがターン前半にうまくできないとカービングへの移行がスムースに行なわれないので注意が必要。 次は中回り…。斜面をうまく降りて雪の圧を受けとめ、それを解放する…という滑りに馴れてきたせいか、皆、これは比較的うまくできた。(^I^)。 そして総合滑降…。雪の圧の為と、その解放なのでこれも♪♪受けるゥー→引くゥー……♪♪のリズムに合わせて滑走するだけ……。口ずさみながらすべればイイのでこれも大丈夫。しかし、気を抜くといつの間にか、雪からの圧を自分が加えている圧だと勘違いしてDOの滑りをしてしまうので注意。その違いは動作が上から起こるか下から起きるか?で解るのだ。
 午後は規定種目の大回りパラレルから…。実践種目テストとの違いは、コンフォートターンだということ…。しかし、コンフォートターンといっても、どこまでスキッディング要素を見せるのか?という違いだけなので、早くカービングに移行できればそれに越したことはない。雪質がザラメ状態になってきたが皆頑張って練習。DOでなくLET意識で滑れば大丈夫…ということが大分浸透してきた。 次は小回りから中回りへのリズム変化…。小回りの、圧のためと開放の、早いリズム変化を中回りまで持ち越すと円弧が小さくなるので、圧の調整に気を配る事が大切。 規定種目2種目ともザラメ状態の中で良く耐えてトレーニングしてくれた。
 Yanoさんはこれまでの滑走日数が少ない様で、2級合格ラインにはまだ至っていないが、この二日間で見違えるような滑りになった。抵抗の来る方向へのポジショニングが課題。
 Takeさんは、外スキーでの雪面の捕らえが課題。それには両手をもう少し広げ、マジックハンドを意識して滑ることと、迎え角意識が大切。合格ギリギリのラインにいるので、実力を出しきれば合格!(^I^)。
 Fukushiさんは一番経験も豊富で、これまでも何回かテストにトライされているだけあって一番合格ラインに近い。初日に出ていたDOの滑りが無くなり、LETの意識がわかる様になったみたいだ。私がイイ滑りだ!と評価した時の彼の意識は、これまで彼が滑っていて「イイ滑りだゾ!」と感じた時のフィーリングとは大分違っていた様子。つまりDOの滑りが良くてLETだと思い込んでいたのだ。滑走意識の違いがこれほどスキー上達を左右することになるのか?と感じた【TOK】デシタ。
 さあ、明日は本番! 実力を出し切るよう、頑張ってネ! (^I^)



3/21(火)うす曇  バッジテストスペシャル2.0 2級担当
 今日はバッジテストスペシャル2.0コースの2級受験者班を担当。男性3名Yano、Take、Fukushiさんのクラス。
 2級種目のテーマは「スキッディングターン」なので、まずその要領から…。舵取り期ではスキーの前後差を利用し、雪の抵抗を受けてターンすること。その為には支点となる場所が土踏まず付近であること(荷重点)。プルークボーゲンの片方を滑っている意識が必要で、常にターン斜め前方から雪の抵抗を受け続ける意識が必要なこと(迎え角)。これらの練習のためプルークボーゲン、シュテムターンから始める。また角付けの切り換え時は、ターン後半の迎え角のネジレが、戻る力となって働き、次のターンのきっかけになること。雪が結構重かったがこれらの練習を白樺で行う。午前の終了間際に、雪の抵抗を効率良く受けとめる為の「マジックハンド」を練習する。ターン前半からの捕らえが楽にできるようになった。
 午後は中回り、小回りの練習。大回りパラレルに比べて圧の加減が急激に行われる事がポイント。みなさんどうしてもDOのスキーをしてしまうので上体が揺れ、緩斜面では止まってしまう。そこで「雪の抵抗を受ける意識」のトレーニング。行なう筋肉と感じる筋肉とではその力を伝える方向が全く逆な事。足裏で感じる事がいかに大切かを説明。皆さんにとっては初めての意識なので戸惑う人もいたが、少しずつこのフィーリングに馴れてきた。これまでDOのスキーをしていて、上体が突っ込む癖のあったFukushiさんは腰砕けの姿勢が消えた。そして『受けるゥー⇒引くゥー……』のリズムに合わせた中回り小回りの練習。この練習で、Takeさんのスキーは弾み運動さえ見られる様になった。その後リーゼンコースを降りながらトレーニング。春の雪で結構ザラメ状になっていて滑りづらい雪だったが、DOでなくLET感覚なので皆さん結構イイ滑りをしている。Yanoさんはまだスキー滑走経験が少なく、小回りは今日が初めて…という感じだったが、上体の構えをしっかり作ったときはイイ滑りになってきた。もうすこし滑りこみが必要。
 LET意識のターンがいかに応用幅が広く、楽なものか、今更ながら思った【TOK】デシタ! (^I^)




3/20(月)曇のち晴  Matsumoさんご夫妻 プライベートレッスン
 今日で4回目となるMatsumoさんご夫妻の指名プライベートレッスン。残念ながら昨日の検定はお二人とも合格点に達せず仕舞い。
 特に奥さんは私の目では2級合格の域に達しているのに、その実力を発揮できなかった…ということで本当に残念でした。
 今日はその結果を踏まえ、ナニが足りなかったのかを検討する事に…。大回りのターン前半の捕らえのタイミングが幾分遅れ気味で、雪の抵抗を受けきれないでいる。そこで、基本に戻り『オレンジターン』と『引くぅー⇒受けるぅー…』の練習。やはりこの原点、イイ所に乗り、雪の抵抗を意識して滑る事が大切…。ご主人の方は、どうもポジショニングがどこかオカシイ?!。どこと無く自分で作った姿勢で、雪の抵抗に対処して自然にできる姿勢ではない。円弧、シュプールを自分で描こうとする意識が頭のどこかにあって、それを吹っ切れないで居る感じだ。そこで「シュプールを自分で描こうとしないで、描かれてしまう…という気持ちで滑ってみたら?」とアドバイス。その言葉が効いたようで、午前の終わり頃には腰の構えが全く違ったものになった。
 午後からは、小回りや中回りを練習…。お二人とも小回り中回り系の、圧のやり取りが急激なものは得意。苦手なのは、圧をゆっくり受け続けたり減らしたりする感覚…。どうやってこれを会得してもらおうかと思案しながら、斜面をパノラマからセントラルの急斜面に移動中ハッと、10数年以前も前にやった事のある”マシンガンターン”を思い出した!。そうだ、あのマシンガンターンを使ってみようということで早速トライ。”マシンガンターン”というのは、自分の進む方向、斜面を落ちて行く方向をしっかり意識し、自ら進んでその方向に移動しようとする気持ちを持たせるためのトレーニング方法のひとつ。その要領は、舵取り期に入ったとき、外側の手の人差し指をマシンガンの銃口に見たて、自分の進行方向(迎え角方向)に居る敵を目掛けて銃口を(人差し指)を向け、そこから弾丸が”ドドドドドドドォーン…”と発射されるフィーリングを持つ…というだけのもの。これが思いの他効いた!(^I^)。お二人とも、斜面を移動する感じが全く違ってきたのだ。あれだけターンすること、円弧を描こう描こうとすること、の意識を捨てきれないでいたお二人が(お二人とも絶対ターンしようとはしていない!と思い込んではいたが…)、その事から解放されたようだ!。こうなるとあとは簡単、ヒザの横に置いた人差し指が迎え角方向を向く意識があるため、手首がマジックハンドのように自然に外側に返ることになり、エッジングも自然に行われて、雪の抵抗を効率良く、しっかり受けとめられるようになる。その結果として、円弧、シュプールがきれいに描けるようになる。このセントラルの急斜面コース、前回もご主人の「交互操作で外スキーの捕らえを早くする意識」の練習で開眼した斜面だ!。どうもMatsumoさんご夫妻にとって、セントラルの急斜面コースは絶好のトレーニングバーンのようだ。(^I^)。その後奥さんから質問「”ニュートラル”と”引く”ことを意識すると、滑りがしっくり来ない…」。そこで、その両方とも意識しないで「マシンガンターン」だけ意識することをお奨め…。これを意識しないでも奥さんの滑りは引く動きも、ニュートラルもしっかり演技している。これまでのトレーニングで”意識下の運動”が”無意識下の運動”に変わったとも言えるし、奥さんの言葉に置き換えられた、とも言える。大事な事は、いろいろな意識での滑り方があるが、その全てをやろうとする事ではなくて、自分が最もイイ滑りができる、と信じられる意識を持ち、言葉を唱えながら滑る事。これが上達のメカニズムだと思う。
 来週、奥さんが2級に最挑戦するとの事。自分の滑りに自信を持って、検定員の目を試すのだ!というくらいの気持ちで臨んで欲しい。
 祈る合格! (^I^)


3/18(土)晴  名木山教室主任
今日で5日連続の名木山主任。いい加減ゲレンデでレッスンをしたいが、誰かがやらなければならない仕事も……。
 今日から3連休でスキースクールも賑わいが…。でもいつもの春の連休より幾分お客様の数が少ない感じ…。でも天気も良くスキーには最高の一日でした。
 さて、明日はプライベートレッスンの指名が入っているので、確実にレッスン担当! (^I^)。天気が崩れ始めているとの事だが、どうにか一日持ちますように…。


3/19(日)曇  Kokuさんプライベートレッスン
 
待望のレッスン!(^I^)  今日はKokuさんとおっしゃる女性の方で、私のホームページをご覧の方の指名レッスン。
 少し伸び悩みを感じておられ、来シーズンには2級を受験されたいとのご希望も…。でも、拝見したところ、スキーをされて4シーズン目くらい、とおっしゃる割には素直なイイスキーをされる。
 まずスキッディング要素のターンの練習。理屈が大事なわけではないが、ある程度それを理解できないとやる気にならない人もおられるので、支点(荷重点)の説明、そして雪の抵抗を受ける方向、迎え角のお話から…。【TOK】の教師日記を読んでおられるので、説明はそんなに難しくない。支点にオレンジを意識しそれを交互に捕らえて行く感じの説明では、今まで2個のオレンジを左右に意識するものだ…と思われていた様だが、1個のオレンジをお手玉の様にやり取りする…ということで納得され、滑りも合理的なものに…(^I^)。これまでのスキーはどちらかと言うと「舵取り期で自分から押すイメージ」のスキーをやっておられていて、支点も幾分前で、ヒザが前に倒れ過ぎ、脚の三角窓、が見えるような滑り方…。そのため内足に乗り安く外スキーのタワミを充分作れない滑りになっていた。私のアドバイスを次々とこなしてくるので、午前の終わり頃には『かかと支点』の滑りを試してみる事にした。マジックハンドの作り方もうまく、雪の抵抗を効率良く受けとめるので、スキーがたわみ始め、ターン中盤からは切れも見られる様になった!(^I^)。ズレ⇒タワミ⇒切れ、の図式がパシッと決まりはじめたのだ。少し湿気の多い雪にもかかわらず、自分から押していないので減速する事も無く、イイスキーをするようになった。一般的に女性の方やお年を召した方は、私のアドバイスを素直に聞き入れてくれて、体力に頼らない素直な滑りをされる方が多いが、Kokuさんほど素直に私の言うことを実践してくれる方は初めて!。
 午後からは、急斜面での大回りや小回りの練習…。支点をかかとに意識することでテールのズレが止まり、雪の抵抗を受け止めることが上手なので急斜面でもしっかり安定したスキーになって来た。セントラルコースの急斜面や、国際第1の急斜面も難なくこなして来る。私がお教えするまでもなく、これまでも充分イイスキーをなさっていたのではないかと、思われるほどの滑りだ。小回りではやや上体がスキーの進行方向を向いてしまうので、『ありがとうターン』の練習でこれを矯正。レッスンの終了頃には落差も取れるようになって『雪の力でターンする』という合理的なスキーができるようになられた。今日のレッスンで感じた事は『自分でスキーを動かすのではなく、雪の力でスキーがターンできるように乗ってあげること』の大切さ、でした。
 ゲレンデ下部でご覧になっておられたご主人が、レッスンの最後に「違う人が滑って来たのかと思った!」という風におっしゃっておられたので、少しは私のレッスンもKokuさんのお役に立てたかと、胸をなでおろし、やっぱり現場でスキーをするのが最高!と感じた【TOK】デシタ。(^I^)
 


3/17(金)雪  名木山教室主任
  4日連続の名木山の主任。
 今日は連休の前日という事もあり、スキースクール業務はヒマ状態…。わたしもギンギンと滑る事も無く、ヒザの休養には最高。
 また明日から忙しくなる事が予想されるの前、イイ鋭気を養わせていただきました。(^I^)


3/16(木)雪  名木山教室主任
今日も名木山の主任。
 大勢の指導員がリーゼンスラローム大会の大会役員で、大雪の中コース整備や旗門の仕事に励んでくれました。
 八方尾根スキースクールの教師は、ただ単にスキーを指導するだけでなく、こういった地域の行事のお手伝いもします。特に大会関係の仕事では早朝、朝5時から……というような作業が珍しくありません。スキーを楽しみに来てくれる人達が、いろんな面で満足していただけるようボランティアの仕事もするのです。今日は特に大雪、でジャイアントスラロームの大会としては最悪のコース状態になりかねませんでした。午後からは雨模様になり、ホントに頭の下がる思いでした。ご苦労様でした!
 そして、この大雪の中、バッジ検定も行われました。受験された皆様も大変な雪の中での検定でした。ゲレンデコンディションが悪く、こういう時こそ基本に忠実なスキーが要求されました。皆様、お疲れ様でした!




3/15(水)晴  名木山教室主任
今日も名木山の主任。
 明日検定があるせいか検定事前講習の生徒さんが多い。ぜひ検定のポイントを会得されて、合格して欲しいと思う。

 さて、過日、ある方から次のような質問を E−mail で頂きました。私の思うところを述べてみたいと思います。
 「TOKさんは、ズレの多いターンに較べ、ズレの少ない切れの良いターンの優位性をどのように考えていますか?」
 スキーヤーはそれぞれ自分の楽しみ方のスタイルを持っています。これは何もスキーだけに限った事ではなく日常生活でもそうです。これをライフスタイル、と言うのだと思います。スキーをする人の多くは、スキーというスポーツを通して、ナニかしらの”楽しみや満足”を得るために雪の上に立っているのでしょう。そして、その楽しみや満足をより深く満喫するために、技術を学び上手になろうとするのだと思います。ある人は深雪やオフピステに行き、そこでより自然を楽しむ為にスキーがうまくなりたい!と思っているでしょう。またスキーレースで100分の1秒でも早く滑り、タイムを競う魅力に取りついている人も居るでしょう。そういう人は少しでも早く滑る為のテクニックを修得したいと願うでしょう。またある人は、1級という技術目標をクリアするという達成感がたまらない!という人だって居ることでしょう。とうぜん1級合格のためのノウハウをモノにし、一日も早く合格するためにスキーレッスンを受けたい…願うはずです。…つまり、スキーヤーが100人居れば100通りの楽しみ方があり、それぞれ目標とする、あるいは求めるモノや技術が違って当然ということになります。
 そこで、ご質問の、ズレの多いスキッドターンと切れの良いカービングターンの比較になるのですが、スピードに快感を求めている人は当然カービングターンの修得が当面の技術目標となります。でも、整地された斜面をゆっくりしたスピードで滑り、頬をなでる風を感じることが楽しみ…という人は、スキッディングで充分なはずです。このようなスキーヤーにとってはギンギンとしたテクニックは必要ありませんから、別にカービングに優位性は感じないでしょう。ただ、ひとつ言えるのは、応用幅の広いスキー技術をマスターするのは、いろいろなシチュエーションでそれを使えるという意味で、できればマスターしたいものだ、ということです。私達スキー教師が心得なければならない事も、実はその事なのです。つまり『応用の効く、無駄の無い合理的なスキー技術の習得』です!。SAJではこの技術を”コンフォートターン”という風に名付けている、と私は解釈しています。ずらそうと思うときにズラせられ、切ろうと思ったときに切れる技術”スキッド&カーブ”です。この技術は私のスキー教師日記にも時々出てくるので、どういうモノかおわかりだと思いますが、簡単に言えば「スキーの性能を生かし、落下運動をスキーの回転運動に変えて滑る技術」ということになります。そこでは切れるターンだけがイイという事は言っていません。スピードコントロールし安全に滑る為に、ズレのターンもできる方がイイのです。また一生を通して楽しむ…という意味の「生涯スポーツ」という観点から見れば、疲れの少ない楽なスキーも大切になります。汗を流し、息を切らして滑るスキーだけがスキーではありません。近年、特にカービングスキーが市場に出回ってから、二本のラインを残したカービングターンが技術の最高峰だ!みたいな風潮がありますが、とんでもない事です!。まずスピードを調整できるスキッディングを修得してからカービングに挑戦すべきでしょう。ヒザや腰を壊したり、コントロールできないスピードで衝突して相手に大怪我をさせたりするスキーヤーの多くが、カービングターン信奉者であることは残念な事です。
 で、結論は「ズレの少ない切れの良いターンに特別の優位性は感じない」です。


3/14(火)うす曇  名木山教室主任

 今日は久しぶりの名木山の主任。
 若手教師が明日からのリーゼン大会の準備で忙しい為、居残り組でレッスンを担当。
 レッスンの受け付け統括、名木山教室配属の教師約15人の適材適所のコースへの担当割り当て、レッスンのフォロー、スキースクールやボードスクール、スキー場のインフォメーション…が、主任の仕事。もし万一怪我人が出ればそのフォローも…。
 幸い今日も怪我人やトラブルも無く、平穏に仕事が終わりました。レッスンを受講された人達が少しでも上手になり、スキーがより楽しく滑れるようになった事を願って任務終了。(^I^)


3/13(月)うす曇  Katoさん プライベートレッスン

 Katoさんは1級をお持ちで、今度テクニカル受験をご希望の方。
 最初お会いした時,「今,調子が悪くて…いつもの滑りができないんです…」というような事を……。
 ともかく,滑りを拝見という事で,リーゼンコースを降りながら大回りを……。結構イイ滑りをしているが,乗る位置(支点)の意識が薄く全体的にDOのスキーをされている。そこでまずかかと支点意識の滑りを説明。かかと支点で雪の圧をスキーブーツ前面で受けてターンする意識で滑ってもらう。彼ぐらいになれば、舵取りの部分ではスキーをたわませた状態をキープできるはずなので、かかと支点意識の方がLETのスキーをする上でも役に立つ…。さらにマジックハンド意識の滑りで外スキーでの雪面の捕らえ方を強調。これで彼の滑りがガラッと変わった!(^I^)。今までのスキーを押す操作から、受ける意識のターンに変わったのだ!。DO意識の人がLET感覚のスキー操作を初めて経験した時の驚きの様子が伝わってくる。(^I^)。
 彼は今までいろんなことをスキー雑誌で学び、レッスンで経験してきているようだが、技術的には伸び悩みの、プラトー状態。LET意識の滑りを経験し、どうやらその状態から脱出できそうな予感…。そこで矢継ぎ早に、探るターン、引くターン、斜面を落ちて雪の圧を受ける意識、発気ヨォーイターン、目隠し滑走、センスアップトレーニングなど、LET感覚修得の練習を集中放火。彼の頭の中も相当混乱しているが、ともかく今までの滑走感覚とは一味違う感覚を身に付け、こういうスキーもあるのだという事を身を持って体験してもらうことが先決。そして彼の口から「受けるんですね?!…」という言葉が…。そう、受けて雪の力で滑るんです。位置エネルギーを回転のエネルギーに変える意識で滑るんです。いろいろな場面で、彼がこれまで学んだ事の疑問点が、一つずつ消えて行くのが遠目で見ていてもわかるくらい…。
 午後はテクニカルの検定種目を視野に入れながらのレッスン。小回りでも引く意識のターン、雪の力でターンする技術が生きる。スキーがしっかりタワミ、そのエネルギーが次のターンに有効に解放されて行く。上体のブレも無く、実に安定した合理的な滑りになった。まだ幾分DO的な操作が顔を出すときがあるが、センサー意識をしっかり持てばそれも解消するはず…。
 最後に彼が述べてくれました…「なにか目からウロコが落ちた感じです…」。教師冥利に尽きるありがたいお言葉でした。


3/12(日)うす曇  Matsumoさんご夫妻 プライベートレッスン二日目

 昨日に引き続きMatsumoさんのプライベートレッスン。
 今日は『圧のやり取り』のフィーリングを高める為の、足裏センサーのトレーニングから…。足裏にオレンジを意識してそれがつぶれたり戻ったり…の意識は練習したが、今度のはそれを一段と進め、微妙な雪の変化まで感じ取ろうというもの…。これを『センスアップトレーニング』と命名する事にした。(^I^)。これはただ単に圧を感じ様とするだけでなく、斜面が硬いとか柔らかいとか、前下がりだとか左上がりだとか、冷たいとか湿気が多いとか…までを足裏で感じ様とするモノ…。実際に温度が感じられるわけではないが、それほど足裏に意識を集中しようとすることが、圧をコントロールする上で有効なのだ。さらに進めて、スネの部分、ふくらはぎの部分、ヒザの内側の部分にも…、つまり「ひざから下全体」がセンサーなのだ…という意識を持てれば最高!。そのセンサーは力の強弱だけでなく圧の方向までを感知できるという意識も大事だ。このトレーニングで、圧を求めて行く感じと、圧が下から来ている感じがつかめ、さらにはターンするのに必ずしも大きな力が必要でない事が解ってくる。また、それをコントロールしようとする事が自然な脚の運動を導き出してくれることも実感できる。特に、ターン後半の圧を引いた後、センサーが次のターンの足の足裏真中に移動し、さらに親指の付け根方向に移動し、そして土踏まずに行く感覚は次のターンをスムーズなものにさせてくれる。これをセントラルコースの急斜面で行った。奥さんのターン前半が良くなってきた。
 午後は黒菱、スカイライン、咲花を経由して白樺へのコースをたどりながら、検定種目の練習。北尾根第3のゲレンデで片足ターンの練習をしたところ、奥さんの欠点がバレバレ!。左足一本で体を支える事ができないのだ。つまり右ターンに必要な圧を受け続けられないで、内足ターンになってしまう。右ターン前半では斜め左前方からの側圧を受け、左足だけに乗ってターンできるよう、左手のマジックハンドターンを機会があるごとに練習することが課題。一朝一夕ではできないかもしれないが、頑張って欲しい…。当面の目標とする2級合格の実力はとっくについているのだから、1級を目指して発気ヨォーイだ!(^I^)。 旦那さんは1級合格ラインスレスレといったところ。もう少しスピードトレーニングを積む事が大事。ひとつひとつの種目は無難にこなせるが、もうひとつスパイスが欲しい。そのスパイスとは、スピードとの関連で生まれてくるポジショニング、下半身の躍動感だ。これが少し足りないかな?という滑りだ。
 来週、お二人とも、それぞれの目標にむかってトライするとのこと。きれいにまとめようとするのではなく、雪の抵抗に見を任せるつもりで滑って欲しい。祈る、合格! (^I^)


3/11(土)曇  Matsumoさんご夫妻 プライベートレッスン

 2/26にプライベートレッスンをさせていただいたMatsumoさんからご指名を頂く。今日明日二日間の、再度のプライベートレッスン。
 過日は奥様の2級合格を目指した内容のレッスンでしたが、今回はそれを含め、検定には特にこだわらずスキーの大事なポイントの練習。しかし、旦那さんも近々1級受験を目指しているという事なので、おのずと意識はそちらの方へ…。
 前回は『マジックハンド』、『ドライビングターン』、『ありがとうターン』、『ニュートラル意識』、『受けるぅーう⇒引くぅーう…』というつぶやきのリズム、…等を練習。今回はそれを元に『発気ヨォーイターン』から…。マジックハンドでは一気に外側の手を意識しすぎて急激なエッジングになる事が多く、発気ヨォーイ…くらいの気持ちの方がイイことがある。またターン前半で受ける意識の時、押すという感覚でなく、雪を探る、という感覚で滑ってもらった。この方が圧のやり取りの加減具合が解り易くなる。大事な圧の三要素『場所、方向、量』についての『量の加減』が今日のメインテーマとなった。午前中は大回り系を主体に練習。白樺セントラルコースの急斜面で、交互操作をしっかり意識して行う練習で旦那さんの滑りがガラッと変わった!。交互操作がいかに次のターンでの外スキーの捕らえを早くしてくれるか?が、解ったようだ!(^I^)。その時の彼のフィーリング、意識を尋ねたのだが…、教えてくれなかった。一体彼の言葉で表現するとどうなるのだろう?。
 午後は直滑降⇒山回り⇒直滑降⇒山回りの『直滑降意識ターン』から。この練習で奥さんの滑りも上体の構え、ポジショニングがバッチリ決まるようになった!。スキーを止める意識が無くなって自分から斜面を進んで行こうという気持ちが出、姿勢が決まり始めたのだ!。姿勢は『抵抗をどう受けとめるかで決まる!』ということが実証された気分。次は、中回り小回りのトレーニング。ターン後半貯えられたエネルギーをどう次に伝えて行くか?がポイント。エネルギーをお手玉のように、左右にやり取りする感覚で行う事。この時、エネルギーが上方向を山の様に経由するイメージでなく、弓矢に継がれた矢がスポォーンと直接次の足裏に移動する感覚を持つ事。中回り、小回りはお二人ともすんなりこなす。♪♪受けるぅー⇒ヒクゥー…♪♪が基本リズムだが、そこで、過剰な圧を受けないために、足裏全体が”センサー”である意識で滑るトレーニングも…。この練習で圧の急激な変化が少なくなり、下半身の動きが滑らかに…。足裏意識が重要な事も再確認された。
 レッスンが終了する頃には、人の合間をスイスイ抜けるように滑っていく夫妻の姿が見られ(^I^)ニコニコ気分になった【TOK】デシタ。



3/10(金)小雪  名木山常設 上級クラス担当
 今日は久しぶりの名木山常設。上級クラス8名を担当。
 今日のテーマは『合理的スキー』。スキーの設計されている特性を引き出すにはどういう滑りがイイのか?を考えながらレッスン。
 一番の特徴は「スキーのトップがテールより長い」ということ。その前後差を使ったターンとはどういう滑りなのか?を考えることから始める。つまりは『スキッディングターン』という事…。そして雪の抵抗を受け始めるとスキーがたわみ、カービングターンの要素が出てくるという事…。そしてタワミとサイドカーブを有効に使う事でさらに切れのイイターンが可能になるということ…。これらの説明をオレンジター^ン、プルークボーゲン、マジックハンドターン、ニュートラル意識…の解説を交えながらトレーニングする。これらの考えの基本は『圧を受ける支点、その方向、そのやり取りの仕方』に尽きる事もお話する。位置エネルギーをターンのエネルギーに変えて滑る感覚が大事なことも…。ほとんどの方が自分から圧を加えるDOのスキーをされており、雪の抵抗を受け、その力でターンするLET意識が初めての経験という方が多く、最初はだいぶ戸惑っておられた様子…。
 午後は♪♪受けるぅー⇒引くぅー⇒受けるぅー⇒引くぅー……♪♪のリズムの練習から…。貯えたエネルギーを”引く”という意識でいかに次のターンに解放できるか?がキーポイント。この時、どうしても上体が伸びてしまう人が多く、「歩く時、歩行の時の足の上げ方が引く、という感覚と似ている」ことを説明し練習する。この”引くぅー”の時に上体が伸びてしまうとターン前半での雪面の捉えが軽くなり、急斜面ではスピードコントロールができなくなる。大事なフィーリングなので結構時間を掛けてトレーニング。ほとんどの方がレッスン後半には「引く意識」が少しは理解できた様だが、まだまだ練習が必要。圧を加えることでこれまでスキーをして来た人には、全く逆の発想なので戸惑うかもしれないが、これがエキスパートスキーヤーになるための関門だと思って頑張って欲しい。
 受講された方、ほとんどの方がInter Netをやられているということなので【TOK】のホームページアドレスお教えさせて頂きました。何かご質問などありましたら、遠慮なくE-mail下さいね!
 皆さん、強風の中お疲れ様でした! 


3/9(木)小雪  技能テスト 2級検定員

 3日ぶりのスキー!(^I^)
 雪が降ってても、やっぱりスキーは楽しい!!!。(^I^) (^I^)
 今日は検定日で2級クラスを担当。午前中はビブナンバー1番から10番までの受験者の実践種目講習テスト。
 実践種目テストの検定員はシーズン初めに一回やっただけで、今回で2回目。しかも2級は初めて…。
 まず2級のスキッディング要素のターンの説明から…。スキーの前後差を利用し、雪の力でターンすること、迎え角を意識すること、角付けの切り替えは迎え角のネジレが戻ることで行なうこと、積極的に斜面を移動する意識を持つこと……を解説しながら受験生の実力を判定する。受験者の中にはこれまでスキッディングターンを丸っきり意識してこなかった人も居て、私のひとこと、ひとアドバイスでどんどん滑りが変わった人も…。どうしても2級レベルとは評価できない人も居られたが、それぞれ課題を持たれて午前の検定を終了。
 午後は志願して『2級検定のトライアル』。受験生の前に試走する役目。トライアルの様に滑れば合格…という訳ではないが、リズムの取り方やライン取り等、受験生の滑りの参考になる様、留意して演技。たまにトライアルが、うま過ぎる演技をして、受験生がそれに惑わされ、真似をしようとして失敗し、合格者が少なくなった…という事もあり、しっかりズラすところはズラして演技。自分では最高のコンフォートターンをした!と思った【TOK】デシタ。
 合格者は42名中7名でした。おめでとう! (^I^)



3/8(水)小雪  Day Off
 今日も一般レッスンはそれほど忙しくなかったので、貯まりに貯まっていた私用の整理。
 ナントなく落ち着いた二日間でしたが…やっぱり雪の上に立たないと気がスッキリしない!
 明日は滑ろうっと!



3/7(火)曇  Day Off
 技術選の大会役員は忙しかったものの,一般レッスンはそんなに……。
 ということで,今日はお休み……。頼まれていた八方尾根スキースクールの「スノーメイトTシャツ」と「検定Tシャツ」を作る事に……。それぞれ,八方を,スキースクールを可愛がって頂いている方々に差し上げるTシャツだけに,良いものを……という気持ちが……。
 昼は久しぶりに「焼き肉」を楽しみ,昼寝もしっかり2時間……。
 ヒザの疲れも今日の休みで結構回復! 【TOK】にとってはイイ休日でした。(^I^)


3/6(月)快晴  Nishiさん、Maeさん、Hayaさんのプライベートレッスン

 「1級受験ご希望2名様、2級受験ご希望1名様のグループ、【TOK】さんお願いします…」と言われてお会いし、お話を伺っていたらナント、たまたま私のホームページをご覧頂いているNishiさんのプライベートレッスン。
 Nishiさん、Maeさんが1級で、Hayaさんが2級受験希望とのこと。まずどちらにも共通しているスキッディングから。ここではスキッディングお決まりの「圧を受ける支点、その方向、その量」についてのお話…。スキーの前後差を生かして雪の抵抗でターンが始動する意識のトレーニング。これを♪♪うけるぅー⇒引くぅー……♪♪のリズムで……。次は、効率よく雪の抵抗を受けるためのマジックハンド意識のトレーニング。そしてスキッディングでスキーに”たわみ”ができればカービングへ移行することを解説…。この時、特にマジックハンドを最も意識するターン中盤では、アクセルを吹かしたオートバイや自動車が前にグゥィーンと進む意識をもつフィーリングを大事にすること…。という訳で午前中は「スキッド&カーブ」の基本的な練習でした。
 午後は受験種目についての解説と、圧のやり取りの微調整の練習。そのために『発気ヨォーイターン』を意識してもらう。マジックハンドより圧の捕らえが柔らかい感じになり、また圧を減じながらのターンも自然に行なえるようになり、Nishiさんのスキーが走り出した!。ターン中盤でスキーしっかりたわみ、その圧を減じながらニュートラルへ移行する事で角付けが緩み、スキーが走るのだ。(^I^)。この走りはDOの押すターンでは決して表れない動きだ。また、Maeさんはどうも小回りが苦手らしく、踏み込みが強くなってしまって素早い切り返しができない。そこで、雪からの抵抗を足裏で探る意識で斜面下方へ移動し、圧を作ってスキーをたわませること,そしてそのたわみを引く意識で解放してやること、のトレーニングをする。つまり『引く引くターン』だ。これでMaeさんのターンのリズムが早くなってきた。スキーも良くたわみ、うまくいった時はスキーが走りもする!。雪の圧を受けてターンすることと、圧を左右交互に引くことで次のターンに移行する意識がこれほどうまくかみ合う例も少ない。お二人とも、かなりこれまでプラトー状態が続いて来たのだろうと思われる。Hayaさんもお 二人に引きずられる形でどんどん課題をこなしてくれました。後半はすこしバテ気味でしたが、今日のフィーリングを生かして丁寧に滑れば、2級合格は間違いないと思う。
 みなさん三人とも『雪の力でターンする』という極意を体験されました。これからのスキーライフが、今までのモノとは少し違った観点から捉えられる様になられたのではないかと感じた【TOK】デシタ!  オツカレサマ! (^I^)



3/5(日)曇  Kouriさん、Nakaさんグループプライベートレッスン 二日目
 昨日に引き続きKouriさん達のプライベートレッスン。
 今日は昨日のメンバーと一部変わり、準指導員資格の持ち主またはその実力がある人達で、本日のテーマは『質の高い滑りを求めて…』。
 スキッディングとは?カービングとは?一体なんだろう?…ということで、まず、スキッド&カーブの『コンフォートターン』から…。スキッディングにも大きく分けて「迎え角を意識した斜め前方向のスキッディング」と「縦方向への押しを主体とし、スキーをたわませることを主眼としたスキッディング」の2種類あることを確認。初めに迎え角意識のスキッディング。ターン前半ニ分の一スキッディングから四分の一スキッディングへ、自分の意思でコントロールできる様トレーニング…。このとき迎え角方向への対応姿勢がいい加減だと円弧コントロールができないことを確認。スキーヤー自ら「どこへ行こうとしているのか?」を意識することの重要性を学ぶ。その後「縦方向への押し主体」のスキッディング…。この時のコンタクト圧の大きさを足裏と脚で感じることを意識する…。押しが強いとDO的になり上から下への力の伝達になりがちなこと、むしろ押しと言うより「求めて行く…」あるいは「探って行く…」という意識の方が下からの力を上に伝えることになり、動作が下から起きる事を確認。
 午後は、どうしたら「圧のやり取りを自分の意思でコントロ−ルできるか?」という事がテーマ。まず、ターンのマキシマム(ターン中盤の最もふくらんだ部分=角付けが最も強い部分)からマキシマムへ移動するトレーニング。自分の意思でその場所=マキシマムへ行こうと言う意識がどれだけあるか?そしてそのマキシマムでどれだけマジックハンドを使えるか?効率良いターンをするにはマキシマムでバネのあるヒザを使い、スキーをたわませることが大事。マキシマムで充分スキーをたわませることができれば、あとはマジックハンドのアクセリングを緩めるだけでスキーは勝手にニュートラルを経由し次のターンに入って行ってくれる…。たわみがフラットに戻り、そしてやや上側に反り、またフラットになり、次のターンの谷回りに必要なたわみとなって行くからだ。『たわみの三次元的働き』とでも言った方がイイかもしれない。次に『発気ヨォーイターン』の練習。マキシマムで気を足裏のオレンジに発して行くイメージを持つもので、先ほどの練習をより滑らかにして行くトレーニング…。ターン前半、ニュートラルからマキシマムに掛けて徐々に"気"を足裏に集中させて行き、 そこからニュートラルに掛けては逆に"気"を緩めて行く…。この練習でヒザのより柔軟な使い方ができるようになり、下半身の動きもよりスムーズになる。♪♪発気ィー(舵取り)⇒ヨォーイ(ニュートラル)⇒発気ィー⇒ヨォーイ…♪♪がその時の練習リズム。
 今日のこれらのトレーニングを通じて、スキーが自然に左右に弾む様にターンしてくれることをつかんでいただいた、と思う。重要なことは『スキーのたわみの度合いのコントロ−ル』をどう行うか?ということ。待っているのではなく積極的にその「たわみ」を作りだして行く積極性を持つという事。
 今日のこのトレーニングは、Kouriさん達のようにかなりの技術レベルがあったからできること…。それだけハードなレッスンで、【TOK】のヒザもガクガク!…。ヒザにシップを施した【TOK】デシタ。
 オツカレサマ……… (^I^)


3/4(土)雨  Kouriさん、Nakaさんグループプライベートレッスン
 
 今日は昨日までの晴天がウソのような雨模様…(=_=;)
 毎年ご一緒している、Kouriさん達のプライベートレッスン。あいにくの雨模様だったがKouriさんが念願のカービングスキーをお求めになり、その試走を兼ねてのレッスン。他、お仲間が全部で5名で、滑りを見せてもらったところ、かなりの経験はあるが、ターン前半の捕らえに問題があり、急斜面でのターンがうまくいかないのではないか…と思われる。
 今回初めて私のレッスンをお受けになる方も居られたので、まずスキッディングの練習から…。例によってスキーの前後差を使ったターンの説明から……。そしてオレンジを足裏にイメージすることで、『支点(荷重点)、抵抗を受ける方向、抵抗の量の加減』を意識する練習…。初めはなかなかオレンジをイメージアップすることが難しいが、これは訓練でいくらでも良くなる。要はいかに毎回毎回の滑りで足裏感覚を磨いて行くか…に掛かっている。つまりスキーヤーの集中力、コンセントレーションの問題なのだ。初めはぎこちなかったものの少しずつスキーが安定し雪からの力とはどういうモノか、理解し始めた様子…。ターン後半、交互意識で外スキーの圧を減じながらニュートラルへ、そして次の外スキーへ……という練習を♪♪引くぅー⇒受けるゥー⇒引くゥー⇒受けるぅー…♪♪のリズムに合わせて行う。これが雪の抵抗を受けてターンする最初の基本練習。そして「受けるぅー」で効率良く雪の抵抗を受けるための『マジックハンド』を意識してもらう。特にヒザがうまく使えない人、外足にうまく乗り込めない人には効果がある。午前中はほとんどこれに時間を費やす。
 午後はトランシーバーを使ってのレッスン。雪の圧を受けるタイミングと引くタイミングを無線で指示しながら練習。後半は、移動することの意味がつかめなず、雪の抵抗を受けることができにくい方が居られたので、『ドライビングターン』を試してみる。コレが効果があり、その方のスキーイングがガラッと変わった!。移動すると雪からの圧が来ることと、進む方向についての意味が理解できていなかった為で、それ以降、大回りでも、小回りでも、急斜面でも、かなりイイ感じで滑られるようになった。その方だけでなく、全員の方が『ハンドル操作とアクセリング』のイメージでスキーに適度な迎え角ができ、前に進むことで効率良く抵抗を受けることができるようになった。こうなるといつでもたわんだ状態がキープできるので、ターンをコントロールするにはその圧を引きながら緩めるだけでイイことに気付く。Kouriさん達のレベルになれば、ポイントは『スキーをたわまし続けること』と『引くことでコンタクト圧を調整すること』だということだけ…。モチロン、リズミカルな引くタイミングも大事だが…。
 …という訳で、午後は雨に濡れてビッショリの条件の中でしたが、最後まで集中してレッスンができました。ホントご苦労様でした!(^I^)


3/3(金)快晴
 
今日も快晴のイイ天気!
 これまで検定続きで、少々楽しいスキーをしたい…という欲求が【TOK】の身体から… (^I^)
 そこで人事部長にお願いして、急遽お休みを頂き、妻とお楽しみスキーをさせて頂きました!
 検定も、それを通して技術向上を図ったり、合格を目指してクリアする喜びを経験したり、自分の技術レベルを判断したり…という意味でおおいに有意義なことではあります。が、検定目的だけの為のスキーに固執すると、楽しみのスキーが苦しみのスキーになってしまいます。検定を担当する検定員、教師もそれだけに関わっていると、いつの間にか「スキーってこれだけで良いんだろうか…?」と思うことがあります。私自身ここのところ「検定」や「カービングスキー」のレッスンが長く続きました。
 今日はそういう意味で、技術にこだわらず楽しくスキーをさせて頂きました。
 スキーってホント、イイものですね!(^I^) (^I^)
                       ☆★☆
 さて、過日、2月25日レッスンを担当させていただいた「Matsu」さんから、次のようなE-mailをいただきました。手前味噌で申し訳無いのですが、「スキーが楽しく感じられなくなった方」や「技術の伸び悩みを感じておられる方々」の参考になればと思い、UPさせて頂きました。
 皆さんのご参考になれば幸いです。(^I^)
                       ☆★☆

 TOKさん、二十五日のプライベートレッスンどうも有り難うございました。
 私のスキー人生中の最高の一日となりました。レッスンは、体系的かつ理論的にまとめられ、 短い時間ではありましたが、大変よく理解できました。雪からいただく力(抵抗)の受け方と離し方で、大回りも小回りも、スキッドもカーヴィングも自由自在なのを実感できました。
 今年靴とスキーを新しくしてから、大回りの左ターンの導入時に右スキーのとらえが何となくぎこちなく感じていたのですが、引くターンを覚えてから全くなくなりました。履き古した板のよう足に馴染んできました。すーっと引くことによってスキーが前に走り、訳もなく勝手に次のターンが始まっていく。流れるような連続 ターン・・・・・・・・。体の芯からわくわくする気分です。
 今後さらに磨きをかけて、より高度な滑りにチャレンジして行きたいと燃えております。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。まずはお礼まで。
                                           Matsu
 

3/2(木)快晴  バッジテスト検定員 
 今日も快晴のイイ天気!。3月に入ったら、急にイイ天気になり気温も暖かくなった。日に焼けそう……。
 さて、今日は木曜日。検定の日。今日は1級の検定員を仰せつかる。今日は今年最も多い79名の受験生。
 午前中はいつもの様に巡回検定を名木山で。午後は1級の規定種目テストを白樺ゲレンデで…。
 コンフォート要素のパラレル大回りから…。ゲレンデコンディションも最高なのに、なぜか今回の受験者はターンの仕方が不自然な人が多い。カービングの性能の良いスキーに乗っているせいか、いい加減な滑り方の人が多く、雪の圧のことを考えて滑っている人がほとんど居ない!。スキーを自ら操作していこう、という姿勢が感じられない。ただスキーの角を立ててカービングの性能だけに頼った滑りをしている。検定はスキーの性能を見るのではなく、それに乗っているスキーヤーの技能を見ることなのに…。いくら楽に回れても『雪とスキーの圧のやり取り』をもっとしっかり意識して滑って欲しいと思った。
 中回りから小回り…についても同じ事が言える。ターンの始動をどういう力で行い、舵取りではどの方向から雪の圧を受けるのか?。それをどう次のターンにつなげて行くのか?。
 …残念ながら受験生が多かったわりに、1級の域には到達していない人が多い検定でした。結果は79名中4名の合格。
 雪質が良く、ある意味でどんな滑りをしても降りて来られたことが、雑なスキー操作になったのかもしれない…と感じた【TOK】デシタ。



3/1(水)晴  テクニカル・クラウン プライズテスト検定員 二日目
 3月に入って、早速のイイ天気の中、プライズテスト二日目が10amから行われました。場所は今度の技術選でも使用予定の「うすばの斜面」右側で、ここをセパレートして行いました。バーンは良く整備されており文句のつけようの無い斜面。
 最初は「パラレルターン大回り」から。出だしでスピードが無いのにいきなりカービングターンに入ろうとして、スキーを外に放り出す人が多く、そこでまずバランスを崩す人が見られました。テク・クラのレベルでは、スタートからゴールまで、チョットしたミスも減点の対象になりますので、ここでのミスはいただけません。適度なスピードが出てからは、雪面からの抵抗と滑走スピードのミスマッチが見られました。必要以上にエッジングをし過ぎてスピードが死んでしまったり、また軽過ぎてスキーのたわみが無かったり……。自分の雪面への働きかけと、雪からの圧の調整の仕方をもう少し学ぶべきでしょう。
 次の整地小回りでは、ターンを丸く仕上げられない人が多いのにビックリ!。スキーを横に振っておいて、角付けを一気に強めてそれを止め、その反動でターンする…というのでは、評価は低くなります。もう少し斜面を移動し、雪からの圧を受けてスキーをたわまし、その圧を一気にでなく、引き込む様に緩めながらニュートラルに入る、というバネのような小回りを心掛けるべきでしょう。
 不整地の小回りは、小さいコブでの滑りは昨日の実践講習テストで充分拝見したこともあり、今回は「斜面のうねり」を使う事で対応しました。うねりの鞍部をどうこなすか?が課題でした。案の定、緩斜面から急斜面に変わる場所での体の遅れが目立ち、雪面の捕らえが甘くなって円弧が描けない受験生が大勢居ました。得点の出た人は、いつも雪の抵抗を効率良く捕らえられる位置に体が来ていて、安定した、歯切れのイイ滑りを見せてくれました。ここでも「圧を緩めながらターンを持続する…」ということができない受験生が目立ちました。
 イイ滑りを期待した総合滑降は、条件が最高だった、にもかかわらず、少し残念な滑りが多く目につきました。スキーを「馬」に置き換えて話をすれば、解りやすいのですが、スキーという馬に乗って暴れている騎手(スキーヤー)が多いのです。うまい騎手は自分で動かずに馬が動けるようにサインを送ってやります。馬の上で騎手が動き過ぎたら、馬は何もできませんし、サラブレッドの良さも引き出せません。馬の持っている能力を引き出せてこそ、騎手(スキーヤー)の技が光るのです。スキーに戻って話をすると、舵取りの部分で自分がどの方向に行こうとしているのか?を決めかねている受験生が多く居ました。行き先はスキーに聞いてくれ!といった感じで、みずからが進む方向を意識できず、その為雪の抵抗を効率良く受けとめることができないのです。ですから、スキーがたわんでカーブして、しなった状態で円弧をキープすることができず、圧を緩めながらの円弧も描けないので、リズムも単調になり、躍動感も生まれないのです。これでは本当にスキーの性能を引き出しているとは言えません。
 クラウンのポールは、小〜中回り、ということでセットさせて頂きました。規定どおりタイムを点数に直してみるとお一人だけが合格でした。クラウンを受験しようという人はポールトレーニングも大事です。
 テクニカル合格40名中8名、クラウン合格11名中ゼロ、という結果でした。
 今回、新システムでのプライズテストでしたが、感じたことは『理に叶ったスキーイング、合理的なスキー』をもう少し勉強すべきだ…ということでした。自分のパワーだけに頼った滑りはいつか破綻が来、本当に楽しめるスキーには結びつかないのではないかと感じた【TOK】デシタ。