スキーと身体 & スキー オフトレーニング
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質問

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【TOK】

 【TOK】です。 
 ”Dr.K”さんにお伺いしたいところですが,「ウエイトトレーニング」のやり方にはいろいろあるようですが,スキー向けのプログラムはどういうのがいいんでしょうか?。
 また,最近のウエイトを使ったトレーニングの話題など,お時間がありましたらよろしく!
                                 (
2001/09/21 の教師日記での質問要旨です)。

 
お答え

Dr.K

2001/09/27

 ウエイトトレーニングによって「身体が軽く感じられ、ジョギングが楽になった」という事ですが、ウエイトトレーニングによって全身持久力が向上するという事は、一般的には考えにくいのものです。しかし、実際やられているトレーニングを、ほとんど休息をとらずに次から次へと行うような「サーキットトレーニング」的に実施すると、その間は心拍数が上昇している状態を保てるため、全身持久力の向上にも役に立つはずです。・・が、それよりもジョギングという運動に、例えば「レベル5」の筋力が必要だとすると、以前は「レベル6」以上の筋力が必要だったり、筋力不足から腰や膝へ、知らず知らずのうちに余分な負担がかかっていたのでしょうね。それが筋力アップされた事で「レベル4」の筋力で、運動に必要な「レベル5」の力を出せるようになって、関節への負担も軽減したという事が考えられるように思います。(ちょっと解りづらい説明かも・・。)
 それと・・筋力アップしたという意識からと、筋トレによる心地よい疲労感と、毎日の充実感から心身がリフレッシュされた結果、「精神的余裕」が生まれた結果では?とも想像します。あっ・・これは「Dr.N」の担当分野でしたか・・ね。

ところで、「最近のウエイトを使ったトレーニングの話題」という事ではないですが、「トレーニングの基礎知識」について少し考えてみたいと思います。
 まず、TOKさんが毎週配信されている「On Line Ski 教室 メールマガジン No9」の『心に残る言葉』で、このコーナーで書いた一文を取り上げて頂いた際、TOKさんが書かれていた「それも(実施するトレニングは)苦しい!と思う位でなければ,その効果が無い…と信じていました。でもいろいろとお話を聞いていると,それでは逆効果のときもあるようです。」を受け、少々(いや・・かなり!)遅ればせながらですが・・私自身がチョット思い当たる事があります。それは・・・
 競技スポーツ経験者の・・『サガ』でしょうか? 昔人間の私自身もそうなんですが、「身体を鍛える=身体をイジメる」という感覚が、心のどこかにあるように思います。・・・身体をイジメぬいてこそ、そこに真の能力が生まれる・・・と。
 それは全くの間違いでは無いようにも思いますが、限度がありますよね。若く、体力も回復能力もある方ならまだしも、・・以下の表現が適当かどうかはわかりませんが・・アスリートとしてではなく、ある種「趣味の延長」として、今やっているスポーツを捉えるのであれば、スポーツその物も、そのためのトレーニングも楽しく感じられなければ長続きしないと私自身感じています。
 オーバーワークになり過ぎないよう、時には「激しく」頑張っても、休養をはさんで、次は「楽に」という風に、トレーニング内容に強弱をつける事も必要です。TOKさんが日記に書かれていた「それ(ウイダー理論)に従って負荷を調整し、「筋力アップ」と「パワーアップ」を交互に行なう。」という事とは若干意味合いが違うように思いますが、トレーニングは『ハード&イージー』(激しくやったら、次は楽にやろう。)を合い言葉に、気持ちの良い汗をかいて、心地よい疲労感を感じ、“あまり飲み過ぎないよう”栄養(食事)に気をつけ、ぐっすり眠る事・・これが基本的に大切な事ではないでしょうか。


 私たち人間の身体は、使わないと機能が衰え、使い過ぎると障害を起こし、適度に使えば発達します。ですから、身体を適度に使って発達させる事がトレーニングの課題なわけです。以前少しふれましたが、より効果的に体力アップを図ろうとする場合、『休養』は必要不可欠です。他人の二倍のトレーニングを積むと二倍の体力がつくか?というのも、年齢も若く、潜在的に優れた体力の持ち主であって、かつ回復能力が特別優れた人でない限り不可能な話です。
 そこで・・唐突ですが、皆さんは『超回復』と言う言葉をご存じでしょうか?・・どこかで聞いたような? それとも・・全然知らない?
 トレーニング後は筋肉が疲労していますね。疲労時は当然筋肉の能力も低下しています。ハードなトレーニングを毎日繰り返して、疲れた状態で次のトレーニングをやっても効果は得にくいです。場合によっては全く逆効果で、筋力低下さえも招きかねません。そこで、“休養”が必要になります。休養している間に疲労が取れ、回復していきます。その時筋肉が「今度は同じトレーニングにも耐えられる以上の能力をつけてやるぞ!」と思ったかどうかは定かではありませんが・・回復した筋肉は、トレーニング前の能力よりも少しだけ強くなっています。この状態を『超回復』と言います。
 この時期(筋肉の能力が微少に向上した時期)に次のトレーニングをすると、より効果的に筋力アップが図れるわけです。その時期はトレーニングをしてから48〜72時間(〜96時間という説もあるようですが・・。)の間だと言われています。トレーニングとトレーニングの間を48〜72時間程度あける事が最も効果的だとする考えが一般的です。
トレーニングをした48時間後は・・その日を基準に、1日あけた2日後ですね。もし72時間後なら3日後です。つまり・・1週間に3回程度、多くて4回が適当だという事になります。
 では、『超回復』を待たずにトレーニングをした場合や、間隔をあけ過ぎる(72時間以上)とどうか?という事ですが・・前者の場合は、筋肉の疲れが残っていて効率よく運動できないために「効果は得にくい」です。ただこの場合は、前回のトレーニング内容の濃さや強さによって筋肉がどの程度疲れているか・・また回復能力が強いか、そうでないかにも関係があると思います。後者は、超回復後は筋力が元の状態に戻ってしまうため・・効果が得られないという事になってしまいます。
 『ハード&イージー』と『超回復』について説明しましたが・・どうでょう?お解り頂けましたか?・・余り難しく考えないでくださいね。(なんだか・・読んでいるうちに・・眠たくなった・・って?!)

・・・もう少しだけ続きますけど・・・・ガマン・ガマンですよ。

 

2001/09/27  

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