小回りターン関連 
On Line Ski School Top   Ski QA Top 
 4.中急斜面やアイスバーンでの小回りは?
13.
ショートターンのストックワークは?
23.
ストックの手の握り感覚は?
31.
小回りの荷重点(重心位置)はどこ?
35.
プロペラタ−ンのトレ−ニング方法とポイントは?
47.カービング要素の小回りは?
48.カービングスキーで小回りをするには?
55.切れのあるショートターン浅回りは?
58.カービングスキーでの小回りの感覚は?
68.小回りのワイドスタンスについて
4.中急斜面やアイスバーンでの小回りがスムーズに出来るようになるにはどのような事に留意したら良いか? ご質問者:ONO MASANOBUさん 1999年1月17日
ONO MANABU さんこんにちは!

 まず小回りで最も重要は事は「上体は常に谷側を向いていること」です! これは小回りの基本中の基本です。
   その理由は,角付けを切り替えたときにスキーが谷方向に向いてくれる原動力となるからです。ターン後半の上体とスキーの間の「逆ひねられ状態」が正常に戻ろうとして上体の方向を向いてくれるのです。特に上級者の中で小回りが不得意な人は「ストックをつこうとして身体がスキーの方向を向いてしまう」人が大半です。ターン前半でひねりを使うことも有効ですが,この逆ひねりの力こそが小回りの最大のポイントです。ゆめゆめご油断めさるな!
 次に,角から角に乗りこもうとするな! です。
   角から角というのは,ターン円弧が丸い円を描かないということになります。これでは山回りから山回りのターンになってしまい,ターン後半だけでのエッジの捕らえに頼った滑りになります。つまり最も下にズレやすい状況でエッジを立てることになります。これではエッジをいくら研いでもアイスバーンを滑ることは不可能です。
   ターン後半に貯めたエネルギーを一度ニュートラル(斜めの直滑降状態)に戻してやり,スキーが谷側を向き始めたら外スキーで雪を捕らえ,中盤から後半に掛けては自分で圧を加えるのではなく,位置を変えていくこと(斜面下方に横ズレしていく感覚で落ちること)で
「雪からの抵抗を回転エネルギーとして使い」ターンすることです。はじめからアイスバーンや急斜面で練習するのではなく,中くらいの斜面で,雪の抵抗を受ける感覚と,ニュートラルへの戻し方を練習してください。
  第三に,ターン後半の足場作りは自分の力で作るのではなく,雪に作ってもらうことです。
 ニュートラルへの戻し方は大きく分けて「ストレッチ(身体が伸びる)」と「ベンディング(腰の下に脚を折りたたむ)」の二つがありますが,どちらも抜重という意味ではありません。角付けは緩めるものの,圧は減らさないようにしなくてはいけません。確かにハイスピードになるとストレッチよりベンディングの方がやりやすくなりますが,それは雪や斜面で変わってきます。先ず大事なことは雪の圧を「自分で加える」ものから「雪から貰う」ものに変えていくことです。特にターン後半での
「雪からの抵抗を回転エネルギーとして使う」というフィーリングが大事になります。
 最後に,小回りは以前の「ウエーデルン」とは違う感覚だということを付け加えておきます。あくまで「小回り」であってその要領は「大回りパラレル」をそのまま小さくしたイメージです。
 頑張ってください。何かまたご質問がありましたらおたずね下さい。
13.ショートターンのストックワークは? ご質問者:辰巳 依子さん 1999年1月27日
ショートターンではストックワークが大事ですから、しっかり練習してください。
ポイントは三つあります。
1.ストックは外スキーのブーツよりテール側に突く。
2.上体はしっかりフォールライン側を向き続け、手は内側に巻き込まず、開いて突く。
2.外スキーの圧力が最大になったときでなく、抜重もしくはニュートラルに移行する時に、タイミングを取る要領で突く。
以上の3点ですが、残念ながら言葉での説明は難しいです。上手な人のビデオなどを参考にされてはいかがでしょう。
23.手の握りの感覚についてお聞きしたいのです。

Q1. まず握りの強さ。軽く握るか、しっかり握るか?。
  ぼくは、ストックを軽く握ることによって、軽く「とん!」と突き、余分な力が上半身にかからないように努めていますが、いざコブと戦うと、「ぐさっ」って感じで、ストックをついてしまいます。こぶでのストックの抜き方が、やや後方上方へ向かってしまうような気がします。普段のカービングや小回りなどのときは、ストックをすっと内側手前へ抜けるのですが・・・・。
  コブでもやはりストックを軽く握り、軽くつけばいいのでしょうか?
Q2.それと、もう一つは、握り方ですが、小指からでいいのでしょうか?野球のバットや、ゴルフのクラブは小指ですよね。拳法の正拳突きは、人差し指からです。ともに、順方向に先端が行きますが、ストックの場合、小指側に
棒がのびています。まあ、野球と違い、振るわけではないので、やはり小指で握ればいいのでしょうか・・・。
人差し指は添えるだけ・・・でいいのでしょうか?
ご質問者:ogrmutoさん
1999年3月2日
18時36分
A1.私の意識をお話致します。
  ストックはあくまで「軽くトン」です。ストックに体重を乗せるようなつき方もありますが,それはよほどリカバリーが必要になった時のことです。これはコブだろうと整地だろうと深雪だろうと,同じです。
  ポイントはストックを突くタイミングにあるような気がします。わたしはいつも「スキーに圧を受け続け,その圧を開放するタイミング」に使っています。ですからコブの時はコブとコブの谷間で圧が最大限になり,コブの頂点にスキーがさしかかった時に突く要領です。ストックを抜く感覚はあんまりありません。自然に手首がターン内側に返って来るのを待っています。抜く意識よりも,次のターンの外側の手で外スキーを抑えつける事に意識が行っています。
  ですから,「コブでもやはりストックを軽く握り、軽くつけばいい」のです。  

A2.ogrmuto さん,なかなか他のスポーツもお詳しい様で……
  結論から言うと「薬指と小指で握り,他の指は軽く添える程度」です。そして,ポールをやる時以外は,拳法のように,手を前方に出すことはしません。これをやると上体がスキーに正対しやすくなり,折角ターン後半で出来た「ネジレのエネルギー」を無駄に無くしてしまうことになります。手は膝の横サイドに置いておく感じです。

31.オフシーズンですがお願いします。
 ショートターンの足裏の重心の位置が分からないのですが。自分の場合は、ニュートラルの時は体が遅れて後傾にならないようにつま先よりに重心を置いて、その後はスキーに乗り込み土踏まずに重心を置き、荷重しています。この方法は中斜面までは良いのですが、急斜面では暴走してしまいます。この荷重方法は合っているのか?また急斜面での暴走はなぜなのか教えてください。
ご質問者:若槻 さん 1999/06/19
 あくまで、私の感覚ですが、結論から言いますと、ショートターンではニュートラルでは土踏まずに荷重点(重心)を置く様にし、始動期では外スキーのかかと中心につま先をターン内側に捻りこみながらスキー全体で雪の抵抗を受ける感じです。ターン後半ではかかとに重心を置き、斜面下方に落ち込みながら雪面抵抗を受けます。後半は捻り操作はありません。
 スキーに乗り遅れて後傾にならない様にスキーのトップ部分に乗りこんだり、荷重点をそこへ置こうとする人が居ますが、これではテールが流れてしまい、切れのいいショートターンにはなりません。ズレの多いターンになってしまいます。ニュートラルでは影響が少ないのですが、雪面抵抗が捕らえられ始めるとその影響は大きくなります。飛行機や弓の矢の例でわかる様に、運動する物体の方向安定性を左右するのはその物体のテール部分なのです。この原理はスキーでも同じで、テールがズレると方向安定性が無くなり、切れも悪くなるのです。
 また、ショートターンで暴走してしまう原因の多くは「荷重点(重心)より
上体が遅れてしまう」ことにあります。そして、この上半身が遅れてしまうことの原因は「スキーを操作しようとしてしまうこと」にあります。スキーを操作する意識が無くてスキーがその方向を変えるのだろうか?と疑問を持つ人が多いのですが、可能なのです。操作しようとするために重心と身体の位置関係が変化してしまい、結果的に重心より体が前にいったり遅れたりするのです。スキーを操作しようとするアクションが上体の不安定というリアクションを生むのです。上半身も下半身も一個の物体として斜面を落ちて行くイメージで雪面抵抗を捕らえると、重心と体の位置関係を変えることなく、スキー自身の持っているターン特性を活かしてターンできます。スキーを自分の力で回そうとするアクションが暴走の原因だと言っていいでしょう。
 この「スキーQ&A」コーナーを良く見ていただければ、「Q&A」の答えの大半は「
スキーは自分で操作するより、雪のエネルギーでターンするほうが楽だし合理的だ」という考えが基本になっていることが解っていただけると思います。

35.プロペラタ−ンについての効果的なトレ−ニング方法とポイント、それと体のここを強化しないといけないという点を詳しく教えてください。 ご質問者:eiennosyounen 1999年10月24日
 プロペラターンはスキーの向きを空中でプロペラのように回して変える技術で、主にスラロームや小回り系で使われます。
 スキーの方向を一気に素早く変える運動ですから次のことがポイントになります。

1.下半身と上半身を逆に捻る意識を持つ。
  下半身だけを捻ろうとすると動作が緩慢になります。早い運動でスキーの方向を変えるには「上半身を逆に捻る意識」が大事です。
  その為には手の位置をしっかり固定させ、上体を谷向きに意識させることが有効です。
2.捻りの軸を意識する。
  「捻り」の運動をするときは捻りの「軸」をイメージすると効果的です。「くるぶしの下⇔腰⇔頭」にひねり軸を意識することです。
3.その場ひねりを意識する。
  スキーをつけての練習では谷側に移動せず、できるだけその場でプロペラ運動ができるようトレーニングします。
4.空中で一気に変える運動を連続で行う。
  筋力を使って雪面からスキーを引き上げ、左右連続40回から50回、方向を変える練習をします。
5.腹筋、背筋を鍛える
  筋肉トレーニングでは左右にひねりながら腹筋、背筋のトレーニングが大切になります。
  これはオフシーズン中でもできます。
  
 このターンは雪の力を利用するのではなく、自分の筋力を使ってターンする典型的なターンです。
 ですから雪への働きかけや落差を使うものではありません。その分筋力が要求されます。
 また着地した時のバランス取りも大事になります。
 このターンのやり過ぎは、ひざの故障につながりますから注意が必要です。

47.質問です。TOKさんは、大回りと小回りの舵取りのイメージに違いを持っていますか?もしあれば教えてください。
私の小回りのイメージは、どうしてもスピードコントロール重視のスキッディングになるのですが、これは偏ったイメージなのでしょうか?
ご質問者:Waga 1999年12月11日
 大回りと小回りでは舵取りの局面で、「迎え角意識の違い」「踏みこみ圧(エッジ量)の違い」「上体の使い方の違い」があると思います。
 スキッディングではスキー操作が横から横で、圧は少なめ、迎え角多め、上体は斜面下方へ移動ですし、カービングではスキー操作が前へ前へで、圧多め、迎え角意識無し、上体はスキーの進行方向へ移動……という意識です。結果としてスキッディングでは体中心にスキーが動くのに対して、カービングはスキー中心に体が移動することになります。
 以前「スキーQ&A」の45 「コンフォートターン」のところにも書きましたが、スキッディングとカービングは明確に区別されるものではありません。要素としてカービングの部分が強かったりスキッディングが強かったりするだけです。まったくズレを起さず、スキーのエッジのたわみだけに乗ったパーフェクトなカービングターンはできるはずもないのです。特に小回りでは回転半径が小さい分、テール部分のスキッドは必要になってきます。同じスキー板を使って回転半径が同じで、スキッドとカービングを使うわける、ということは不可能なのです。
 ですから特に小回りでは、どの程度カービングの意識で滑るか?ということになります。カービングで滑ればそれだけ切れはでますが、回転円弧も大きくなります。もし決められた回転半径で滑るにはスキッディングも使わなくてはならない局面も出てきます。ですから、小回りでは以前のようなウエーデルン的なターンも要求されるのです。ご質問のように「小回りの時はどうしても板を振る感覚が強く……」ということは無理からぬことです。
 ただし、カービングに近づけることは可能です。スキーにかかる圧を強めてスキーをしならせることです。しなりが大きければ大きいほど回転半径は小さくなりますから……。
 また「スキーQ&A」小回りの bS.中急斜面やアイスバーンでの小回りは?でも書いていますが、ターンからターンへ角付けの切り換えの局面でスキーを斜めの直滑降意識で行うことも効果があります。スキッディングよりはいくぶん回転半径が大きくなりますが、スキッディングを減らすことができます。
 要は、小回りでも大回りでも、スキッディングの量とカービングの量をどう調整するか?ということです。もしスキッディングの量が多い、スキーを振り回すイメージの小回りをこれまでやられていたなら、少しずつスキーを前に走らせる意識を持たれたらいかがでしょう。回転半径はいくぶん大きくなっても……です。
48 最近カービングスキーを購入し、26日に初めてはいてみました。大回りでは確かにポジションにより自分なりに乗れていると感じているときは、スピードに乗りギュイーーン!と走るような感覚はありました。しかし、小回りに付いてはなかなかうまくいきませんでした。ひねろうとする姿勢があるからでしょうか。以前の感覚でいうと、小回りというより、中回りの気持ちでスキーを走らせたほうが良いのでしょうか。去年までは、ロシのGS用の板を履いていました。 ご質問者:岩澤  1999年12月28日
 結論から言うと「カービングスキーでターン前半後半どちらもカービングターンをするのは不可能」と思ったほうがイイでしょう。
 どうしてかと言うと、カービングスキーはスキーを前方に走らせるから切れが出ます。ところが小回りというのは回転半径が小さいもののことをいう訳ですから、どうしても前方に走らせる訳にはいかないのです。つまりよほどカービングがきつい板でもない限り、ズレを伴ってしまうのです。そこで、ふつうカービングスキーで小回りをするには、前半スキッドで後半カービング=ひねりからカービング、の滑りをするようにします。岩澤さんのおっしゃるとおり、せいぜい中回りターンまででしたら前半もカービング要素のターンをすることができます。
 今回の検定の種目設定の意図もそこら辺の能力を見ることにあるのです。1級検定、実践種目講習テストの「中回りから小回りへのリズム変化」の種目です。
 bS7もご覧下さい。


  2002/08/21 補足 …
  先の回答から2年余り時期が過ぎ,この間「カービングスキー」もいろいろ変わりました。小回り専門の板が作られるようになり,長さも150cmくらいで回転半径も小さいものができるスキーが開発されました。その結果,中斜面くらいではターン前半から後半までカービングでターンができるようになりました。スキー板のトップインサイド部分で雪面を捕えて行けば,ターン前半からカービング要素を使ったターンができます。いろいろな回転半径のカービングスキーを使ってみて,それぞれの回転特性を感じ取ってみる事が大事です。

55.TOKさん 初めまして、といいます。切れのある、浅回りのショートターンをするにはどのような点に気をつけるといいのでしょうか?普段はゆっくりのリズムで深回りが癖?です。 ご質問者:kmash  2000年2月7日
 切れのある浅回りショートターン…ということですので、斜面は中斜面以下、ということでお話します。
 ショートターンということは、先ず胸の向きがいつもフォールライン方向を向いていることが大事です。これには「ありがとうターン」の練習が有効です。でもkmashさんはすでに深回りがおできになるわけですから、これはクリアできているとは思いますが…。
 次は、浅回りということ…。この為には深回りにも共通することですが、斜面を落下する意識が大事になります。落下すること、スペースを長く取ることで雪の抵抗が得られ、スキーがたわんでターンが素早く行われるようになります。スキーを、ひとターンひとターン止めるのではなく、あたかも雪上に設置したトランポリンに次々と飛び降りて行く感覚です。自分の加えた圧で回るのではなく、雪の力で回るという意識が重要です。それとテンポを早くする意識も必要です。
 3番目は切れのある…ということですが、このポイントは三つあります。ひとつはヒザの使いかたが上手いか下手か?ということです。単にエッジを立てるだけでなく、バネの効いたエッジングをしなくてはいけません。それには「マジックハンド」の意識を持つことが有効です。小回りと言えども、ターン後半の手の位置、表情に気を配る必要があるわけです。一度試してみてください。二つ目はターン後半の圧の抜き方です。これを急激に抜いてしまうと円弧が描けません。「ジワァ」と抜く感覚が必要です。この練習には「オレンジターン」が有効です。足裏に圧の意識を常に持ち、その圧がどのように変化しているか?を感じる癖をつけることです。三つ目はターンとターンのつなぎにニュートラル意識を持つことです。そうすることで、スキーが横から横への動きでなく、S字のターンができ、スキーが走るようになります。
 以上3点に注意して滑る事が大事ですが、その基本となるのもやはり「圧のやり取り」に尽きます。

58.カービングスキーでの小回りの感覚について教えてください。
一定速度で急斜面を小回りをするのに、レギュラーの板の時は意識的に(ずらしながらも)雪面を切っていくイメージでした。カービングスキーでは板の食い付きが良いため、意識して(強く)ずらしています。雪面を切っていこうとすると、板の進行方向がターン毎に微妙に違う為、体の安定が悪く、ズレが少なくなる分徐々に加速してしまいます。押しずらす様なイメージで良いのでしょうか?
ご質問者:tanakazu  2000年2月10日
 小回りの初期の段階では、ズレから生じるスキーの『たわみ』を利用して、切れにつなげて行くのですが、カービングスキーでは、そんなにたわみは意識しなくてもスキーのサイドカーブが使えますから、素直に板の真中に乗って斜面を落ちて行くことです。すると雪からの抵抗がやって来てスキーが回り始めます。この時カービングではノーマルスキーに比べてトップ方向への移動を心がけるとイイでしょう。そしてターン後半は雪のエネルギーを脚をたたんでふところに引きこむ感覚でニュートラルにしてやります。スキーは横に走りながら次のターン方向に向きを変えてくれます。自分から圧を加えたり、ずらそうとしたりすると、上体がぶれて不安定になりますから、要注意! 大事なことは雪の抵抗をしっかり受け止めることです! 


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Revised: 2004/08/09 .