「スキーQ&A」

File No. : 04_0005

コブ斜面でキャスターをうまく使うには

Question :

 
“H.S”さん

  Date : 06/09/04

   【TOK】先生こんばんは。二日間、志賀高原で初滑りを、そして一日おいてまた二日八方で滑りました。どちらもベストコンデイションで最高のシーズンインを迎えることができました。特にスカイラインの新雪は最高でした。思わずよだれが出そうになりました。もちろん昨年ご教授いただいたキャスターのおかげで新雪でも安定し、整地と同じような滑りだと友人に言われました。しかしながらコブに入ったとたんに別人になってしまうそうです。フォールラインを意識しているつもりが、体ごと横を向いてしまうらしいのです。自分のなかでも、意識のなかからキャスターが消えてしまいます。1・31・3と意識しようとするのですが・・・・お忙しいとは思いますが、何かアドバイスをいただければ幸いです。本当は直接ご指導いただきたいのですが・・・』

       回答 【TOK】                                                          「スキーQ&A」 Topへ

  “H.S”さん,こんにちは!
  新雪がうまくおできになったようで良かったですネ!(^I^) ただ,コブがうまくできなかった…とのことですが,多分, e-mail の文から判断すると「コブの小回り」のことですネ?。
  多くの方がそうなのですが,小回りでは上半身と下半身の間の「ネジレ」が最も重要になります。これがうまくできていないために小回りを難しい!と感じてしまうのです。以前も話しましたが,今シーズンを振り返って,この「ネジレ」をうまく作る方法は“ゲロゲロターン”だったと思っています。コブに入る前に先ずこのゲロゲロをモノにして欲しいと思います。
  さて,次は「コブ」という特殊な状況下をどう滑るか?ということになります。うまく滑れない原因はいろいろありますが,先ず気持ちの上で「コブだ !!! 」と思ってしまうことです。そういう風に思ってしまうと,身体は硬くなり,うまく働かなくなります。小さく連続している急斜面と緩斜面を滑るのだ…という風に思ってみると意外に気楽になるものです。
  それから整地とは違いますから,バランスを乱す要素が一杯あります。ですから,整地のような気持ち良さを期待してはいけません。グッキーも言っていましたが,コブの楽しみは,乱す要素の斜面をいかにリカバリーを使って破綻せずに滑り降りるか?だと思うことです。言ってみれば,難しい状況をクリアする喜びを感じることなのです。ですから,バランスを崩して当たり前,気持ちよく滑れなくて当たり前…と思うことが大事なのです。
  技術的には“重心の移動を止めないこと”です。どんなに低速でも構わないから停止しないように注意すれば,雪の抵抗を求めることができますので,ターンを持続させることができます。よくコブの頂点などでスキーの動きが止まったり,身体にブレーキが掛かるように停止してしまう人を見かけますが,その時も身体を移動させ続けることが大事です。“H.S”さんは「フォールラインを意識している…」と述べられていますが,ひょっとすると“重心”の移動をフォールライン方向に意識されていますか?実は整地でも同じなのですが,小回りでも“重心”の移動軌跡はフォールライン方向に直線的に移動するのではなく,丸い円弧を描いているイメージを持つことが大事なのです。つまり直線的な“重心”の移動軌跡をスキーが左右に振れてターンするイメージではなく,中回りや大回りと同じように,スキーの移動軌跡に沿った“重心”の移動軌跡をイメージすることなのです。このイメージはコブの斜面で効果がありますのでぜひ試してみて下さい。(^I^)
  さらに,コブの斜面ではジャンプ系の技術や捻りの技術も必要になります。雪の力を受け止めて滑る【Let】的な技術だけではコブの斜面に合わせた滑りができないのです。【Do】的な要素も交えながら,総合的な技術が要求されます。今はほとんどやらなくなったジャンプターンやシュテムターンなどもおおいに練習することが大事です。(^I^)
  コブではバランス維持をするため,本当に総合的な技術が求められる…ということです。コブはスキー技術のデパート,あるいは総合商社でないとダメ !!! ということかな?(^I^)

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Revised: 2004/08/05 .