「スキーQ&A」

File No. : 04_0004

悪雪やコブ斜面でキャスターのイメージは

Question :

 
“M.S”さん

  Date : 06/03/04

  今シーズンから自分なりにキャスターターンを解釈し練習に取り入れております。思った以上に効果があり、高い姿勢でもスキーが安定することを実感しました。また、スキーに行くのが楽しみになりました。そこで、私なりに疑問に思っていることをご質問させて頂きます。先週、八方にお邪魔したのですが、土曜日に降った大雪が、日曜日には結構荒れた状態になっていました。特に、新雪の上をボーダーが滑り込んだところは、グサグサでかなり難度の高い斜面になっておりました。そういう悪雪やコブ斜面でキャスターのイメージがわかないのですが、どうしたらよいのでしょうか?特に悪雪の場合、キャスターの転がるイメージが全く沸きません。やはり、踵を支点にキャスターを何時かの方向に転がすようにするのでしょうか?よろしくお願いします。 』

       回答 【TOK】                                                          「スキーQ&A」 Topへ

  “M.S”さんこんにちは!思った以上に効果があり,スキーに行くのが楽しみ…とのことですが,そう言って頂くと本当に嬉しいです。(^I^) このホームページを運営していて良かったナァー !!! と思います。(^ー^)
  さて,悪雪でのキャスターイメージ…ということですが,基本的には「回転し続ける…」ということに関しては同じ様な感覚です。厳密にイメージすれば整地斜面や悪雪ではスキーがもぐってしまうからキャスターは使えない…と思われるかもしれません。しかし,キャスターはその雪の中でも潜りながら回転し続けるのです。深雪の時のキーキャスターの捉え感は,整地の時の抵抗感とは少し感触が違い,底がフワフワとした弱い圧を感じながらの回転になります。厳密には「転がす!」という意識よりも,「転がりに乗って行く!」という意識です。転がす…だとキーキャスターを雪の中に潜り込ませる…という【Do】的な意識になってしまいます。そうではなく身体全体をキーキャスターに預け,そのまま悪雪の中を移動して,フワフワあるいはザクザクを味わいながら落ちて行くのです。キーキャスターの転がり圧は整地の時より弱く感じることになりますが,キャスターの回転は確実に感じられます。
  そして,昨日の日記の最後の部分で話したように,悪雪や深雪では「かかとを支点として,スキーのトップ部分に雪の抵抗が来る感覚」がより鮮明にされて来ます。つまりキーキャスターと同等くらいの転がり感を,センサーキャスターで感じ取ることができるようになります。これは整地に比べより大きな圧がスキーのトップ部分に掛かってくるからです。この様な感覚で滑って行くと,足首が「テコ」のように動いていることに気付きます。
  例えば,1メートルもの深い新雪などを滑って行くと,足場が見つかりません。つまり整地のようにガシン!と強い圧で身体を支えてくれる感覚が無いのです。雪の中に宇宙遊泳のように浮いている感じがします。それでも斜面移動して行くとキーキャスターはフワフワしながら回転し,センサーキャスターが雪からの圧を受けて回り始めて,スキートップが雪面から身体の“重心”方向に躍り上がる様に浮いて来ます。これが深雪でのターン後半です。その次はA-Casterの転がりを意識してクロッシング気味に角付けの切り替えを行います。そして,次のターンのキーキャスターを再度意識し,宇宙遊泳の舵取りに入って行くわけです。このように足場がしっかり感じられないような雪でさえ,キャスターの転がりはそれなりにイメージできるのです。
 悪雪や深雪,コブでのキャスターの転がり感をそれぞれ微妙に感じ別けられる様になるまで,足裏に意識を集中して滑ってみることです。その違いが少しづつ判って来ます。その時まさに“M.S”さんは「違いの分かるスキーヤー」になった !!! …ということなのです。(^ー^)

 On Line Ski School Topへ  「スキーQ&A」 Topへ  レッスンContentsへ   ご意見は……

作成者情報 Copyright © 1999 【TOK】. All rights reserved.
Revised: 2004/08/05 .