スキーの性能と大きく関係がありますが,もしカービングスキーをお使いなら『大回り』では,内側よりスキーの進行方向…の方がベターでしょう。内側に抜く…という表現はちょっと解りませんが,内側に体を落としこむ…という風に理解していいとすれば,あんまりクロスオーバーで内側に体を入れて行く必要は無いでしょう。
その理由は,サイドカーブが結構きつくなっていますので,角付けがなされれば自然にターンする力が働くからです。確かに,早いタイミングで次のターンに必要な角付けを求めようとするには,体を早く次のターン方向に持って行くのがいいのですが,最近のカービングスキーでは,早く角が立ちすぎるとそれが効いて,スキーのトップが雪面を捕らえてしまい,その分ターンの開始が早くなってしまいます。結果としてターン始動が早くなり,自分の求める回転円弧より小さなターンになってしまいがちになります。ですから,特に大回りに限定するなら,クロスオーバーを長めにした方が大きな円弧のターンが作りやすいのです。カービングスキーでは角付けがされればターンが始まる…という性質があることを念頭におけば間違いが無いでしょう。
もしノーマルスキーをお使いならクロスオーバーを速くやる意識があっても差し支えありません。
また同じカービングスキーでも,スキー自身が持っているサイドカーブの『回転半径』が大きくターン円弧の大きさに影響を与えます。回転半径が16mとか17mとかの板での大回りは,小回り専用の板で大回りをやるようなもので,あんまり角付けを意識しないようにしないと大回りはうまく滑れません。もし大回りをしっかり演技したいのであれば,回転半径が24mとか25mの板を使われる方がベターです。
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