SAJ検定関連 1999-2000版

 3.1級とテクニカルの違いは?
10.
テク・クラと準指・正指との技術レベルは?
27.
テクニカルに要求される技術は?
33.
検定の時、カービングスキーを使うと有利?
34.
1999-2000 新検定の内容は?
52.規定種目テスト大回りでのカービングターンは?
56.「実践種目テスト」と「規定種目テスト」に付いて質問

SAJ検定関連 1998-1999版

 1.BT1級の種目中「パラレルターン規制」のポイントは?
 5.
検定1級の「ステップターン」の要領

 
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33.シーズンに入ったら検定を受けてみようと思います。
 今まで自己流でスキーをしてきて。客観的にどれぐらいなのか知りたくなって受けてみることにしました
 そこで質問です
 受験種目も気になるんですけど、どんな板で皆さん受けてるんですか? 周りの人はカービングの板がいいとかいってますけど、じっさいどうなんでしょうか?
ご質問者:sobokunaq さん 1999年9月12日
 検定でカービングのスキーを使うほうが有利かどうか? ということですね?
 結論から言うと、有利とは言えません。これは実際にあった話しですが、特にカーブの強いカービングを使いすぎると軸だけが寝てターンする癖がつきやすくなります。で、その結果いつでも軸をたおして、つまり内倒気味にターンする様になってしまう受験生がいました。これでは素早いターンの切り替えは難しくなります。中回りから小回りにかけてやりづらくなるわけです。 モチロン、適度なカーブのスキーでしたらこの様なことは起きないですが……。
 ただ、大回り系ではたしかに切れがイイので高得点が貰える可能性はあります。でも、検定員の目からすれば、スキーの性能に助けられてカービングターンをしているのか、実力でスキーを使いこなしてカービングしているのかの区別はつきますから、得点に影響するとは考えられません。
 言い方が不穏当かもしれませんが、見る目のない検定員だったら見逃してしまうかもしれない……。
34.1999-2000シーズンは検定が大幅に変わるようですが……。
   実際どのように変わるのでしょうか?
ご質問者:大勢の皆さん 1999年10月14日
10/14 現在の不確定情報です。各県連や都連などでは公表していないが半ば確定情報として扱っている様です。
11/29 11/28日まで開かれたSAJ中央研修会で次の事項が明らかになりました。

改正の要点
 1.技術の完成度に重点を置いた評価ではなく、実践的能力(安定性、確実性)への到達度、習熟度を評価規準とする。
    【解説】5級が50点、それから5点ずつ評価点があがり、1級が70点、クラウンが80点、ということになりました。ですから2級をうけると平均65点で合格ですが、もしある種目で70点が出たら、その種目は1級の実力があると見とめられた、ということになります。これが到達度・習熟度、ということです。

 2.受験者に技術課題をわかりやすく示し、技能到達の程度を評価してあげることで、自らの学習意欲を喚起する。
    【解説】 1.で評価された点数により自分がどの程度のところに居るかすぐ分るわけで、それがもうチョット頑張ってみよう! という気持ちにさせてくれる…ということです。

 3.5級からクラウンまで一貫した技術基準を配列した。その中身は
    技術の形態は 基礎技術(弧を描く運動技術) → 応用技術(実用的技術) → 発展技術(状況対応技術) という観点
    技術の質的内容は スキッディング → カービング という観点
    技術の難度は 斜面設定による難易度によって判定する という観点
    【解説】まずスキー技術のとらえ方の根底にあるものは『スキーを楽しむ』ための方法ということです。それぞれのレベルで楽しみ方はありますが、初心者や初級者にはまず「安全(セーフティー)」が求められるでしょう。そして中級になると「気分良く(コンフォート)」という要素が入り、上級になると「挑戦(チャレンジ)」という風に、その楽しみ方が違ってきます。この事を分解して、スキー技術という面から考えてみると、技術の形態、質、難度…という視点から観ることができます。初級者であれば、緩やかな斜面(難度)で、横ズレの方法(スキッドという質)で、ターンをすることに主眼をおいて(形態)スピードをコントロールしながら滑る…ということです。それが1級程度になれば、コブが混じっている中急斜面で、カービング技術やずらしの技術を使って、状況に応じた滑りをする…ということになります。
    具体的には
5級 初歩的なプルークボーゲンができる。 基礎技術。 スキッディング。 合格点50点
4級 初歩的なシュテムターンができる。 基礎技術。 スキッディング。 合格点55点
3級 初歩的パラレルターンができる。 基礎技術。 スキッディング。 合格点60点
2級 一定のスピードを保ちながら整地された斜面を滑れる。 応用技術。 スキッディング。 合格点65点
1級 どんな斜面でもコントロールして確実に滑れる。 発展技術+応用技術。 カービング+スキッディング。 合格点70点
テクニカル どんな斜面でも挑戦して滑れる。 発展技術。 カービング+スキッディング。 合格点75点
クラウン あらゆる斜面を状況に対応して自由自在に滑れる。 発展技術。カ ービング+スキッディング。 合格点80点
4.検定の方式は
    3級、4級、5級は講習検定とし、講習の中で合否を判定する。
    クラウン、テクニカル、1級、2級は「実践種目講習テスト」=講習や実習の中で技能の習熟度や到達度を評価するテスト、と「規定種目テスト」=これまでの様に検定員3名で評価し判定するテスト、を行い、両方の評価を持ち寄り合否を判定する。
     【解説】3級以下は希望者がいればレッスンの中で合否を判定します。合格した人は合格手続きが必要になります。1級、2級は受験申し込みをして実践種目講習テストをまず受け、その後規定種目テストを受けることになります。八方尾根スキースクールの場合は、午前9時から10時まで受けつけ、10時から実践種目講習テスト、午後から規定種目テストというスケジュールです。テク・クラは八方尾根スキースクールの場合、1日目が総合技能を判定する実践種目講習テスト、2日目が規定種目テスト、というスケジュールです。
 尚、テクニカル受験者は1級合格者、クラウン受験者はテクニカル合格者でなければいけません。1級以下は自由に受けられますが、2級を受験して70点平均の点数を取得したからといって1級の合格は認められません。
2級 小〜中回り「コンフォートパラレルターン」 中〜急の適合斜面 規定種目テスト
  大回り 「コンフォートパラレルターン」 中〜急の適合斜面 規定種目テスト
  大回り 「スキッディング要素のターン」 中〜急の適合斜面 実践種目講習テスト
  中回り 「スキッディング要素のターン」 中〜急の適合斜面 実践種目講習テスト
  総合滑降 総合斜面 実践種目講習テスト
       
1級 中〜小回り「コンフォートパラレルターン」 中〜急の適合斜面 規定種目テスト
  大回り 「コンフォートパラレルターン」 中〜急の適合斜面 規定種目テスト
  大回り 「カービング要素のターン」 中〜急の適合斜面 実践種目講習テスト
  中回り 「カービング要素のターン」 中〜急の適合斜面 実践種目講習テスト
  総合滑降 総合斜面 実践種目講習テスト
       
テクニカル 大回り 不整地を含む急斜面 規定種目テスト
  小回り 整地/急斜面 規定種目テスト
  小回り 不整地/急斜面 規定種目テスト
  総合滑降 総合斜面 規定種目テスト
  総合技能 実践種目に適した斜面 実践種目講習テスト
       
クラウン 大回り 不整地を含む急斜面 規定種目テスト
  小回り 整地/急斜面 規定種目テスト
  小回り 不整地/急斜面 規定種目テスト
  総合滑降 総合斜面 規定種目テスト
  制限滑降 整地/中〜急斜面 規定種目テスト
  総合技能 実践種目に適した斜面 実践種目講習テスト

・規定種目テストは、検定員3名で行う。

・規定種目テストは、検定員3名の評価の平均値を
            当該種目の取得ポイントとする。
              (少数点以下は四捨五入)

・最終合否は検定員3名の合議判定で行う。

・実践種目講習テストは、講習の中で検定員が行う。
 「実践種目講習テスト」は講習の中で行う…とありますから、検定員の見ている前で滑って評価を受けるのではなく、2時間くらいの講習の中で判定を受ける
ことになりそうです。検定員の目が非常に大事になる気がします。
 現在の不確定情報ですのでハッキリは言えませんが、検定会そのものが大変になりそうです。


1.バッジテスト1級の種目中「パラレルターン規制」のポイントは? ご質問者:Tomoさん 1998/01/15
この種目の目的は「ターン円弧の調整能力」を見るものです。
 ロングリズムだけでなくメディアムリズム,ショートリズムまで,同じ回転要素をキープしながらターンができるか?
 ターン前半の雪面の捕らえ,中盤から後半にかけての圧力調整が各リズムで同じ要領で出来なければなりません。脚の伸ばしと曲げのリズム変化がスムースに行われることが重要です。その為には回転圧力をゆっくりしたものから早いものへと変化させる,滑らかな運動のリズム変化が要求されます。
 そのコツは
1.メディアムリズムのターンを意識してゴールまでの間に入れること。
  スタートとゴールの間に中ターンを2.3回入れる意識で滑ると,いきなりショートリズムにならなくて済みます。
2.滑りのリズム変化を「言葉のつぶやき」に合わせて滑ること
  「
パラレルターン」「パラレルターン」「パラレルターン」……という風に口でリズムを取って,それに合わせて滑るのです
  以上二つが非常に有効です。ぜひ試して見てください


3.1級とテクニカルの違いとは?簡単に述べるとどういう違いなんでしょうか? ご質問者:hoppoさん 1999年1月16日
17時56分
hoppoさん こんにちは! 

 簡単に言うと「滑りの質」だと思います。
  1級は人の見本になる滑りができる人(例えばターンの前半がストレッチターンで可)。テクニカルはさらに高度な滑り(ベンディング的なターンが意識的にできる)。クラウンはさらに質的に高度で状況に応じていろんな技術が使い分けられる人。
  また1級はオフシーズンに何らトレーニングなどしなくても到達できる技術の最高位で,テクニカルはそれなりの筋肉トレーニングやスキーの技術理論など勉強した人,と言う言い方もできると思います。

5.検定1級の「ステップターン」の要領を教えてください? ご質問者:KAZさん 1999年1月17日
 KAZさんこんにちは!

  ポイントは「いかにターン後半しっかりと外スキーでエネルギーを貯めれるか」そして「貯めたエネルギーをいかにスムースに次のターンへつなげて行くか」です。
    その要領として「夜店で売っている水の入ったヨーヨーを足で扱う」ことをイメージすると感じがつかめます。
    ターン前半でヨーヨーを外側の足でゆっくりと下に投げ出すようにします。するとそのヨーヨーがターン後半で足の裏に帰ってきますので,それを足裏で受け止めるようにするのです。動作的には脚が曲げられて(たたみ込まれて)来ます。そのヨーヨーを今度は反対の足に移し替え,さっきと同じ要領でゆっくりと下に投げ出します。これを繰り返すのです。
    ……これはあくまでもイメージですが,結構効果があります。
    このイメージが,緩斜面でゆっくりした動作でつかめたら次第に動作を早くしていきます。ヨーヨーの紐の長さをいろいろ変えるイメージを持って練習するのも効果があります。ぜひやってみてください。
    動作が激しくなると結構強い圧力が外足に掛かってきますので,その対応姿勢も重要になります。上体はしっかり谷側を向き,深く構えて圧を貯めこみ(ヨーヨーが充分に伸びて,帰ってくるエネルギーが貯めこまれるフィーリング),貯めが十分できた状態でそのエネルギーを腰の下に引き込むようにします(紐が伸びきって手元に帰ってくるフィーリング)。
    ここでも大事になるのは,自分の力でスキーを回してしまわないこと! 雪の力を借りて回ることを意識することです。自分で回そうとすると上体や腰が回ったり,あおったり,手だけがステップターンをしてみたり……いろんな弊害が出てきます。
    状態は静かに,下半身をダイナミックに! これがポイントです!
10.テク・クラと準指・正指との技術レベルの上下関係が話題になることがあります。その人の持つスキーテクニックとして見た場合、これらの資格はどのような位置づけになりますか?
  
ご質問者:hoppoさん 1999年1月24日
19時58分
  テク・クラは単純に「スキー技能」のレベルを示す目安で「認定」です。準指・正指はそれにプラ ス「指導理論、能力」等の研修を積んで試験にパスした人に与えられる「資格」です。
  スキーの技能程度はテクニカルと準指が同じ程度、クラウンと正指が同じ程度です。
27.テクに求められる滑りの質は、1級とどの程度差があるのでしょうか?特に大回りと小回りについて求められる滑りを教えてください。 ご質問者:seshimeさん
1999年4月3日
 テクニカルですが,1級との違いはヒトクチに言って「滑りの質の差」です。
 で,具体的項目として,大回りは「スキーの切れ,走り」「上体の安定」「スピード」「スキー操作の合理性」です。スピードが1級より早いものが求められます。スピードを早くすれば,当然要求されるスキー操作も違ってくるわけです。
 小回り〜中回りは,「ターン弧のシャープさ」「スキーの走り」「上体の安定」「リズム調整力」です。左右のバランスを乱さない為にも,円弧がより円く,かつ切れがなくてはなりません。
 一般的に1級は特殊なトレーニングをしなくても到達できる技術の最高峰で,テククラはそれなりの基礎体力をベースとした技術,と言っていいでしょう。
52.バッチテストの大回りでは、深回りをするよりフォールラインを意識した少し縦長(言葉で説明するのは難しいのですが)でスピードを出した方が良いのですか?(暴走しない範囲で)。
 また、八方および他の白馬村のスキースクールにおいて、1級のコンフォート大回りは、カービング主体で滑ると合格点が出ないのでしょうか?ある検定員の考え方では、カービングターンができる人は当然の如くコンフォートな滑りが出来ると判断してカービングで滑っても合格点を出すと言っていました。この基準は八方及び他の白馬村のスクールにおいて通用するのでしょうか?
ご質問者:nourinsuisanさん
2000年1月24日
 深回り、浅周りに関係無く、リズムが途切れてはいけません。
 リズムが途切れるとC字ターンになってしまいます。S字ターンと言うのはあくまで、ターン後半のエネルギーを次のターンにつなげられているかどうか?です。カービングを意識するあまり深い回りになった……というのはどういう意味でしょう?ちょっと理解できませんが……。カービングターンと言うのは円弧の浅い深いに関係ありません。スピードコントロールができている中でのハイスピードは評価されます。
 私の考え方として素朴な疑問ですが、完全なカービングターンというものはあるでしょうか? 無い、というのが私の考えです。よしんばあるにしても、それを表現し、演技できるのは日本を代表するスキーヤーのほんの一握りでしょう。
 滑走ラインをよく見ると解りますが、ニュートラルからターンに移る時に必ず横ズレをしています。それに続く舵取り期では確かに二本のラインをきれいにつけて滑ることは可能です。ですから、とくに始動期、ターンの始まりの部分ではほとんどのスキーヤーは、多かれ少なかれスキッディングをしているのです。つまり質の高い、到達度、習熟度の高いコンフォートターンをしています。…というより、コンフォートになってしまわざるを得ない、と言ったほうが良いでしょう。
 つまり、傍目には完全なカービングターンをしているように見えても、大部分の人は最初にズレありき、です。これは滑走ラインをよく見てみると解ります。ということは、俗に言うカービングターンはコンフォートの一部、と言ってもいいでしょう。ターン前半のどこからカービング要素のターンを入れられるか?が技能到達度という意味では重要な意味を持つことになります。早い時期に入れられるほど、そのスキーヤーの技能は優れている、つまりポイントは高いということになります。
 口上が長くなりましたが、お答えは「カービング要素で滑れる受験生は高得点を得られる」ということになります。
 八方はこの考え方に立っています。他の白馬山麓のスキースクールについては明言できません。悪しからず……。


 56.「実践種目テスト」と「規定種目テスト」に付いて質問です。
 実施要項によりますと、実践種目テストは『カービング要素のターン』で、規定が『コンフォート要素』と書かれていますが、これまで受験し、分析すると、午後の規定が板の走り=カービング系のすべり、午前の実践が操作性=コンフォートあるいはスキッディング… の滑りで点がでてるようにおもいます。これは逆のような気がしますが…。
ご質問者:SKさん
2000年2月11日
 実践種目がカービング要素で、規定種目がコンフォート要素です。
 ただ、ご存知だと思いますが、コンフォートターンといっても非常に幅が広いものです。「スキッド&カーブ」がコンフォートだと言っていますがスキッドが全く無いターンというものはまず考えられません。つまり、ターンはそのほとんどがコンフォートなのです。ただ違いはスキッドの部分をどれくらい経過してカーブに入れるか?ということです。これが少なければ少ないほど技術的評価は高くなります。実践でも規定でもです。
 規定テストでは、1級のレベルはターン中盤まではスキッディング、後半カービングができれば合格点の70ポイントという見方をしています。もっと早い時点でカービングに移れればさらに高得点が得られる訳です。ターン前半が迎え角方向へのスキッディング、後半がカービングです。……ということで、午後はカービング……という風に感じられたのではないでしょうか?
 午前のカービング要素のターンでは、できるだけターン前半は縦方向の押しによる『たわみ』を生かしたカービングが要求されます。迎え角方向へのスキッディングではありません。縦方向への押しによってストレッチ的な脚の伸びが生まれますが、これは迎え角方向へのスキッディングとは違うものです。

 
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Revised: 2004/08/09 .