カービングターンとスキッドターン 関連
★はNEW !
2.カービングスキーの操作上特徴的な点
36.スキッディングってどういう意味? 39.荷重分散のターンで転倒しがちなのはどうして? 45.コンフォートパラレルターンとは? 46.カービングターンのコツは? 50.カービングターンの練習方法は? 51.カービングターンの荷重方法は? 61.カービングの前半の滑り方は? 62.カービングターンで腰が折れてしまうのは? |
2.フイッシャーのシーレーラカーボンを購入しましたしました。
従来のスキーと比較して始動期にづれを伴う荷重移動にしては回転弧の調節がむずかしいと実感しました。 カービングスキーの操作上特徴的な点は他にあったらアドバイスお願いします。 |
ご質問者:skimanさん |
1999年1月17日
12時0分 |
skimanさん こんにちは!
カービングスキーの乗り方に付いては,そのカービングの程度によってかなりの違いがあります。
ここでは一般的な「ピュアカーブ」「イージーカーブ」「レーシングカーブ」について私の意見を述べさせてもらいます。
カービングスキーはサイドが深くえぐれていて,ノーマルスキーでスキーがたわんだ時の状況が簡単に作り出せるスキーです。かなりハイスピードで,しかも雪面グリップがしっかりできる人にしか体験できなかった滑走フィーリングが,ある程度の低速でも体験できるように設計されたものです。
ですから,ズレを目的に作られたスキーではないのです。あくまでも雪面をえぐって切って滑るように作られています。乗る時にも以上のような特性を理解しておかないとカービングスキーの本来の特徴を生かしきれないことになります。
1.ターン後半はスキーのしなりを感じ,雪を受け止める意識をしっかり持つ。
2.スキーの方向を変えるときは一度「斜めの直滑降」を経由してから谷回りに入るイメージを持つ。
3.スキーを押しずらす意識は極力持たない。
4.スキーを横方向に押しやり,角付けだけに頼った滑りをしない。
5.スキーのトップから雪面を捕らえて行く感覚を大事にする。
6.スキーのトップの軌跡とテールの軌跡が同じ曲線上を通る意識を持つ。
7.ターン前半ではほんのわずかなひねり操作(トップをターン内側にひねる)が有効。
大体以上のようなことがポイントになります。参考になれば幸いです。
36.スキッディングって、どういう意味ですか? | ご質問者:edel3 | 1999年10月26日 |
スキッディングとは、辞書に依れば……
━v.(〜・ded, 〜・ding)v.t.
1 …をすべり材に載せ(てすべらせ)る.
2 〈車などに〉輪止めをかける;…を横すべりさせる.
━v.i.〈車が〉すべる;横すべりする;〈飛行機が〉(旋回のとき)外すべりする.
語源 スカンジナビア語 skid より.⇒SKI
……ということだそうです。
私はスキーでも意味は同じだと解釈しています。つまり「横にズレて、あるいはズラして滑るスキー」です。
レーサーがタイムを競ったり、技術選で高得点を得ようとして極力ズレの無いスキーをすることがこのごろの風潮となっていますが…。
この語源そのものがSKIから来ているのですね! ですから、スキーは本来カービングなんかで切って滑るものじゃないのかもしれない。
それだけじゃなく、ズレをズレとして気持ち良く滑るスキーこそスキー本来の楽しみ方なのかも……。
*** スキッドターン *******************************************************
スキーの形状を最も素直に利用した、ターンの基本とも言える滑り方が『スキッドターン』です。
スキーの最も痩せている部分(センター)から、トップまでの長さが、テールの長さより長い…という特徴を生かしたターン方法です。
まず、プルーク状態(スキーをV字形に開いた形)での滑走を考えてみます。
(図2)のようにスキーは「トップ部の長さ L」と「テール部の長さ l」が違うように作られています。この違いが荷重点(スキーのセンター=最も痩せている部分)を中心とした「回転力」を生むのです。少し角付けをした状態でスキーが進行方向へ移動すれば,L>l ということから,トップ部がテール部より大きな抵抗を受けます。…という事はトップ部がテール部より進む力が押さえられますから「踏んでいるポイント=荷重点(支点)」を中心にスキーはその向きを変える事になります。これが「スキーがターンし続ける」ベーシックな理論です。つまり「荷重点」で雪を捕らえ,前方に移動して行けば,スキーの前後差で「回転力」が生まれ,スキーはその方向を変え続けるのです。この時,スキーはほんのわずかでもいいから,「スキーの側方から雪の抵抗を受けること」が必要です。そうでないと「スキーの前後差」は生きません。この側方の力の向きに対してスキーが置かれる角度「α」のことを「迎え角」と呼んでいます。「雪の抵抗を迎え受けて行く角度」という意味です。(00/02/28UP)
このような状態で斜面を上から下へ滑っていくと、右のスキーは左に曲がろうとする回転力を、また左のスキーは右への回転力を受けることになります。しかし、両方のスキーに同じ荷重配分で乗っていると、その回転力は互いに打ち消され、V字のまま斜面を滑って行きます。もしどちらかにターンしたければ、左右の荷重バランスを崩せばいいことになります。
普通は圧を加えることで、この荷重バランスを崩してやります。脚を曲げて荷重したり、脚を下の方に伸ばして圧を加えたりするわけです。例えば右にターンしようとしたら、左の土踏まず辺りにより多く荷重します。すると、左の方の圧が右の圧より大きくなりますから、左のスキーが右へ回ろうとする回転力が右スキーの左に回ろうとする力より大きくなり、結果としてじょじょにスキーは右にターンするのです。この操作は雪に自らの力や体重を掛ける動作なので、私はこれを【Do】(ドゥー)と呼んでいます。(00/02/29UP)
★左右の荷重バランスを崩すのに、もうひとつのやり方があります。
圧を加える意識ではなく、ターンしようとする側の圧を軽くする方法です。例えば、右にターンしようとする時は、プルークのまま斜面下方に滑って行き、右の脚を上体方向に引き上げるようにして、少しずつ右の圧を弱めて行くのです。すると結果的に左スキーの圧が右のそれより強くなりますから、スキーは右方向に向きを変えて行きます。この方法を試された方から「右を引き上げて、軽くしてはいるが、結果的に左が強くなるのだから、圧を加えるのと同じではないですか?」という質問を受けることがあります。でも実はまったく異なるのです。圧を加える方法では、加えようとする時に必ず荷重点と重心の距離、長さが「近づくか遠ざかるか…」します。つまり、上体が「縮むか伸びるか…」するのです。一方引いて軽くする方法では、圧は強まっても「荷重点と重心の距離、長さは変わらない」のです。このことは【スキーが雪の力を受けて、その力でターンしている】ということの証明になるのです。上体の形も変わることは無く、目線も同じ位置にあり、周囲の状況判断のうえでも優れています。これを私は【Let】(レット)と呼んでいます。(00/03/01UP)
39.荷重分散させて(スタンス広めで)滑る時、谷回り時に外足エッジの捕らえが無くなって内足ターンになってしまいます。その時に内足のビンディングが開放してしまうことがあります。荷重分散のターンで転倒しがちなのはどうしてでしょう?
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ご質問者:eikas | 1999年11月5日 |
荷重分散での滑走時ですね?
両足に均等に乗り、圧を両足同じように受けようとすると、よくこういう現象が起きます。荷重分散の練習をナゼやるのか?疑問はあるとして、この原因は3つあります。
ひとつは、回転特性です。回転内側のスキーの回転半径が外スキーの回転半径より小さくなるため、ターンして行くとどうしても内足の方の雪からの圧力が増えてしまうのです。
第2は、重心から両足までの距離の違いです。両足から重心までの長さを比べると、内足のほうが外足より近いため、軸の傾きに違いができます。内足の方が外足よりも軸が立ち、どうしても内側に乗りやすくなってしまうのです。
第3は、くるぶしの構造です。立ってやってみると解りますが、内側にヒザを入れた時は足裏をベタッと床につけていられますが、ヒザを外側に倒した時は足裏をベタッと床につけているのは困難で、どうしても足の内側は浮いてしまいます。……ということは、くるぶしの関節は外側には曲がるが内側には曲がりにくい、ということです。つまり内スキーの外エッジははずれ難いが、外スキーの内エッジははずれやすいということです。ですから均等に乗ろうとすると内スキーのエッジの利きが外スキーより良くなってしまい、結果的に内足荷重比率が外足より大きくなってしまうのです。
両足均等に乗ろうとするとこういった弊害が出て、内足での捕らえになってしまいます。結果的に「外足エッジの捕らえが無くなって、内足ターンになってしまう」のです。荷重が内足に集中し、なおかつくるぶしに第3の性質がありますからスキーがズレなくなってオーバー圧となり、ビンディングが開放という事態にもなってしまうのです。特にカービングのスキーではこのことが顕著に出ますから注意が必要です。
私はレッスンでは均等荷重は教えません。スキーの基本は外足から外足だと思うからです。外足から外足の過程で両足均等になる局面はありますが……。
45.最近スキッディングターンやコンフォートパラレルターンとか話題になってきてますが、前半スキッディング、後半カービングをコンフォートターンと呼ぶのなら従来のパラレルターンと同じ気がしますが。又、スキッディングターンとはターン中ずっと意識的にずらすターンの事を指すのでしょうか。 | ご質問者:YAMASA50 | 1999年12月2日 |
comfort というのは辞書によると……
〈人を〉慰める,〈動物を〉なだめる;…を元気づける,励ます;…をほっとさせる
慰め,慰安,ほっとした気持ち,安心感
慰めを与える人[物],救い[満足,安心]のもと
安楽な状態,気楽,快適さ
……ということだそうです。
SAJが何を意図してこの言葉をスキーに使い始めたのかは解りませんが、私流に解釈すると……。
従来スキー技術が形にこだわり、こうでなければならない! といった決め付けをして来た反省を受け、気持ち良く快適に滑ることが大事だと気付いたSAJが、初級者からカービングターンができる上級者に至る道筋のひとつとして位置付けた滑りのこと、を指しています。ですから前半スキッド、後半カービングという形にこだわったものではありません。
これが議論の対象になるのは「検定」の中で盛んに使われるためで、非常に一般スキーヤーを惑わしているのも事実です。特に2級が「スキッディング要素のコンフォートパラレルターン」、1級が「カービング要素のターン及びコンフォートパラレルターン」という事を要求しているので解らなくなってしまうのです。
コンフォートパラレルというのはシュテムターンに近い初歩的なパラレルからギューンと切って行くような質の高いパラレルまで、非常に範囲が広いパラレルターン全部を指すものだと思ってください。
ですから技術形態にこだわらず、上下動があろうがひねりがあろうが2級では「横ズレ要素のパラレル」ができればOKだし、1級ではそれに切れの要素が加わった「ズレの少ないカービング要素を加えたパラレル」ができれば良い、ということです。
従来のパラレルが前半スキッド、後半カービング……だったという風に私は思いませんが、YAMASA50さんがその様に考えられておられたならばそれはそれで良いと思います。
また「スキッディングターンとはターン中ずっと意識的にずらすターンの事を指すのでしょうか」ということですが、どのようなターンでも、極言すればカービングターンであってもターンのどこかの局面で「ズレ」は必ず付きまとうものです。ですfから「スキッドターンとはターン要素の中で切れよりもズレが多く見られる滑り」という風に解釈された方が良いと思います。
46. カービングターンの出来る上級者に是非なりたいものです。何かコツが有りましたら教えて頂けませんか? | ご質問者:YAMASA50 | 1999年12月4日 |
カービングターンのコツですか?
ひとくちで説明するのは難しいですが、「スキーのサイドカーブを使う!」ということでしょう。
サイドカーブが普通の板よりきつくなっているのがカービングスキーの特徴ですから、それを生かす……。当たり前のことと言えば当たり前のことですが……。
普通の板ではある程度板の側面から雪の抵抗を受けて、スキーの前後差による「回転モーメントの違い」で荷重点中心にターンが起こるわけですが、カービングはそれとチョット違います。角付けした状態で前方に進んで行くと、スキー全体が円くなった状態(普通の板を踏みこんでたわました状況と同じ状態)で進行方向から雪の抵抗を受けるので、トップ部の「迎え角」がセンター部分のそれより大きくなった状況が生まれるのです。迎え角がトップとセンターで違えば、トップの受ける抵抗がセンターより大きくなり、トップは角付け内側に入ろうとしますから、ターンが始まるわけです。スキーの前後差は全く関係ないのです。スキーの長さが短くてもターンできるのはこの為で、カービングスキーはほとんどが短く設計されています。
ただ、軸を寝せて角付けだけに頼るのも合理的ではありません。出来れば先ずスキーをたわませる事、たわませた状態で角付けを意識する事が、より重要です。
ということは、カービングしようとしたら、「雪の力でスキーがたわむ状況を作り、その後角付けして(軸を倒して)、サイドカーブ方向に進む」ということが大切になります。従来のターンのようにズラしたり、外向姿勢を作ってスキーのサイド方向から雪の抵抗を受けたり、スキーを回旋させたりする意識は必要無いわけです。
スキーを操作するのではなく、雪の抵抗を進行方向前方から受けとめ、スキーの持っているターン特性で回転する、というのがカービングターンと言えるでしょう。
「スキーQ&A」スキー全般 の bQ も参照してください。
この練習で悪いわけではありませんが,カービングスキーの特製をもう少し引き出したいのであれば,ターンからターンへのつなぎをステップではなく,直滑降意識でされると良いでしょう。カービングスキーは角付けをして雪の抵抗を正面から受ける事でその性能が出ますので,直滑降⇒ターンしたい方向に角付け⇒ターン⇒斜めの直滑降(ターンを止める)⇒反対側の角付け⇒反対側へのターン⇒斜めの直滑降……という意識が大切です。このような意識でターンをするとスキーの先端がシェーレン状になることはありません。
外足意識は特にターン始動期で重要で,ターン円弧を大きくする時に内側にも荷重し,荷重を分散させて回転半径を大きくするようにします。
【カービング】とはもともと彫る、きざむ,ということで,雪の抵抗を正面から受け止め、スキーのサイドカーブ、しなりを利用して滑るのが「カービングターン」です。エッジ角を立てれば立てるほどサイドカーブの性質を使いやすくなりますから,姿勢は低い方がエッジを立てやすいので有利になります。また、上体の構えも,前方横方向(迎え角方向)でなく正対が有利です。雪の抵抗を真っ正面から受け止めるので,左右のバランス維持に有利で,スキー操作としては合理的だと言えます。
いままでのノーマルスキーでも外足にしっかり乗って,スキーをたわませることができればカービングターンをすることができたのですが,スキーの形状・性質を変えることで,カービングターンが誰にでも容易にできるようになりました。どうしてこの様なスキーが今まで市場に出なかったかというと,スキーの縦方向の柔らかさ=曲げ剛性,が柔らかくて,スキーのネジレの強さ=ねじれ剛性(トーション)が強い,という矛盾した性質をスキーに持たせるのが製造技術的に難しかったからです。最近,素材や構造力学の研究が進み,柔らかいけどネジレに強いスキーが作れるようになり,カービングスキー全盛を迎えたわけです。
カービングターンは走るし切れもイイので,スピード感があって爽快なのですが,その分雪からの圧が強いのでそれに耐える強靭なパワーが要求されます。結果的に非常に疲れる滑りでもあります。
また,一度カービングターンのラインにはまると,それから抜け出すのが難しく,出会い事故など重大な怪我を誘発する危険性もあります。特に,大きな圧に耐えるため関節を伸ばした姿勢で,軸だけを倒して角付けを作っている人は,軸を戻すことが容易にできないため,大変危険です。
さらに,大きな遠心力に耐えてターンしている関係で,その雪面の捕らえを急激に解放してしまうとスキーが横に走り,身体がカウンター的にターン外側にはじき飛ばされ,膝の靭帯を切断してしまう等の事故につながることもあります。
カービングターンは,たしかに多少乗る位置が悪くてもそれをカバーしてくれ,楽にターンできるので,最近注目を浴びていますが,使い方を一歩誤ると,重大事故につながる,大変危険を伴うスキーイングであることを認識して欲しいと思います。
TOKさん教えて下さい。先日あレッスンに入ったら、外側から外足に荷重するのではなく、内側から(内肩)外足に向けて荷重するようにと指摘されました。(クロス荷重?)カービングスキーを使用しています。この件についてはよくスキー雑誌に載っていますが、実際どのように運動してよいのか分かりません。どうか教えて下さい。 | ご質問者:hotdogz | 2000年1月12日 |
真意がどこにあるか,私の指導言葉でないのでわかりませんが,想像すると,軸を傾けるために「内側から外足に向けて荷重」するよう指導されたのだと思います。
カービングスキーの使い方に付いては,「スキーQ&A」bQにUPしておきましたのでそれを参考にして下さい。
で,カービングの性質を生かすには「エッジを立てる」ことが大命題になるのですが,そのやり方は大きく分けて二つあります。
ひとつは,小さい姿勢になって脚を曲げ,膝,腰をターン内側に傾けることでエッジングするものです。これは素早くエッジングができ,軸を倒すのに必要な時間も短くて済みますが,大きな圧には耐えられません。
もう一つは身体を伸ばしたまま,身体を内側に傾けてエッジングをするものです。同じエッジングをするのに膝を曲げて行うよりも時間がかかりますが,大きな圧に耐えることができるので,ハイスピードターンに適しています。
多分「内肩⇒外足」意識のターンは,二つ目の方法のトレーニングとして有効だと思われます。
しかし,安全性のことなどを考えますと,小さい姿勢でエッジングができる練習も必要です。どちらもできる様練習してはいかがでしょう?
61.ある先生によく言われた、斜面に垂直に立ちあがるように重心を移動させる、という動きをすると、見た目、上体が立ち上がるように見えます。カービング要素の滑りにおいては、上下動を抑え、 ベンディング的な滑りをした方がいいと【TOK】先生の講習で聞いた覚えがあるのですが、どのようにした方がいいのでしょう? あるいは、どのように使い分ければいいのでしょうか? ちょっと、迷ってしまいました。 | ご質問者:聖拡 | 2000年3月1日 |
カービング要素で滑る時のターン前半部分は、大きく別けて二通りの滑り方があります。
ひとつは、ニュートラルの次の部分で脚のストロークを縦に使う事で雪面を押し、スキーをたわませてからカービングに移るやり方。もうひとつは縦のストロークを使わず、いきなりヒザをターン内側に倒してスキー前方から雪の抵抗を求め、カービングに入るやり方です。しかし、後者は、かなりのスピードが出ていないと不可能です。
で、普通の人がトライするのは前者の『脚を縦に使うターン』になるのですが、これは、あくまで斜面垂直方向にスキーを伸ばすことで雪面抵抗を求め、その圧でスキーがたわむ、というものです。このような操作を私は縦方向のベンディングと呼んでいます。ベンディングというとすぐ横への脚の伸ばし、と捕らえられがちですが、縦方向のものもあると考えるべきです。すると、結果的に脚のストロークが伸びますから重心は上方に上がります。でも、これは抜重による立ち上がりとはまったく異質なものです。立ちあがり抜重では雪面の捕らえはありませんが、縦方向へのベンディングは雪面抵抗がいつもキープされているのです。ですから、ターン前半部分で脚が伸びながらターンが開始されます。抜重では脚は伸びているもののターンは始まりません。その先生が言った斜面に立ちあがる…は結果的にそう見える…という事だと思います。
62.カービングターンで腰から折れてしまっている(外傾過多?外向過多?)と言われるのですが、直そうと腰を伸ばすと内倒となり板に荷重を感じられなくなってしまいます。そのため板のサイドカーブのRでしか曲がれません。マジックハンドを意識すると余計外傾になってしまいます。なにかいい練習方法や意識の持ち方などありましたら教えて下さい。
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ご質問者:jm98 | 2000年3月16日 |
上体の腰が折れているようですが……。腰が折れるには二つの原因があります。
ひとつは、雪の抵抗を受け→その圧でスキーのトップがターン内側手前に押し上げられ→親指の付け根に圧を感じ→スネにもその圧が伝わり→その結果ヒザが前に出→上体がバランスを取るためにスキートップ方向に出て行き→その結果として『腰が折れる』、のがその一つ。
もうひとつは、自ら上体を前に倒して腰を曲げ→その力でヒザを前に倒し→スネに力を加え→親指の付け根に圧を加え→スキーをたわます、というやり方です。
前者は雪の圧を下から上に伝えるやり方、後者はその逆です。ですから前者は動作が下から徐々に上にむかって起こるのに対して、後者は上体が先に動きます。まさしくLETとDOの違いそのものです。後者のDOではタワミを持続できませんからカービングは無理なのです。もう少し雪の力を受け止め、その力でターンすることを勉強して下さい。
マジックハンドは外傾を強め、エッジの効きを良くして、効率良く雪の抵抗を受けとめる為の方法です。雪の力をターンにつなげるにはもってこいの意識です。ぜひ自分から圧を加えず、斜面を移動する事で雪の圧を受けとめるのだ!ということに集中してみてください。