今回もこの春
Canada に同行したメンバーのおひとりで“Umii”さんのご登場です。(*^^)v
彼はほとんどスキーレッスンをお受けになったことが無く,ご自分でイロイロと研究されてお上手になられた...と聞いております。今年の4月...
Canada
のウイスラー,ブラッコムツアーで初めてお会いしました。もともと,内倒的,ふりこみ的なスキーイングをされておられました。自然にうまくなられた方は,こういう実践的なタイプの滑りをされる方が多いのですが,まさに彼もそのおひとりでした。(*^^)v 私は彼の滑りのように内倒するからいけないとか,ローテーションするからオカシイ...とは思いませんが,これとは少し違った角度で他のタイプの滑りを学ばれると,さらに“スキー”の幅が広がると思います。
今回の Canada
では彼の良い所はそのまま残し,さらにワンランクアップできるようなアドバイスをさせていただきました。
今回もまず,“Umi”さんの滑りをご覧ください。ビデオを何度かご覧になって,BeforeとAfterでどう変わったか?あるいは変わっていないか?...皆さんなりに考えて欲しいと思います。その後で【TOK】の解説をお読みください。皆さんの“スキー”に対する眼力を養うのに良いトレーニングになります
!!! !(^^)!
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さて,どこがどう変わったでしょうか? (*^^)v
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大きく変わった点...それは「ターン前半の円弧の大きさ」です。マ,タイトルにそう書いてあるから,誰にも「アア,そうか...前半の大きさか...」と分かってしまいますが...。ハッハハハ......(^J^)
“Umi”さんは,オフピステが好きな方で,
Canada
を毎年のように滑ってられますから,コセコセせず,強い滑りをされるのですが,Before映像では,抜重的に次のターンの入って行かれていたので,どうしてもターン前半の捕らえが弱くなってしまい,スキー板が横方向に動いてしまっています。この様な滑りは外人の方が良くやられる方法で,悪いわけではありませんが,これ以上のスピードを出そうとしたり,もっと悪雪になったりすると,左右のバランスを乱しやすくなってしまい,リスクが増えてしまいます。
After映像では,ターンのマキシマムからイイ感じで次のターンへの「圧のバトンタッチ」が行われていて,ターン前半の滑りのその時間的長さもさることながら,「センサー軸」がしっかりできていて,本当に安定した滑りになっています。3度繰り返し出てきているAfter映像の中の右の局面では,右の写真のような“センサーポイントSP”と“レシーブポイントRP”がハッキリとイメージできます。
ターン前半というのは,スキーヤーの身体は斜面下方に落ちようとしますから,だまっていたら雪とのコンタクトができず,非常に不安定な局面なのです。この不安定な局面でどうしてこんなに長い時間雪面とコンタクトできているか?というと,右前方に出て行こう出て行こう...という意識がしっかりあるからです。教師日記8/5の「∞ターン」で自転車のことを例に出して解説しているように,「前方に行こう」とする勢いがある内はバランスを維持できるのです。つまり“Umi”さんが,Afterのように変わられたイチバンの理由は「前に行く勢いの有無」だったと言えるのです。!(^^)!
では,どうやったらその「前に進む勢い」が作れるか?というと,キャスターのイメージを沸かせたり,習字の筆の運びをイメージしたりすること...だったのです。何度か言ってますが,
Canada
では“お習字ターン”と“バナナシェープイメージ”がそのアドバイスの全てでした。特に“Umi”さんの場合は,自然流の強いスキーを身に着けておられたので,細かいことをあれこれアドバイスするより,「習字の筆」にポイントを絞ってお話した記憶があります。「ターン前半も筆でしっかり書いていく...」これが功を奏したのか,角付けの切り替えの局面でも,Beforeのような「抜重操作」が無くなり,次のターンにエネルギーを伝えるようなAfterの滑りに変わっています。
今回ここではご紹介できませんが,実は「小回り」もこの「大回り」と同様の変化を見せてくれました。最初ははテールを振り気味の小回りでしたが,終わり頃には前に進みながらその方向を変えて行小回りに変わって来ました。今度機会がありましたら,皆さんにご披露したいと思います。(^I^)
自然流の滑りに,さらに合理性が加わって一皮剥けた“Umi”さんの滑りでした
!!! !(^^)!
Aug. 7 '05 【TOK】
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