Chapter 17    “愛のターン”   “愛”の広がり

Chapter17

Contents  ☆★☆

0067  “愛”のレーダー波
0068 地球の“愛”
0069 “愛”の呼吸
0070 “愛”が育むスキー

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Chapter18

“愛のターン”Contents

“フィーリングスキー”
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☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   0067     “愛のターン” No,8 愛のレーダー波
   
  今回の“愛のターン...は,「愛のレーダー波」...ということについて...。
  Chapter16 0066  で,“エネルギーの形”ということで,「同じ斜面を滑って行っても,表れてくる力強さ,優しさ,繊細さは,個々の“身体的特徴”,あるいはスキーヤーの持っている“感性の違い”...つまり,個性によって変わってくる...」ということを書かせていただきました。
 その話の中で,「ターン前半はレーダーの発する電波があるモノに当たり,それが返って来る...」云々という話しをしました。実は“愛のターン”意識でのターンは,このレーダー的な感覚【注】が強いのです。ターン後半に身体に受け容れた“愛”を,次のターン前半で雪や地球に返して行くイメージを持つのですが,右の一番上の写真の赤いラインのように,その時はあたかも,「愛のレーダー波」とでも言うべき“愛”を送る...というイメージです。
 そしてこの“愛の電波”が雪や地球の情報を感じ取り,二番目の写真の黄色いラインの様に,それを身体に送り返してくれるのがターン中盤から後半にかけてです。雪から来るそのエネルギーを私達の身体がアンテナになって受け止めているわけです。
 実は,この“愛のレーダー波”の種類や強さ,そしてこの“レーダー波”が届く雪面からの深さ...などのイメージが実際の滑りの中で微妙な違いをもたらすことになります。つまり,雪や斜面のどの部分からの“愛”をどのように感じ取ろうとしているか?...が実際のスキー滑走では大事になるわけです。ひょっとすると,大多数の方は,スキーを楽しむ時,雪の表面の状況だけに想いが行き,雪の中...という感覚は少ないかもしれません。ですが,一度この「雪の中の潜った部分にある雪の情報」...これに想いが行き,これを探るイメージが湧くようになると,その滑りに大きな違いが表れてきます。みなさんもぜひお試し下さい。(^ー^)
 さて,このレーダー波のラインですが,右の写真のように,もちろん外スキーに意識したピンク色の“チョコレート”を通っている...ということを忘れないことが大切です。「愛のレーダー波」を雪に向かって発射する時は,「ハート⇒チョコレート⇒雪の中」というラインを,また,雪からの情報を受取ると時は,その逆に「雪の中⇒チョコレート⇒ハート」というラインをレーダー波が通ることになります。
 雪の表面だけでなく,その下に隠されている雪のエネルギー...これまでをも感じ取ろうとする意識があるのと無いのとでは,その滑り方に違いが表れるのは当然なのです。

【注】:レーダー⇒アンテナから電波を発射し,それが観測する対象物に当たって反射され,帰って来た電波を観測します。その反射されて来た電波の強さから,対象物の大きさや表面の性質を解読します。電波が戻ってくるまでの時間を測定することで,対象物までのおおまかな距離も測定できます。




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68     “愛のターン” No,9 地球の“愛”
 
  今回の“愛のターン”...は,「地球のコアに引かれる意識」との関係についての話しです。
  “愛のターン”の優れたポイントは......
 @“センサーポイントSP”と“レシーブポイントRP”のイメージをしっかり持てる。
 Aターン前半の探りの部分がスムーズになる。
 Bターン後半に圧の吸収が楽に行なわれオーバーコンタクトを防げる。
 C雪面からの圧情報に敏感になる。     
...etc.など,いくつかありますが,「地球の“愛”を感じる...」というイメージを膨らませることによって,斜面に対する角付け意識とはすこし視点が変わった,引力方向に対する角付け感覚...とでも言うべきイメージを沸かせることができる,ということが挙げられます。
  普通,私達スキーヤーが角付け,エッジングのことを考える時,斜面に対してどれ位の角が立っているんだろうか?...という考え方をします。これはこれでいいのですが,気をつけないと「オーバーエッジ」になってしまう危険性があります。これを防ぐ手段として,「地球の引力に引かれる意識のトレーニング」...というのがあります。斜面移動すると言うのは,本来わたし達は“重力”,つまり地球のコア方向に引っ張られているのだけれど,土や雪があるために,さえぎられて潜れないから,結局斜面に沿って下方に移動して行かざるを得ない...ということなのです。ですから,実際に落下するのは斜面上を落下するのだけれど,その元の視点に立って,地球の引力に素直に引かれている感覚を大事にした“スキー”をしたらどうなるか?ということを考えてみたわけです。これを「地球のコアに引かれる」...と呼んでいます。前回は「雪の中⇔チョコレート⇔ハート」というルートをイメージした“愛”のやり取りを考えましたが,この「雪の中」を「地球のコア」に換えてみるのです。もちろんターンするわけですから純粋に引力方向に引かれているわけではなく,遠心力と引力との合力方向に引かれることになるのですが,イメージとして地球のコア方向に引かれる...というイメージを強く持ってみます。
  私達人類の祖先が地球上に出現して350万年とも500万年とも言われていますが,少なくともそれから
まで,一秒一瞬たりとも地球の重力から逃れられた時はありません。数十人の宇宙飛行を経験した人間以外,わたし達は寝ても覚めても,この“引力”の影響下にありました。ですから人間の骨格はもともと,この引力とうまくマッチングするようにでき上がって来た...というのが妥当です。ですから例えば,ひざを無理やり横に曲げようとしたり,ひねったりするのは,この原則から外れることになるわけです。つまり,過度なエッジングとか,ひねり操作は人間の身体にとって好ましくない...ということです。でも,この頃の“スキー”...このようなミスマッチを奨励しているようで,どこか不自然...そう思いませんか?
 
 ...というわけで,「引かれているのはあくまで地球のコア方向 !!!」...というイメージで滑ると,雪のエネルギーはもとより,その雪が積もっている地形のエネルギー,あるいは母なる大地...地球のエネルギーまで感じられる気がするのです。わたしも初めは,あくまでそういうイメージ...という風に,実際にはあり得ないことかもしれないけれど,そうイメージして滑ると面白い !!!...ということだけで皆さんにお話ししてました。ところが,ニュージーランドの Treble Cone で滑り,北海道のニセコで滑り,カナダの Whistler Blackcomb で滑っていると,単にイメージだったものが,どことなくスキー場の持つエネルギーの違いとして感じられるようになってきたのです。機械力が入って整備され,雪上車で整地された斜面とは明らかに違ったエネルギーを感じるのです。あくまで,これはわたしの個人的な感覚ですから,皆さんも同じようなフィーリングがあるとは思いません。ですが,キャンプに参加いただいた多くの方々の,このような斜面を滑っている時の滑りは,ある独特な“自由感”や“開放感”で溢れている...そう感じられるのです。
  あたかも地球のエネルギーを感じ,そのエネルギーと人間の持つエネルギーがハーモニーを奏でている...その様な滑りを見せてくれます。これはまさに,“愛のターン”と言っていいものだと思います。(^ー^)





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69     “愛のターン” No,10 “愛”の呼吸

  これまで“愛のターン”...「舵取り」の部分でのイメージやフィーリングをお話ししてきました。今回は,“角付けの切替え”の局面についての話しです。

  スキーヤーがある程度滑れるようになって,舵取りができるようになると,身体と重心の入れ換えが次の課題になります。この時,身体そのものを次のターン内側に持って行くようにするのが一般的ですが,これは重心を移動させる意識が必要になるので,重心の移動軌跡が滑らかにならないことが多く,バランスが崩れやすくなります。また,身体を斜面下方に移動させるので,恐怖心も起こりやすく,身体も硬くなりがちです。また別の方法は,スキー板そのものをヨイショッと抜重操作で持ち上げ,次のターン外側にスキー板を運ぶやり方です。この方法は,ある程度急激に板を持ち上げるので,脚力が必要になりますし,またターン後半でかなり強く雪面をグリップする必要が出てきますので,雪面の条件が良い時は別として,悪雪や深雪,アイスバーンなどではかなり難しくなってしまいます。この時,急激に抜重せず,ゆっくり交互運動的に行なえば,このリスクはかなり軽減できます。実は“愛のターン”の“クロッシング”意識は,この「ゆっくりした交互操作」をうまく行なうための方法でもあるのです。(^ー^)

  先ずビデオ“愛のターン・Crossing”をご覧下さい。ターン中盤から後半にかけてチョコレートからの“愛”を胸のハートに受け容れるようにイメージすると,上の写真ように脚が縮んできて懐に納まり始めます。この時,実は重心方向にスキー板が近づいてくるため,圧が少しづつ軽減しながら,「スキーの角付けも徐々に緩む」ようになるのです。そして,この角付けが徐々に緩む...ということが急激な角付けの切り替えをしないで済むことにつながり,腰の下にスキー板が近づいて来て,角付けの切り替えがスムーズに行なえることにもなるのです。つまり,重心の軌跡にスキーの軌跡が寄るように近づいて来る...といことです。

 中の写真のように,スキーの軌跡が重心の軌跡により近くなると,チョコレートからの“愛”(黄色いライン)は胸のハートに近くなり,そのハートから次の外スキーのチョコめがけて,お返しの“愛”(赤いライン)が発信される様になります。実は,この「お返しの愛の発信」はスキーヤーが意識して行なわなくても,それまでの外スキーの“愛”を懐に受け容れようとすることで,自然に起こる現象です。ですからスキーヤーとしてのわたし達は,この局面まではこれまでの外スキーからの“愛”を意識するだけでいいのです。外スキーの圧を黄色いラインの様にゆっくり吸収しようとすれば,その吸収した圧の分だけ内スキー(この例では右脚)が伸びはじめ,自然にバランスを取る様に,「愛のレーダー波(赤いライン)」を発信するようになるのです。このところが腰の下にスキーが入り込む局面です。

  これに続いて下の写真のように,外脚(この例では右脚)がさらに伸びながら「お返しの“愛”」を発信し続けることになります。ここではもう左足の意識は完全に無くなり,右脚の“愛”の発信だけが意識としてあるだけです。つまり,運動的にみれば完全な「交互操作」です。交互操作ですが,その時々の内脚の動きは,外脚の動きに連動して最適なモノとして顕れて来ます。つまり,「同調運動」としての運動が,自然発生的に起こる...ということです。
  角付けの切り替えでも,私たち“愛”のスキーヤーは,外スキーからの“愛”を素直に感じ取り,それを自分のハートに受け容れ,その“愛”を地球にお返しして行けばいい...それだけです。
  地球との“愛の呼吸”とでもいうべき運動が自然におこるのです。(^ ^)(^I^)




☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   00
70     “愛のターン” No,11 “愛”が育むスキー

    2006年2月...「“フィーリングスキー”スペシャル5日間」の三日目...「バレンタインディー」のあくる日,少し趣向を変え,「“愛”を感じて滑る」...ということをテーマに滑ったのがキッカケで生まれた“愛のターン”...。このように大きく育つとは思いませんでした。(*_*)
  その時に皆さんに持っていただいたイメージ...それは,“センサーポイントSP”に愛のチョコレートをイメージし,そのチョコから自分のハート(心臓=重心)メッセージが届く...というイメージでした。右のグッキーのphotoを参照していただければお分かりだと思いますが,SPにチョコレートを意識し,そこからの愛のメッセージをCM(写真ではRPを重心という意味でCMにしたあります)に受け容れる...というイメージです。「チョコの思いが心に届く」...ということが効くのでしょうか...ほとんどの方がターン後半で,より優しく雪の情報を受け取ろうとする気持ちになるようでした。つまり,オーバーコンタクトが自然に避けられるようになるのです。

  そしてさらに予想しなかった効果...が続々と生まれて来ました !!!

  先ず,「無理のない自然な外向傾」が顕れる様になったのです !!!。前シーズンまで一生懸命お伝えした“バナナシェープ”とか,“ありがとうターン”とかの努力が要らなくなってしまったのです。これには当の私も唖然?!?!?!...でした。しかも,同じ「外向傾」でも,それが上から曲がり始めるか,下から始まるか?でスキーの安定度は全く違ったものになりますが,“愛のターン”は下から始まる外向傾となり,「安定したスキーをするには最高のイメージ !!!」だったのです。同じ外向傾でも,上体の安定度が変わらない「自然発生的な外向傾」なのです。

  次の素晴らしい効果...それは,ステンマルクの言うところの“圧の吸収”がスムーズにできたことに加え,エッジの緩みが自然発生的に起こることでした。そのことで,ターン後半に「走るスキー」が顕れ始め,角付けの切り替えも楽にできるようになりました。“バナナシェープ”や“ゲロゲロターン”では上体がスキー板に近づいて外向傾を作ることになり,エッジが強まる傾向になります。これではスキーは走らず,“クロッシング”もうまく行きません。ところが“愛のターン”では,ターン後半にエッジが緩み始めるので,スキーが走り始めるのです。さらに「スキーが走り出す」ということが,「スキー板と重心の軌跡とが互いに無理なく近づく...」という現象をもたらし,次のターンの導入をより容易なものにしてくれたのです。私も正直,この「板と重心が近づく...」ということまでは期待していませんでした。それだけに,これには正直私が(*_*)ビックリしたほどでした。

  結局“愛のターン”効果...それは,
 @:ターン後半の圧の吸収が自然に行なわれ,オーバーコンタクトが避けられる。(フォーム的には滑走スピードや抵抗の強弱に応じた自然なストレッチ,もしくはベンディングが起こり,無理の無い脚の伸縮運動が見られる)
 A:無理のない適度な外向傾が自然発生的にできる。
 B:ターン後半,スキーが走り始める。
 C:急激な角付けの切り替えが避けられ,スムーズな上半身と下半身の入れ替えが起こる。
...ということです。

  まさに,「“愛”が育む素晴らしいスキー」...とでもいえる現象です。



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