スキーと身体

運動と重心    【パート2:知らず知らず身に付いた身体のクセ】

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質問

0002

【TOK】

06/13/02

  トレーニングを兼ねて,テニスを1時間ばかりしました。風が強くて大変でしたが,「重心」を中心にイメージした打法が振り抜きも自然にできて,スピンも有効にかかり,球筋もイイ…ということを実感しました。“テニス”も“スキー”も「重心」が大切…ということを思った【TOK】でした。(^I^) 
  「“重心”を中心とした体の部位の動き」を考えると,いろんな側面が見えてきますネェー! ”Dr.K”さん…ここら辺のことはどうなんでしょうか?                      (0001と同じ質問です)

 
お答え

”Dr.K”

  
【パート2:知らず知らず身に付いた身体のクセ】

 『運動と重心』というテーマからは少し々はずれますが、GWに八方へ出向いた時、TOKさんにご一緒いただいて、滑っていた時に気づいた事があったので書かせていただきます。
 翌日の「TOK教師日記」では「レッスンということではなく・・・・。」とありましたが、いつの間にかレッスンになっていたというのが事実です。v(^_^) TOKさんのスキー指導に対する情熱には、いつも驚かされっぱなしです。(余談)
 その時は、「雪面からの圧を何処で受けるのか(エネルギーラインの受け皿)」をテーマに色々試して滑っていました。
 多分TOKさんの普段のレッスンでは「重心(ヘソ辺り)で受ける」とおっしゃっていると思いますが、その時は受け皿を“ヘソ”に意識したり“内蔵”だったり“腰や背中”“首”に意識して滑りがどう変わるのかを試してみたのです。
 私達が運動をするときは必ず、自分が考える一番良いイメージを意識していると思います。しかし!そこに落とし穴が隠されいてることが多々あるのです。つまりいつの間にか身体が覚えてしまった“クセ”が原因で、「自分の意識や感覚と、実際の動きに“ずれ”が生じる」ことがあるのです。(行動的な体力が低下していく段階では特に、現れるように感じます。)
 実は私自身もそうだったので、私の例をひとつ挙げてみます。私の場合、圧をヘソ辺りで受けようとすると、どうしても前屈みになってしまうのです。いわゆる「上体のかぶり」が出てしまうんですね。スピードに負けまいとの意識から、いつの間にかそんな姿勢になっていたようです。その頃は滑りをビデオで撮って後で見るということもしていなかったので、全く気づきませんでした。いつ頃からか、それに気付いて直そうとも意識しました。でも・・いつの間にか身体に染みついた“クセ”というのは恐ろしいもので、なかなか直すことは簡単ではないのです。
 そこで私は、「圧をヘソではなく腰で受ける」ことをイメージして滑ってみました。・・言葉では言い表しにくいのですが・・「自分のクセを直すには、この感覚が合っている!」と直感しました。一緒に滑っていた内の1人で、私の10年来のスキー仲間のkos氏も、私と似たようなクセの傾向がありました。彼は「モモが寝る」という滑りのクセもあったからかどうか・・「背中で受ける」ことを意識していたらしいです。彼は(抽象的表現ですが)それまでより、上体の構えがリラックスして、いい感じの滑りになっていました。Dr.Nも「知らず知らずの内に、内腰(?・・外腰だったかな?・・スミマセン忘れました)で受けていたのかも知れない」と言っていました。
 無意識に身に付いたクセには、生まれ持った身体の特徴、長年の生活習慣から身についた姿勢、利き手や利き足との関係、道具を使うスポーツによる身体の左右不均等な使われ方など・・知らず知らずのうちに、様々な影響を受けて、アンバランスな動きになってしまっていることが多いんだなあ・・と感じたのです。
 同じ運動をしても、個人個人で「感じる」という感覚に違いがあったり、動きにいろんな「クセ」が出ます。もしかするとこの感覚の違いは、「身体のクセ」が原因なのかな・・と思うこともあるのです・・。
クセを直すには、まず自分のクセを知るって大切だなあ!と、そして似たようなクセを持っていても、それを矯正しようとするときの感覚も人それぞれなんだなぁ〜と、あらためて感じたのですが、みなさん如何ですか?そんなこと感じたことはありませんか?

 余談になりますが、先日とあるスポーツトレーナーの方のお話を聞く機会があり、面白く、印象に残った話なので紹介したいと思います。
 皆さん陸上競技の短距離選手で、100mで日本人初の9秒台を期待されている・・朝○という選手をご存じでしょうか。そのトレーナーの方が朝○選手に「今、何が一番知りたい?」と聞かれたそうです。朝○選手は即座に「自分の身体が左右均等かどうかが知りたい!」と返してきたそうです。我々の次元では、身体は“左右不均等”が当たり前と考えるのが普通かも知れませんが、トップアスリートは違うようですね。
 さらに・・日本人メジャーリーガーとして大活躍している○チ○ウ選手も、オ○ッ○ス時代に指導した経験がおありのようで・・「彼も、身体の左右均等を一番気にしている。」とのことでした。

 道具を手に持って使うスポーツの場合は特に、動きがある方向に偏る傾向があります。ですから筋肉の使われ方も左右不均等になりがちです。“走る”という行為だけでは、左右不均等な身体になりにくいと思うのですが、普段の生活習慣による影響が大きいのでしょうか。
 生活習慣やスポーツによって、身体の使われ方がいろいろで、そこから知らず知らずのうちに影響を受けているんだなあ〜と感じた「K」でありました。

 「重心」や、そこを通る「体軸」をイメージして運動すること、生活習慣から来る知らず知らずに備わってしまった身体の「クセ」・・・考えれば考えるほど・・実に奥深いものですね!

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