スキー道
(スキー心理学)
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「  イメージ 」
File 0025
by ”Dr.N”  2002/05/16


  みなさんお元気ですか?
  とうとうスキー・スポーツも完全OFF状態になってしまいましたね。心にぽっかりと穴の空いてしまった方も多いことでしょう。この時期、どうしても燃え尽き症候群みたいになってしまうんですよね〜。こんな時はイメージトレーニングでもして来年に備えましょう。
  そこで,今回はその「イメージ」という言葉について思った事を書いてみたいと思います。

  今シーズンの最後の滑りでTOK先生がおっしゃっている「重力を感じながら滑る」を試す機会がありました。その時の滑りがいったいどのようなものであったのか?VTRを撮影していなかったので私自身はわかりませんが、非常に不思議な良い感触だった事は確かです。
  普段の生活の中ではなかなか重力の方向を意識する事はありません。本当の意味での重力を意識しながら滑れたのかどうかわかりませんが、先生のおっしゃる通りにやってみました。

  すると、@視界が広くなって向かいの妙高方面の山並みが視界の中に入って来て、A斜面(ゲレンデ)が山の一部である事を意識できたのです。つまり山と一体になって滑る事が出来たのです。
  人馬一体という言葉がありますが、乗馬を経験された方であれば、人馬一体という言葉の実際がどのようなものか?おわかりになると思いますが、まさしく馬の背中から人間の上半身が生えている様なそんな感じです。
  その時、人馬一体ほどではないにせよ、私はゲレンデの雪面ではなく白馬の山並みと一体になって滑れたような感覚を受けたのです。

  さて、@に関しては視力で感じられる地上部分の感覚的な広がりがあった事になると思います。Aに関しては通常見る事の出来ない地下部分(地球内部)での感覚的な広がりになるでしょう。つまり、@Aを総合すると地表面と地下の世界を統合した全方位的な感覚で滑る事ができた・・・と言う事になります。あくまで「イ・メ・ー・ジ」ですが(笑)

  この「イメージ」というものですが、TOK先生のレッスンではいろんなイメージが出てきます。オレンジであったりマシンガンであったり・・・。TOK先生が常に言われている「感じる」事。これを他人に伝える手段として、また「感じる」為の補助手段として、いろんなイメージを使われていると思っています。

  さてこの「イメージ」(心に描く造形)ですが、最近、私はスキー以外の生活に於いてもこの「イメージ」というものがとても大切ではないかと思い始めています。
  イメージというものはあくまで心に描くものであって、本質をなおざりにしてしまいかねない厄介な部分もあります(いわゆる虚像)。しかし、本質はどうであれ良いイメージを持つ事は何かにつけ良い事ではないでしょうか。

  ヨーガには頭を床につけて肘と3点で身体を支える逆立ちのポーズがあります。これをやる時には必ず天と地が逆になった事をイメージしなさい・・とある本に書いてありました。ヨーガには肉体的な実質面の効果もありますが、イメージを繰り返し行う事による瞑想の訓練が非常に重要だそうです。瞑想なくしてヨーガとは言えない・・そうです。
  さて、屋外で逆立ちのポーズをしながら、全ての観念(主観?)を無にして天と地が逆になったイメージを持ち続けると、あら不思議・・ある日突然、自分が地球を頭の上に載せているような・・又は地球にぶら下がっている・・そんな感覚になります。その時、視線は少し遠くを見てるようなぼやけたものになるはずです。(ちなみに観念という言葉は仏教で言う所の瞑想をさす言葉らしいですね)
  これは以前、TOK先生が飛行機から見た雨雲の情景を、地球に吸い込まれる雨と
連想された事と同じです。ある日から物の見方が変わる・・・このようにある種のイメージによって固定観念が打破できれば、物事の「感じ方」が大きく変化し、新しい世界が広がるのです。
  まさしくTOKレッスンの真髄でしょう(んー誉めすぎ??)

  それにしても「重力を意識しながら滑る・・」混み合ったゲレンデではなかなかやり難いでしょう。しかし、空いたゲレンデで五月晴れの空に映える山並み・大自然と一体になった(・・・かのような)感覚で滑るスキーは最高でした!
  私の忘れられない滑りの1本となるでしょう。また、スキーが楽しくなってしまいました(笑)


                                        
(2002/05/16 UP)

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