スキー道
(スキー心理学)
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「 プラナ・ヤマ   … まとめ 」
File 0011
by ”Dr.N”  2001/08/13


  「プラナ・ヤマ」に関連する事を3回にわたって書きました。皆さんそれぞれに、いろんな感想をお持ちの事でしょう。段々と「スキー道」というコーナーのタイトルから外れていくような気もしないでもありませんが、とりあえず、いろんな事を書いたので、ここらで誤解の無い様に少しまとめてみたいと思います。

  そもそも「プラナ・ヤマ」は、あくまでDr.Nの”将来的目標”という事で紹介しました。
  また、個人的にはフリーダイビングのトレーニングを兼ねていると言う面もありますので、精神集中の基本を押さえるという点では「あがりの対処法」「メントレ1」〜「メントレ3」を確実に実行して頂く方が効果も高いと思われます。

  「メントレ1」にも書きましたが、悟りの境地に至るには大変な時間が必要です。ランニングによって心肺機能が向上するような、直接的・短期的向上を望む事はできないでしょう。「プラナ・ヤマ」を競技の直前にだけ行えば何かに効果がある、という単純なものでもありません。さらに、「プラナ・ヤマ」単独で行うのではなく、身体のストレッチとプラナヤマを1セットで考える必要もあります。

  私は個人的に「プラナ・ヤマ」をベースにした精神統一の修練を3つの段階で考えています。

  STEP1(肉体)「プラナ・ヤマ」が肉体的にできる様になる。
  あばら骨の内側まで腹をへこましたり、その状態で腹直筋を出したり、左右の腹直筋を別々に動かしたりできる。この段階では、健康法的な面があります。横隔膜のストレッチや内臓のマッサージ効果など(マイナスイオン?の効果も含む)身体に直接働きかける部分の効用です。これだけでも十分にやる価値はあるはずです。やり始めるとすぐに、普段の生活での呼吸がいかに浅いか?内臓を動かしていないか?が実感できるはずです。
  また、Dr.Nが空手をやっていた頃に「丹田の呼吸法」というのをやらされました。「気」を感じながら行う・・・と言う事でしたが、私の場合、それはあくまで、ただの深呼吸でした。「プラナ・ヤマ」が他の呼吸法と違う所は、不随意筋と呼ばれる腹直筋をコントロールする事に尽きると思います。これがSTEP2・3に大いに関係してくると思っています。

  STEP2(精神・神経・脳)精神統一ができるようになる。
  STEP1をベースに、座禅に代表されるように精神の統一を図る。自律神経の強化や、肉体から感じる様々な感覚から精神を切り離す。心の窓を一つだけにするような感じになる。
  精神統一をしていると、外界からの刺激などの感覚を忘れる瞬間があるはずです。それは競技に集中して怪我の痛みを忘れる事と同じです。その一瞬を継続できるように訓練する事で、心が1本となるような、開いた窓が一つだけ見えるような、そんな感じになると思います。

  STEP3(意識・心・自我)瞑想に入る。
  STEP1・2をベースに、精神統一により一つになった心の窓から、向こう側に広がる世界に心を羽ばたかせる。本能の部分でしか感じられない情報を意識下に感じる。

  以前、紹介した3人(ジャック・マイヨール、ロック・ペトロヴィッチ、ヒクソン・グレイシー)はSTEP3の上の方にいるのでしょう。私の現状はSTEP2の入り口あたりだと思います。
  私自身がSTEP3に達していないので、何がどのようにスキーに対して効果があるのか?見定める事はできませんので、我々のスキーと関連する部分としては、STEP2までを目標にすれば良いと思います。
  もちろんフリーダイバーとしてのDr.Nは、STEP3の「イルカになった自分」を目標にしています。

  皆さんは何を目標にされますか??お互い新しい精神世界が広がると良いですね。  

(2001/08/13)

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