老人に優しい“スキー”

(メルマガ No.0021 12-03-2001 より)

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今週のコラム   老人に優しい“スキー”  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  このメルマガを読んでいただいている方,“T.G”さんから E-mail を頂きました。ご本人のご了承を得させていただきましたので,内容の一部を紹介させていただきます。

   『 この11月で定年を迎えました。…昔とった杵柄でで、またスキーをはじめようと思います。スポーツ店に行きいろいろ板を物色してきましたが、最近の店は、カービングスキー一色です。以前使っていたような長い板にはお目にかかれませんでした。店員さんのお話では、大変ターンしやすく、切れてスピードも出せるとのことです。この歳ですので別にスピードはそんなに出そうとは思いません。雪の上を自由気ままに、気持ち良く過ごせればそれでいいのですが....。
 むかし、八方で滑った頃、楽しくズレながら滑った記憶があり、スキースクールでもコブの技術で「ベロンチョターン」なる滑り方を教えてもらった記憶があります。切る滑り重視の昨今のようですが、私みたいな定年を迎えた年齢の者にも以前のようにスキーが楽しめるものでしょうか? 老人に優しいスキー....とでもいう滑りができるものでしょうか?』

  “T.G”さん,長い間のお勤め,お疲れ様でした。人生の一区切り…と言ったところでしょうが,ぜひ大自然の中で心行くまで“スキー”を楽しんでいただきたいと思います。(^I^)
  さて,“T.G”さんと同じようなことを感じておられる,熟年スキーヤーの方は結構多いのではないかと思います。確かに昨今のゲレンデは,二本のレールのようなターン軌跡を残したカービング,が花盛りです。でもそれだけがスキーではありません。カービングにもいろいろな滑り方があります。イージーカーブといったような,ネジレの強度が弱いスキー板を使えばズレ感覚もありますし,比較的昔のスキーに似た滑走感覚も得られるでしょう。
  気持ちイイ滑り…は各人の感覚によって,あるいは志向によって違うと思いますが,ある程度お歳をとられた方はスピードや切れよりも,安全性や取り扱いの容易さがポイントになると思います。競技や基礎スキー用のレースカーブタイプや,カービングの極致を追求するためのエクストリームカーブタイプは避けられた方がいいでしょう。カービングの楽しさを味わえるピュアカーブタイプか,カービングだけではなくずらすことも簡単にできるイージーカーブタイプのスキーをお選びになれば,以前のような長い板よりもかえって扱いやすいと感じられるかもしれません。大事なことはスキー板のタイプ選びですので,スポーツ店でご自分の志向,スキー暦などをお話になって相談し,選ばれたら良いと思います。

  そして,大事な楽しみ方ですが,私が今いちばん思っているのは,「雪との一体感を楽しむ」ということです。自分で力を雪に加える方法よりも,雪からの情報を感じ取る意識を大事にした滑り方です。力まかせにグイッグウイッと滑るのではなく,足裏で感じられるフィーリングを楽しみながら滑る,というものです。高いところから低いところへ降りる意識を大事にし,雪の力でターンする…と言っていいでしょう。
  この滑りこそ,お歳を重ね,いろんなことを経験された方が,より深く感じることのできる滑り方だと思います。馬力よりも感性がものをいう滑りです。私も歳を重ねるごとに,この意識の滑り方に,はまってしまいました。私のホームページでは【Letスキー】ということで紹介させていただいています。興味のある方は,下にアドレスを載せましたので,検索してお読みください。
  
  老人に優しいスキー…ということですが,雪の感触を楽しむ滑りは,ご老人に限らず女性でも,技術程度に関係なくそれぞれのレベルで,白銀の世界を楽しむことができます。毎日毎日の生活でも,いろいろな出来事を,「楽しもう」という姿勢で過ごせば,それなりに豊かに過ごせるのと同じだと思います。要は“感性”を大事にして雪の上に立つ…ということでしょうか。

  これからの人生…ぜひ“スキー”を友として,豊かに過ごされることをお祈り申し上げます。

  注:ON LINE SKI SCHOOL 検索ページ
    http://www5.tok2.com/home/hakuba/search.htm

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