大自然に生かされる…

(メルマガ No.0015 10-15-2001 より)

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“ 自然と調和するスキーヤー ” ☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  昨シーズン八方尾○スキースクールが協力し,撮影した「テクニカル・クラウン完全攻略」のビデオがスキー○ャーナル社から発売されました。これは昨年発売された「八方で合格!バッジテスト1・2級」の兄弟版とも言えるものです。検定員の一人として私の顔がところどころに出ている…との情報をいただき,見てみました。今回はこのビデオを見て感じた事をお話したいと思います。
  
  このビデオに写っている受験生の滑りを見て第一印象として感じたのは「素直さ」ということでした。「素直さ」とは,辞書によると,飾り気がなくありのままであるさま,他に逆らわないで、おだやかなさま,ひねくれたところのないさま,とどこおりのないさま,癖のないさま…という意味がありますが,「素直さ」と「うまさ」は,相通じるものがあるのではないか?ということを感じさせられました。またその「素直さ」は結果として「雪とスキーヤーの調和」や「一体感」みたいなものを感じさせてくれる…そんな気もしました。

  その翌日「テニス」をする機会がありました。そこで,このビデオで見て感じたイメージをちょっと取り入れてみました。例の「素直さ」は形を変えれば「相手との一体感や調和」をもたらすのではないか?という風に感じられたので,テニスのボールを打つ時に,この感覚を試してみたのです。相手が打って来たボールをそのまま一体となるように,調和するようにして返すことに専念する…。相手を負かす,試合に勝つ…そういうことではなく,来たボールに素直に反応し,あるがままに返すことに意識を集中させる…そういう気持ちでテニスをしてみたのです。
  効果がありました!。これまでストロークのみならず,スマッシュやボレーでも相手の甘いところを狙う意識が強すぎてボールに集中できておらず,ミスが多かったのですが,この意識を持つと,焦りや気負いが無くなり,素直な気持ちでボールに集中できるようになりました。本当に気持ちが静かで穏やかにテニスが出来るのです。ミスしても,ボールに集中し調和できていないから…ボールとの一体感が少ないから…という風に考える事が出来ました。
  テニスをしていて,これまで何回も自分のミスに腹が立ち,情けなく思う事がありました。その時は,「勝負というのは,敵(相手)と闘っているようで,本当に闘っているのは自分自身に対してなのだ」という,「克己=自分に勝つ」がまだ未完成なのだ…と思うことで納得しようと努めていましたが,それとはまたひと味違った,静かな感覚でプレーができました。「自分に勝つ」とかいう重苦しいテーマではなく,来たボールを来たボールとして,そのままあるがままに返す…。このときの精神的な心のボルテージはものすごく低く,穏やかなものでした。まさに武道の達人が心静かに相手と対峙し,相手の仕掛けてきたその動きに素直に反応する。そのことによる好結果を期待するのではなく,なるがままに任せ,その結果は結果として受け止める…。結果として勝負に勝っている…そういう感じでした。

  「テクニカル・クラウン完全攻略」のビデオを見て,「一体感」…あるいは「マッチング」,「調和」…そういった雰囲気がクラウンクラスのスキーヤーには在る,と思いました。“スキー”以外のスポーツ“テニス”でも,その真髄というのはそういう“静かな心”にこそ在るのではないか?と思いました。
  マッチする,調和するというのは,「あるものが別のあるものと釣り合いがとれ、自然であること…」だそうですが,達人と言われる人の“滑り”には確かにそのような「調和」が感じられます。そしてそれがスムーズな身体の動きを作り出し,流れるような美しさを生み出しているような気がします。

  今シーズンは「雪や自然と調和するスキー」を勉強し,修得したい…そう思った【TOK】でした。

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