感受性と「スキー」の楽しみ


(メルマガ No.0008
 08/27 より)

“感受性と「スキー」の楽しみ”

  先週のこの欄で“素直に感じようとする心…”…「心眼」,ということで掲載させていただきましたところ,早速「中村さん」という方からから E-mailを頂きました。

  中村さんは目がご不自由にもかかわらず,年間30日もスキーを楽しまれておられる方です。

  私も足裏感覚のトレーニングで目をつぶって滑る事があり,時々は生徒さんにも緩斜面の平地でやってもらうことがあります。動いている感覚が薄れ,停止しているようでスピード感が感じられず,なかなか怖いですが,足裏に集中して滑る良いトレーニングになります。
  興味がありましたので,ぜひ中村さんの滑走感覚についてお話を伺いたい…という趣旨の返事を差し上げましたところ,快くご返事を頂きました。その詳細はhttp://www5.tok2.com/home/hakuba/Nakamura.html で紹介させて頂いておりますのでご覧頂きたいと思います。

  この中で中村さんは“スキー”についていろいろなエピソードを書かれています。そして私がビックリしたのは“スキー”をしていて「空気が違う…」,「大自然の表情が語りかけてくれる…」,「自然の気を感じる…」という言葉があったことです。言葉が悪いかもしれませんが,私たち健常者の感じることのできない,豊かな感性の「“スキー”の楽しみ方」を中村さんは知っておられるのです!。   「目」という道具を持ち,そこからの情報をいくらでも受け入れることができる私たちは,実は本当の“スキー”の楽しみを知らない…そんな風に思いました。

  私はこの8月から「教師日記」で“フィーリングスキー”について書き込みをしています。その中で,足裏で雪を感じながらスキーをすると,幅広い楽しみ方ができる…と書いています。「雪を征服する」という気持ちよりも,「雪からの情報を受け止める…」という意識になるためだと思うのですが,“感じ取る”ということが身体の“快感反応”に大きく関係しているように思います。つまり,「感受性の豊かさ」が楽しみの質を深くし,幅を広げてくれる気がするのです。

  「感受性」とは“外界の刺激を受けとる能力。対象からの触発によって印象を受容する感性の働き”だそうですが,私たちスキーヤーは“雪”という対象から,「スキー」→「スキーブーツ」→「足裏」→「脚」→「脳」…という風にその印象を受容しています。その感性の働きに長けているか?あるいは劣っているか?,つまり,「感受性が豊かかどうか?」が「スキーの楽しみ方の幅」を決めているように思います。より深くスキーを楽しむにはスキー技術はモチロンですが,その前に「感受性」を磨くことが大事なようです。

  中村さんは,目がご不自由でも,私たちよりはるかに優れた「感受性」で雪の大自然を楽しんでおられるように思います。私たちもぜひ中村さんに見習って,心で雪の自然を感じ,より楽しみ方の幅を広げたいものです。

  中村さん,貴重な体験談,本当にありがとうございました! (^I^)

2001/08/27

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