テーマ趣旨と皆さんからのご意見
黒色の文 ⇒ ”Prof.YM” さんのご意見
青色の文 ⇒ 皆さんからのご意見
紫色の文 ⇒ 皆さんからのご意見(参照)
「指・指導員検定受験対策」
皆様大変ご無沙汰しております。シーズン中盤、皆様のスキーライフは充実していますか?スキー界もインタースキー、アルペンスキー世界選手権、技術選地区予選等々目白押しですね。シーズン後半に向けさらに頑張っていきましょう!
さて今回は、準指・指導員検定受験対策について書いてみたいと思います。準指・指導員検定は、これまで書いてきました級別テストとは違い、プルークボーゲンやシュテムターンといった指導者としての師範能力も試されると思います。普段フリーで滑るときにはあまりしない種目が多くあるところが難しい部分だと思いますので、種目の内容をしっかり理解して演技することが重要だと思います。
基礎技術・応用技術
3つの実技要領
@ スキー板を側方に押し出す操作を活用(スキッディング要素)
A 脚部主体のひねり操作を活用(スキッディング+カービング要素)
B 重心移動主体の傾け操作を活用(カービング要素)
発展技術
※ 状況に適合する方法を活用
基礎技術@プルークボーゲン(押し出し操作)【緩〜緩中斜面】指導員検定
この種目は、指導する過程において本当に初歩の段階のターンだということを理解しておく必要があると思います。具体的には、スキートップを支点に、スキーテール側を大きく外側に押し出す意識になると思います。制動の要素が非常に強く、極端に言えばターンをイメージするよりも、外スキー(押し出すスキー)のズレにのっていき、スキーの前後の長さの差の分だけターンするぐらいのイメージで練習すると良いと思います。
切り替えでは、ニュートラルポジションに戻り、ターンに入っていく部分では次のターン外スキーテールを少し外側に押し出すようにしていくと良いとおもいます。注意するのは、このときにスキーだけを出しすぎてしまうと重心とスキー板が離れすぎてしまい、カービングターン的な重心の位置になってしまいますので、押し出すスキーに重心もつけていきズレにのっていく意識が必要だと思います。
基礎技術Aプルークボーゲン(ひねり操作) 【緩〜緩中斜面】 指導員・準指導員検定
押し出し操作からの洗練系でやや丸いターン弧をイメージすると良いと思います。具体的には、ストレッチング的な体の動きを活用して、伸ばし切り替え、曲げ舵取りの動きを活用しながら滑らかなターン運動を意識すると良いと思います。ターン前半では外スキー内くるぶし下(スキー板のブーツセンター付近)を支点に、スキートップをターンやや内側にいれる(ひねる)意識を持ちながら外スキーをすこし外側に押し出していく意識で良いと思います。そして、スキーがターンしてフォールラインを過ぎ、雪面からの抵抗がなくなってきたらそれにあわせひねりを緩め、重心をニュートラルに戻す意識で良いと思います。
練習のひとつのパターンとしては、高いポジションで肩幅よりも広く開いたオープンスタンス(両スキーのインサイドエッジが立った状態)の直滑降から、スキートップを内側にひねる練習をしてみると良いと思います。ひねることにより迎え角ができ抵抗を受けて重心の位置が後ろに下げられると思います。下げられた重心の位置を、今度はスキートップを外に開きながら元のポジションに戻していきます。このときにできるだけ最初に開いたスタンスの幅をキープする意識があると良いと思います。この一連の動きができれば、ひねり操作のプルークは必ずできると思います。
私個人的には、もっともエレガントなプルークボーゲン!? だと思っていますが(笑)
基礎技術Bプルークボーゲン(傾け操作) 【緩〜緩中斜面】 指導員検定
このプルークは正直なかなか演技しにくいと思います。正直私自身も一般レッスンで使うことはほとんどありません。しかし種目としてはありますので演技しなくてはいけませんが・・・。意識としては、プルークスタンスから外スキーの角付けを強めていく(傾け操作)ことにより、重心の位置がターン内側に入っていき、外スキーのカービング要素が出てくる意識になると思います。外スキーに圧を加えた結果、雪面からの抵抗を受け重心の位置が横へスライドするところが重要だと思います。また切り替えの部分では、次の外スキーインサイドをダイレクトに角付けしていく意識でよいと思います。そうすることにより重心の位置のダイレクトな横移動が表現できると思います。
カービング要素ではありますが、あくまでもプルークボーゲンですので完璧なカービングターンにはならなくても、外スキーのズレ幅の少ない要素が表現できれば十分です。
応用技術@シュテムターン(押し出し操作) 【中〜中急斜面】 指導員・準指導員検定
中〜中急斜面での押し出し操作になりますので、最も重要なのはスピードコントロールになります。切り替えの部分から見ていきますと、次のターン外スキーを開きだすことにより角付けを切り替え、プルークのポジションができますので、その後は開きだした外スキーのズレに【のっていく】意識で良いと思います。次のターンを開きだしてプルークポジションを作るので、自然に外向外傾ができていますので自分から外向外傾を意識してつくったりする必要はないと思います。ストックについてはついてもつかなくても良いと思いますが、私的にはストックをついた方が流れを出しやすいと思います。次の外スキーを開きだすときに高いポジション(ストックの準備)、そして開きだしてプルークのポジションができたらすぐに(ストックをついて)曲げながらターン、といった流れをできるだけ滑らかに行うと良いと思います。苦手なターンは、腰が回りすぎたり、谷側の肩が上がりやすいので注意すると良いと思います。
応用技術Aパラレルターン小回り(ひねり操作) 【中〜中急斜面】 指導員・準指導員検定
いわゆるオーソドックスな小回りのイメージでよいと思います。具体的には、ひねり操作のプルークボーゲンのところでも書きましたストレッチング系の動きを活用していけば良いと思います。フォールライン中心に、左右にもう1本ずつのラインをイメージして、重心位置をフォールラインではなくその左右に1本ずつあるラインの上を移動させるイメージを持って滑ると良いと思います。早いリズムで滑る必要はありませんので、まるいターン弧をイメージして滑るくらいでよいと思います。ターン前半でスキーテールを振り出してしまわないようにスキートップから回しこむ意識があるとより良いと思います。
応用技術Bパラレルターン中回り(傾け操作) 【中〜中急斜面】 指導員・準指導員検定
スタンスを広めにとり、両スキーのスタンスを切り替えも舵取りもしっかりキープする意識があると良いと思います。よくある失敗のパターンとしては、切り替えの部分でスタンスが狭くなってしまいスキーのたわんでいる力が上方向に抜けてしまうパターンが多いと思います。スピードがのってきたら、なるべく重心位置の上下の動きはおさえ、前後への移動意識が出てくると下へせまってくる感じが出せると思います。また切り替えからターン始動部分では、両スキーのトップ(一番幅の広い部分)のエッジからターン始動してくるイメージが重要だと思います。中回りですので、途切れのない連続したリズムをしっかり表現することも重要だと思います。縦長浅回りのターン弧を受験者同士で確認したり、養成講習等で距離とターンスペースをしっかり練習しておくと良いと思います。
発展技術@パラレルターン大回り【急斜面・整地】 指導員・準指導員検定
発展技術の大回りについては、やはりカービング要素が多い舵取りのものが評価は高くなります。しかし、会場やそのときの条件によってはカービング要素でいくよりもスキッディング要素を活用した方がその状況に適した場合が当然ありますので注意が必要です。検定規定の着眼点にも書いてありますが、スキッディング&カービング要素の使い分け、状況への即応能力が重要ですので、普段から様々な斜面を左右均等なターン弧で滑る練習をしておくと良いと思います。1級受験対策のところでも書きましたが、前のターンで抵抗を受け止めることによりうしろよりにさがった重心を、切り替えから次のターン前半に書けしっかり前に戻すことが重要だと思います。そうすることにより次のターン前半にしっかりスキートップからターンに入っていくことができ、カービング要素が出しやすくなると思います。カービング要素ですのでターン前半でスキーの進行方向よりより谷方向に重心を移動する意識があると良いと思います。
発展技術Aパラレルターン小回り【急斜面・整地】 準指導員検定
整地種目ですが、斜面設定が急斜面ですので、スピードコントロールしながらターン弧を描くエッジングが重要になると思います。具体的にはできるだけ落差をとりたくさん移動しながらスキーの方向を変える意識があると良いと思います。そうするためには、大回りのところでも書きましたが、切り替えからターン前半にかけスキートップが押さえられるポジションへ体を運ぶ(重心を運ぶ)意識が重要だと思います。普段から小回りでも深回り浅回りといろいろな弧の深さの小回りを練習しておくと検定バーンや様々な状況へも対応できると思います。技術選ではありませんので、後半検定員にアピールしようとかあまり考えずに、最後までコントロールされた演技を心がけてください。カービング要素にこだわる必要もありません。
発展技術Bパラレルターン小回り【中急斜面・不整地含】 指導員・準指導員検定
いわゆるコブの中での小回りです。重要なのは重心の移動や体の向き、使い方、エッジングの方向・量、バランス能力だと思います。この種目はやはりある程度の経験(滑り込み)が必要ですが、注意事項をいくつかあげてみたいと思います。
・ できるだけフォールラインに絡んで滑る
・ スキーを雪面から離さない
・ ストックを必ずつく
・ 一定のスピードで滑る
普段の練習ではぜひ急斜面整地を横滑りしてみてください。それもいろいろな方向へ横滑りしてみてください。横滑りする時にスキーが進んでいく方向にしっかりと胸の向きを向けるようにしてください。極端な言い方をしてしまえば、横滑りができないとコブ斜面をコントロールして降りることは難しいと思います。そのくらい重要だと思います。
発展技術Cパラレルターンフリー【総合斜面・不整地含】 準指導員検定
いわゆる総合滑降ですね。300mというやや長い距離が与えられていますので、その中でできるだけスムーズなリズム変化、ターン弧の深さの変化を表現できれば良いと思います。スピードがのった中で無理に小回り等を急激に入れて失速してしまうようなリズム変化ではなく、大回り〜中回り〜小回り〜大回り等流れを重視すると良いと思います。深回り浅回り、それぞれのターン弧での運動の時間・量・方向を的確に使い分けることが重要だと思います。スピードだけにこだわって暴走してしまう受験者の方が多くいるようですが、自分のコントロールできるスピードの中での一番速いスピードで良いと思います。
発展技術D制限滑降【中急斜面・整地】 準指導員検定
ポールですが、やはりなれが必要ですね。養成講習等機会があったらできるだけ滑りましょう。タイムによる得点への換算は難しい計算式になりますので私には良くわかりませんが、そんなに速くなくても、確実にゴールできるスピードでOKだときいています。遅すぎては当然だめですが(笑) ポール練習は、すべての種目においても良いトレーニングになりますので、ぜひトライしてください。
理論検定
勉強してください!!
といっても、なかなか範囲も広く難しいですね。各県の養成講習でヒントをくれるかもしれませんので、理論講習も寝ないでしっかり聞きましょう。また、養成講習等同じ班の人たちとは、コミュニケーションをとったほうが良いと思います。間違って理解していたところを教えてくれたり、また各クラブによっては、先輩が過去の問題をもっていたり、問題集を作ってくれたりしているクラブもあるようですから。
今回は準指・指導員受験対策について書いてみました。いかがでしょうか?検定が近づき、いろいろ不安もあると思いますが、自信を持ってトライしてください。合格された方はスキー指導者として公認の資格を得るわけですから。不安な滑りは、生徒も不安になってしまいます。
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