「内向」について…皆さんからのご意見
黒色の文 ⇒ ”Prof.YM” さんのご意見
青色の文 ⇒ 皆さんからのご意見
紫色の文 ⇒ 皆さんからのご意見(参照)
…という風に記載させていただきました。
テーマ
「ターン前半は内向か?」
設定:整地・中〜急斜面・R=20〜15程度のカービングスキーを使用した大回り
2001/09/16
今回は、上記のテーマについて少し考えてみました。
某スキー専門誌特集の、ターン始動は外脚か内脚か?にからんでくるテーマかと思いましたが、すでにこのホームページでも、外脚か内脚かについては、TOKさんや、宮下デモのお話などでもお分かりのことと思いま
す。そこで、今回は上体の向きについて考えてみました。
私的には、結果的に今回の設定であれば、内向が有効であると思います。それは、やはり切り替えからターン始動時にできるだけ早く次のターンポジションを作る(重心を谷側移す)と、結果的に内向が現れると思います。注意したいところは、決して上体の内向を先にを意識して作るのではなく、スキーの角付けを切り替えて、その角付けに対して圧を加えた結果、できるものだと思います。
私はノーマルスキー時代、大回りが大変苦手(今でも小回りのほうが好きですが・・・)で、どうしても切り替えの部分で、スキーを振り出してしまっていました(切り替えでスキーの軌道が変わってしまっていたわけです)。早い切り替えを意識するあまり、上体がスキーの軌道よりもはやくまわってしまっていたのです。しかしスキーがカービングになり、上体がかなり先にスキーの軌道よりもまわっていてもスキーがカービングするようになりました。ですから、ノーマルスキー時代よりも、早くスキーと体の位置が離れた内傾角が取れるようになったと思います。しかし、注意しなければいけないのは、この体の向き(内向)が、ターン後半の正対の体の向きを越えてはいけないことです。これを越えてしまっていれば、いくらカービングスキーでも、スキーのテール部分からスキッドが始まってしまうと思います。
今回、体の向きについて考えてみましたが、私的にはカービングスキー使用の今回の条件では、ターン前半は内向、ターン後半は正対(外向)になるのではと思います。
皆様のご意見お待ちいたしております。
2001/09/16
投稿者:TOSHI3 9月16日(日)
Prof.YM先生、こんにちは。
スキーテクニックのターン前半は内向か?を読みました。
先生はこの運動を指導に取りいれておられますか?
取り入れております。
私は、特に昨シーズンは、1級以上、テククラ受験希望者、あるいは、技術選地区予選出場者などの方々のレッスンが多かったので、レッスンでも取り入れております。
デモクリニックでのレッスン、私の考えと共通すると思います。
4月に岩鞍で行われたデモクリニックに参加した時に、腰を低くして切り換え後上体をターン内側へ向ける練習をさせられました。
私はその時すごくいいイメージをもったのですが、ある知り合い(1級)にそれをやってもらったところ、もともと右ターンでテールを振り出す癖が抜けきらない為、ますますローテになって癖が強調されてしまうのです。
こういう場合もあると思います。
私も、左ターンの方が苦手でありますが、自分の苦手ターンの確認、あるいは、どの程度、ローテーションしているかという確認の意味では、まったく無意味ではないのかと思います。しかし、その方にとって、もっとも有効なレッスンであったとは言えないかもしれませんね。
>切り替えからターン始動時にできるだけ早く次のターンポジションを作る(重心を谷側移す)と、結果的に内向が現れると思います
上のように結果的に現れるのであれば、板の特性やそれぞれの滑りに差があるので、指導はしない方がいいのかなぁと感じています。
結果的に現れるものを、自分から意識してやってみるのも良いと思います。
その生徒さんが、普段まったく感覚が無いものが、結果を演技してみようとすることで、なにかを感じ取り、どうしてそうなることが重要かを見つける、こともあると思います。
新しい一樹デモのビデオを見てもかなり内向してるようですが、これを見た人達が個々に真似をすると悪い癖が出てしまわないかとちょっと心配です。
私はまだ見てはいませんが、一樹デモがどのようなシチュエーションのときに、そのような演技をされているかが重要かな〜と思います。
しかし、ビデオ(映像)での斜度感、スピード感など、なかなか正確には感じにくいですよね。
イメージを膨らませるのはとてもいいことと思いますが、あまり、ひとつの技術にこだわりすぎないことも重要かと思います。
(01/09/19)
投稿者:SkiEnth 9月17日(月)
「内向」を,雪と身体のコンタクトを無視して作ろうとすると,ローテーション的になってしまいます。
ターンの基本に据えるべきは、「コンタクト状態」をどう作っていくか?にあると思います。体の動きが先にあって、操作するのだ!...という気持ちが強すぎると「雪の上で泳がされる」だけで、「自分でコントロールしている」という状況からは程遠いのではないでしょうか?
いずれにしても、「ターン始動期の内向」...スキー指導の現場では細心の注意が必要だと思います。
まったく、そのとおりだと思います。
SkiEnthさんご指摘のとおり、体の動きが先にあってはいけないと思います。結果的にできてくるものだと思います。
先ほども書きましたが、レッスン、トレーニングで自分からやってみるのもひとつの方法だと思います。
(01/09/19)
投稿者:雪サブ 9月17日(月)
折角ですから、スキーテクニックについて思ったことを書いてみたいと思います。
>切り替えからターン始動時にできるだけ早く次のターンポジションを作る
>(重心を谷側移す)と、結果的に内向が現れると思います。
ココのところは、私も同じように思います。
スキーの軌道と上体の軌道を考えると、切り替えでスキーの軌道と体が落ちていく軌道がクロスします。
滑らかな重心移動があれば、切り替え直後は上体が内向する場面があると思いまです。
自ら内向するのではなくて、クロスオーバーの結果として内向したポジションが現れてくるんだということになります。
ココからターンが進んでいくと、重心の軌道とスキーの軌道が平行になってくるので正対気味になってきますよね。
さらに仕上げ部分では、また軌道がクロスし始めるので今度は外向気味になる?
こんな風に感じます。
まさにこのようなイメージだと思います。
よってターンの流れは前半からいくと、内向⇒正対⇒外向という流れ?
私は、まさにこのようなイメージです。
ジャー○ルのライヒ選手の特集の連続写真など、まさにこのような感じだと思います。
ターン前半に内向が自然に現れてくるのは、重心移動が滑らかに行われている&雪面の捕えが速いということの結果では無いでしょうか・・・と個人的には思っているのですが・・・。
そう思います。
ほかの要素もたくさんあると思いますので、意見を伺いたいです。
私的には、雪サブさんの書かれたことが最も重要だと思いますので、よろしいかと思います。
あまりほかの要素について考えたことがありませんが・・・
皆様いかがですか?
(01/09/19)
http://www28.tok2.com/home/skidensetu/
投稿者:TOSHI3 9月19日(水)
Prof.YM 先生、SkiEnthさん、ありがとうございます。
>結果的に現れるものを、自分から意識してやってみるのも良いと思います。
その生徒さんが、普段まったく感覚が無いものが、結果を演技してみようとすることで、なにかを感じ取り、どうしてそうなることが重要かを見つける・・逆療法というか、ショック療法というか、そういうやり方もありますね。
しっかり丸くターン弧を描けなかった人たちが、カービング板を履くようになって運動を理解できるようになったということと似てるかな。ちょっと違う?(^ー^;A
ちょっと続けてやってもらおうかと思います。
>ターンの基本に据えるべきは、「コンタクト状態」をどう作っていくか?にあると思います。体の動きが先にあって、
操作するのだ!...という気持ちが強すぎると「雪の上で泳がされる」だけで、「自分でコントロールしている」という
状況からは程遠いのではないでしょうか? (SkiEnth 0001-02)
ここのところがTOK先生のおっしゃる足元(足裏感覚)からということですね。私も最近痛感しています。
ターン始動期の内向は、滑らかで素早い重心移動によって表れるということなんですね。
その為には整備された斜面状況とある程度のスピードが必要になってくるんでしょうね。
ただし、あまりこだわりすぎないよう気をつけたいと思います。
投稿者: 【TOK】 9月22日(土)
皆さんのご意見読ませていただきました。
それぞれ考え方はありますが,私の考えを話させていただきたいと思います。
「内」とか「外」を考える時,それは円運動をしているモノを想定しているはずです。円運動をしている物体にとって「内側」とか「外側」があるわけで,電車のような「箱物」でない限り,直進しているモノには内も外もありません。ですから,ここで言っている「ターン前半での内」というのは始動期における「内」ということになります。以前スキーチャンネルで話題になった「ターン後半」のことではありませんので,まずそのことをハッキリさせておく必要があります。
カービングスキーが出現してから,角付けさえしっかりすればその角付けされた方向にスキーは容易にターンするようになりました。スキートップ部分で雪面の抵抗が捕らえられるので,そこが力点として働き,あしうらの辺が支点になって,スキーのトップがエッジングされた側に入り込んできてターンが開始されるのです。ですから,スキートップ内側の雪面の捕らえの強弱が,ターンに必要なモーメントの大小に大きく関わるようになって来ました。ここのところに,少しでも早く雪面を捕らえようとして,ニュートラルからターン前半にかけて,胸の向きやヒザの向きをターンしようとする方向に向けようとする動きが出てきた理由がある,と考えられます。
ターン前半のことを考えるとき,どうしてもその前のターン後半のことを考える必要があります。一連の動きの中の身体の使われ方なので,これを無視するわけにはいきません。
ここでのテーマは「大回りでの上体の向き」ということですからヒザの動きは置いておくとして,上体は前のターン後半かなり正対に近くなっています。ここで皆さんにひとつ提起したいのは「上体の向きとは“腰の向き”なのか?それとも“みぞおち付近”の向きなのか?」ということです。ほとんどの人はこの区別をせずに「上体の向き」と言っていますが,私はこの二つの向きには大きな違いがあると思います。切れの良いカービングターンをしている人の上体を良く見てみると,「腰は正対に近くなっているが,みぞおち付近は外向きになっている」ということです。実際に立ってやってみると分かりますが,大回りでのターン後半をイメージし,かかとを支点として親指付け根をターンする方向に向けようとすると,みぞおちから上の部分を腰の向きとは反対方向に逆ヒネリの感覚で行なう方がうまくできます。丁度「重心」を中心として「腰」と「みぞおち」が逆方向にネジレル感じです。一方,腰と同じ順方向にみぞおちから上の部分を向けようとすると,軸が寝やすくなると共に,腰が円弧の外側に出やすくなってしまいます。これは,ターン後半でスキートップ内側の雪面の捕らえを意識する「腰の正対作用」が,「みぞおちから上部の逆ヒネリ的反作用」を必要とするからです。つまり切れの良いカービングターンをするには,腰の向きは正対気味にし,みぞおちから上部は外側を向いている方が合理的だと思います。
ターン後半でこのように「みぞおちから上部は外側を向いている方が合理的」…だとすれば,ニュートラルから次のターンの始動期に入って行けば,腰は正対しているものの,みぞおちから上部の胸の向きは「自然に内側を向いてる」ということになります。ですから,みずから意識して「上体の内向き」を作る必要は無い…そう思います。
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