【TOK】のビデオ解説  File0003

Canada スキー No.3

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抜重的動き&流れる動き

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  今回は“Koba”さんの協力を得て,カナダでの上達の模様を探りたいと思います。
  テーマは“抜重的動き”と“流れる動き”です。映像は2パターンの中回りを載せてあります。この内,前半のもの(赤字のテロップ:以降「の滑り」)が“抜重的動き”で,後半のもの(スカイブルーのテロップ:以降「の滑り」)が“流れる動き”です。
  「の滑り」の映像はCanada初日(4/4)に,「の滑り」が最終日の(4/8)に撮影したものです。この間,“キャスター・ターン”や“お習字ターン”,そして“バナナシェープ”についてレッスンを行っております。どちらも約20センチの新雪粗踏み状態の中で撮影したものです。
  ご覧いただいて分かるように,「の滑り」は“重心”の移動軌跡が明らかに上下しておりますが,「の滑り」は滑りがベンディング的になっており,上下はそれほど見られません。“Koba”さんの滑りを初めに拝見した時の特徴は,「小回りでややチェック的な動作が入り,そのため上下動が起こりやすく圧変動が大きくなってしまう。その結果目線の位置が変わるだけでなく,バランスの乱れも出やすくなって,安定した滑りができにくくなる...」というものでした。
  “お習字ターン”と“バナナシェープ”の練習をした後,彼の滑りは「の滑り」のように変わってきました。彼に「ベンディング要素で滑りなさい」というアドバイスは一度もしておりませんが,結果としてその様になっています。圧変化が急激で無い分,滑りが安定してスムーズになりました。これだと「コブ」や「悪雪」でも十分こなせます。雪面コンタクトの量もそれほど大きく変化していませんからスキーの走りも滑らかです。この方が安定性が増すのは歴然としております。その結果滑りが“流れる”ようになっています。
  特にターン前半の部分...「の滑り」は「腰が伸びてしまう」のに対して,「の滑り」は「懐が深い」まま次のターン始動期に入ることが可能になっています。ですから,次のターンのコントロールが楽に,しかも早い時点でできるのも当然です。.「の滑り」では「バナナが真っ直ぐに伸びてしまっている...」けれど,「の滑り」では「バナナが丸まったまま...」ということです。(^ ^)
  また「の滑り」は“習字の筆のイメージ”が感じられませんが,「の滑り」は“筆が雪面に字を書いて行っているようなイメージ”が感じられます。彼のイメージの中に,“お習字ターン”があったのでしょうか?聞いてみたいところですネ? 「“Koba”さん...どうですか?習字イメージ...ありました?...それとも無かった?」
  ところで,ゲレンデではかなり大声で「違う!!!たわけ者!!!」と罵声を浴びせてしまいましたが...これも「教師の愛情」が深ければ...のことでした。お許しを...(^ ^)
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  今回のテーマは“抜重的動き”と“流れる動き”...でしたが,“抜重的動き”だから「悪い」とか「下手」,“流れる動き”だから「良い」とか「上手」...だということではありません。技術的能力が有るか無いか?の差はありますが,“抜重的動き”だからといって,この技術がやくに立たない訳ではなく,この方が基本的だと言うことができます。ですから先ず“抜重的動き”を学ばれ,その後に“流れる動き”をされるようにすると良いでしょう。

July 7 '05 

 

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